ポテンシャルとは?意味や高い人の特徴、従業員から引き出す方法

従業員のポテンシャルを引き出せば、個々が最大限の能力を発揮できるようになります。組織力の底上げを図りたいなら、ポテンシャルを意識した人材対策に取り組んでみましょう。ポテンシャルとは何か、人事担当者が知っておきたい基礎知識を紹介します。

ポテンシャルとは

ポテンシャルは元々「可能性」「潜在能力」を指す言葉です。ビジネスにおけるポテンシャルは、どのような意味で使われるのでしょうか。

将来的に発揮されるであろう能力

ビジネスシーンでのポテンシャルは、将来発揮されることを期待できる能力のことです。今はまだ発揮されていないものの、将来的に大きく成長し、発揮される可能性のある能力を意味します。

ポテンシャルは人材に対して期待を込める際に使われる言葉です。ポテンシャルが高い人は即戦力としてではなく、自社の将来を担う人材としてみなされます。

したがって、ポテンシャルが高い人材は企業の持続的な成長に不可欠な存在だといえるでしょう。

ポテンシャルの構成要素

ポテンシャルには以下6つの要素が含まれます。

  • 分析力:情報を収集・整理し複合的な考えをまとめる能力
  • 思考力:複雑な物事を整理しながら考える能力
  • 実行力:目標達成に必要なプロセスを行動に移す能力
  • 客観性:第三者の視点から現状の分析を行う能力
  • 成長意欲:目標達成のために自らを高める努力ができる能力
  • 責任感:与えられた仕事を最後まで遂行する能力

ポテンシャルが高い人は、上記の能力が高い傾向があります。

人の能力以外を指す言葉としても使われる

ポテンシャルが使われるのはビジネスシーンだけではありません。以下の例のように、さまざまな分野で人の能力以外を指す言葉として使われています。

  • 工業製品:自動車やバイクが本来持つ能力
  • マーケティング:市場での商品需要予測
  • 物理学:位置エネルギー

例えば、ハイスペックの自動車が市街地をゆっくり走っている場合、「あの車はポテンシャルを持て余している」と表現できます。

ポテンシャルと似た意味の言葉

ポテンシャルと似た言葉には、「可能性」「素質」「将来性」「伸びしろ」などがあります。いずれも意味はポテンシャルとほぼ同じだと捉えてよいでしょう。

また、ポテンシャルと混同されやすい言葉として、モチベーションが挙げられます。モチベーションとは、行動を起こす際の動機づけや目的意識のことです。

ポテンシャルとモチベーションは、人の内面的なものを指すという意味では同じですが、具体的な意味は全く異なります。

ポテンシャルが高い人の特徴

ポテンシャルが高い人には共通の特徴があります。以下に挙げる主な特徴を把握し、従業員のポテンシャルをチェックする際の参考にしましょう。

自己分析ができる

ポテンシャルが高い人は自己分析が得意です。自分の強みや弱みを把握しており、強みを伸ばして弱みを克服するための正しい努力ができます。

自分の強みが生かせる仕事を見つけるのもうまいため、仕事を通して潜在的な能力が発揮される可能性が高いことも特徴です。

また、チームにおける自身の役割や立ち位置も正確に捉えます。人の意見も素直に受け入れるため、周囲からの信頼も得やすいでしょう。

失敗を恐れない

失敗を恐れずチャレンジできることも、ポテンシャルが高い人の特徴です。何事にも果敢に挑戦する行動力があるため、多くの経験値を得られます。

チャレンジしてうまくいかなかった場合も、ネガティブになることはありません。失敗した原因は何かを分析し、実践と検証を繰り返しながら成功する確率を上げていきます。

失敗を恐れない姿勢は、周囲にも良い影響を与えます。何事もポジティブに捉えるため、周囲も良い方向に引っ張られ、チーム全体が目標達成に向けて一丸となりやすいでしょう。

