新入社員の定着率98%を実現 ベイシアのオンボーディング施策:孤独感を解消し、同期で高め合うコミュニケーションの形
株式会社ベイシア様は、北関東を中心に、約130店舗ものショッピングセンターチェーンを展開している企業です。ホームセンターのカインズ、作業服専門店のワークマンなど30社以上とともに、ベイシアグループを構成しています。
コロナ禍によりオフラインでの集合研修ができなくなり、新入社員のオンボーディングに課題を感じていた同社。TUNAGを通して、新入社員同士のつながりや、高め合う文化の醸成に取り組んでいます。
今回は、人事・総務法務事業部 人財育成部 部長の佐藤勇気様に、TUNAGの活用方法とその効果についてお聞きしました。(以下敬称略)
導入前の課題
オンライン研修で人との繋がりが希薄化
〜TUNAG導入前、御社ではどのような課題を感じていましたか?〜
佐藤:元々弊社は、人とのつながりを深めるために、基本的に研修は集合研修をメインに行なっていました。以前まで新入社員の方たちは入社前の合宿研修とその後の基礎研修を行なっていたんですが、2020年のコロナ禍でそれが一切できない状況になってしまったので、全部オンラインで行うようになっていきました。
※人事・総務法務事業部 人財育成部 部長:佐藤様
佐藤:ただ、オンラインで進めていく中で、私たちも新入社員の顔がわからなかったり、どういうところで悩んでいるか画面上だとなかなか見えず、様子を直接窺うことができなかったりして。あとはやっぱり、面談を行なった際に、「同期同士のつながりが持てないことが不安です」「同期の顔が分からない」「誰に相談していいか分からない」という声が多くあり、新入社員のみなさんも不安に感じていることがわかりました。
TUNAGの導入背景
普段のSNSに近く、カジュアルなコミュニケーションがとれると思った
〜TUNAGの導入のきっかけについて教えてください〜
佐藤:先ほどの課題を感じる中で、コミュニケーションを図れる新しいツールがないか色々探しました。形式として「会社のツールをやっていきます」となったとき、どうしても長続きしづらいと思ったので、気軽に利用できるツールがないか模索しましたね。
そんな中でTUNAGと出会ったのですが、TUNAGは普段プライベートで使っているSNSに近く、調べた中でも一番ハードルが低いというか、すごくやりやすい雰囲気を感じました。他に1on1面談のツールも調べてはいたんですけど、もう少し崩した形でコミュニケーションがとりたかったというのも、TUNAGを導入した理由の1つです。
TUNAGの活用方法
入社1年目の社員を対象に、オンボーディングの施策の一環として活用
〜ベイシア様で、TUNAGをどのように活用しているか教えてください〜
佐藤:弊社では、新入社員の皆さんが入社してから定着するまでの1年間をベースに、オンボーディングの施策の一環として活用しています。
皆さんが利用しやすいように、個人のスマートフォンでTUNAGに登録してもらって、業務の合間や休憩時間に投稿や確認ができるようにしています。もちろん、「深夜とかに投稿するのはやめましょうね」という形にはしていますが、使いたい人は休みの日にも使えるとか、なるべく自由がきく形で利用できるよう案内しています。
運営体制としては、私を含めた人材育成部のメンバーと、採用グループのメンバーで、総勢25名くらいでの運用となっています。ただ、やはり新入社員にとってもっと身近な人にもTUNAGに入ってもらいたいと思い、一つ上の先輩である入社2年目の社員にも運営に携わってもらっています。自分たちがTUNAGでやってきた中でのいろんな気づきや、プラスになったことを自由に投稿してもらっているので、そこの部分は強みになっていると思います。
自己紹介やカジュアルなつぶやきで、気軽なコミュニケーションにつなげる
〜TUNAGを利用して、具体的にどのような取り組みをされていますか?〜
佐藤:自分を知ってもらう、それから仲間を知るという目的で、TUNAG上で自己紹介を投稿しています。好きなことや趣味、得意なことなどの共通点を探し、それをきっかけにコミュニケーションを図ってもらおうというものです。運営メンバーや先輩社員が率先して投稿することで、皆さんも発信しやすいような環境を整えています。
また、カジュアルな呟きを投稿してもらえるように、「つぶやいたー」というコンテンツをやっています。これはお互いを知ることや、気軽に情報発信をしてもらうことを目的に、配属先のお店の一コマや、プライベートの出来事など、なんでも自由に投稿できるものです。
週報を運用し、振り返りを習慣化
佐藤:私たちの業務領域として育成に関わっていくということもあり、「今週の気づき、学び」というコンテンツで、自ら振り返ることの習慣化も後押ししています。
