“一人ひとりの力”が、会社を支える力になる。今、エンゲージメント経営が必要な理由【エンゲージメント経営を実践する経営者トークセッション】

2019年12月4日、『TUNAGエンゲージメントアワード2019』を開催いたしました。 当社サービス『TUNAG』を導入する企業様からエントリーを受け付け、弊社内での審査を経て選出した「エンゲージメント向上を目的とした素晴らしい取り組みを行う企業」を発表するイベントです。 イベント内では、授賞式に加え、「TUNAGの今後の展望について」、「エンゲージメント向上への取り組み」などの発表、導入企業の経営者の方々を交えたトークセッションを行いました。 エンゲージメント経営は、経営陣がコミットしなければその効果を最大化することはできません。TUNAGを導入し、具体的にエンゲージメント経営を実践している経営者様が、どういった想い・考え方に基づいて実践されているのか、本記事にてご紹介いたします。 【イベント実施日】 2019年12月4日   【トークセッションパネラー】 ・株式会社デライト 代表取締役社長 白井 健太郎様 スーパーマーケット事業 従業員数 1,583名 拠点・店舗数 11拠点 TUNG利用期間 約24ヶ月   ・株式会社オーダースーツSADA 代表取締役社長 佐田 展隆様 紳士・婦人オーダースーツ製造事業 従業員数626名 拠点・店舗数 53拠点 TUNAG利用期間 約3ヶ月   ・トランコムDS株式会社 代表取締役 松葉 純也様 一般貨物運送事業 従業員数 1,020名 拠点・店舗数 52拠点 TUNAG利用期間 約9ヶ月

エンゲージメント経営の必要性とは?

従業員一人ひとりの力が、会社の競争力や成長力を支える力になる

※左から、株式会社オーダースーツSADA 代表取締役社長 佐田展隆様、株式会社デライト 代表取締役社長 白井健太郎様、トランコムDS株式会社 代表取締役 松葉純也様 株式会社スタメン 加藤厚史(以下、加藤):今日はお越しいただきありがとうございます。企業規模や業種が異なる3社の経営者様に本日はお集まりいただきました。ご来場の皆さまが参考になるお話をお伺いできればと思っています。 最初に、少しざっくりとした質問ではあるのですが、みなさんは自社の経営において、エンゲージメントの必要性をどう捉えていますか? 株式会社オーダースーツSADA 代表取締役社長 佐田展隆様(以下、佐田様):弊社は父の代までは大企業の下請けでした。売上の半分以上が大企業からの受注に依存していて。 その後、色々あって受注がゼロになった時期もあり、普通だったら倒産しているんですよね。今思えばその時倒産していたほうが苦労しなくてよかったと思っていますが(笑) そこから小売を事業として行ってきましたが、この時、本当に支えになってくれたのは祖父の代から働いてくれていた社員のみなさんなんですよ。 「おじいちゃんに拾ってもらったから今があるんだ」「おじいちゃんには世話になった」など、私からすると父親くらいの歳の方がそう言ってくれて、ものすごく引っ張ってくれて。 今は若い世代の方が増え、当時の雰囲気が薄まってきているのではないかと思うので、改めて、会社への愛着を持った社員を増やしていきたいなと思い、TUNAGの導入を決めました。 加藤:ありがとうございます。このお三方の中では一番長くTUNAGを使っていただいているデライトの白井社長、エンゲージメントの必要性についてはどのようにお考えでしょうか? 株式会社デライト 代表取締役社長 白井健太郎様(以下白井様):普段は「エンゲージメント」という言葉は使っておらず、社員との“信頼関係”をしっかり作っていく。というぐらいのイメージで捉えています。社員との信頼関係は、必要性以前に、会社をやっていく上での大前提だと思っています。 弊社はスーパーマーケットを運営していますが、一般的にチェーンストアの業態は、規模を拡大し、効率を重視して「なるべく安く売る」というイメージがあると思います。 しかし、それだけだと、行き着く先は安売り競争・規模拡大・効率競争だけになってしまい、どの企業も均質化していってしまいます。それではお客様にとっての“本当にいい店”はできないですし、やっている方としても面白くないんですね。 そうではなく、僕らは「ユニークさの戦い」に持ち込みたいと思っています。価格のような“相対的な違い”だけでなく、その企業にしかない“根本的な違い(=ユニークさ)”を作りたいんです。そのためには、やはり社員が心から楽しんでいるという「組織文化」から違いをつくっていくのが根本的な違いを作る上で大事なことだと思っています。 ですので、エンゲージメント経営、私たちが使っている言葉でいうと“信頼関係”を地道に積み上げていくということが必要だと思っています。 加藤:ありがとうございます。クックマートさんは、本当に働くスタッフの方の表情や気配りが全然違います。そのあたりをどう作っていっているのか、具体的なところは後ほど伺いたいのですが、一つ言えるのは、経営陣、役員の方の参加率が非常に高いですよね。 白井様:そうですね。TUNAGは私自身もバリバリ使っています。多分一番コメントも多いですし、社員の誕生日は全員分コメントしています。無理はしていなくて、自然に、一人ひとりの顔を思い浮かべながら行っていますね。 加藤:今度は、トランコムDS松葉社長、業態としては、運送・配達にあたるため、本社から現場への情報伝達が非常に難しいと思うのですが、エンゲージメント経営ということを考えられた理由ですとか、必要性についていかがお考えでしょうか? トランコムDS株式会社 代表取締役 松葉様(以下、松葉様):配達というこの業界は、担い手の問題が非常に大きいです。事業がスタートして20年くらいになりますが、その頃から「人がいない」と言われてきています。 さらにここ3〜4年が、もう如実に人がいなくなっていて、同業の会社様でも、「人がいないからエリアから撤退します」という厳しい状況になっています。 ただ、人がいないと言われている中で、本当にそうなのかと探っていくと、人は採用できています。むしろ、辞めていっていることに課題がありました。 人が辞めず採用に困っていないエリアにはどういう特性があるか調べると、イキイキと前を向いて働いているんですよ。人が辞めていくところは暗くてどんよりしているもので。 ただ、私たちの業界は、当たり前のことを当たり前にやって100点で、何か問題が起こるとどんどん減点されて、いいことを行っても加点されづらい仕事です。ですので、やはりモチベーションを高く持ちづらい。 悪い報告はすぐにあがってきて、翌日には全拠点に一斉に共有されています。お客様に感謝されたり、お土産をいただいたり、いいこともあるのに、不思議とそういう情報は自分のところまで上がってこない。 いい雰囲気のエリアは、やはり前向きに頑張っていて、周りからも褒められ、認められ、さらに頑張っています。働く人のビジョンや想いを引き出してあげられればいいのですが、会社としてその当たり前のマネジメントができておらず、いい情報が上がってこないところに課題があると思っています。 こういったいい情報を引き上げるために、どうやって吸い上げていけばいいか、ということを考えたのがエンゲージメントについて意識するきっかけですね。

