効果的な「1on1」は上司のやり方が全て。部下が成長する進め方とは

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1on1とは

1on1ミーティングとも呼ばれ、上司と部下の1対1で対話する機会をもつこと

1on1は、上司と部下が定期的に個人面談を行うことをいいます。上司が部下の現状を把握し、業務についてのアドバイスなどを行うことを通して、主に部下の成長を促すために行います。
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1on1を行うことによる効果

部下の成長を促す

日々の業務を振り返り、学びを得るきっかけを作ることで、本人の成長を促す場とすることができます。また、本人では気づくことのできない課題や弱みを認識できるため、成長スピードも上げることができます。 仕事における成長は、仕事そのものから学んでいくことがほとんどです。その成長角度を上げるためには、仕事そのものからの学びを1on1を通してより深いものにしていくことが必要です。

コミュニケーションのきっかけをつくる

「従業員同士のコミュニケーションは重要でない」と思う上司は少ないでしょう。しかし、コミュニケーションが重要なことはわかっているが、どうしていいか分からないという上司は多いのではないでしょうか。 1on1は、定期的に半強制的に個人面談を行う機会を設けます。この制度を「言い訳」にすることで、コミュニケーションをとらざるを得ない環境をつくることも1on1のメリットの一つなのです。 この機会がなければ、業務時間の中で雑談をする程度、飲み会の場でみんなと一緒に会話する程度だったという上司部下も多いでしょう。1on1は、無理やり機会を作ることで、コミュニケーション量が増えるというメリットもあるのです。

部下や現場の状況を把握することができる

「現場の状況は把握できている」と思われるかもしれません。しかし、個人面談だからこそ把握できる情報があります。それは「部下について」です。 特にプライベートなことでの悩みなどは、個人面談だからこそ相談できることの一つです。部下が業務以外のことで何か悩んでいるということは、現場を見ているだけでは把握できません。また、部下が何を考えているのか、ミッションや指示の内容の認識がずれていないかも改めて確認することができます。

目標達成のためのズレや遅れをスピーディーに矯正できる

定期的に1on1を行うため、目標に対するズレや遅れのフォローをスピーディーに行うことができます。部下にとっても早めに指摘されることで自分のアクションの改善をタイムリーに行うことができるメリットがあります。 もちろん通常の業務上でも指摘していくことは可能ですが、時間をとって指摘するからこそ、部下の心にしっかり残り、次のやる気につなげることができます。

効果を高めるための1on1の進め方

1)まずは上司と部下の信頼関係を構築する

上司と部下の信頼関係が無い場合、部下も口を閉ざし、本当のことを話すことは少ないでしょう。上司部下の信頼関係をより強いものにするためにも1on1は効果がありますので、まだお互いの関係構築が進んでいないと感じる場合は、まずは上司側から心を開き、部下とコミュニケーションをとる働きかけから始めましょう。

2)目的を明確にする

会社として、または導入する事業部として、何のために1on1を実施するのかの目的を明確にし、しっかり伝えることが重要です。この点が不十分ですと、「時間がかかってめんどくさい」「やっても意味がない」という認識のままスタートし、業務時間だけが削られる結果となってしまいます。 1on1を実施する上司の方は、なぜ会社として1on1が重要なのかを自分の言葉で語ることができなければなりません。

3)上司部下ともに、事前に準備する

1on1を有意義な時間にするには、突然スケジュールをおさえて実施するようなことはおすすめできません。前もってスケジュールをおさえ、上司は何を話すかアジェンダを決めておき、部下は聞きたいことをまとめておくようにしましょう。 上司の方は、「事前に話したいことがないか用意しておいてね」などと声をかけておきましょう。

アジェンダは不要、上司は部下の支援をする場だと認識を

1on1は、部下の成長を促すため、部下が思っていることやできごとに対して内省する時間とすることがベターです。そのため、上司が知りたい・聞きたいことを質問攻めにする時間ではありません。そういう意味では、上司は聞くことを用意する必要はなく、「今週はどうたった?」「何か話したいことはある?」と、部下が話したいことを話せる雰囲気を作ることが重要です。

部下は事前に話したいことの準備を

部下にとって1on1の目的は、自分の成長につながる気づきを得ることや、今の業務で困っていることを解決するための支援を受けるための相談をすることです。そのためにはどんなことがあったか、何に困っているか、分からないことは何かをある程度まとめておく方が良いでしょう。 「日々話しているから何も話すことは無い」と思うかもしれません。しかし、自分が成長するためには具体的な行動につながる気付きや振り返りが必要です。そしてそれは日々の単純な「会話」では行動にまでつながるケースは多くありません。 もし、上司に対して苦手意識があったり、不信感がある場合は、1on1を通して意識的に接点を増やして関係を作っていくことから始めていく気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。

