経営理念を浸透させようとすると失敗する。必要なのは、「生きた状態」にすること

経営理念の対象となるモノを捉える
経営理念は、大きく3つに分類できる
会社が目指す方向やビジョンといっても、その対象や指し示し方は企業によって異なります。経営理念の読み解き方のポイントとして、下記のように分類をして考えています。1)社会(市場)に対してのビジョンや存在意義を指し示したもの 2)会社の目的やなりたい姿を指し示したもの 3)組織に対してのビジョンや価値観を指し示したもの
1) 社会(市場)に対してのビジョンを指し示したもの
世の中や市場に対してどのような価値提供を行っていくのか、そして社会的貢献をしていくかを指し示しているものになります。ソフトバンクグループ
『情報革命で人々を幸せに』 引用:https://www.softbank.jp/corp/aboutus/philosophy/ナイキ
『世界中すべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす』 引用:https://nikeats.avature.net/careerJP/AboutUs 上記は2社は誰もが知る企業です。経営理念の中には、対象となる市場と、どのような価値を提供するかがしっかりと記されています。 このような経営理念には、事業領域がある程度定められているパターンが多いのが特徴です。そして価値提供においてもセットで明示されているため、「わかりやすさ」と「その企業らしさ」がでるのが特徴です。 ナイキは社名を伏せてもほとんどの人がどの企業か当てられるのではないでしょうか。それぐらいブランドイメージとシンクロする形まで経営理念を昇華している代表例だといえます。2) 会社の目的やなりたい姿を指し示したもの
経営を通じて会社のあり方や、将来的に目指していく姿を指し示したものになります。サイバーエージェント
21世紀を代表する会社を創る 引用:https://www.cyberagent.co.jp/corporate/vision/Amazon
地球上で最もお客様を大切にする企業であること 引用:https://www.amazon.jobs/jp/working/working-amazon 経営理念から事業や価値提供などの具体的なものは見えづらいですが、会社としての「確固たるあり方」や「将来像」が明確にされています。 2つの例どちらも、会社の成長(未来)にフォーカスをしており、成長企業によく見られる経営理念です。実際に、ビジョン浸透を土台として企業を成長させているところが多いのではないでしょうか。3)組織に対してのビジョンや価値観を指し示したもの
目指す組織のあり方において、「社員」に対しての想いやビジョンを示し、会社経営を通じて従業員の成長やカルチャー形成に着眼をしているものです。社是に近い表現の企業も多いですが組織の価値観にフォーカスしていることが多いです。ZOZO
いい人をつくる 引用:https://corp.zozo.com/about/philosophy/面白法人カヤック
つくる人を増やす 引用:https://www.kayac.com/vision/vision このパターンの場合、事業上の強みや差別化のポイントを「人」に置いている企業が多いように思います。土台となる組織の価値観や文化の形成に力を入れており、採用でも定着でも、カルチャーマッチングを重視する傾向が高くなっています。 やや抽象的な表現の場合にならざるを得ない(逆に余白や遊びを持たせている)ことも多いため、価値観をブレイクダウンする形で定義しているケースも多く存在します。 多くの企業の経営理念をみてみると、おおよそはこの3パターンに分類されます。中にはそれぞれの要素を織り込んだハイブリッド型の経営理念も存在しますが、分解するとこの3つの分類のどこかにわけることができるでしょう。
経営理念の生い立ちを知る
込められた意味や背景を知ることで、意識が変わる