ポテンシャル採用について

労働人口の減少が顕著になる中、ポテンシャル採用を重視する企業が増えています。ポテンシャル採用とは何か、応募者の見極め方と併せて見ていきましょう。

ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用は応募者のポテンシャルを重視した採用方法です。応募時の能力や経験より、応募者のポテンシャルが高いかどうかを採用基準のメインに据えます。

人材不足の加速により採用市場が激化しており、近年はポテンシャル採用枠を拡大する企業が増えています。従来型の方法では採用が難しい人材を確保しやすいことも、ポテンシャル採用が注目されている理由の1つです。

ポテンシャル採用では一般的に20代後半が年齢の上限となりますが、30代でもポテンシャルが高いと判断されれば採用されるケースがあります。

応募者のポテンシャルの見極め方

ポテンシャル採用では応募者のポテンシャルを見極める必要があります。面接で確認するポイントは次の通りです。

  • 成長意欲:自社の事業や業務内容を理解しているか
  • 自己分析力:自分のことを客観的に把握しているか
  • 人間性:余裕のあるコミュニケーションを取れるか
  • キャリアプラン:目標達成のために努力していることがあるか

上記のような質問に対してスムーズな回答が得られれば、ポテンシャルが高い可能性があります。

従業員のポテンシャルを引き出す方法

組織の持続的な成長を図るなら、従業員のポテンシャルを高めることが不可欠です。以下に挙げる取り組みを進め、全ての従業員が活躍できる職場を目指しましょう。

働きやすい環境を整える

従業員のポテンシャルを引き出す方法の1つが、働きやすい職場づくりです。ストレスのたまりにくい職場は従業員のモチベーションを上げ、能力の開花につながりやすくなります。

働きやすい職場づくりのポイントは次の通りです。

  • 多様な働き方の導入(フレックスタイム制、テレワーク、短時間制社員制など)
  • 健康的な職場環境の整備(適切な休憩時間の確保、フィットネス設備の設置など)
  • 物理的に快適なオフィス環境の整備(オフィス家具の導入、休憩エリアの設置など)
  • 心理的安全性の確保(オープンなコミュニケーションの推奨)

上記のような環境を整えるためには、組織全体のサポートが不可欠です。

目標設定と評価システムを見直す

従業員のポテンシャルを引き出すためには、目標設定と評価システムの見直しも重要です。努力が正当に評価される環境を整えることで、従業員が自分の役割と期待される成果を理解できるようになります。

目標設定に役立つフレームワークがSMARTの原則です。次の5つの基準を満たした目標設定は、具体的かつ達成可能な内容になります。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(測定可能な)
  • Achievable(達成可能な)
  • Relevant(関連性のある)
  • Time-bound(期限が明確な)

評価システムの見直しでは、評価の透明性と公平性を意識することが重要です。また、従業員が自分の成長を実感できるよう、定期的なフィードバックも実施しましょう。

コミュニケーションを強化する

社内コミュニケーションの強化は、従業員のポテンシャルを引き出すための大切な要素です。オープンかつ透明なコミュニケーションが活性化されれば、社内の信頼感が高まり、従業員のモチベーションもアップします。

社内コミュニケーションに課題を感じているなら、エンゲージメント向上プラットフォーム「TUNAG」の導入がおすすめです。

コミュニケーションが活性化する機能や称賛文化の醸成に貢献するサンクスカード機能が備わっているため、さまざまなエンゲージメント向上施策を具体的な仕組みとして取り入れられます。

従業員のポテンシャルを引き出し組織力を強化

ポテンシャルの高い従業員が多ければ、組織全体のパフォーマンスを継続的に向上させられます。従業員のポテンシャルはさまざまな取り組みで引き出すことが可能です。

従業員が共に成長し活躍できる職場をつくるために、ポテンシャルを引き出す施策を実行し、組織力の強化を図りましょう。


著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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