従業員のメンタルを強くする方法は?企業としてできるサポートを解説

メンタル不調で退職・休職してしまう従業員が増えて悩んでいませんか。企業には、極力ストレスを与えない労働環境の整備に加え、従業員のメンタル強化をサポートする取り組みが求められています。従業員一人ひとりができるメンタル強化の方法を踏まえて、組織としてできるメンタル強化のサポート方法を解説します。

ビジネスパーソンのメンタル強化は急務

ビジネスパーソンとしてメンタルを鍛えることは、仕事のストレスから心身を守り、パフォーマンスを発揮するために不可欠です。強い精神は不安に直面したとき、前を向いて行動するための武器となります。

また、企業が採用する人材の多様化が進んでいることも、現代日本の労働者にメンタル強化が必要な理由です。職場における価値観の違いから、人間関係の悩みがこれまでよりも増えるかもしれません。

このような時代の変化の中で、仕事のパフォーマンスを落としたり心身の不調に陥ったりしないためにも、メンタル強化が重視されています。

メンタル強化に組織で取り組むべき理由

メンタルの強さは、「個人の資質や努力に委ねられるもの」と思われがちです。しかし現代のビジネス環境においては、組織としてメンタルケアに取り組むことが、結果的に企業の生産性や持続的な成長にもつながっていきます。

メンタルの強い人は企業にとって貴重な財産

メンタルが強い人には、以下のような特徴があります。

  • ポジティブ思考
  • 心理的な余裕がある
  • 自己理解が深い
  • 「自分は自分、他人は他人」と割り切っている
  • 切り替え上手
  • 変化を受け入れられる
  • 他人に優しい

ほかにも特徴はありますが、上記に挙げた特徴は全てビジネスにおいてプラスになる要素です。メンタルが強い人材を増やすことは、組織にとっても良い影響があると分かるでしょう。

メンタルはトレーニングで強化できる

メンタルの強さは生まれ持った資質と思われがちですが、トレーニングによってある程度強化できます。

とはいえ、働くことに精いっぱいな状態の従業員が、個人の努力だけでメンタルトレーニングに取り組むのは難しいでしょう。企業に貢献できる人材を増やすためにも、メンタル強化の土台は組織として築いていく必要があります。

メンタル強化に必要な3つの要素

感情の整理や思考の切り替えなどは、個人の内面に依存するものと思われがちですが、職場での関わりや働く環境次第で、その力を引き出しやすくすることができます。だからこそ、組織として「どのような要素がメンタルの強化に必要か」を理解することは、従業員を支えるうえでの出発点となります。

ここでは、個人が安定したメンタルを維持し、困難にも柔軟に対処していくために重要な3つの要素をご紹介します。

言語化によって自己理解を深める

自己理解が進めば、ストレス解消法やストレスを感じる場面などが分かるようになり、メンタル強化につながります。自己理解のためには「イライラする」「嫌だ」などの感情が出てきたときに、なぜそう感じるのかを言語化していく作業が必要です。

自分の考えを言葉にして主張する練習も、自己理解によるメンタル強化に役立ちます。感情や思考を言語化できるとストレスを抱え込みにくくなるため、自己肯定感の向上にもつながるでしょう。

失敗も成長のチャンスと捉えてチャレンジする

失敗を恐れて何もしなければ、メンタルは強くなりません。メンタルを強化するには、失敗を「成長する機会だ」と捉えて新たなチャレンジを恐れない姿勢が重要です。

チャレンジした結果が失敗だったとしても、今後の糧になります。ただ、ミスをすると厳しく叱責されるような職場環境だと、チャレンジは難しいかもしれません。

自己開示を心がける

メンタルの強化・安定には、感情や悩みを自分の中に抱え込まず、適切なタイミングで他者に伝えられることが大切です。特に、ストレスを感じているときや、物事がうまくいかないときほど、自分の状態を整理して言葉にし、信頼できる誰かに話すことが、気持ちの整理や思考の柔軟さにつながります。

こうした「自己開示」は、自分をさらけ出すことではなく、「今の自分に起きていること」を伝えようとする意識のことです。完璧な言葉で説明する必要はありませんし、すべてを正直に話す義務があるわけでもありません。それでも、自分の内面を少しだけ外に出すことができれば、不安を溜め込みすぎる前に、周囲の理解やサポートを得やすくなります。

組織として従業員のメンタル強化をサポートする方法

個人のメンタル強化には、自己理解やチャレンジの姿勢、自分と他者を切り分ける思考が必要ですが、こうした力は自然に育まれるものではありません。
職場でのコミュニケーションや制度、日常的な関わりの中で、本人の自助努力ではカバーしきれない部分を支援することで、従業員が健やかに力を発揮できる土壌を築いていくことができます。

コミュニケーションの活性化により困りごとを共有できるような土壌を築き、従業員が自らの意見やチャレンジに対する不安を発信できる風土をつくりましょう。

自己理解につながる習慣を定着させる

メンタルを安定させるうえで欠かせないのが、自分自身の状態や感情に気づき、整理する「自己理解の力」です。そしてこの力は、日々の思いや出来事を言葉にして表現する「言語化」の機会を通じて育まれていきます。

