社内wikiとは?おすすめツール8選と、運用のポイント・注意点を解説
社内wikiとは
社内wikiとは、社内の情報をストックし、情報共有やコミュニケーションを円滑にするツールです。インターネットサイトのWikipedia(ウィキペディア)をご存知の方は多いと思いますが、社内専用にWikipediaを構築するイメージを持つと分かりやすいかと思います。
社内ノウハウや情報を自分達で必要な情報をアップロードし、共有します。アップロードした情報はいつでも欲しいページを更新・閲覧する事ができるため、リモートワークにおける情報共有にも有効です。
社内wikiはこうしなければならないという決まりはありませんが、ドキュメントの管理などに向いており、活用方法は会社によって様々です。
マニュアルなどの手順書類の管理に社内wikiを活用している事例が多く、その特性から運用面において大変有用と言えます。また、議事録やプロジェクト管理、報告書の管理などにも使う事例もあります。
その他にも個人的に利用するTodoリスト、チームとして共有するTodoリストなど、用途によって使い分ける事も出来ます。
社内wikiの類似ツールとの違い
社内wikiは社内の情報共有やナレッジ蓄積を得意とするツールの一つですが、他の情報共有ツールとはどのような違いがあるのでしょうか。
社内wikiと他の情報共有ツールとの違いは、以下の表の通りです。
ツールの種類 | 特徴・役割 |
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社内wiki |
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社内ポータル |
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社内SNS |
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社内FAQ |
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社内wikiを活用するメリット
社内wikiを活用することで、組織全体に様々な良い影響をもたらします。ここでは、社内wikiを活用するメリットを解説します。
属人化を防ぐ
属人化とは、社内の業務において特定の人だけが内容を把握し情報を共有していない状況になります。
特にマニュアルなどのドキュメント類を社内wikiで管理すると、各メンバーに依存していた情報を共有化する事が出来るため、属人化を防ぐ事に役立ちます。
保存場所、フォーマットなどを統一できる
マニュアルの多くはワードやパワーポイント、テキストなど様々な形式で作成されていますが、社内wikiを活用すると、誰でも操作が可能な簡易的なHTMLファイルで統一されます。
保存場所も共有サーバーやローカルのパソコン内などバラバラで保存されている事が多いと思いますが、まとめやすくなるメリットがあります。
実際に必要なシーンとなってから、「あの手順書は誰が持ってる?」「どこに保存してある?」「最新版になっている?」などと、所有者や保存場所の検索をかける事が多いと思いますが「ドキュメント類は全て社内wikiにアップロードされている」という認識になれば探す手間も省けます。
バックアップが複数あってどれが最新版なのか分かりにくいシチュエーションも見かけますが、社内wikiは基本的にファイルが複数に跨るような事はありません。
権限の付与ができる
社内情報は全社員に向けて共有したい情報と、一部のメンバーのみに共有したいなど、情報したいデータの種類によって様々です。社内wikiは様々なツールがありますが、ほぼどんなツールでも編集・閲覧に権限を付与する事が可能です。
例えば、経理データを経理部門全員と報告を上げるマネージャーにだけ権限を付与する事も出来ますし、社内用語など全社員の共通認識として必要な情報共有は全員が閲覧・編集可能というように用途によって権限を使い分ける事が可能です。
情報の検索、指示が容易になる
社内wikiに情報が一括管理されている場合、検索も一箇所で済むためすぐに欲しい情報を見つける事が出来ます。「●●のマニュアルはどこにある?」と尋ねられたとしても、wikiにあると即答出来ます。
また、会議などの議事録もwikiに保存しておけば、以前の会議で決まった事項をすぐに検索しスムーズな進行が可能となります。
社内wikiを運用する上での注意点や失敗例
社内wikiは多くのメリットがある一方で、活用を間違えると生産性を低下させてしまう可能性があるため、注意が必要です。ここでは社内wikiを運用する際の注意点や失敗例について解説します。
情報が蓄積されない
GoogleやYahooで何か情報を検索する時は、webサイトに答えがあると思って検索していると思います。
社内wikiも同様に何か必要としている情報があるから検索・閲覧され、活用されていきます。そのためには、社員自身がその利便性を情報をアップロードして、データを蓄積して行かなければなりません。
社内wikiを構築する際には、利用方法を予め定め、社員に伝達する必要があります。
マニュアル類は全てwikiに保存する。
議事録や進捗確認も全てwikiに保存する。
などのルールを制定し、これまで各自で運用管理していたドキュメント類をwikiで統一するなど、wikiが活用したいシチュエーションで推進していく事が良いでしょう。
一度情報が蓄積されると、社員は社内wikiを探せば、必要としているデータがそこにある事を理解し活用されるようになります。
管理者が不在
管理者がいないと無法状態になり、情報のレベル感がバラバラになることがあります。社内wikiは社員が自由に編集もできるため、場合によっては内容が荒れてしまうことも。
