従業員の事業貢献を可視化し、エンゲージメントと成果を向上させる方法

企業の成功は、経営戦略と組織・従業員一人ひとりの貢献にかかっていますが、組織が成長するにつれて個々の貢献が見えにくくなり、従業員は「会社や事業に貢献できているのかな」と不安になることも。

本記事では、従業員のエンゲージメントと成果の向上を目的に、各従業員の事業貢献を可視化し、適切に評価する方法を解説します。

【時間がない方のためのポイントまとめ!】

  • 事業貢献の可視化は従業員のモチベーション向上につながる
  • 目標設計と評価制度を整備する
  • 事業貢献を表彰や社内ポイントで可視化する

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事業貢献への可視化がもたらす効果

従業員の貢献を明確に示すことは、単なる評価の手段ではありません。組織全体にポジティブな変化をもたらす強力なツールとなります。適切に実施されれば、従業員のモチベーション向上から企業文化の定着まで、幅広い効果が期待できます。

モチベーションの向上

従業員の貢献を可視化することは、個人のモチベーション向上に直結します。

FS(フィールドセールス)チームでは、各メンバーの契約数や売上などをダッシュボードで共有することで、自身の努力が数値として認識され、達成感が得られます。他にもマーケティングのリード件数、IS(インサイドセールス)チームの商談件数なども同様に、定量的に貢献度が測りやすいです。

また、他のメンバーの成果も把握できることから、良い意味での競争意識が生まれ、チーム全体のパフォーマンス・モチベーションの向上にもつながります。

しかし、定量的に測れない場合もあります。例えば総務・バックオフィス業務などです。

これらは直接的に事業の売上に関わらないことも多く、貢献度を可視化しづらい部分もありますので、定量的な目標設計に加えて定性面の評価など、見えない部分も評価する仕組みが必要となります。

自己成長の促進

貢献の可視化は、従業員の自己成長を促進させる効果もあります。具体的な指標が明確になることで、各自が自身の強みと弱みを客観的に把握できるようになり、より事業貢献するためには何が必要であるのか認識できるためです。

また、時系列での成長過程も可視化されることで、自身の進歩を実感しやすくなり、継続的な改善へのモチベーションが維持されます。

他の従業員の優れた点も共有すると、良いロールモデルを見つけやすくなり具体的な目標設定にも役立ちますので、個人やチームの事業貢献は積極的に可視化し、組織の成長につなげましょう。

貢献を可視化する具体的な方法

貢献の可視化は、単に数字を提示するだけではありません。ここでは、様々な業界や職種で活用できる具体的な可視化手法を紹介します。これらの方法を自社の状況に合わせて調整することで、より効果的な貢献の可視化が実現できるでしょう。

KPIの設定と共有

事業貢献の可視化には、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定と共有が不可欠です。

まず、組織の戦略目標に沿って、各チームや個人レベルでの具体的なKPIを設定します。営業チームであれば「商談獲得件数」「受注件数」「受注率」「個人の売上目標」など、事業全体の売上目標から逆算された数値などです。

これらのKPIは、定量的で測定可能であり、かつ従業員の日々の業務と直接的に関係している必要があります。

重要なのは、単に数字を並べるだけでなく、各KPIが組織全体の目標にどのように貢献しているかを明確に示すことです。これにより、従業員は自身の貢献が組織にとってどれほど重要であるかを理解し、より高いモチベーションで業務に取り組むことができるようになります。

360度評価の導入

360度評価は、従業員の貢献を多角的に可視化する効果的な手法です。この評価方法では上司からの評価だけでなく、同僚、部下、さらには取引先や顧客からのフィードバックも含めた包括的な評価を行います。

これにより、一方向的な評価では見落とされがちだった貢献も適切に評価できるようになります。

例えば、チームビルディングに貢献している従業員や、顧客との信頼関係構築が得意な従業員の価値を可視化し、従業員自身の自己認識と他者からの評価のギャップを明確にすることで、改善の機会も提供します。

ただし、360度評価の導入には、評価者のトレーニングや匿名性の確保など、慎重な準備が必要です。

適切に実施されれば、組織全体の透明性と公平性が向上し、より健全な職場環境の構築につながります。

見えない貢献度も評価する仕組みを作る

貢献度を可視化する際に注意しなければならないのが「可視化されにくい貢献度をどのように評価するか」です。例えば、企業システムのメンテナンスを行うエンジニアやバックオフィスの仕事は、売上に直接寄与しないため、貢献度が評価されにくいという課題があります。