たとえば、1on1ミーティングのように自分の考えや気持ちを口に出す機会や、社内SNSで日々の気づきや出来事を投稿する場があれば、日常的に「自分は何を感じていたのか」「なぜそう思ったのか」を振り返るきっかけになります。そうした積み重ねが、感情や思考のパターンを客観視する力につながります。

さらに、上司や同僚とのフィードバック文化が根付いていれば、他者の視点を通じて自分を見つめ直すことも可能になります。「こんなところを評価されていたんだ」「自分では気づかなかったけど、こう見られていたんだ」といった気づきが、より深い自己理解を促します。

このように、言語化を日常的に支援する仕組みや文化を整えることは、個人のメンタル強化の土台づくりとして大きな意味を持ちます。

「抱え込まずに共有する」土壌をつくる

メンタルを強化するうえで欠かせないのが、「困ったときに一人で抱え込まずに話せる環境」です。自分の気持ちや不安、挑戦や失敗について安心して共有できる土壌があれば、従業員の心の余裕が生まれ、前向きな姿勢が育まれます。

そうした土壌を育てるには、日常の中でやり取りが生まれやすい関係性を築いていくことが大切です。

日々の業務の中で、ちょっとした相談や報告がしやすい雰囲気があれば、「この程度のことでも話していい」と感じられるようになり、少しずつ不安や戸惑いも言葉にしやすくなります。

さらに、上司が自ら挑戦や失敗を語ることで、「失敗を相談しても大丈夫」という心理的安全性が職場に広がっていきます。コミュニケーションの活性化により困りごとを共有できるような土壌を築き、従業員が自らの意見やチャレンジに対する不安を発信できる風土をつくりましょう。

メンタルの不安を丁寧にヒアリングする

従業員が自己開示を心がけやすくなるような職場づくりには、日常的な対話やヒアリングのあり方が大きな鍵を握ります。特に、メンタルに不安を抱える従業員に対しては、「まずは話してもらう」ことが必要ですが、そのためには相手が「ここなら話してもいい」と思える状態をつくることが前提です。

ヒアリングでは、プライバシーへの配慮や心理的安全性の確保はもちろんのこと、聞き手の姿勢が重要です。話を引き出そうとするあまり、詮索的な質問をしたり、言いにくいことを無理に話させようとすると、かえって自己開示のハードルを上げてしまいます。必要なのは、「話すかどうかは相手の自由」という前提に立ち、相手のペースを尊重しながら、否定せず、共感をもって耳を傾けることです。

このように、聞き手が信頼できる態度で接することで、「少し話してみようかな」と思えるきっかけが生まれます。小さな自己開示が積み重なることで、本人のメンタルが安定するだけでなく、組織としても適切なサポートや予防的な対応を取りやすくなっていきます。

TUNAGで従業員のメンタル強化施策をサポート

メンタル強化には、従業員間のコミュニケーションやエンゲージメント向上が効果的です。

「TUNAG(ツナグ)」は、そうした施策の土台作りとして活用できるツールです。以下、TUNAGでできる施策を紹介します。

日報やタイムラインへの投稿で言語化を習慣に

TUNAGの日報機能は、日々の業務を振り返り、言葉にしてまとめる習慣づけに役立ちます。スマホからも手軽に投稿できるため、業務の報告に限らず、自分の感じたことや学びをアウトプットする機会としても活用できます。

また日報よりも自由度の高い、自分のアイデアや取り組み、意見などを周囲に共有する場を用意することもできます。こうした発信を続けることは、日常業務の中で「言葉で考え、伝える力」を育む訓練にもなります。

社内チャットやリアクション機能でコミュニケーションを活性化

TUNAGの社内チャットは、組織内のコミュニケーションを日常的に活性化する手段として有効です。業務に関する相談はもちろん、ちょっとした気づきや感謝も気軽に共有できるため、従業員同士のつながりが生まれやすくなります。

また、タイムラインへの投稿に対してリアクションで応答できる点も特長です。文章を考えるのが苦手な従業員でも、「いいね」やスタンプなどのリアクションを通じて気持ちを伝えられるため、心理的なハードルが下がります。こうした反応の積み重ねが、相談しやすい空気づくりや、孤立の予防にもつながっていきます。

社内アンケートでメンタルへの不安を把握

TUNAGには、回答者を管理者が確認できる社内アンケート機能も用意されています。リソース的な問題で対面でのヒアリングが難しい場合は、スマホから回答できる社内アンケートの活用がおすすめです。

話している内容を人に聞かれる心配がないため、メンタルに不安を抱えた従業員へのヒアリングにも役立ちます。

メンタル強化に取り組んで強い組織に

現代日本の労働者にとって、メンタルを強くするための取り組みは欠かせなくなってきました。企業として従業員のメンタル強化を「自己責任」で終わらせるのは得策とはいえません。

メンタルが強い人材は組織の成長に不可欠な存在であり、メンタルは「スキル」の一つとしてトレーニングによる強化が可能です。最終的にメンタル強化に取り組むのは従業員自身ですが、企業はその土台をつくる必要があります。

TUNAGのようなツールの活用も視野に入れ、メンタル強化の取り組みを定着させて強い組織を目指しましょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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