アルバイト定着率が30%改善、3ヶ月で300名採用:BPが「友達に紹介したくなるバイト先」を作るまで
ウェディング事業を中心に、ホテル、レストランの運営や、映像事業、不動産事業、保険事業など、幅広いサービスを展開する株式会社BP様。アルバイトを含めて従業員数が2,000名を超える同社では、 頑張りをしっかり褒める「承認」によって、組織への定着を促したいと考え、TUNAG(ツナグ)を導入。
サンクスカードや日報の運用、リファラル採用など、TUNAGの活用方法について、常務取締役の浦木様、オペレーションマネージメント室 採用教育部 マネージャーの樋口様、長沼様(以下、敬称略)にお話を伺いました。
▼株式会社BP様のサンクスメッセージの取り組みを詳しくご紹介している記事はこちら
「社内インフルエンサー」で称賛文化を創る取り組み。3ヶ月でサンクスメッセージ10,000回!
従業員の頑張りを「承認」できるツールを検討し、TUNAGを導入
※常務取締役:浦木様
〜TUNAG導入前に感じていた課題についてお聞かせください〜
浦木:いまの世の中、従業員の頑張りをしっかり褒める「承認活動」が昔に比べてどんどん薄くなっていて、心身を病んでしまう人も増えていますよね。そこを何とかしなければと思っていました。
当社でも業務が多様化して、セクションもたくさんあるので、誰が誰を承認すれば良いのか分かりづらい。実際、退職する方に話を聞いたときに、「連帯感を感じられない」みたいに言われることも多かったですね。
上司にヒアリングしてみると、一生懸命仕事を教えたり、スキルを磨かせることはしっかりやっているんです。ただ、そっちが忙しすぎて、社員の頑張りを褒める承認ができていない、ということが起こっていたんです。
〜課題解決のためにTUNAGを選んだ理由を教えてください〜
浦木:スマホでサンクスカードが送れるツールを検討しました。紙のカードと違い、面と向かって会わなくてもメッセージが渡せるし、手書きでカリカリ書かなくて良い。私自身、現場上がりの人間で、通常業務の忙しさは身に染みてわかっているのですが、これなら忙しい中でもできるんじゃないかと思って、資料を読んだ瞬間に「これだ!」とビビッときましたね。
TUNAGを含めて3社を比較検討したんですが、TUNAGは営業担当の方の温度感と、綺麗事のない本音トークが最高でした。「サンクスカードって、良い取り組みですけどリアルな運用は大変ですよね」と共感してくれて、これなら何か実現できそうだなと感じましたね。
アルバイトの中からインフルエンサーを選び、活用を促進
〜TUNAGの導入にあたり工夫された点があれば教えてくだい〜
浦木:導入当時から1,000名を超えるアルバイトがいたので、アルバイトの中でも皆さんが慕っている人にインフルエンサーになってもらって、TUNAGの楽しさを発信してもらいました。
会社として「承認」をいかに大事にしているかをしっかり説明して、「みんながTUNAGでコミュニケーションを取るようにしたいんだ」と話すと、「分かりました!私たち協力します」と言ってくれて。
会話の中で「いい話だな」と感じることがあったら、「その話、つないだ?(TUNAGに投稿した?)」と投稿を促してもらい、TUNAGを少しずつ広げていきました。
アルバイトは、個人スマホでTUNAGにログイン
※オペレーションマネージメント室 採用教育部 マネージャー:樋口様
〜アルバイトの方が使う端末はどうしていますか? また、どんなタイミングでTUNAGを見るのでしょうか〜
樋口:基本的に自分のスマホでTUNAGを使っています。終礼のときに、「今日感謝できる人がいたら、サンクスカードを送ってね」と、投稿を促していますね。
浦木:皆さん、通勤時間にTUNAGを確認することも多いですよね。
長沼:あとは、平日に見ているときもあるのかなと思います。アルバイトの皆さんは週末の勤務が多いんですが、私たちが平日に何か投稿したとき、割とすぐに既読が200件とか付くこともあります。
運用担当者は4名、他業務と兼任しながら
※オペレーションマネージメント室 採用教育部 マネージャー:長沼様
〜TUNAGの運用体制・役割分担について教えてください〜
長沼:私と樋口のほかに2名、計4名で運用しています。明確に役割分担しているわけではなくて、ほかの業務とのバランスを見ながら割り振りをしています。
浦木:兼任しているところがポイントで、TUNAG運用だけをしていると、現場の皆さんから「現場を知らないのに」と思われる可能性があるんですよね。
