効果的な1on1のやり方とは?目的や上司が気をつけるべきことを徹底解説
「1on1をより有意義にしたい」「形骸化している」といった悩みを抱える方に向けて、本記事では効果的な1on1の進め方や注意点を解説します。具体例を交えながら、部下の成長を促進する具体的な施策を提案します。
ぜひ本記事を参考に、1on1の実施方法を見直してみてください。
1on1の意味と目的とは
1on1は、上司と部下が定期的に個人面談を行うことをいいます。1on1ミーティングとも呼ばれることもあります。上司が部下の現状を把握し、業務についてのアドバイスなどを行うことを通して、主に部下の成長を促すために行います。
1on1を行うことで得られる具体的な効果
1on1は、単に上司と部下が話す時間をつくる取り組みではありません。定期的に1対1で向き合うことで、対話の質を安定させ、部下の状況を正しく把握し、目標に向けた軌道修正をしやすくする役割も担っています。
ここでは、1on1を行うことで得られる主な効果を紹介します。
コミュニケーションのきっかけをつくる
「コミュニケーションは大切」と分かっていても、日々の業務に追われると、上司と部下が落ち着いて話す時間をつくるのは意外と難しいものです。結果として、必要な会話が後回しになり、気づけばすれ違いが大きくなってしまうこともあります。
1on1のメリットは、あらかじめ1対1で話す時間を予定に組み込めることです。定期的に時間を確保しておくことで、忙しいときでも会話が途切れにくくなります。
この時間がなければ、業務中に軽く話す程度で終わったり、たまたま飲み会などで会話しただけで済んでしまったりするケースも少なくありません。1on1は、対話の回数と質を安定させるための仕組みとしても役立ちます。
部下や現場の状況を把握することができる
「現場の状況は把握できている」と感じていても、1対1で話してみると初めて見えてくることがあります。特に把握しづらいのが、部下の悩みや迷い、仕事の進め方のつまずきです。
たとえば、プライベートな事情や体調面の不安などは、周囲がいる場では話しにくいものです。また、ミッションや指示の受け取り方にズレがないか、部下が今どこで引っかかっているのかも、1on1で丁寧に確認できます。早い段階で気づければ、大きな問題になる前に手を打てます。
目標達成のためのズレや遅れをスピーディーに修正できる
1on1を定期的に行うことで、目標に対するズレや遅れに早めに気づき、軌道修正しやすくなります。部下にとっても、早い段階でフィードバックをもらえるほど、次のアクションをタイムリーに変えられます。
もちろん、日々の業務の中でも指摘はできますが、時間を取って背景まで含めて話せるからこそ、本人の納得感につながりやすく、次の行動も具体的になります。
1on1の効果を高めるためのやり方
1on1は、実施するだけで自動的に成果が出るものではありません。進め方を少し工夫するだけで、部下が話しやすくなり、振り返りや次の行動にもつながりやすくなります。ここでは、1on1の効果を高めるための具体的なやり方を紹介します。
上司と部下の信頼関係を構築する
上司と部下の信頼関係がない場合、部下は心を閉ざし、本当のことを話しにくくなります。1on1は、信頼関係を少しずつ強くしていくための機会でもあります。まだ関係づくりが進んでいないと感じる場合は、まず上司側から心を開き、部下と会話する回数を増やすところから始めましょう。
1on1の目的を明確にする
会社や事業部として、何のために1on1を実施するのかを明確にし、上司・部下の双方に共有することが重要です。目的が曖昧なままだと、「時間がかかって面倒」「やっても意味がない」という認識のまま運用が始まりやすく、業務時間だけが削られてしまいます。たとえば「部下の成長を促す」「困りごとを早めに解消する」といった目的がはっきりしていれば、1on1はただ話す場ではなく、日々の業務を振り返って学びを言葉にし、次にどう動くかを決めるための時間として機能します。
部下は事前に話したいことの準備をする
1on1を有意義にするには、部下側も最低限の整理をして臨むことが大切です。「今週あったこと」「困っていること」「分からないこと」を簡単にまとめておくだけでも、対話の質は大きく変わります。事前に整理しておくことで、相談事が具体的になり、上司からも的確なフィードバックをもらいやすくなります。
上司は部下の支援をする場だと認識する
1on1は、業務の進捗確認や評価を行う場ではなく、部下の成長を支えるための時間です。上司が結論を急いだり、判断や評価に寄せたりすると、部下は本音を話しにくくなってしまいます。まずは部下に十分に話してもらい、否定せずに受け止めたうえで考えを整理する手助けをすることが重要です。部下が自分の言葉で状況を整理できれば、次の一歩も具体的に決めやすくなります。
