社内教育の7つの方法とは?課題や効率化のポイント、事例を解説


社内教育とは、従業員のスキルアップや企業成長のために実施される企業内の人材教育プロセスのことです。

従業員の生産性やモチベーションを向上させるためにも欠かせないものですが、従業員の能力開発まで手が回らないと感じている企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、社内教育で企業が抱える課題、必要なタイミングから実施方法などについて詳しく紹介します。社内教育をより効率的に進める方法や成功事例についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

社内教育とは

社内教育とは、従業員の知識や能力の向上や企業成長のために実施される企業内で行われる人材教育プロセスのことです。業務指導や講習から人事評価、従業員の福利厚生など、人材育成に関わる全般的な取り組みを指します。

また、社内教育と混同しやすい用語に社内研修があります。社内研修は、業務に必要な知識を得たりスキルを伸ばしたりすることを目的に行われる教育訓練のことです。社内研修は、社内教育の一環として行われます。

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社内教育の目的

社内教育における目的は、以下の通りです。

  • スキルアップ
  • 生産性向上
  • 経営理念やビジョンの浸透
  • リスクマネジメント(セキュリティ・コンプライアンス等)
  • モチベーションの向上

社内教育で企業が抱える課題と解決策

次に、社内教育で企業が陥りやすい課題とその解決策について紹介します。

教育に割ける人材や時間が確保できない

一つ目は、企業の慢性的な人材不足や通常業務が多忙であることにより、人材を育成するリソースが確保できないことです。

多くの企業では、教育担当者が他の業務を兼務していることが多いため、教育に十分な時間を割けないことがあります。無理に教育のための人材や時間を確保すると、通常業務の時間を圧迫させてしまいかねません。

このような課題の解決方法として、業務をマニュアル化したりeラーニングを実施したりすることで、教育担当者にかかる負担を軽減する工夫が大切です。教育を受ける側は、教育内容を何度も見返すことができるため、知識の定着率アップや正確な業務遂行にもつながります。

教育担当者の指導力不足

二つ目は、教育担当者の指導力不足です。

社内教育では従業員が教育担当者となることが多いため、指導力について個人差が生まれます。育成能力や指導意識が低いと、スケジュール管理の見立てが甘く目的を達成できなかったり、部下のスキルを客観的に把握できず難易度の高い課題を与えてしまったりするなどの問題が発生してしまいます。

そのため、企業は教育担当者の育成にも注力しましょう。マネジメント能力、リーダーシップ力、目標達成力などの向上を目指し、指導者向けの講習を行うことが効果的です。

従業員が受け身で教育を受けている

三つ目は、従業員が受け身で教育を受けてしまうことです。

このような問題が起こる原因として、社内教育を行うこと自体が目的となってしまっていることも少なくありません。教育担当者は、従業員に育成の目的や必要性を適切に伝え、意味のある教育を行うことが重要です。

目的達成後に実現できるについて具体性を持って伝えたり、教育後には積極的なフォローを行ったりすることで従業員の主体的な行動を引き出してください。

育成した従業員が離職してしまう

四つ目は、育成した従業員が離職してしまうことです。

育成後の従業員が離職してしまえば、教育したノウハウの活用や後輩への伝播などが実現できず、指導にかけた時間が無駄に終わってしまいます。

この課題に対する解決策として、従業員のエンゲージメント向上に注力しましょう。1on1を実施して業務のフィードバックを行ったり、キャリアパスを明示したりすることが有効です。

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社内教育が必要なタイミング

次に、社内教育が必要なタイミングと各フェーズで行うべき教育内容について紹介します。

入社時

内定者や新卒・中途で入社した従業員には、入社時に会社を知るための教育を行います。

入社時の社内教育では、企業独自の規則やルールを理解してもらい、スムーズに業務に取り組んでもらうための基礎固めをすることが目的です。

具体的には、基本的な社内規則や経営理念を伝えたり、IT資源を適切に取り扱い情報を守るためにセキュリティに関する講習を実施したりしましょう。

配属時

配属時には、主に実務に関わる教育を行います。

具体的には部署内でOJTを実施しながら、専門的な知識や実践的なノウハウを伝えていきましょう。

昇格時

昇格時には、主にマネジメントに関わる教育を行います。

昇格時の社内教育ではプレーヤーからマネージャーとして従事するにあたり、生産性を高く業績を上げる従業員を育成して取りまとめるマネージャーとして必要な知識を得ることが目的です。

具体的には、管理職全体を対象とした「管理職研修」や、課長や部長、役員など階層別に実施される「階層別研修」などがあり、マネジメントやリーダーシップ、チームビルディングなどを学びます。

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定期的

個人の知識やスキルのブラッシュアップを目的として、従業員には定期的に社内教育を行いましょう。

従業員のエンゲージメントを向上させ、行動指針を浸透・定着させるための「経営理念の研修」や、IT資源を守り、社外からの脅威や社内からの情報漏えいを防ぐ「セキュリティ研修」が必要です。

