動画マニュアルとは
動画マニュアルとは
動画マニュアルとは、業務の手順や商品の使い方を動画で解説したマニュアルです。動画マニュアルを社内で共有すれば、業務を標準化・効率化できます。以下、動画マニュアルの利用目的として、よくある4つのパターンを紹介します。
- 作業マニュアル動画:社内で使用される作業手順書や機器の取扱説明書を動画化したもの
- 営業マニュアル動画:営業に必要な手順やノウハウを解説した動画
- 社内研修マニュアル動画:社員の教育を目的とした動画
- 商品マニュアル動画:製品の使い方や組み立て方、操作方法などを解説した動画
動画マニュアルのメリット
動画マニュアルのメリットは、テキストや画像のマニュアルより視覚や聴覚でも情報を受け取れるので、理解しやすく、一度制作すれば追加のコストがかからないことです。一方、マニュアル動画の作成には一定のコストと専門知識が必要で、一度作成すると修正が困難というデメリットがあります。文字や、写真に比べた動画の有用性については、「1枚の写真が1,000文字の情報量に相当するとすれば、1分間の動画の情報量は、180万語に相当する」という、米国の調査会社Forrester Researchが発表したJames L. McQuivey博士の説が有名です。
動画マニュアルの事例6選(制作、活用篇)
マニュアル動画の制作事例3選
【製造業】岡本工作機械製作所:研削ノウハウマニュアル動画
岡本工作機械製作所の研削ノウハウマニュアル動画では、研削盤にといしを取り付ける手順を紹介しています。実際に作業している動画に合わせ、ポイントをテロップとナレーションで解説しています。作業の流れに沿って解説しているため、作業の流れをイメージしながら学習できるマニュアル動画です。
参照:
岡本工作機械製作所:研削ノウハウマニュアル動画
【出版社】日本経済新聞出版:ミニドラマで学ぶ研修教材
日本経済新聞出版は、研修用DVDの販売を目的として、ミニドラマで学ぶ研修マニュアル動画を公開しています。管理職に向けたテレワーク環境でのマネジメントのマニュアル動画は、最後まで飽きずに視聴できる短めの動画です。ミニドラマ形式なので、具体的な状況をイメージしながら学習できるマニュアル動画となっています。
参照:
日本経済新聞出版:ミニドラマで学ぶ研修教材
【美容室】ALBUM:シャンプーやスタイリングなどの技術動画
ヘアーサロンALBUMは、新卒から美容師歴2年以内のアシスタントが動画の視聴のみでスタイリストとしてデビューできる技術を身に付けることを目標として、シャンプーやスタイリングなどの技術動画を公開しています。実際に作業している動画に合わせ、ポイントをテロップとナレーションで解説しています。小顔に見せる顔まわりカットといった技術動画だけでなく、縮毛矯正の仕組みを解説した知識動画も掲載されています。
参照:
ALBUM アカデミー
マニュアル動画の活用、共有事例3選
【美容室】ウインナー美容室:若手向け講習動画
ウインナー美容室では、接客マニュアルやカット講習の動画などを社員と講習受講者で共有しています。マニュアル動画を講習受講者と共有することで、いきなり講習に入るよりも予備知識がある中で講習を実施できるため、学習吸収度合いを高めることが可能です。動画を共有することで誰がどこまで講習を進めたのか、進捗状況はどの程度なのかを複数のスタッフで共有できるため、若いメンバーのバックアップにもつながっています。
参照:
店舗が離れていても情報はタイムリーに共有 - ウインナー美容室(TUNAG(ツナグ)導入事例)
【スーパー】スーパーサンシ:惣菜調理のマニュアル動画
スーパーサンシ株式会社では、業務効率化の一環として作業手順書のマニュアル動画を配信を行っています。惣菜部門では「カツ丼のつくり方」、水産部門では「アジの3枚おろし」といったように作業の様子を各部門で共有することで、入社したばかりのスタッフに対して基礎知識が入った状態で作業を教えることができ、指導の時間短縮が可能です。また、入社前に動画を視聴してもらうことで、入社に対する不安解消にも活用できます。
参照:
スーパーの惣菜調理、安全衛生の教育に動画活用 - スーパーサンシ(TUNAG(ツナグ)導入事例)
【総合ディスカウントストア】多慶屋:販売商品の検証動画
総合ディスカウントストアの多慶屋では、社員が自分で商品を試した動画を共有することで、社員同士のコミュニケーション活性化に活用しています。たとえば、商品として扱っているくもり止めシートで本当に曇らないのかを試した動画を社内で共有。動画が社内で話題となり、社員達が、実際に商品を買いに行ったということがありました。
参照:
社員が自分で商品を試した写真や動画をTUNAG(ツナグ)に投稿 - 多慶屋(TUNAG(ツナグ)導入事例)
作業マニュアルを動画化するには