4)部下に十分に話してもらう

1on1の時間は、部下に十分に考えていることを話してもらうように意識しましょう。否定や肯定、指示をするのではなく、すべて受け入れるという態度を示すのが大切です。本人の内省を促せるようなアドバイスや次の行動(ステップ)が決定できると、成長につながる1on1として、有意義なものになります。

5)話した内容を報告、シェアして認識を合わせる

1on1の効果を高めるため、次のアクションなどの「約束事」を上司に改めて報告したり、他のチームにシェアすると良いでしょう。部下の内省を深め、成長につながるのであれば、報告やシェアが必ずいるわけではありませんが、可視化することで他メンバーへ波及効果があったり、企業風土として根付いたりするメリットがあります。

こんな1on1は部下の満足度を下げる!注意点4つ

1)上司ばかり話す

1on1は部下の成長を促し、不安や課題を取り除くための支援をすることが目的です。この時間では上司が部下に指示をしたり、評価・判断をしたりすることは避け、本人の意思を確認したり、思っていることを話してもらう時間にしなければなりません。 「色々話したけど否定された」「相談したかったけどずっと上司が話している」と部下が受け取ることの無いように注意しましょう。

2)雑談で終わってしまう

上司部下が良好な関係な場合、終始雑談で終わってしまうこともあり得ます。しかし、1on1を行った後、部下の成長を促せるような会話ができたか、次のアクションが決められたかという点で何も進歩がなければ、時間の無駄になってしまいます。 また、なごやかに雑談して「コミュニケーションがとれた」と思い込んでいるだけで、部下は「上司の話に付き合って時間を無駄にした」と思っているかもしれません。

3)1on1の時間を無駄だと思っている

上司が1on1を良いものにしようと腹落ちできていなければ、その気持は部下にも伝わってしまうでしょう。「上が1on1やれって言うんだよね」などと部下に言ってしまうと、部下の信頼も失ってしまいます。1on1の目的と価値を理解し、部下にそれを伝えられないのであれば、上司自身がさらに上の上司に目的や意味を確認し、十分に理解してからスタートすべきでしょう。

4)評価したり進捗管理を行う時間にしてしまう

1on1では評価をしたり、業務の進捗を確認したりする時間ではありません。部下の成長を促す「人材育成」のための時間です。毎日の業務の進捗度合いではなく、その中で感じたことや悩み、困っていることを話してもらうことに時間を使いましょう。1on1では褒めたり叱ったりせず、部下の発言に対して、上司として「こう見えている」というフィードバックをすることが大切です。

1on1実施企業の事例や参考図書

ヤフー株式会社

1on1といえば、ヤフー株式会社が有名です。本間浩輔さんの図書『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』では、1on1の全てを理解することができるといっても過言ではありません。(こちらの記事も、参考にしております) ヤフーで1on1が成功している理由はいくつかありますが、経営陣を巻き込んで実施したこと、「WHY」を社員に浸透するまで伝え続けたことがまず大きいのではないでしょうか。 また、継続して価値があるものにするために、1on1の技術も高めていったと図書には記載されています。始めてから5年間続いているということが、その1on1が価値のあるものだと認められている証拠ではないでしょうか。 参考図書:ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法(ダイヤモンド社) フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術(PHP研究所)

部下が育つ1on1実施のために、TUNAG(ツナグ)を活用

「上司と部下の1on1を実施しましょう」と言っても、本当に実施されているのか、どういった報告がされているのかが分からない場合、その効果をはかることができません。TUNAG(ツナグ)では1on1などの制度をツール上に取り込み、実施の報告をしてもらったり、アンケートを設定して部下に回答してもらったり、事前に上司に質問を申請したりするなど、様々な形で運用することが可能です。 実施状況はデータで可視化されますので、実際の実施頻度とその後の部下の成長、上司との関係にどのような関係があるかも検証することができます。 1on1を日々改善していくためのツールとしてだけでなく、専門のトレーナーが運用も支援しますので、運用コストをおさえながら制度改善を行っていくことができます。 部下と上司の信頼関係構築は、今日明日で行えるものではありません。また、上司部下だけでなく、社員同士、会社と社員の信頼関係構築も同時に行っていくことが重要です。『TUNAG(ツナグ)』は、会社とメンバーのエンゲージメントを高めるための様々な社内制度の運用を行うことができるサービスです。 例えば、従業員のコミュニケーションを促すサンクスカードで褒める仕組みを導入したり、上司と部下で行う1on1MTGで縦のつながりの強化を行ったりと、様々な取り組みを一つのサービスで行うことが可能です。
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著者情報

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