「コツコツ頑張る人をきちんと称賛」拠点の多い倉庫業で全社員への発信手段を整えた、葵企業のデジタル化事例
冷凍食品の入庫・出庫を行い、食品物流の要を担う葵企業株式会社様。東京を中心に、約30拠点の営業所を展開しています。同社では、若手社員の離職率が高いことや、経営層からの発信が現場までリアルタイムで届かないことに課題を感じ、TUNAG(ツナグ)を導入しました。
従業員の頑張りの称賛、ペーパーレス化、事故防止、コミュニケーション活性化など、TUNAGを活用した取り組みについて、代表取締役の茅根様、取締役の西口様にお伺いしました。
若手社員の離職や、現場への情報共有が課題だった
従業員同士の交流機会が減少し、若手社員の離職が続いていた
※葵企業株式会社 代表取締役:茅根様
〜導入前に感じていた課題について教えてください〜
茅根:ここ5、6年で離職率が高くなったことが最も大きな課題です。
西口:特に、入社5年未満の若い社員が離職してしまう状況が続いていて、今後どうすれば定着するのか悩んでいました。
弊社は倉庫業の会社なので、拠点が多々あります。コロナ禍も相まって、本社と現場や、現場同士の集まりも少なくなり、従業員が集まる機会をなかなか作れなかったことも、離職率増加の大きな要因になっていたと思います。
本社からの情報共有が所長次第、現場の従業員まで届かないことも
〜TUNAG導入前、社内への情報共有はどのように行なっていましたか?〜
西口:TUNAG導入以前は、別のグループウェアを使って、何かあった時に本社から各拠点の所長にメールを送っていました。
しかし、所長によって、部下に情報を伝えるということに温度差があり、現場の従業員まで情報を伝えられている拠点もあれば、話が伝わっていない拠点もありました。
DX推進の中で、多目的に活用できるTUNAGを知って導入
ペーパーレス化や、全従業員への発信ができるデジタルの仕組みを探していた
〜TUNAGを導入したきっかけについて教えてください〜
西口:以前から、現場でコツコツ頑張っている従業員を称え合う「スマイルリポート」という取り組みを紙で行なっていました。
ただ、相当な枚数の紙を使っていましたし、提出されたものを各拠点へ送っていたのですが、紙を貼る場所がなく、せっかくの発信を見てもらえないのも問題でした。
そこで、全従業員に発信を届けられるデジタルの仕組みを探していました。色々調べていくうちに、TUNAGにたどり着いたという感じですね。
※葵企業株式会社 営業本部 取締役:西口様
「やりたいこと」に応じてカスタマイズできると思い、導入を決めた
〜デジタルの仕組みとして、TUNAGを選んだ決め手は何だったのでしょうか?〜
西口:TUNAGを他社ツールと比べた時に、「自社に合わせてカスタムできる」という点で、我々がやりたいことを実現できるかなと思いました。
他社ツールも、特定の課題については十分に効果を発揮すると思います。一方、TUNAGは利用目的や現場の課題に応じてカスタマイズできるので、弊社の多種多様な現場に対して、様々なコンテンツを運用していけるのではないかと思い、TUNAGの導入を決めました。
頑張りを漏れなく称賛し、拠点を超えて繋がるための取り組み
コツコツ頑張る従業員をきちんと称賛、MVP表彰の選考にも活用
〜紙からTUNAGに移行した「スマイルリポート」について教えてください〜
西口:なかなか褒められることが少ない仕事ではあるんですが、当たり前のことを当たり前に、コツコツ頑張るというのは本当に称賛に値することだと思うんです。それを漏らさずに社内で共有して、褒め合っていきたいと思い、スマイルリポートをやっています。
また、従業員から提出してもらったスマイルリポートのうち、特に素晴らしいと思う取り組みを本社の役員や営業部で選考して、「MVP表彰」としてTUNAG上で発表しています。
経営陣の考えや人となりを発信、各拠点の紹介リレーも
〜経営層からの発信に関して、どのようにTUNAGを活用されていますか?〜
西口:社長にはトップメッセージという形で、新年度の挨拶という意味で発信をしてもらっています。
また、最近「役員コラム」も始めました。若手の社員は役員のことをよく知らないと思うので、まずは役員の過去の経歴や自己紹介を発信しています。役員という立場での自分の想いや、会社をどうしていきたいかという想いを、従業員の皆さんに熱く語っていけたら良いなと思っています。
〜現場同士のコミュニケーションでは、TUNAGをどのように活用されていますか?〜
西口:「部署紹介リレー」といって、営業所の所長がリレー形式で週に一度自分の拠点紹介をする取り組みを実施しています。自分の現場で扱っている商品や、営業所の周りの風景を写真で撮影して、共有してもらっています。
弊社は拠点数も多く、拠点によって扱っている商品も違うので、「ここではこんな仕事をしてるのか」「こんな仲間がいるんだな」と、拠点ごとの仕事内容やメンバーの特徴を知れる情報を共有できていると思います。
また、「葵アルバム」も運用しています。歓迎会や送別会など、従業員の皆さんが楽しんでいる風景を撮影して、部署の特徴やメンバーの人となりをTUNAGで発信しています。数年後に投稿した写真を見て、「だいぶ変わったなぁ」「あの頃はこうだったね」と話が持ち上がったら嬉しいですね。
業務中の事故防止や、営業所内での業務連絡もTUNAGで
〜仕事中の事故を防ぐための取り組みは何かされていますか?〜
西口:再発防止の取り組みとして、週に一度、過去の事故を全員に周知しています。今働いている従業員も「今日の作業で気をつけよう」と思えるので、すごく重要な取り組みだと思いますね。
また、無事故記録を毎日発信しています。これを見ることで気が引き締まりますし、今日気をつけて欲しいことや私が伝えたいことを一言載せて発信しています。
