POINT
- 課題:経営と現場の距離が広がり、店舗同士の繋がりが希薄化
- 課題:私用ツールでは、プライベートと仕事の境目が曖昧だった
- 運用:日々の連絡、申請承認DX化、カジュアルなやり取り
- 運用:店舗日報やベスト日報、社内通貨を運用
- 効果:DX化により情報伝達のスピードが向上、良い動きの横展開も
- 効果:経営から店舗が見やすくなり、店舗同士の距離が縮まって一体感が醸成
愛知県内に居酒屋や焼肉店を10店舗展開する有限会社どてや様は、お客様や従業員にとっての「このお店に来てよかった」「ここで働いてよかった」という2つの想いを大切にしながら事業を展開。「社員が生き生きと働くことができなければ、お客様に喜びを与えることはできない」という信条のもと、社員の幸せがお客様の幸せに繋がると信じ、さまざまな取り組みを実施しています。
組織づくりやTUNAGの活用方法について、代表取締役の伊藤勝彦様、伊藤さかゑ様、執行役員の三隅健司様、和牛の里 大府店 店長の小室友様にお話を伺いました。
導入前に課題に感じていたこと
店舗拡大で経営と現場の距離が広がり、店舗同士の繋がりが希薄化

※お写真左側:代表取締役 伊藤勝彦様、右側:伊藤さかゑ様
伊藤(勝):設立して17年、愛知県刈谷市を拠点に店舗を展開してきました。アルバイト・パートの方を含めて200名ぐらいで、外国籍の方もいます。はじめは居酒屋だけでしたが、「何か他のこともできるんじゃないか」「ちょっとやってみようか」とチャレンジを繰り返す中で少しずつ会社が大きくなってきました。
〜そうした中で、どういった課題を感じるようになったのでしょうか〜
伊藤(さ):昔は直接現場に行って一緒に仕事をしていたんですけど、店舗も増えてだんだん行けなくなって。誰がアルバイトでどんな仕事をしているのかもわからなくなっていきました。
三隅:どうしても会社との距離が広がり、昔感じていた距離感ではないというか。それまでは顔を合わせることができていた社員とかアルバイト、パートさんとなかなか会えなくなってしまって。距離や人数の問題で、それまでのやり方ではコミュニケーションが難しいと感じていました。
私用のチャットツールでは、プライベートと仕事の境目が曖昧だった
三隅:TUNAGを導入する以前は社内のコミュニケーションや連絡にプライベートで使うチャットツールを使っていたので、仕事が休みの時もチャットグループで連絡が入ってしまって、プライベートと仕事の境目が曖昧でした。ここをなんとか分けていくために、プライベートはプライベートで、それぞれの時間を大事にできるようなツールがないかなと探していました。

※執行役員 三隅様
TUNAGを導入した背景
パートやアルバイトも含め、組織としての一体感を持って働きたかった
三隅:なんというか、「社員だけで進んでいるけど、パートやアルバイトの人は付いて来られているのかな」「情報はちゃんと伝わっているのかな」という感覚があって。一体感やエンゲージメントが下がっていっているというか。距離が離れて会うことができなくなっても、「どてや」として今まで以上にエンゲージメントを高めていけないかと思ったときに、TUNAGを知りました。
TUNAGはエンゲージメントを大事にするということが大きく書いてあって、運営会社であるスタメンさん自体も、エンゲージメントを大切にした組織づくりをしていて。色々話を聞いて、正直最初は色々なことができるツールという漠然としたイメージしか持てなかったのですが、逆に色々な問題点に合わせて手が打てるということで、これだったら今抱えているいろんな問題点が解消できるかもしれないなと思いました。
TUNAGの活用内容
日々の連絡や伝達、申請承認のDX化、カジュアルなやり取りに活用
三隅:TUNAGは日々の連絡ツールとしてチャットを使っているのと、全ての人への情報伝達のツールですね。他には業務以外で、「休みのときにこういうことをしたよ」「家族にこういうことがあったよ」とか、社内のSNSとしてカジュアルな情報も共有しています。
小室:スタッフの誕生日や卒業など、お祝い事は写真とか動画を撮ってTUNAGに投稿しています。他の店舗の人からも「おめでとう!」と連絡がきたり、店舗にプレゼントが配送されたりとか、いい連鎖が出ていますね。
あと、以前は販促企画書も紙で書いて各店舗に配送していたのですが、すごく時間がかかったり、「あの店長が休みだから一日遅れてしまう」みたいな、スピード感が劣っているなというところはありました。現在は、TUNAGの中で販促企画書をフォーマット化して運用しています。