長沼:4人とも現場上がりで忙しく働いていた身でもあるので、ツールを使う側の手間や忙しさを想像をしながら運用するようにしています。
サンクスカードや日報、リファラル採用にTUNAGを活用
サンクスカードと表彰制度を紐づけて運用
〜スタッフを承認・称賛する取り組みについて、詳しくお聞かせください〜
樋口:まず、サンクスカードですね。社員からアルバイト、アルバイトからアルバイトに送られることが多いんですが、中でも、現場部門のサービスやゲストリレーションの社員から、同じ部門のアルバイトスタッフに送られるパターンが一番多いかなと思います。
サンクスカードには表彰制度も紐づけています。3ヶ月に一度、全社を挙げて表彰式をしているんですが、アルバイト部門もあり、サンクスカードを送った数・もらった数で評価して、表彰しています。
自分の時間を作って、人に感謝を伝える行為って本当に素敵なことだし、すごいことだなと思うからこそ、サンクスカードを「送った数」も評価の対象にしています。
「アルバイトは10回続けば定着する」日報で頑張りを承認し、やる気につなげる
〜TUNAGをアルバイトの教育や育成にも活用されているそうですが、具体的にどんな取り組みをしていますか?〜
長沼:「ひよこ日記」といって、初出勤から10回目の勤務までの日報みたいなものをやっています。その日学んだことやできるようになったことを挙げてもらって、それに対して先輩スタッフが「今日ここが良かったよね!」「今日頑張ったじゃん」と、コメントしたりスタンプを押すんです。
ブライダルの仕事は学ぶことも多く、体力的・精神的にも大変なんですが、「先輩からこんな言葉がもらえて嬉しいな」と気持ちを持続させるためにやっています。
アルバイトで辞めてしまう人って、大体5回とか10回以内で辞めてしまうんです。 10回続けば定着すると思っているので、毎回投稿する仕組みがあればやる気が出るのかなと思いました。
ホスピタリティの事例を全社共有:サービスへの自信を高め、やりがいを醸成
長沼:BPでは「ラポール」という、ホスピタリティの専属スタッフを育成しています。
浦木:サービスのスタッフは料理や飲み物を出すんですが、ラポールはそうしたことは一切しません。たとえば、お子様連れの方がなかなか料理を食べられていなかったら、代わりにお子様の面倒を見たり、ご高齢の方が着替えに苦労していたら手伝ったり、荷物を運んだり、コンシェルジュのような役割ですね。
長沼:「ラポールフィードバックシート」では、ラポールのスタッフが「当日、お客様に向けてこういう行動を起こせた」「こういうことで困りそうだったからこういう行動をした」と、ホスピタリティの内容を投稿しています。
浦木:それを見て、サービスのスタッフも「これ私もできそうだからやってみよう」となりますし、営業部の社員も誇りを持って自社の結婚式を勧められるんです。他の皆さんがスタンプやコメントをどんどん送るので、ラポールの人たちも「もっと頑張ろう」という気持ちになっていきます。
ラポールの取り組み自体は長くやっているんですが、TUNAGとドッキングしたことによって、会社の誰もが知る当社最高のサービスになりました。
リファラル採用や、社員登用への活用も
〜採用の部分でもTUNAGを活用されていると伺いました〜
樋口:「友達紹介の輪」というリファラル採用の制度があります。アルバイトスタッフが友達と話しているときに、「この仕事やってみたい」と言われる機会が結構あるらしいんですね。そんなときにTUNAGを開いて友達紹介を申請すると、私や長沼に連絡が入るようになっています。申請を受けたら私たちが対象者に連絡をして、面接の日程などを決めていきます。
浦木:当社はアルバイトから社員登用することも非常に多いんです。普段から個人的に「この子、絶対社員になって欲しいな」と思っているアルバイトスタッフもすごく多くて、社員が足りないときは、こっちから声を掛けられる状態ですね。アルバイトからの社員登用なら、ミスマッチも少ないですし。
TUNAG担当者と施策を考案、TUNAG導入企業の交流会にも参加
樋口:「TUNAGであれやりたい、これやりたい」っていう思いつきが結構あって、そういったときにカスタマーサクセスの担当の方から、すぐに提案してもらえるのはすごく感謝しています。先ほどあった「ひよこ日記」に関しても、担当者と一緒に作っていけて、すごくサポートしてもらっているなと感じるところです。
あと、エンゲージメントアカデミー(※)の交流会にも参加させてもらったんですけども、その中で求人媒体を運営する企業さんとの出会いがありました。採用がうまくいった要因として、こうした企業さんと提携できたのも大きいですね。TUNAGを通してつながれたからだと感じています。
