業界・課題ごとの「働き方改革事例」6選。長期的な取り組みと意思が必要
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働き方改革とは
安倍晋三内閣が提唱する「一億総活躍社会」の一環に「働き方改革」があり、以下のような社会問題にも本格的に乗り出しました。・労働生産性の向上 ・非正規雇用の格差改善 ・長時間労働の是正背景には、少子高齢化が進み深刻化する“人手不足”があります。 昨今では定年退職の引き上げは比較的進んできている状況ではありますが、パートや派遣労働者などの非正規雇用者の待遇改善問題や、長時間労働による過労問題などは改善されておらず、社会問題化しています。 参考:人手不足の背景とは?必要な対策は「社員が辞めない会社」づくり
働き方改革を推進するための取り組み
働き方改革実行計画工程表によると、19項目の解決すべき課題が記載されています。その中でも代表的な取り組みである、以下の3つから働き方改革を進めてみましょう。 参考:働き方改革とは?実行計画や事例から見る「取り組むべきこと」について1)処遇の改善及び公平性
労働条件など処遇の改善、特に賃金は労働者にとって最も深刻な問題です。正規雇用労働者と非正規雇用労働者は、同一労働内容であれば同一賃金にすることを推進する内容になります。 例えば正社員とパート社員が同じ業務をしているにも関わらず給与や待遇が異なるケースです。この場合、パートタイマー達は正社員への不満がたまり、士気が下がり職場の雰囲気、人間関係への影響、最終的には離職にもつながります。 また非正規雇用の待遇改善は、これらを防止するためにも取り組むべき課題でしょう。2)制約の克服(時間・場所など)
育児、介護している労働者は、家事や育児、介護との生活を両立させるために、自ら非正規労働者として選択している人が多いです。 労働者が時間と場所を自由に選択でき、個人の能力で適切な評価与えられることにより、ライフスタイルにあった働き方です。3)キャリアの構築
非正規雇用労働者が、正規雇用労働者なるために自身が目指すべき将来像や、知識・ノウハウ、経験や実践的スキルを高め、スキルアップの機会につなげます。 また、段階的な成長をし、正規雇用に向けてのステップアップを図ります。働き方改革推進事例
非正規雇用の処遇改善事例
1)建設業で取り入れられた事例
建設業では非正規雇用者の職人が多い職場です。労働環境を改善することで、離職率の低減や雇用の促進にもつながると考えられています。 非正規雇用の社員の心理としては、以下のようなものがあげられます。辞めた途端、収入がなくなるのでなかなか引退できない。 病気や怪我で働けなくなるのが怖い。 工期が完了すると次の現場が見つかるか不安。これらのように非正規での雇用に対してネガティブなイメージを持っており、それが人材不足の原因のひとつと考えられています。 秋田県にある奥山ボーリング株式会社では、ノー残業デーの導入、パソコンが自動で電源OFFになるソフトを導入などを積極的にすすめています。また、社員個人の労働時間を正確に把握し、上司が部下の勤務時間を見ながら業務を進められるようにしています。 その結果、時間外労働が15%削減されるという結果につながりました。 参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/tihousousei_setumeikai/h28-06-24-siryo4.pdf
賃金引上げや労働生産性を向上した事例
2)営業職の働き方改革事例
ベネフィット・ワンでの営業職への取り組みについてご紹介します。 営業職は、一日のうちに何件かのアポイントに直行し、定時後にたまった事務処理などを行うため慢性的に残業が発生する働き方が蔓延しています。その中でも無駄な時間の割に負荷が高いものに“移動時間”があげられます。 移動時間を削ることは簡単ではありませんので、隙間時間の使い方が重要です。この時間の間に、スマートフォンを利用し、資料を作成したり会社の情報にアクセスできれば、場所を選ばずに作業を進める事ができ、時間を効率的に活用できます。 結果、残業時間の削減、商談数の増加につながり、営業インセンティブや賃上げに成功したとのことです。 参照:株式会社ベネフィット・ワン eセールスマネージャー remix導入事例長時間労働の是正を行った事例
3)ITを活用した事例
ソフトバンクでの事例をいくつかご紹介します。ソフトバンクは自らの働き方改革の経験に基づき、企業の生産性向上のための提案を行っています。 中でも社内43部門がこのプロジェクトに参加し、RPA(robotic process automation)、ロポットによる業務プロセスの自動化を行いました。結果として処理能力が向上し、長時間労働が改善されたとのことです。 1.入力・登録業務 端末管理のために入力・登録業務が発生し、人の手で行うと1件当たりの処理時間が約2分かかっておりました。RPAの導入により月に4,000件、約100時間分の業務がRPAによって自動化されました。 2.Web入力登録業務 登録内容をWebシステムへ⼊⼒する業務では人の手によって行うと1件当たり約17分かかっておりました。月に2,650件の登録が発生し、約760時間分の業務が発生していましたが、RPAの導入により69時間に縮小されました。また単純な時間短縮に留まらず、ロボットが実施することで正確性が担保されます。柔軟な働き方を推進した事例
4)テレワークを導入した事例
200名でトライアルを実施したアフラックでの事例をご紹介します。 個人情報が残らないセキュアな環境を用意し、社内とほぼ同様の業務環境を再現しました。コミュニケーションを必要としない業務においては、社内勤務時よりも業務効率が向上したケースもありました。 また運用開始にあたり、あらかじめ報告フローなどの管理、マネジメント体制を整えたことで、特に問題なく実施され、満足度も高い結果に。また、子供の参観日や急な呼び出しにも柔軟に中抜けなどで対応でき、通常通りの勤務体制で働く事ができた事も満足度に繋がったとのこと。 参考:テレワーク導入支援 事例集▼関連記事 ・テレワークの課題はコミュニケーション不足、解決策は?