店舗日報で現場を可視化、良い投稿はピックアップして社内通貨を付与
伊藤(勝):私が確実に見ているのが、日々の日報ですね。店舗のアルバイトさんや社員が上げるんですけども、各店舗の様子とか、今こんなことをやっているんだなということを見ています。
小室:「情熱日報」といって、10店舗それぞれで毎日欠かさず誰かしらが書いて、次の日のシフトに入っている人を指名するという形で回しています。その日その店舗で起こったこととか、「お客様からこんな声をいただいた」「とても忙しかった」「常連様が来てくださった」とか、営業風景はもちろん感じたことや意識したことも細かく知れるすごく良い制度です。
また、その中から一週間単位で「ベスト日報」を選び、お店の業務内容、空気とか大事にしていること、プライベートや雑談も交えながらインタビューをして、「ベスト日報インタビュー」という形でTUNAGに投稿しています。選ばれた人はやっぱりすごく嬉しいみたいで、一緒に喜んで共感できたりとか。選ばれた人の日報を改めて見るという流れもできています。
「Dコイン制度」という社内通貨制度もあります。もともとは月に一番売上を上げた店舗がみんなで食事会をする「優秀店舗制度」をやっていたのですが、コロナ禍でなかなか集まれなくなってしまって。何か違う形で従業員を労りたいと思い、「どてやコイン」で略して「Dコイン制度」を始めました。TUNAGに投稿したり「ベスト日報」に選ばれるとコインが貯まる仕組みで、貯まったコインは毎月のお給料と一緒に振り込まれるという形で還元しています。

※和牛の里 大府店 店長 小室様
既読が10名から150名に:有志のメンバーと少しずつ浸透させた
〜TUNAGを社内で浸透させるにあたり、工夫した点などはありますか?〜
三隅:TUNAGを導入したばかりのときは、200人登録してても見てくれる人は10人とか少なくて。ただ、活用を一緒に考えてくれる社員とか、「会社がTUNAGというツールを入れてくれたから使ってみよう、きっと良いものなんだ」と信じてくれるスタッフが数人いたので、有志の集まりのような形で相談していました。有志の人たちは、どういうものだったら面白いと思うか他の人にも聞いてくれて、話し合っては担当者の方に相談して、アドバイスをもらって、手探りで色々なことをやってみました。
小室:「仕事の話ばかり最初に入れてもつまらないよね」という話になって、まずは人気のSNSと似たような、仕事以外のことも投稿できるコンテンツを取り入れたり。ただ、プライベートの投稿をするのがメインの目的ではないので、店舗でどういうことをしているのか、どういうことが起こったのか、実体験とかを店舗から共有できる制度も作ったりしました。
三隅:その後、有志で集まっていた人の中からプロジェクトメンバーを選んで、今は4人でやっています。投稿を多くしていく、スタンプなどで反応する、日々の仕事内容や感じたことを上げていく。そのようにやっていくと、既読が100人、150人と付くようになり、TUNAGというものが社員にとって当たり前のツールになってきたのかなと思います。
小室:あるとき、退勤してからみんなソファーに座ってずっとスマホを見てて、「何してるの?」と聞いたら、みんなでTUNAGをチェックしていると。やはり生活の一部じゃないですけど、TUNAGが日々のルーティンになって生活の一部のような形で楽しんでもらっているなというのはすごくいい現状です。
TUNAGの効果について
経営から店舗全体の様子が見やすくなった
伊藤(さ):日報を見るようになってから、全部ではないですけど、各店舗が「こんなふうに営業しているんだ」「こんなトラブルがあったんだ」ということがわかるようになりましたね。
伊藤(勝):問題があったときに、それをどうやって改善するのかというところも分かる。人数が増えてくると2,3ヶ月に1回しか対面で会えない人たちもいる中で、100%とは言わないけど情報や想いがかなり見えるようになってきて、TUNAGを使ってよかったなと思います。
DX化によりスピード感が上がり、良い動きが横展開される相乗効果も
三隅:連絡ツールとしては、社内の全ての従業員に一定のスピードで一斉に情報が伝わるようになったのが良いところですね。店長からアルバイトさんやパートさんに伝言ゲームの状態だったのが、タイムラインに投稿することで全ての人に一斉に情報を発信できるようになりました。
