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加藤厚史(以下、加藤):ここからは各社様で運用されている取り組みや制度の話を伺いたいと思います。
TABIPPOの清水様、もともとサンクスカードをやられていたが、だんだん「机ふいてくれてありがとう」というような細かいサンクスカードがあふれるようになって、コンパスカードという制度を加えたという話を伺いました。具体的にその理由を教えていただけますか?
株式会社TABIPPO 清水直哉様(以下、清水様):もともとは、社内に「褒める文化」がないね、作りたいね、というところからスタートしました。サンクスカードという取り組み自体は初めは気恥ずかしかったんですが、対面で褒めていることって周りの人に伝わらないなと思ったので。
弊社はリモートワーク完全OKで、自由に働ける会社ですので、いかにこういったアナログなコミュニケーションをデジタルにのせてみんなに見えるようにするかが大事だと思っていました。
サンクスカードを行い始めたことで、一定の効果はありました。ただ、やっているうちに加藤さんがおっしゃるような細かいアクションを褒めるようになってきたんですよね。それ自体は悪いことではないんです。でも、「目指しているところってどこだったっけ」と思いまして。
弊社は「コンパス」っていう行動指針があるのですが、会社として「こういう行動が正しいよね」というものを表しています。それに基づいてちゃんと褒める、評価するということを進めるために、サンクスカードとは別に、コンパスカードを作りました。
いい行動があったときに、行動指針から1つ選んで、それに沿った形で相手を褒めるというものです。これで劇的に行動指針の浸透が進みましたね。
「こういうことをやると、こういった行動指針に当てはまるものとして褒めてもらえるんだ」という気づきになっています。新しく入った人にも分かりやすかったと思いますね。
加藤:社内で制度を変えたり追加するときに、意見が上がったり批判が上がったりしましたか?
清水様:いえ、みなさん納得していました。「これがTABIPPOの価値観だよ」という風に話しましたね。制度も「こうしたいな」ということをTUNAGの担当の方に相談したら、「じゃあ作りましょう」と進んで、すぐ2時間後には運用が開始していました(笑)今はサンクスカードとコンパスカードどちらも運用しています。
株式会社アトリエはるか 岩井大輔様(以下、岩井様):先程のサンクスカードの例にも当てはまりますが、制度を設計していくうえで、小手先の話になっていないか注意しているところはありますね。ちゃんと経営陣や会社と現場、縦の距離が近くなるものなのかとかですとか。
弊社では色々な社内施策にトライしていますが、だめなものはバサバサやめていっています。先日出版した本に書いてある取り組みも1割くらいはもうやめていたりしますね。
常に、今現場に刺さるものをやっていこうと思っていますが、TUNAGを運用して各取り組みの参加率・利用率がわかってきたので、さらに「手で感じられるもの」もやりたいなと思い、「はるか箱」という制度を運用しています。
店舗から店舗へ贈り物を詰めてまわしていくのですが、かかるのは箱を店舗に送る送料だけで、何を箱に詰めるかは自由です。箱の中には「はるかフラッグ」という旗も入れていて、みんなで名寄せして記入し、1年かけて完成させる予定です。
その箱が各店舗を流れていく過程をTUNAGで随時中継しています。「博多店からめんたいこが届きました!」「おいしそうなお菓子が届きましたー」というような投稿があって、店舗同士の関係構築に一役買ってくれていると思っています。
加藤:TABIPPO様やアトリエはるか様がお話したサンクスカードの話をすると、元々は私自身も「サンクスカードってどうなの?」と思っているタイプでしたね。直接当人同士で伝えれば済むんじゃない、と。
ただ今では、TUNAGの導入説明会で必ずお話していますが、サンクスカードって、その人に直接ありがとうを言うという目的よりもむしろ、その人の取った「行動」が素晴らしいよね、ということを「みんなに知ってもらうため」にやってるんですよね。
弊社の話になってしまうんですが、昨日営業のメンバーが、面接で受付に来られた人からの内線を受けた際にすごくナチュラルに「お待ちしておりました」って言っていたんです。
それを僕は側で聞いていて、それって偉いなと思ったんですよね。普通、「少々お待ち下さい」って言うと思うんですけど、“お待ちしておりました”と自然と言葉に出てくるのは、訪問してくれた方に対する敬意を示せているからだなと。
ただ、それをわざわざ本人に「ありがとう」と伝えるよりは、本人には直接伝えたうえで、サンクスカードにのせて伝えることでその他の人にも広まっていくし、「あの人そういうことができるんだ」みたいな発見にもつながります。