社長として、どう社内制度の運用に関わっているか

業務用ではなくあえて個人の携帯にTUNAGを入れる

加藤:社内制度の運用、TUNAGにおいて、社長としてはどういったことに気をつけていますか? 松葉様:私は、社員一人ひとりが“能動的”に働くことで、仕事が楽しくなり、仕事で成長を感じて、さらに頑張ろう。と思えるようになると思っています。 そのため、“自分で”考えて成長しないといけないんですよね。最初は業務用携帯にTUNAGのアプリを入れようかと思ったのですが、「やらされ感」を生んでしまうかもしれないので、リスクもありましたが、個人携帯で自分の意思でTUNAGに入ってもらうことにしました。 加藤:トランコムDS様では社内部活が立ち上がっていると伺いました。そのあたりを伺えますか? 松葉様:弊社の従業員は若くて活発な方が多く、プライベートでスポーツをしている方も多いです。例えば静岡でフットサルチームが立ち上がったと聞くと、今度は愛知で立ち上がったりしています。 TUNAGでは「じゃあ、今度大会やりませんか?」みたいな話になっていますね。拠点が40拠点ありますので、普段お互い知る機会は無いのですが、そういう人たちが部活動を通してつながってきています。 加藤:それは自然にうまれていくのですか?それとも地域ごとにインフルエンサーのようにTUNAGを率先して活用する方がいらっしゃるのでしょうか? 松葉様:当初はTUNAGのコンサルタントの方に協力いただいて、まずは拠点に中心となって活動してもらうメンバー、それをサポートするメンバーを設けましたね。

