社内ポータル・リニューアルの要件定義、RFP作成を考える

社内ポータルをリニューアルすべきタイミング・時期
社内ポータルサイトをリニューアルすべきタイミングや時期は、そのサイトに持たせる目的そのものから見直して、最適化を図りたい時です。社内ポータルサイトの目的自体が変わるため、その目的を果たすためには大きなリニューアルが必要かもしれません。
また社内ポータルサイトを設けている目的と、社内ポータルサイトの構造・仕組みにズレが生じた時も、リニューアルのタイミングといえます。たとえば「社内情報を一元管理すること」が目的であったにもかかわらず、社内情報が散在してしまっている場合は、リニューアルを検討すべきでしょう。
社内ポータルサイト・リニューアルの要件定義
社内ポータルサイトに限らず、Webサイトなどのリニューアルを成功させるためには、要件定義が不可欠です。ここからは要件定義の概要、その進め方について解説します。
要件定義とは、Webサイトの仕様や条件を決定する工程のこと
要件定義とは、開発工程の前に、開発者視点の要求や条件を言語化し、Webサイトの具体的な仕様や進め方を決めることです。社内ポータルサイトのリニューアル前に、目的や納期、希望する機能や性能などの詳細まで明確にすることで、発注者側と制作者側の認識の統一を図ります。
要件定義が曖昧だったり不十分だったりすると、開発工程に進んでから、スケジュールの組み直し作業や手戻りが発生しやすくなります。望んでいたリニューアルを実現できない可能性も高まるでしょう。こうしたリスクを回避するためにも、要件定義は重要な役割を担っています。
要件定義の流れ・進め方
要件定義は、以下の流れで進めていきます。
・課題の整理
・仮説の立案
・合意形成
・要件定義書の作成
1.課題の整理・目的の明確化
まずは課題を整理することから始めます。そのためには、既存サイトの現状を把握することが重要です。データ分析が見えてくる定量的な課題だけでなく、アンケートやヒアリングによる定性的な課題も、この段階でまとめておくと良いでしょう。
課題を洗い出したら、カテゴリ別に分類し、優先順位を付けていきます。そうすることで、限られた期間と予算内で、目的に沿ったリニューアルを実現しやすくなります。
2.方向性の決定
次に課題をクリアするための方向性を決めていきます。カテゴライズした課題をもとに、リニューアルする目的や実施する施策案を検討しましょう。たとえば、社内ポータルサイトをリニューアルする目的を「社内情報を一元管理でき、社内コミュニケーションを促すことによって、社内業務の効率化を図ること」とした場合、以下のような項目が、施策の方針として挙げられます。
・UI/UXの改善
・従業員間の接点の増加
・コミュニケーションの場の構築 など
そして、これらの施策の方針を達成するために、効果的な施策を立てていきます。その際、スケジュールや予算などの関係から、すべてを施策を実行できない場合も考えられます。緊急度・重要度・難易度によって、施策にも優先順位を付けておくと良いでしょう。
3.合意形成
続いて、合意形成に移ります。合意形成とは、互いが定義した要件に納得し、共通認識が取れている状態のことです。この合意形成が十分に行われていないと、開発工程に進んでから、再度スケジュールを組み直さなければならない事態が発生します。
リニューアルに関わる各メンバーが、当事者意識を持って、会議に参加したり意見を述べたりすることが重要です。また、リニューアルに直接関係するメンバーのみならず、関連する部署までをも巻き込むことによって、一度確定したはずの要件定義書を見直すリスクを減らせます。
4.要件定義書の作成
最後に、要件定義を文書化した要件定義書を作成していきます。主な内容は、リニューアルする目的や条件、期限、方針、施策などです。
その後の開発工程にて疑問が生じた際に、立ち返る場所として文書にまとめていきます。
参考:社内ポータルサイトとは?実事例、比較、作り方等を徹底解説
社内ポータルサイト・リニューアルのRFP(提案依頼書)
社内ポータルサイトに限らず、Webサイトなどのリニューアルを成功させるためには、RFP(提案依頼書)を作成します。
ここからは、RFPの概要、要件定義書とRFPの違いについて解説します。
RFPとは、発注者側が制作者側に提出する提案依頼書のこと
RFPとは「Request For Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と訳されます。社内ポータルサイトをリニューアルをする際に、発注者側が制作者側に提出する提案依頼書のことです。
これにより、発注後のトラブルを回避できます。また、制作者側からの質の高い提案を期待できるでしょう。
リニューアルにおける要件定義書とRFPの違い
要件定義書とRFPとでは、行う作業や書く内容は、基本的には同じです。しかし厳密には、それぞれの書く目的が異なっています。
・要件定義書の目的:開発の要求や条件を業務の観点から定義すること
・RFPの目的:希望するシステムをベンダー(制作会社)に提示し、ベンダーからの提案内容や見積もりを通して、最適なベンダーを選定すること
一般的に、要件定義書は設計の基盤となる情報のため、RFPよりも詳細な内容になります。その反面、RFPでは詳細性よりも網羅性が重視されます。
社内報のリニューアルの視点から考える
社内報をリニューアルするならどのような要件があるかを洗い出しておくと、社内ポータルのリニューアル時に要件に組み込むことが可能です。ここからは、紙の社内報をWeb社内報に切り替えることによる変化について解説します。