話した内容を共有して認識を合わせる
1on1をやりっぱなしにしないために、話した内容をまとめておくのがおすすめです。たとえば「次に何をやるか」「いつまでにやるか」といった結論を、上司と部下の間で確認しておくだけでも、次の行動につながりやすくなります。必要に応じて、チームにも共有しておくと同じ方向を向いて動ける状態がつくれます。もちろん、すべてを報告・共有しなければならないわけではありませんが、要点だけでも見える形にしておくと、過去の1on1内容を振り返りやすくなります。
こんな1on1は部下の満足度を下げる!上司が気をつけるべき注意事項4選
1on1は、やり方を間違えると逆効果になってしまうことがあります。部下の満足度が下がる1on1にはいくつか共通点があります。ここでは、上司が特に気をつけたい注意点を4つ紹介します。
上司ばかり話す
1on1は部下の成長を促し、不安や課題を取り除くための支援をすることが目的です。この時間では上司が部下に指示をしたり、評価・判断をしたりすることは避け、本人の意思を確認したり、思っていることを話してもらう時間にしなければなりません。
「色々話したけど否定された」「相談したかったけどずっと上司が話している」と部下が受け取ることの無いように注意しましょう。
雑談で終わってしまう
上司と部下の関係が良好な場合、終始雑談で終わってしまうこともあり得ます。しかし、1on1を行った後、部下の成長を促せるような会話ができたか、次のアクションが決められたかという点で何も進歩がなければ、時間の無駄になってしまいます。
また、なごやかに雑談して「コミュニケーションがとれた」と思い込んでいるだけで、部下は「上司の話に付き合って時間を無駄にした」と思っているかもしれません。
1on1の時間を無駄だと思っている
上司が1on1を良いものにしようと腹落ちできていなければ、その気持ちは部下にも伝わってしまうでしょう。「上が1on1やれって言うんだよね」などと部下に言ってしまうと、部下の信頼も失ってしまいます。1on1の目的と価値を理解し、部下にそれを伝えられないのであれば、上司自身がさらに上の上司に目的や意味を確認し、十分に理解してからスタートすべきでしょう。
評価したり進捗管理を行う時間にしてしまう
1on1では評価をしたり、業務の進捗を確認したりする時間ではありません。部下の成長を促す人材育成のための時間です。毎日の業務の進捗度合いではなく、その中で感じたことや悩み、困っていることを話してもらうことに時間を使いましょう。1on1では褒めたり叱ったりせず、部下の発言に対して、上司として見えている姿をフィードバックすることが大切です。
1on1実施企業の事例や参考図書
1on1の運用イメージをつかむために、1on1が定着し成果につながった企業の事例と、理解を深めるための参考図書を紹介します。
LINEヤフー株式会社
1on1といえば、LINEヤフー株式会社が有名です。本間浩輔さんの図書『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』では、1on1の全てを理解することができるといっても過言ではありません。(こちらの記事でも、参考にしております)
LINEヤフー株式会社で1on1が成功している理由はいくつかありますが、経営陣を巻き込んで実施したこと、「WHY」を社員に浸透するまで伝え続けたことがまず大きいのではないでしょうか。
また、継続して価値があるものにするために、1on1の技術も高めていったと図書には記載されています。始めてから5年間続いているということが、その1on1が価値のあるものだと認められている証拠ではないでしょうか。
▼参考図書
本間 浩輔,『増補改訂版 ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法,ダイヤモンド社,2025年
・中原 淳,『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』,PHP研究所,2017年
1on1で部下の成長を促すために
本記事では、1on1の効果的な進め方や注意点について解説しました。
1on1の効果を最大化するためには、以下のポイントを意識しましょう。
・まずは上司と部下の信頼関係を構築する
・1on1を実施する目的を明確にし、部下に共有する
・上司部下ともに事前に準備を行う
・上司が一方的に話すのではなく、部下に十分話してもらう
・話した内容を報告、共有して認識を合わせる
1on1の目的は、部下の悩みを解消し、成長を促すことです。雑談で終わらせたり、評価や進捗管理に偏らないよう注意しましょう。本記事で紹介した内容や、他社の事例を参考にして、自社の1on1に取り入れてみてはいかがでしょうか。