〜他にも業務関連でTUNAGを利用していますか?〜
西口:各営業所専用の場所があって、誰かが休む、遅刻するとかを共有したり、あとはその日の出荷量・入荷量とか、業務に携わることを共有していますね。
面識がなくても人柄が分かる、ペーパーレス化にも効果を実感
従業員の笑顔や人となりが見えるようになった
〜TUNAGによって得られた良い効果について教えてください〜
茅根:TUNAGを見ていると、従業員の笑顔があちこちにあったり、「この人はこういう部分があるんだな」「こういうものが好きなんだな」と人となりを感じることができて、面識がない人でも実際に会ってみたくなりますね。
TUNAGをきっかけに、従業員同士の新たなコミュニケーションが生まれて、会社をさらに良くすることにつながると期待しています。
月間1,000枚の紙を削減、ペーパーレス化を実現
〜業務に関することで、感じている効果はありますか?〜
西口:ペーパーレス化ですね。紙での通達がTUNAGでの配信に変わり、スマホで見るだけでよくなったので、スマイルリポートだけでも月にA3用紙1,000枚近くを使わないで済むようになりました。
印刷費も人件費もかかっていたので、コストは相当削減できていますね。
TUNAGを形骸化させない、より使ってもらうための運用
現場を巻き込むTUNAGの運用体制
〜TUNAGの運用体制について教えてください〜
西口:役員や、人事、営業のほか、弊社は取引先ごとにグループがあるのですが、各グループを統括している中間管理職を加えて、合計10人でTUNAGを運用しています。
現場を統括する中間管理職のメンバーにも運用に入ってもらうことで、より現場にTUNAGを浸透させやすくなると考え、この体制にしています。
〜TUNAGの運用で苦労したことはありますか?〜
西口:休みの日がバラバラなので、定例会議で全員が集まることがありません。そのため、なかなか意見がまとまらず苦労することもあります。
カスタマーサクセスの担当の方から「運用メンバーに事前に相談事項を周知して、皆さんの考えを集めてから会議をすると効率的に話が進むかもしれません」とアドバイスをもらったので、今後試していきたいと思っています。
従業員は自分のスマホでTUNAGを閲覧、福利厚生クーポンも利用されている
〜従業員の皆様は、TUNAGをどのような端末で利用されていますか?〜
西口:所長は各現場のパソコンでTUNAGを見ています。それ以外の従業員は、自分のスマホを使って見ていますね。
若い従業員は、TUNAGベネフィット(※)のカラオケや映画のクーポンをよく利用していますね。私も映画は好きなので、今度使おうかなと思っています。抽選に当たるかもしれないというのも、面白いですよね。
まだTUNAGベネフィットを使ったことがない従業員も多いので、使って良かったクーポンをTUNAGで共有することで、周知していければと考えています。
(※)TUNAGベネフィットは、TUNAGが提供する福利厚生サービスです。フィットネス、グルメ、レジャーなど、各種サービスの割引やクーポンを、パート・アルバイトの方も含めてご利用いただけます。
他社事例や他社との交流も、自社の運用に活かす
〜弊社で開催している交流会に参加してみて、御社のTUNAG運用に活かしている取り組みは何かありますか?〜
西口:他社の事例で良いなと思ったのが、会社の特徴を川柳で投稿するという取り組みです。弊社も「あるある川柳」を募集したところ、かなり面白い川柳が出てきて、従業員からも好評でした。特殊といえば特殊な仕事なので、「笑いあり、厳しさもあり」みたいな川柳に共感した人が多かったようです。
以前交流会で出会った企業さんから、「一歩ずつ地道に継続することが大事」と教えていただいてとても共感したので、我々もそういった思いで運営チームを中心にTUNAGを活用していきたいですね。
TUNAGをきっかけに、100年企業に向けた人材育成を
2024年問題に向けて、クオリティの高い仕事をしていきたい
〜物流・運送業界の2024年問題が話題になっていますが、会社として取り組んでいきたいことはありますか?〜
西口:ドライバーさんの待機時間を減らすためにどうするかは、やっぱり倉庫側が考える必要があると思うんですよね。我々も「限られた時間の中でどれだけ良い仕事ができるか」にこだわっていますし、この部分が同業他社と差別化できるポイントにもなると思っています。
ドライバーさんの待機時間を減らし、スムーズな配送に貢献できるように、今後もクオリティの高い仕事を続けて、2024年問題と向き合っていきたいですね。
「助け合える関係」をTUNAGでさらに強化していく
〜今後の展望を教えてください〜
西口:昔から弊社は、従業員同士が助け合える関係に支えられています。
今後は従業員の皆さんに、楽しいことや辛いことなど、どんどんTUNAGに共有してもらいたいです。共感し合えるようなスタンプもTUNAG上で作っているので、従業員同士で感情を共有して欲しいです。そして、弊社の強みである「助け合える関係」をさらに強化していきたいですね。
〜今後、御社をどのような組織にしていきたいですか?〜
茅根:嬉しいことに、弊社は来年60周年を迎えます。そして、今後は100年企業を目指そうと思ってます。TUNAGをきっかけに、100年企業に向けての人材育成につなげていきたいです。
弊社は人材が全てです。人材さえいれば、世の中はどうあれ、100年続く会社を実現できると考えています。
社会の中で置かれる立場としても、弊社の従業員はエッセンシャルワーカーの一員です。TUNAGを通じて「社会に貢献しているんだ」ということを改めて感じて、100年続く会社に向かって皆で歩んでいこう。これが今の私の強い思いです。
〜茅根様、西口様、お話しいただきありがとうございました!〜