経営理念には必ず誕生した背景があります。設立と同時期に作成した会社もあれば、会社が成長をしていく過程で作られた会社もあると思います。コンサルティングの中では作られた時の生い立ちを知ることを可能な限り実施しています。 とある老舗企業の例です。先代から引き継いだ社長と、経営理念の刷新をされた際にご縁がありご一緒させていただいたことがあります。 新しい経営理念にアップデートされた際、全従業員に対し『なぜ経営理念を変えるのか?新しい経営理念は今までと何が違うのか?これから目指す方向はどこなのか?……』など、とても丁寧に一つひとつを説明されていました。 今までは、すでにある経営理念の言葉を表面的にとらえているだけでした。経営理念が誕生する(切り替わる)瞬間にご一緒させていただいたことで、私自身、その背景やストーリー、その後の会社や人の変化などに自然と意識が向くようになったのです。 その経験から、可能な限り「経営理念の生い立ち」をお客様にはお伺いするようにしています。特に生まれた背景については、なるべくその当時の状況を含めて詳しく伺い、考察するようにしています。社内制度の運用は、常に経営理念から紐付いて考える
経営理念に基づいた改善の提案や支援がエンゲージメント向上には必要
エンゲージメント経営という側面では、経営理念は切っても切れない関係です。社内制度はもちろんのこと、運用改善やTUNAG上で表現する言葉一つをとっても、経営理念を頭に入れた状態で作ることを軸としています。 そのため、上記のように経営理念を背景から捉え、経営者の想いを含めて理解することを重視しています。 業務上で使う社内SNSツールであれば、情報共有やコミュニケーションができれば良いため、特に経営理念を意識する必要はありません。瞬間風速的に盛り上げる方法もたくさんあります。 しかし、エンゲージメント経営を実践するTUNAGでは、この軸(経営理念に基づく方向性)をブラしてしまうと運用が上手くいきません。経営理念を常に大上段に置きながら、社内制度の運用と改善をして企業支援を考えています。この部分がTUNAGの強みにも繋がっています。「一貫性」が経営理念の浸透のポイント
社内施策の一つひとつを線でつなげるために
ここでやっと本題にたどり着きます。経営理念の浸透をさせたい場合にやるべきことは一貫性を持たせたストーリーづくりです。ポイントは『一貫性』です。 我々が経営理念の捉え方を大切にするのも、経営理念の生い立ちから理解しようとするのも、すべては運用に一貫性を持たせたいからです。「経営理念を考えるきっかけ」を提供した事例
弊社のコンサルタントが、見事にこの一貫性をもったストーリーを社内制度の運用において体現した事例があります。 店舗展開を行うある企業様に対して、新入社員向けの社内制度の提案を行う機会がありました。その企業の経営理念は、自社の将来のビジョンを掲げたもの。 社長様が1店舗から急拡大をした成長企業で、立ち上げ期にはその将来のビジョンを達成するために、全国の競合となる店舗視察を繰り返し行い、必死に会社を成長させてきた背景がありました。 そのような背景の中誕生し、育てられた経営理念を知っていたコンサルタントは、そのストーリーごとまるまる、社内制度にして提案したのです。 結果として、その社内制度は利用されること以上に『経営理念を考えるきっかけ』を従業員に提供することにつながりました。(もしご興味があれば、お気軽にお問い合わせください)一貫性を持つことで経営理念は「生きた状態」になる
経営理念の浸透は多くの組織が持つ課題です。しかしながら、浸透させようと思って浸透させられるほど簡単なものではありません。 この課題に対しての我々の答えは、"一貫性をもち経営理念を生きたものにする"ことです。仕組みやフレームも大事ですが、一貫性がなければそれらは何の効果も発揮しません。 あらゆる社内制度に一貫性を持たせることで、経営理念を意識したり、考えたり、体現したり、日常の業務と紐づけたりする状態が組織の中に生まれます。 この状態こそが『経営理念が生きた状態』なのです。経営理念が浸透している状態とは、日常的にこの『生きた状態』が随所に見られることではないでしょうか。▼『TUNAG』について 『TUNAG』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。 会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。

シェア
ツイート


資料も無料デモもお気軽にお試しください。

3分でわかる! TUNAGサービス資料

実際の画面を見ながら 操作感をご確認

利用人数や活用方法に合わせて 最適なプランをご案内