これらの課題に対し、企業はどのように向き合うべきなのでしょうか。

数字で見えない貢献を評価することが重要

数字で評価されることが多い営業や生産部門とは異なり、サポートや管理業務は見えない部分で企業の基盤を支えています。 

例えば、IT部門がシステムの安定稼働を保つことで企業の業務がスムーズに進むことや、人事部門が従業員の働きや生産性を支援することで、全体のパフォーマンスが向上します。

これらの貢献を評価する際には、定量的なデータだけでなく、定性的な観点からも評価する仕組みが必要です。

感謝やコミュニケーション能力などの定性的な評価制度を作る

貢献度を可視化する際、数字だけでなく、感謝やコミュニケーション能力などの定性的な要素も評価に組み込むことが効果的です。

例えば、飲食店の従業員が顧客との接客で積極的にコミュニケーションを取り、顧客満足度を高めることで、企業のブランド価値やリピーター獲得に寄与しています。

感謝やコミュニケーション能力を評価基準に加えることで、従業員の全体的な貢献度を正確に把握し、適切に評価することが可能です。

1on1の実施で直接伝える

事業貢献の可視化とエンゲージメント向上において、1on1の実施は非常に効果的です。

1on1では、リーダーや経営陣から定量的な評価とともに、数値の共有だけでは見えない定性的な貢献について直接伝えることで、エンゲージメントの向上に寄与します。

【1on1実施のポイント】

  1. 定期的な実施: 1カ月から数カ月に1回程度、定期的に実施することで、継続的なコミュニケーションと信頼関係を構築する
  2. 十分な時間の確保: 通常30分から1時間程度の時間を設け、じっくりと対話する時間を確保する
  3. 議題設定: 1on1では従業員の関心事や課題について自由に話せる環境を作る
  4. 積極的な傾聴: 上司は従業員の話を積極的に傾聴し、共感的な態度で接する
  5. 建設的なフィードバック: 可視化された事業貢献データを基に、具体的で建設的なフィードバックを提供する
  6. 成長機会の提供: 従業員のキャリア目標や成長ニーズをヒアリングし、それに応じた機会や支援を提供する

貢献度を可視化して表彰する

貢献度を可視化するための仕組みやルールを整えたら、問題はそれをどう実現するかです。従業員エンゲージメント向上を支援するプラットフォーム「TUNAG」を用いた施策や取り組みを紹介します。

【サンクスカード】他人の親切や貢献に感謝する習慣

サンクスカード制度は、日々の小さな貢献や親切に対して直接的に感謝を示すための手段の一つです。

業務上で他の従業員に手伝ってもらったり、相談に乗ってもらったりと、事業に直接関係なくても組織に貢献した取り組みに対して積極的に感謝を伝える仕組みを作りましょう。

個々の貢献を日常的に認識・肯定することで、組織のチームワークを向上させるとともに、他の従業員にも共有されることで、社内で推奨される良い行動を促進します。

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サンクスカードの活用方法と導入の効果

【社内ポイント】社員の貢献度を可視化する

社内ポイント制度は、社員の貢献度を明確に可視化し、公平に評価するための有効なツールです。

例えば、セールスチームの売上目標が達成された場合や推進しているプロジェクトが完了した際など、組織や事業に貢献した時に付与するといったように活用します。

他の従業員に感謝を伝える「サンクスカード」を送った際、または受け取ったときにポイント付与するなど、従業員同士のコミュニケーション活性化の手段としても利用できるでしょう。

また、このポイントは、年間表彰や特典として還元されることで、社員のやる気を引き出し、モチベーションやエンゲージメント向上などの成果も促進します。

▼貢献度を可視化させる社内ポイント・通貨の運用方法▼
社内ポイント施策の運用事例と解決できる三つの課題

貢献度を可視化することで従業員のやる気と成果を引き出す

貢献度の可視化は、組織においてやる気と成果を劇的に向上させる重要な手段です。特に、貢献度が可視化されることで、個々の成果が公平に評価され、それに応じた報酬や認定が与えられることが従業員のモチベーションを支えます。

しかし、組織が成長するとともに従業員の数が増えると、一人ひとりの貢献度の可視化が困難になることがあります。

そうならないためにも、貢献度をシステム化する仕組みや、サンクスカードなどで仕事ぶりに感謝するような制度を取り入れると良いでしょう。

感謝の文化も、貢献度の可視化と密接に結びついています。従業員が自らの貢献が認められ、定期的なフィードバックや感謝の表明がある環境では、自信を深め、さらなる成長を促進する効果が期待できます。

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