リファラル採用とは?メリットとデメリット、報酬など制度運用方法を解説!
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リファラル採用とは
自社の従業員の紹介を通して人材を採用する手法
従業員を採用する方法の一つで、自社の従業員の紹介を通して採用することをいいます。 従業員には紹介報酬として金銭を支払ったり何らかのインセンティブを渡していることが多く、最近では採用決定時のインセンティブだけでなく、採用候補者との懇親会やランチなどにも補助金額を出すなどの制度を入れている企業もあります。 メルカリやクラウドワークス、DeNAなどIT企業での活用が進んでいましたが、最近では業界に関わらず取組みを行っている企業が増えており、すかいらーくグループなどではアルバイト採用でも導入されています。 実際にエン・ジャパンの調査によると、日本では約6割の企業が実施したことがあると回答しています。また、実施企業のうち約3割が「デメリットは特に無い」と回答しており、メリットが大きい手法だといえます。 参考:リファラル採用(社員紹介)意識調査 62%の企業がリファラル採用の経験あり。実施理由は、定着・活躍のしやすさ。―人事担当者向け 中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』アンケート― もちろん、紹介されたら採用するというわけではなく、中途採用選考と同じフローをたどりますので、選考の中で面接や試験に落ちてしまうことがあります。 その点も踏まえたうえでも、自社にマッチした人を紹介してもらいやすい点から、取り入れる企業が増えています。リファラル採用のメリット
1)採用コストの削減
魅力の1つは採用コストの削減が期待できることです。 大手媒体に求人広告を出す費用や、人材紹介会社への紹介フィーよりも費用を抑えることができます。また、人事部門担当者や現場担当の面接にかかる時間や手間などの採用プロセスも短縮でき、人件費の削減もできるのが大きなメリットです。 リファラル採用は紹介してくれた従業員に報酬を支払うことがほとんどです。その金額はおよそ正社員1人採用あたり10万〜50万、多いところでは100万円以上支払っているところもあります。 報酬を支払うタイミングは、紹介にて入社した方の試用期間が終了したタイミングが多いようです。2)ミスマッチ採用の低減・離職率の低下
すでに働いている従業員からの紹介であるため、自社の社風や事業について具体的なイメージを持てていたり、高いモチベーションを持っていたりします。 また、すでに人間関係を築いている従業員が会社の中にいるため、入社後に相談できる知人がおり、コミュニケーション不足や人間関係が理由での離職の可能性を下げることができます。3)求人広告ではアプローチできない層への接触
求人広告等での採用は、主に今「転職を考えている人」にアプローチします。そのため、「今は転職は考えていないが、時期がくれば転職しても良い」と思う人に接触することは難しくなります。 従業員からの紹介であれば、現在転職を考えていなくても、自社にマッチする優秀な人材にアプローチしやすくなります。また、従業員にうまく協力してもらうことで、大手企業のように多額の採用費用を使うことができなくとも、優秀な人材を獲得することができます。 参考:リクルートワークス研究所の調査結果によると、米国でのリファラル採用において、以下のメリットがあるという結果が出ています。リファラル採用のデメリット
1)従業員との人間関係についてフォローが必要
紹介した方が不採用となってしまった場合、二人の関係が気まずくなることがありますので、フォローが必要です。また、入社後についてもウォッチが必要です。 従業員が友人・知人を紹介するということは、その方の人生を背負っているということでもあります。そのため、通常の採用時と変わらず、誠実で丁寧な対応が求められます。2)入社までに時間がかかることがある
良い人材が紹介できたとしても、求職中でない場合も多いため、入社するまでに時間がかかることがあります。いい人材を口説くために1年以上かかるケースがあることも。直近で即戦力の採用が必要なケースには、リファラル採用はあまり適していないことが多そうです。3)似たような従業員が集まる可能性
制度を活用すればするほど、同じ年代・同じスキル・同じ価値観の従業員が増える可能性もあります。会社を構成する従業員のバランスをよく把握したうえで、「募集職種にマッチするから」と安易に採用して良いのか、定期的に振り返る必要があるでしょう。また、意図せず“社内派閥”を生むきっかけになることもあるため、入社後の影響を意識して配置を検討していきましょう。4)退職後のトラブルや既存社員への影響
リファラル採用によって入社した社員が退職してしまった場合、紹介した社員も一緒に退職してしまうなどの思わぬトラブルが起こることもあるでしょう。ただ1人を採用したのではなく、紹介した社員との関係にも影響があることを意識しておかなければなりません。 また、リファラル採用での入社は、既存社員にとっては「自分の会社を良い会社だと思ってもらえた」という良いニュースでもあるため、リファラル採用で入社した方の退職は、既存社員にとってもショックが大きいものになるでしょう。 会社への不信感につながり、従業員と会社の関係自体も悪化してしまうこともあるため、入社する時以上に、その後のフォローや支援も重要になります。 参考:リクルートワークス研究所の調査結果によると、米国でのリファラル採用においてのデメリットは、紹介者が退職した場合の生産性の低下の可能性があること、紹介ボーナスに対する罪悪感がある従業員が存在することをあげています。紹介ボーナスに関しては、その報酬を寄付できる仕組みを設けているところもあるとのことです。リファラル採用が広まる背景
採用の競争激化、離職率の上昇
採用競争の激化、業務の複雑化に伴い、自社が求めるスキルやキャリアを持つ人材の採用が困難になっています。また、求人広告で多額の金額を使って採用しても、ミスマッチ等により離職してしまうケースも起こっていることが、リファラル採用が広まっている背景です。 海外ではリファラル採用が積極的に行われており、従業員一人ひとりがリクルーターとして積極的に自分のネットワークを活かして優秀な人材を獲得しています。これからの時代では、“全従業員が採用担当”だと認識させ、常に優秀な人材と接触するよう意識していくことも求められます。リファラル採用の運用方法
1)制度の設計
リファラル採用を実施する場合、従業員の認識不足を生まないようにするため、社内で明確に発信する必要があります。具体的には以下の内容をしっかり固め、社内で告知しましょう。・募集要項(常にアップデートすること) ・採用基準(できる限りイメージしやすい内容を開示する) ・報酬支払額(職種や雇用形態によって変わる場合はその旨も明示) ・支払い条件(試用期間後なのか、半年後なのか、いつどのような形で支払われるのかを明示) ・問い合わせ先(気軽に人事に問い合わせができる雰囲気づくり)従業員が「紹介したい」と思わせる制度でなければなりませんので、報酬例やかかる手間について具体的に説明できるよう環境を整えておきましょう。