作業の手順や流れをまとめた作業マニュアル、写真を映像、動画化する際には、作業全体の流れが分かるようにする必要があります。また、誰でも理解できるように専門用語をできるだけ使わないようにしましょう。よくある失敗を紹介するのも効果的です。
製造業等の現場での作業手順書
製造業における作業手順書で重要なことは、正しい手順で作業を行い、安定した品質の製品を製造することです。動画マニュアルがあれば、作業工程を標準化でき、誰が製造しても同じクオリティの製品が製造できます。作業手順書を動画化する手順は以下の通りです。
- 作業手順書に従って作業を撮影する
- 撮影した動画に作業の手順に合わせたナレーション・テロップを挿入する
動画マニュアルを共有する方法
社内のマニュアル動画を共有する方法は、大きく以下の3つに分類できるでしょう。
1.研修、ナレッジ共有用の資料格納先に保存しておく
研修を受ける側、社内のナレッジを探している人が、能動的にシェアフォルダ、クラウドストレージ等へマニュアル動画を閲覧しにいく形式です。従業員にPCやスマホが貸与されていない状況では、実現が難しかったり、動画の格納先が十分に周知されていないと、あまり見られない可能性があります。
2. 一対多数に共有する
新人社員研修や、特定の職種の従業員に対して、一対多数でマニュアル動画を送信する形式です。メールやチャットでも送信可能ですが、所属グループ毎にメーリングリストや、チャットのグループがないと送信側の作業が煩雑になります。
3.一対一で送る
メール、チャット等で、一対一でマニュアル動画を送付するパターンです。
動画マニュアルの作り方
動画マニュアルを作るには
動画マニュアルを作るには、動画を撮影できる機器と撮影した動画を編集できるソフト・ツールが必要です。簡単な動画マニュアルならスマホだけで作成できます。動画マニュアルを作る手順は、以下の通りです。
- 構成案・台本の作成
- 作業工程ごとに撮影する
- 動画にナレーション・テロップを入れる
具体的にどのような種類の動画マニュアルを作るのかを確認し、視聴者に何をどのような順番で伝えるのかといった動画の構成を作成します。取り直しを防ぐために、動画の台本を作っておきましょう。動画撮影時には、決まった角度からだけでなく複数の視点から撮影することも重要です。細かい作業を説明する場合は、ズーム機能を活用しましょう。撮影が終わったら、不要な箇所をカットし、ナレーションやテロップを追加します。動画の時間が長すぎると視聴者の集中力が低下するため、ポイントを抑えた内容にしましょう。
動画マニュアルの作成におすすめのツール、ソフト
動画マニュアルは、動画編集専用のソフト・ツールを使用することで効率よく作成できます。動画編集アプリでも動画マニュアルは作成できますが、動画マニュアル制作に特化したソフトの方が初心者でも扱いやすいです。パソコンにインストールする必要がなく複数のスタッフで共有できるクラウドタイプと、パソコンへのインストールが必要がなものの購入費用だけで利用できるインストールタイプがあります。
パワーポイントを使った動画マニュアルの作成
Microsoft パワーポイントの「スライドショーの記録」という機能を使えば、スライドショーを使って説明する様子を録画することで、音声入りのマニュアルビデオを作成できます。パワーポイントを使ってプレゼンテーション用の資料を日常的に作成している場合におすすめです。すでに作成しているプレゼンテーションをベースに動画を録画するため、手間と時間をかけずにマニュアル動画を作成できます。新たに動画編集ソフトを導入する必要もありません。
参照:
プレゼンテーションを記録する - Microsoft サポート
無料アプリを使った動画マニュアルの作成
有料の動画編集アプリには動画マニュアル作成に不要な機能も多く、操作も複雑です。無料の動画編集アプリでも必要な機能が搭載されているためマニュアル動画を作成できます。ただし、トリミングやナレーション・テロップの追加といった動画の編集に慣れていないと、マニュアル動画の作成に時間がかかったり、納得できるクオリティにならないかもしれません。
最後に:双方向のコミュニケーションで理解度の確認を
上述の動画マニュアルの共有パターンのように、マニュアル動画は状況に応じて適切な方法で共有する必要があります。マニュアル動画を作成した側としては、「送ったから見ておいて」だけではなくて、双方向のコミュニケーションを通じて、どれだけの人が見ているか?どの程度理解しているか?作業を再現できるか?疑問が生じていないか?といった理解度や今後の課題を把握することで、動画マニュアルの効果を確認できるはずです。
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