楽しそうな雰囲気作りを重視し、自己開示を促す

加藤:なるほど、拠点が離れている場合は拠点ごとに設定したのですね。白井社長はどうですか?社長として気をつけていることはありますか? 白井様:TUNAGを導入する以前から社内制度はたくさんあったのですが、1つひとつの詳細や全体像が分かりづらく、あまり理解されていませんでした。 まずはそれらを分かりやすく整理し、各制度の目的や定義を明確にしました。あとは見せ方として、一つずつの制度が楽しく・おもしろく見えるように、TUNAG上でのアイコンなどのビジュアルを大事にしましたね。 加藤:プラベートのことを社員の方が投稿することもありますよね? 白井様:そうですね、TUNAGを楽しい場にしたいと思っていましたので、あまり業務の話ばかりにならないようにしています。例えば「私の休日」っていう制度がありますが、自分の休みの過ごし方を投稿するコンテンツなんです。 普通の会社だったら、「自分のプライベートを投稿するなんて嫌だな」って思うかもしれません。ですが、それって、会社や周りに対する警戒心があるからだと思うんです。 組織文化が温まっていくと、むしろ「私の話を聞いてほしい」っていう風になってきますよ。プライベートなところも上手に混ぜながら、楽しい場としてTUNAGを活用しています。 加藤:おっしゃるとおり、雰囲気づくりをすごく意識されていますよね。 白井様:そうですね。組織文化づくりは、TUNAGだけでなく色々な取り組みを合わせて継続的に行う必要があり、その結果がTUNAGで見える化されると思っています。ですので、逆に冷え切った雰囲気の会社は、その冷え切った様子が見える化されてしまいますよね。 加藤:そうですね、取り組みは継続性が大事だと思っています。私も自己開示が得意じゃないですが、弊社では社長が投稿するインスタみたいな制度があるんです。当たり障りのない範囲で週に1回くらいたわいもない投稿をしましたが、最初は誰も反応しなかったですね(笑) ですが、ずっとやり続けると、ご飯に行った時とかに「実は見ていますよ」って行ってくれたり、チャットでこっそり伝えてくれたりします。 会社の雰囲気作りは、社長や経営者が堂々とやることで「そういうことやってもいいんだ」ってなることもあるんですよね。そういう点で、自らTUNAGを活用されている白井社長は、私たちも学びたいくらい色々な取り組みをされているなと感じます。 佐田社長は、これからどんな取り組みをしたいとお考えですか? 佐田様:弊社も、飲み会の補助の制度などがありますが、知られていないです。知っていても、遠慮して使わないんですよね。TUNAGを導入して、まずは制度の活用をオープンにしていき、活用に応じてポイントが付与されて、ポイントが貯まったらスーツが買えるという風に取り組みをしていきたいですね。

社内制度を、誰に任せ、どう運用しているか?

社長自らが企画に加わり、「必然性」を重視した設計を行う

加藤:実際の運用についてですが、どんな方をTUNAGの運用担当にされていますか? 白井様:私自身ですね。運用面を担当する人は別にいますが、企画の面は自分が入っています。 加藤:入り方としては、社内の意見を聞くのか、自分の課題意識をベースに社内制度を作っていくのか、いかがですか? 白井様:TUNAGや会社で起こっていることをしっかり見て、拾って、それを広げていくイメージでしょうか。運用においては、常に“必然性”を大事にしています。 何か私が思いついたからやる、というよりは、組織のどこかに予兆がでてくるので、それをすくい上げて制度化していきます。耳を澄ませて“組織の声を聴く”というイメージでしょうか。他社がやっているから、流行っているから、ではうまくいかないと思いますね。 加藤:そういった観点から「良い制度」ってありますか? 白井様:先日テレビのニュースで取り上げられたのですが、「三連休制度」ですかね。連休って小売業ではなかなかとりづらかったんです。「とっていいですよ」と言ってもみなさん遠慮しますし。この制度は、三連休をとった人が、どんな過ごし方をしたのかを“投稿”してもらっているんですよね。 「あそこいった」「ここいった」みたいな、みなさんの休日の過ごし方のアイデアが投稿され、連鎖して、他の人も自己開示して投稿するようになります。 こういったサイクルを習慣化することで、遠慮せずに休暇がとれるようになっていき、今は全社員が正月も合わせ、年に3度の3連休を取得できるようになりました。制度の取得や活用状況を見える化することで効果が出た例ですね。 加藤:休暇の取得などは、法改正もあり「休まなければならない」という状態になったと思いますが、どうせ休暇をとってもらうなら、会社としてもメリットがあるように制度の設計を行うのが重要ですよね。 もちろん採用のブランディングになることもあると思いますが、連休をとるにしても、1ヶ月前に「ここで連休をとります」ということだけを投稿するだけでも、実は「来週連休とるんだね」という廊下での会話につながったりしますし。 佐田社長は、TUNAGの運用担当を誰に設定していますか? 佐田様:広報とマーケティング担当に任せています。社内向けには「社内報」として見せたいと思っています。だから私もプライベートの投稿をしたり、活躍している社員投稿がされたり、そういったものがタイムラインに出るように、広報とマーケティング担当に依頼していますね。 先日カンブリア宮殿に出た際、社内の反応が非常に大きかったです。社内広報と言いますか、社内向けの試みを広げていくのは非常に大事だなと思っていますね。