種々の取り組みを蓄積できるような形で、「今週はこんな週だった、収穫はこうで反省はこうでした」というのを自ら発信するものです。それによって、自分で振り返り、成功したことは次に活かし、失敗したことも次に改善できるよう努めるというサイクルができるようになりました。
TUNAGの導入効果
同期や先輩社員との、縦横のつながりが増えた
〜TUNAGを導入してどのような効果がありましたか?〜
佐藤:同期同士のつながりはもちろんなんですけど、先輩社員や運営メンバーといろんなことでつながれるようになりました。たとえば、仕事終わりに食事に行ったことや、休日に同期みんなでテーマパークに行ったことなどを投稿してくれているのですが、それを共有することによって、行ったメンバーも当然楽しい思い出として見返せるんですが、他の皆さんも次の計画が立てやすくなっています。あとはフットサルやマラソン、ボウリング大会など、交流イベントも積極的に図れるようになりました。
TUNAGをきっかけに、社員のみなさんが積極的にいろんなことに関わってくれるようになり、縦・横・斜めのつながりが、かなり多く見受けられるようになりました。
定着率98%を実現、80名入社で離職は2名
佐藤:定着率に関しても、一昨年の定着率が90%に満たなかったんですけど、今年は98%と、80名入社した中でも2名程度しか離職がなく、過去においても非常に大きな効果が得られています。
TUNAGだけの効果ではないのかもしれませんが、間違いなくこのTUNAGがきっかけで横のつながりが大きく図れて、エンゲージメントが向上したり、一人ひとりの距離感もかなり縮まったと認識しています。
同期で高め合い、社内表彰される新入社員が増えた
佐藤:これは私たちも想定していなかった効果なんですが、TUNAGでの投稿によって、同期同士で高め合ったり、刺激を受けることで、お互いの成長にも役立っています。気づきや反省の投稿に対して、「私もこういうミスしちゃいました」「そういう対応をすれば改善されるんですね」などのコメントが付いていたりするんです。コメントがなくても既読している人はいて、「この方はこういう風に頑張っているんだな、じゃあ私も頑張ろう」とか「こういう失敗があるから、自分も気をつけよう」と、それぞれにとっての学びの場として機能しています。
また、社内の制度で「グッドフレンドリースタッフ」といって、ミステリーショッパーに対して非常に良い対応をしたり、店舗内のメンバーから選抜されたりするとバッジをもらえる制度があるんですが、去年の新入社員に関しては、このバッジをもらえる機会が相当増えました。いろんな気づきとか学びの中に、「バッジもらった!」「こうやってもらいました」とか、バッジのことに触れたものも結構あって、新入社員同士で高め合っているところもプラスになったかなと思います。
今後の展望
新入社員が自らコミュニケーションを形にし、後輩たちにつなげられるように
〜今後TUNAGで実現したいことはありますか?〜
佐藤:TUNAGを通じて、より積極的にコミュニケーションを図れる新入社員の方たちをどんどん増やしていきたいなと思っています。今は2年目の先輩社員が入ってくれていますが、たとえば1年目の新入社員の方たちにもやりたい企画を募集して、運営メンバーに入ってもらって、企画立案してコンテンツ化していくなど、受け身というより自発的に関わってもらいたいなと思います。それを来年、再来年と、どんどんバトンをつないでいって、「先輩自ら作ってくれたんだな」というのが後輩たちにつながると、より良いんじゃないかなと思って、そこを目指しています。
あくまできっかけは我々が作りましたけど、新入社員の皆さんの手で、「積極的にコミュニケーションを図りたい」という想いをちゃんと形にしていきたいです。
日本一「ありがとう」と言ってもらえるスーパーを目指したい
佐藤:弊社の経営理念にあるのが「For the Customers」。この「全てお客様のために」という精神は、創業以来ずっと変わらない思いです。これから10年間で店舗数を大きく増やしていく計画の中でも、やはり日本一ありがとうと言ってもらえるスーパーを目指したいと思っています。
そのためにはまず、働いている社員がこの会社が好きで、この会社をもっと良くしたいという思いを、どんどん発信できるようにしていきたいんですね。TUNAGをきっかけに、そういった輪を社内にどんどん広げていきたいので、ゆくゆくはTUNAGを利用する社員の範囲を、新入社員に限らずもっと広げて、皆さんがもっとコミュニケーションが図れるようにしていきたいと思っています。
〜佐藤様、お話しいただきありがとうございました!〜
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