※BP様は、TUNAG導入企業の繋がり・学びの場「エンゲージメントアカデミー」に参加されています。
定着率・採用コストに効果を実感、口コミサイトの順位も上昇
アルバイトの定着率が、30%改善
〜定着の部分で、TUNAGの効果を実感していることはありますか?〜
浦木:数値でいうと、TUNAG導入前のアルバイト定着率は63%、2023年現在では93%なので、アルバイトの定着率が30%上がっています。
長沼:実際のエピソードなんですが、アルバイトスタッフと話をする中で、「すごくしんどい時期があって心が折れかかったときにサンクスカードが届いて、その内容を見てもう少し頑張ろうと踏ん張れた」と。そのスタッフは学校を卒業するまで勤め上げてくれました。
アルバイトを3ヶ月で300名採用、採用単価は1万円未満
浦木:3ヶ月で300人、アルバイトを採用したときもありましたね。結婚式場なので、コロナ禍は一時的に仕事が少なくなっていたんですが、その間もTUNAGでつながり続けた。このパイプがあったからこそ、コロナが落ち着いて結婚式が増えてきたタイミングで300人もの採用ができたんです。アルバイトのスタッフが人を集めてTUNAGで紹介してくれたおかげですよ。
1人採用するのに3〜4万円かかるとして、採用媒体で300人を採用すると1,000万円ほどかかってしまう。でも当社は、TUNAGで人材を紹介してくれたスタッフに紹介フィーを払ったとしても、採用単価が1万円を切っていますからね。採用媒体に比べたら費用がかかりません。
でもそれは、やっぱりTUNAGありきですよね。「紹介したらいくら払います」って、結局は働いているアルバイトのスタッフたちが「この会社を紹介したい」って思うかどうかですから。友達に「ほら、見て見て」「うちのアルバイト先、こんな素敵なのやっててさ」とTUNAGを見せるのが、一番効果的ですよね。
口コミサイトで順位が上昇、12位から1位になった事業所も
〜お客様に対するサービスの品質や、お客様満足度に関して、効果はありましたか?〜
浦木:結婚式場の口コミサイトで、「コンシェルジュの方が子どもを見てくれました。感謝しています」「年配の参加者への心配りが優しくて、感動しました」など、実際にラポールの取り組みが書かれて、口コミランキングの順位がどんどん上がっています。TUNAG導入前はランキング12位だったある事業所が、2023年には1位になっていますね。
結婚式って子連れだと行くのを躊躇する人がいっぱいいるんです。でも行ってみたらラポールがいて、後日「子連れだったけどしっかり料理を楽しめたよ」「あなたが選んだ結婚式場最高だったよ!」と新郎新婦に伝える。
それを新郎新婦が口コミサイトで、「列席した子供連れの友人がこんなことを言っていました。だから星5です!」と書いてくれるんです。その口コミを見て新しいお客様が来てくれるという、好循環ですね。
今後も会社に誇りが持てる情報を発信、さらなる「承認」の取り組みも
〜今後、BP様としてどんな組織を作りたいと考えていらっしゃいますか?〜
浦木:未来の顧客であり、社員候補でもあるアルバイトのスタッフたちに、会社として取り組んでいることを知ってもらい、誇りを持ってもらいたいですね。なので、ラポールの取り組みのように、会社として発信できるネタをどんどん作っていきたいです。
もう一つ、今はサンクスカードが軸としてあるからこそ、みんながTUNAGを見てつながり続けています。ただ、サンクスカードに頼り続けるんじゃなく、樋口や長沼などほかのメンバーや、TUNAGの担当者の方で、もう1つの軸となる取り組みを生んでくれることを期待しています。
樋口:そうですね。私ももう1つ大きな柱を作って、皆さんに「TUNAGを見たい」と思ってもらえるようにしたいです。ログイン率が今は5割くらいですけど、8割くらいに伸ばしたいので、何を発信していけば見てもらえるのか、TUNAGの担当の方とも一緒に考えていきたいと思っています。
長沼:私は承認の場をどんどん広げていきたいです。ちょうど今、調理部門の大きいコンテストが始まるので、出場する人にインタビューしてTUNAGで発信して、盛り上げていきたいと思っています。
私自身、「話したことなかったけど、こんな想いでやってるんだな」「こんなところにこだわりを持ってるんだな」と知れる機会になったので、普段は目立たないけどすごく頑張っている、という人をクローズアップしていきたいです。
〜浦木様、樋口様、長沼様、お話いただきありがとうございました!〜