小室:販促企画書などは、距離が離れていても承認や情報共有ができるようになり一気に問題が解消されました。スピード感が上がったので仕事の効率にもすごく繋がっています。最初は「紙の方がやりやすいんじゃないか」という意見もありましたが、今となっては「紙に戻すのは嫌だ」と言われます。TUNAG上でやり取りできることで話し合いながら試行錯誤できますし、承認後は社員全員が見れるようになっているので、「うちの店舗も似たことをやってみよう」と相乗効果が生まれるのがすごく大きな利点になっていると思います。
「はじめまして」なのに「はじめまして」ではない感覚
三隅:距離感がすごく近くなってきている感覚をみんな持っていると思います。どこで誰が働いているのかTUNAGで知れるようになり、「自分は刈谷だけど、名古屋に新しいアルバイトの人が入ったんだ」「こういう外国籍の人が働いているんだ」「この人たちはきっとこういう性格なんだろうな」とか、なんとなく距離感を埋めてくれているというのはTUNAGで一番感じている効果かなと。
面白かったのが、TUNAGでよく会話していてとても仲が良いなと思っていた二人が、ある日顔を合わせたとき「はじめまして」と挨拶をしていたんですよね。二人とも「はじめましての感じがしないね」と言いながら、初対面なのに普通に話ができる。TUNAGがあることで、会うのは初めてだけど事前に名前は知ってるし、きっとこういう人だよねとか、どこの人だなっていうのがもう分かってる。直接会ったことがなくて距離も離れているんですが、本人たちは会ったことがあるかのように感じているんです。
だから、仕事自体がとてもスムーズに進んでいくのも効果として非常に感じています。社員やアルバイトが他の店舗にヘルプに行くというときとかも、みんな知り合いなんですよね。なんかそういうのは今までできなかったことだなと。
「ここで働いていて楽しい」「会社のことに興味がある」という状態
三隅:TUNAGを導入して約2年。導入する以前に感じていた距離感や一体感の低下については、部分的に高まってきて、エンゲージメントの高い人は各店舗に現れ始めていると思います。社員以外の人でも、「ここで働くのが楽しい」「どてやに興味がある」という状態になってきているのかなと。会社として進んでいる方向にかなり興味関心を持ってついてきてくれている、一緒に頑張ろうとしてくれている。そう感じられるようになってきているのが今ですね。
TUNAGを使っていて店舗全体の雰囲気もよくなりましたし、仕事のこともプライベートのことも共有できて、第二の家族ではないですけど、それぐらい深い関係になれているとも感じています。
今後TUNAGで実現したいこと
「どてやに入って良かったね」と言ってもらえるような組織へ
三隅:昔から何かを成し遂げることよりも、誰と成し遂げていくのか、成し遂げた先に待っているものは何かを大切にしてきました。今後目指しているのは、全員で同じ方向を向いて、社員、アルバイト、パートのみんなが「この会社で働いて良かった」と思えて、もっともっといくと、周りの恋人やパートナー、家族から「どてやに入って良かったね」と言ってもらえるような組織です。
人数であったり難しい部分も出てきているけれど、TUNAGを使って一緒に働く仲間を大事にしながら、みんなで同じ想いを持てるような組織が理想です。今後、TUNAGはきっといろんな可能性があるツールだと思っているので、どう活用すればどてやらしくいられるのか、みんなで手探りで育てていけたらいいなと思っています。
ワクワクしないと「いい仕事」ができない
伊藤(さ):みんなで新しいことにチャレンジして、ワクワクしていきたいですね。私たちが一番そうかもしれないけど、同じことやってると飽きるというか、マンネリ化しちゃうから、「何か新しいことないかな」ってチャレンジしていきたいなと思うんです。
伊藤(勝):仕事をやっていく以上、基本的には楽しくないと続かないし、いい接客もできない。楽しくやるには直接会ってコミュニケーションを取れるのが一番いいんだけど、できないところはTUNAGを通して一人ひとりのモチベーションを上げたり、落ち込んでいたらフォローしてあげる。そういうことをしながら楽しく働ける環境を作って、何か違うこと、次のチャレンジが生まれたらいいですね。現場から「こんなこともやってみたい」「こういうことをやったら楽しいんじゃないか」「自分はこういうことが得意だから、こういうことがやれるんじゃないか」っていう発信とか提案が上がってきたら非常に嬉しいかな。やっぱりワクワクする。ワクワクしないと、いい仕事ができない。
〜皆様、お話しいただきありがとうございました!〜