1.コンテンツの効果測定が可能
当然ですが、紙の社内報では、コンテンツに関する正確なデータ収集はできません。しかし、Web社内報にすることで、「どれほど読まれているか」などのデータ解析が可能となります。 Web社内報では、たとえば以下のような数値が測定可能です。
・PV数(閲覧数)
・UU数(閲覧者数)
・アンケート回答率 など
社内ポータルのリニューアル時には、社内報に関するデータを活用するという視点が欠かせないでしょう。
2.コンテンツの幅が広がる
紙の社内報ではA4何枚などの紙面上の制限が発生しますが、Web社内報ではボリュームの制限を受けることがありません。そのため、必要に応じて自由に社内報を作成することができます。
さらに、掲載できるコンテンツの幅も広がります。紙媒体では共有できなかった音声や動画コンテンツを掲載することや、SNSと連携することまで可能です。Web社内報にすることで、コンテンツの提供方法にこだわることができます。
3.社内の情報共有が容易になる
紙の社内報では印刷する必要がありますが、Web社内報では完成したらすぐに従業員に共有できます。タイムリーな情報共有も可能でしょう。コストを削減できるだけでなく、手元に届くまでのタイムラグも発生しません。
また情報の加筆修正が発生した際にも、すぐに対応可能です。過去の社内報や記事など、必要な情報に関する検索性も上がるでしょう。
参考:エンタープライズサーチの比較、要件定義を考える
外部の協力会社へ、提案を依頼する
自社にリニューアルの開発や制作などのリソースがあれば問題ありませんが、もし難しい場合は外部の会社に協力を仰ぐのが最適です。以下は、提案を依頼する会社の例です。
・広報/広告業務の代理店
・ITコンサル会社
・Webデザイン・制作会社
・ツールの開発/販売会社
外注先の属性によって、費用相場や強みが変わる可能性があります。自社の状況に応じて、各社へ提案を依頼、見積もりを取得することで、各社の特徴が明確になるでしょう。
1.広報/広告業務の代理店
広報・広告業務の代理店は、企業の宣伝活動を請け負う企業のことです。対応できる範囲が広いため、テレビCMから紙の広告まで媒体を問わずに、総合的なコミュニケーション、クリエイティブのプランニング、ディレクションを依頼できます。
ただし、コンテンツの制作や、ツール利用等は下請け会社に外注することがあり、仲介手数料が発生し、合計費用が高額になる可能性があります。
2.ITコンサル会社
ITコンサル会社は、ITで経営課題を解決してくれる企業のことです。自社が抱える経営課題の解決を目的として、改善や指導などを提案してくれ、その一環としてWeb制作やリニューアルを請け負う企業も中にはあります。
IT技術に対する理解度は広告代理店より高いことが想定されますが、代理店と同様で、外部の下請け会社へ外注している場合は、仲介手数料分の費用がかかります。
3.Webデザイン・制作会社
Webデザイン・制作会社は、WebデザインやWebサイトの制作を請け負う企業のことです。代理店を挟まずに直接取引することで、スムーズに開発に関わるコミュニケーションが取れるでしょう。
プロジェクトによりますが、制作〜公開までを契約期間とすると、Web制作会社は納品、検収完了をゴールとして作業をします。納品後の社内ポータル運用における目標KPIの達成や、改善の視点が抜ける可能性がありますので、発注側としては、運用を見据えた設計の依頼、プロジェクトへの巻き込みが必要となります。また、俯瞰的な企業のコミュニケーション設計に携わる機会が少ないため、発注側企業としての全体最適を同じ視点で考えていけるパートナーとなれるかが、課題になります。
4.ツールの開発/販売会社
社内ポータルの構築に関わるツールの開発・販売会社もあります。代理店を挟まずに、発注できるので、もっとも費用を抑えた発注形式かもしれません。
ただし、販売するツールの仕様上対応できないこと等の制限があるので、提案書や要件定義時に、プロジェクトの元々の目的を達成できるか、入念な認識の擦り合わせが必要になります。
より活用される社内ポータルサイトへリニューアル
まずは、要件定義書かRFPを作成しよう
社内ポータルサイトのリニューアルするなら、要件定義書もしくはRFP(提案依頼書)を作成することを推奨します。発注企業と、外部の受託開発企業との間で起きるトラブルの多くは、RFPを発注側が整理しなかったり、要件定義書の作成、理解が不十分であるため、認識の違いがあるままプロジェクトが進むことで発生します。
この作業によって、発注者側と制作者側との共通認識ができ、期待値の擦り合わせができます。また、要件定義書やRFPを作成する際には、社内ポータルが抱える課題やリニューアルする目的を明確にし、施策に優先順位を付けることが重要です。
社内ポータルサイトなら『TUNAG』
『TUNAG』(ツナグ)は、社内ポータル・SNSとして利用できるプラットフォームです。スマホアプリやPCから利用できます。社内コミュニケーションの活性化・情報共有・業務効率化などを目的に、多くの企業に活用されています。実際に2023年3月時点で、導入企業数は500社以上となっています。業務申請やSNS、チャット、社内報などとしても利用でき、幅広い機能を搭載しながらも、自社文化に合わせた施策の運用も可能です。社内ポータルサイトのリニューアルを検討中の方は、ぜひTUNAGのサービス資料をご覧ください。
シェア
ツイート


資料も無料デモもお気軽にお試しください。

3分でわかる! TUNAGサービス資料

実際の画面を見ながら 操作感をご確認

利用人数や活用方法に合わせて 最適なプランをご案内