1on1を実施して、業務の振り返りや今後の課題設定も行いましょう。

社内教育を実施する7つの方法

次に、社内教育を実施する具体的な7つの方法について紹介します。

1.OJT

OJT(On the Job Training)とは、上司が部下に対して実際に実務で仕事を進めながら、業務に必要な知識やスキルを教える教育方法です。

OJTは、新人教育や若手社員に実施されることが一般的であり、幅広い業界で実施されています。

2.OFF-JT

OFF-JT(Off-the-Job Training)とは、実際の職場環境とは異なる場所で行われる教育活動のことです。

OFF-JTは、主にビジネスで汎用的に使用できるスキルやマインドなどを学ぶために実施され、例えば、e-ラーニングや集合型研修などがあります。

3.e-ラーニング

e-ラーニングとは、デジタルデバイスを使用して、オンラインで教育やトレーニングを行うものです。

従業員は、空いた時間や好きな場所で視聴することができ、柔軟性高く学習できることが特徴です。

4.マニュアルの作成

業務のフローや詳細な手順、留意事項などをまとめたマニュアルも社内教育として活用できます。

マニュアルを作成すれば、従業員が正確に業務を実行することができるとともに、誰が行っても同じ手順で進められるため、業務の属人化を防ぐことにも役立ちます。

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5.自己啓発支援

自己啓発支援とは、個人の知識やスキルを向上させて自己成長を促す教育支援活動のことです。

例えば、書籍購入や資格取得にあたり資金補助を行ったり、今後のキャリアプランを話し合う機会を設けてその達成に向けた学習支援を行ったりすることができます。

6.1on1

1on1とは、上司と部下の一対一で行われる業務のフィードパックやキャリア開発などを行うためのミーティングのことです。

1on1の開催にあたり部下は自分自身でテーマを定め、上司とその課題についてじっくりと話し合うことで、主体的に答えを導き出すことを目指します。

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7.日報

日報とは、業務の進捗や所感などを記録するもので、社内教育としても役立ちます。

主に、実現した成果や反省、課題などを記載することで、業務の取り組みを振り返る機会となります。また、社内共有することで、他の従業員のアイデアや実務のノウハウを得ることが可能です。

社内教育を効率的に行うポイント

次に、社内教育を行う具体的な方法について最大の効果を発揮するために、社内教育を効率的に行うポイントを解説します。

教育の目的を明確にし、効果を分析する

一つ目は、社内教育を行う前に実施目的を明確にすることです。また、実施後は目的がどれぐらい達成できたかについて効果を分析してください。

まずは、業務上の課題を洗い出して現状を把握した後に、社内教育で達成したい目的を明確に設定してそれらに合わせた実施方法を選定しましょう。

そして、実施後の効果測定方法としては、ROIの測定が有効です。社内教育におけるROIとは、実施後の成果を明らかにするために、教育に投資した資源に対して得られたリターンを割り出すことです。他の効果測定方法として、実施後に従業員に聞き取り調査を行い、得たことや実践の効果を聞くこともできます。

オンライン・動画を活用する

二つ目は、必要に応じてオンライン・動画を活用することです。

対面教育では、教育担当者や受講者の双方が日時や場所の都合を合わせたうえで行われます。業務が忙しい場合などには、教育にかける時間が惜しく、通常業務を圧迫してしまうことがデメリットです。

オンラインや動画を活用すれば、担当者や受講者など教育に関わる人の全員が時間や場所に拘束されることなく教育活動を進められます。また、勤務地から離れた場所で仕事をする人や、育児や介護などと両立しながら仕事をする人などリモートで勤務する従業員に重宝します。

必要に応じて外部に依頼する

三つ目は、必要に応じて外部に依頼することです。

外部に依頼するメリットは、社内の教育担当者にかかる準備や開催などにあたり、時間的拘束や過剰な業務負担を減らせることです。

また、専門的な知識を持つ人に依頼することによって、社内にはない新たなノウハウやトレンドをおさえた最新情報を得ることができます。教育にかかる従業員への負担を減らしながら、専門的な知識を得られて質の高いインプットをすることが可能です。

社内教育をDX化した事例3社

社内教育はDX化することで効率的に行うことができます。ここでは、ITツールを活用して社内教育のDX化に成功した企業事例を紹介します。

株式会社木曽路



株式会社木曽路は、冊子のマニュアルを各店舗に配り社内教育を行っていましたが、接客業という都合上、所作や動作の注意点など文字だけでは伝えきれない情報共有に苦慮していました。

そこでTUNAGを使い、冊子のみでは伝えきれない部分を動画や写真のマニュアルを作って従業員に共有することで、教育にかかる時間のスピードを格段にアップさせました。
従業員からも分かりやすいとの声が上がり、迅速なノウハウの定着につながっています。

関連記事:「不規則なシフトでも情報が行き渡る」木曽路が実践する、パート・アルバイトを含めた情報共有

株式会社BP



ウェディング事業を中心に幅広いサービスを展開する株式会社BPは、アルバイトの教育や育成にTUNAGを活用しています。

初出勤から10回目の勤務までの日報「ひよこ日記」を運用し、アルバイトがその日学んだことを投稿して、先輩スタッフからコメントをもらいます。学ぶことが多いブライダル業界で、日々の頑張りを承認することで、スタッフのやる気につなげています。

関連記事:アルバイト定着率が30%改善、3ヶ月で300名採用:BPが「友達に紹介したくなるバイト先」を作るまで

株式会社ウインナー美容室



株式会社ウインナー美容室は、チャットツールで情報共有を行っていましたが、情報が流れてしまい共有事項が浸透しないことに課題を感じていました。

そこでTUNAGを導入し、接客マニュアルや、カット講習の動画などをTUNAG上で共有して社内教育に役立てました。事前にオンライン上で共有することで、実践による講習の際の、学習の吸収度合いが高まったといいます。

関連記事:店舗が離れていても情報はタイムリーに共有、意見を出し合える環境を大切にする - ウインナー美容室のTUNAG活用事例

まとめ

社内教育は、従業員のスキルアップや企業成長のためにとても重要な施策です。人材や時間に限りがある中で、効率的に運用することが求められます。

社内教育にも多くの手段があり、それぞれの目的に合った教育を行うことが重要です。オンラインツールを取り入れたり、外部への依頼を検討したりすることで効率化を行い、自社にとって最適な運用を目指しましょう。

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