運用担当者とは別に、各拠点に「インフルエンサー」を置く

加藤:トランコムDS松葉社長はいかがでしょうか? 松葉様:弊社は拠点が多く、エリアも広いので、横串で全体を見ることができる事業推進グループの方にお願いしています。主担当は私ですね。 加藤:先程の話ですと、各拠点にインフルエンサーを置かれたとのことですが、その方と事業推進グループの方はどういった関係で行われていますか? 松葉様:事業推進グループの方が、SNS慣れしていて、明るくポジティブな人をインフルエンサーとして指名しました。実際に運用すると、自然に盛り上げてくれる人が出てきますが、そういう人がでてきたエリアはTUNAG自体の活用も盛り上がりますね。 加藤:盛り上がっている拠点とそうでないところで、何か違いはありますか? 松葉様:やはり楽しくやっている営業所は人が辞めないですね。そこはTUNAGの利用と直結しているように感じます。

エンゲージメント向上のために、これから力を入れていきたいこと

社長や経営陣が考えていることを、もっと届けていく

加藤:最後に、これからエンゲージメント向上のために力を入れていきたいことを教えていただけますか。 佐田様:私や経営幹部が会社や人に持っている愛着を、もっと現場に届けていくことが必要だと思っています。もっとバカやらせたいんです。各エリアでも募って、盛り上げて、楽しい会社、面白い会社にしていきたいですし、そう思っているよ、ということを伝えていきたいです。 弊社では、一人前になるには3年くらいかかります。今の若い方がその3年頑張れるか、そこは接し方を変えていかなければなりません。 「私を褒めてくれないので辞めます」と言われたりすると、団塊ジュニアで氷河期世代の私からすると本当に意味がわからなくて(笑)「お前のかわりはいくらでもいる」と言われた世代ですから(笑)そういうところを、TUNAGを通じて、愛すべき、楽しい、面白い会社づくりにしていきたいですね。

会社が決めた「結果」だけでなく、「過程」を見せ、参加意識を高める

加藤:白井社長はいかがですか? 白井様:TUNAGとは直接関わりが少ないかもしれませんが、「報酬制度」の改革をやろうとしていますね。社員に対しては業界水準よりいい給与を出していますが、それが理解されていなかったり、今後どうなっていくのか、将来設計が見えにくかったりする点がありましたので、賞与や昇給などの仕組みを再設計してわかりやすく公開していく予定です。 今その設計をしているところですが、その結果だけをオープンにするのではなく、「こういうことを考えているんですよ」というプロセスを小出しにしていくことで、みなさんも参加している気分になると思いますし、納得感も出てくると思います。 今までは組織文化などのソフト面を整えてきたのですが、報酬制度とか役職制度のようなシステム面をそろえていくことでより強い会社にしていきたいですね。 加藤:おっしゃるとおりで、会社で決定するまでの「過程」を見せるっていうのは、TUNAGをうまく活用されている会社様共通していますね。写真一枚でもいいと思います。 こういうメンバーで、こういう場所で会議していて、でも、まだ結果はありません。でもいいと思います。その過程を出すだけでも、従業員の方からはいい反応があるので、おすすめですね。松葉社長はいかがですか? 松葉様:「働き方改革」と昨今言われていますが、ただ働く時間を減らすのではなく、自分たちの裁量で、自分たちで働き方を決めて、自分たちで成長していくという、能動的な気持ち、モチベーションを持つことが働き方改革には大事だと思っていますね。 その積み重ねがエンゲージメントにつながると思うので、制度設計に活かしていきたいですね。 〜みなさま、貴重なお話をありがとうございました!〜
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