制度の目的とか、どういった世界を作りたいのかを設計の段階で考えるのが重要だと思っていますね。
あと、アトリエはるか様については「リアルスコープ」の制度についても聞きたいのですが。
岩井様:リアルスコープは、他己紹介のコーナーですね。毎月、東日本エリアと西日本エリアで1名ずつスポットを当てて、頑張っているところや意外な一面などを紹介しています。一見そうは見えない子が「実は柔道2段なんです」みたいな新しい発見があったりします。
加藤:今、店長と先輩にインタビューして、内緒で投稿を作り上げて発信してますよね。細部にこだわられているなと感じます。
岩井様:そうですね、社内の人について興味を持ったり、知らないところを知れたりする機会を増やしていきたいと思っています。400人もいると、なかなか会話のフックがなくなるんですよね。共通点を見つけてもらいたいと思っています。
私自身も、お店に伺った時に、不意に新人のスタッフに「いらっしゃいませ」って言われることがありますし(笑)
加藤:アトリエはるか様の場合、「若い女性が多いからそういうのできるんでしょう」みたいな声もいただくかもしれないのですが、運用が難しいのって意外と年配の人たちよりも、若い人を巻き込む方なんですよね。
年が上の人の方が取組みの趣旨を自分で理解してくれることが多くあります。そのような環境の中で、こだわりながら運用されているのは見習う点が非常に多いと感じます。
ここで触れた「リレー形式」の投稿で言うと、TUNAGには「リレーミッション」という機能があります。次の投稿者を指名して、また何かを投稿してもらう……という流れをつくるものです。部署ごとに指名したり、人を指名することも可能です。
こういった投稿は自分から能動的に投稿するのは恥ずかしいし気が引けますが、指名されると割と前向きにやってくれたりします。マイルドな強制力を働かせるという点が、TUNAGならではの機能の1つだと思いますね。
加藤:みなさん業界も従業員規模も違う会社ですが、改めて、どのようなメンバーでTUNAGを運用されているのでしょうか?
岩井様:導入の時は運用チームがいましたが、今は解散しています。現在は、サロン事業部のマネージャーと事務方のメンバーで運用していますね。
清水様:弊社は人事部や広報担当がいないので、起点は問題意識を持った人それぞれですね。
加藤:TABIPPO様はまさにこれから人が増えていくぞ、という会社様だと思いますが、私達がお客様のお話を伺うと、「100人くらいまでは導入はまだいいかな」という意見をもらうことがあります。早い段階でTUNAGを導入した理由はありますか?
清水様:私自身がもともと組織づくりにこだわっていたというところがありますね。「トップダウンの経営をやりたくない」「自立した人が活躍する会社にしたい」という想いがありましたので、それを実現したいと思ったのが理由だと思います。
加藤:10名、20名規模の会社様に導入していただくこともありますが、早い段階で導入していただくと、会社がまとまっていく過程で会社の価値観や大事にしていることが明確になっていくので、採用においてもTUNAGが支援できることもありますね。田口さんはどのような体制で動かされていますか?
田口様:弊社は企画ごとに担当が違います。TUNAGの運用についてはメイン担当がいますが、経営戦略の一つとして動かすときは役員も巻き込んでやりますし、プロジェクトによって関わる人が変わっています。
加藤:そろそろお時間なのですが、最後にエンゲージメント経営についてお考えなどを一言ずついただけますか。
岩井様:社会状況を踏まえると、採用がこれから難しくなることが分かっていますよね。ですので、退職に歯止めをかけたい、あと1年いてもらえるようになんとかしたい、みたいな考えが出てくると思います。
ですが、それは本質的には違うと思っていて、退職を減らす努力をするのではなく、いい会社づくりをする過程で退職者が減っていくという形が健全だと思うんですよね。
そのためにエンゲージメントの向上施策、「いい会社だな」と思ってもらうTUNAGの運用が必要なんだと思います。ハッピーなオーラが溢れているTUNAGにしていきたいですね。
清水様:導入のきっかけについて話したいんですが、たまたまTUNAGを導入している他の会社の担当者の方が私と昔からの友人で、一緒に食事を取っている時にTUNAGを紹介してもらったんです。
飲みの席でしたので、本当にざっくばらんにTUNAGのことを聞いて、「楽しそうだな」と思ったんですよね。そういった横のつながりって大事だと思うので、今回のような交流の場をもっと作って、会社を超えて一緒にTUNAGを盛り上げていきたいですね。