また逆に本当は削除してはならない情報を誤って消してしまう可能性もあります。このような事態を避けるためにも管理者を決め、運用していく事がベストです。
社内wikiを選定する際のポイント
社内wikiを選定する際には、自社に必要な要件や機能が備わっているかを確認することが必要不可決です。ここでは、社内wikiを選定する際のポイントを解説していきます。
必要な機能が備わっている
社内wikiに限らずITツールを導入する際は、自社の組織課題や要望を整理し、必要な機能を洗い出すことが重要です。会社のニーズに合わないツールを導入してしまうと、使いきれずに投資が無駄になってしまったり、使いづらく従業員の不満に繋がってしまうためです。
社内wikiの場合、以下の機能が充実しているかを確認してみましょう。情報の管理や共有がスムーズになり、社内の業務効率を向上させることが期待できます。
- 検索機能の精度や柔軟性
- 権限設定の柔軟性
- 編集履歴の管理
- ファイル添付機能
- コメント履歴の確認
- 同時編集が可能
また、上記の機能を効果的に活用するためにも、サービスのサポート体制が必要十分かを確認することも大切です。
従業員でも使いやすい画面設計になっている
社内wikiツールを導入したとしても、従業員から使われなければ意味がありません。ツールを使用する従業員が使いやすい画面設計になっているかを事前に確認しておきましょう。
普段からPCやスマートフォンを活用して業務を行っているITリテラシーが高い企業であれば、複雑な操作性のツールでも問題がないかもしれませんが、そうでなければシンプルな操作が特徴であるツールを選ぶのがポイントです。
無料トライアルや無料デモを提供しているサービスも多いため、事前に従業員に使ってもらいながら、使用感を確認すると良いでしょう。
セキュリティ要件を満たしている
社内wikiには、マニュアルや議事録、プロジェクトの進捗状況といった、社外に公開してはいけない情報を多く格納することになります。もし顧客情報や個人情報が入った文書をアップロードしても良い運用にするのであれば、特に細心の注意を払う必要があります。
これらの情報を漏洩しないためにも、情報セキュリティは十分な要件を満たしている必要があります。オンプレミス型のサービスであれば、自社の専用サーバーにて運用ができるため、必要十分な情報セキュリティ機能を備えることも可能です。
クラウド型のサービスの場合、セキュリティ対策が限定されやすいため、サービスのセキュリティ対策や運営会社のセキュリティリテラシーを確認する必要があるでしょう。
クラウドサービスのセキュリティ対策として、例えば以下のような機能が挙げられます。
- 2要素認証:IDやパスワードに加えて、その他の要素を用いて2段階で認証ができる
- シングルサインオン(SSO)機能:1つのパスワードで複数のクラウドサービスにログインできる
- バックアップ機能:データが損失した際にも、システムを復旧できるようにバックアップ機能が備わっている
また、運営会社の安全性への取り組みを確認することも重要です。
- 使用しているサーバーの安全性:クラウドサービスがどのサーバーを使用しているか、その安全性を確認する
- 運営会社の外部評価:プライバシーマークやISMSを運営会社が取得しているかを確認する
【無料あり】社内wikiとして活用できるツール8選
社内wikiとして人気のツールをご紹介いたします。無料で利用できるサービスもありますので、導入時の参考にしてみてください。
iQube
iQubeは株式会社ガイアックスが提供するグループ型クラウドツールです。10アカウントまで無料で使う事が出来ます。また、社内wikiだけでなくスケジュール、ToDo、電話メモなどのアプリケーションも使う事が可能です。
10アカウントまで無料のため、10人以内の少人数での運用やトライアルとして導入しやすいメリットがあります。@コスメを運営している株式会社アイスタイルや日本能率協会コンサルティング、病院などで導入されています。
Dokuwiki
Dokuwikiは無料で使える世界中で利用されているwikiです。ページ毎にテキストファイルを保存するためDBが不要です。
また、インストールも簡単でブラウザから初期設定で閲覧可能です。パソコンからもスマホからも閲覧できるようにレスポンシブなデザインで、テンプレートも豊富です。また管理権限も充実しており、誰がいつ編集したかなども確認する事ができます。
MediaWiki
MediaWikiはWikipediaの構築にも利用されているwikiエンジンを利用しています。フリーウェアなので無料で使えますが、構築にはPHPとmySQLを使用します。
GROWI
GROWIは株式会社WESEEKが提供するオープンソースのwikiツールです。
特徴はマークダウン記述をベースにしており、テキストに加え図や表も簡単に作成できる強力な編集機能を備えていることです。
他にも全文検索やリアルタイム同時多人数編集、「特定グループのみ」などページごとに設定できる豊富な閲覧権限といった便利な機能があります。
様々なテーマ(デザイン)の選択やサイドバーの編集が可能で、カスタマイズしやすいことから、自社のニーズに合わせた運用ができるでしょう。
また、SAML/LDAP/OAuthなど多様な認証方式に対応しているため、セキュリティ性が高いです
加えて、クラウド版のGROWI.cloudも提供されており、運用に不安がある方におすすめです。料金体系はユーザーの数に左右されない月額固定制となっているため、管理コストを低く抑えることができます。
Docbase
Docbaseは株式会社クレイが開発・販売している有償の社内共有ツールで社内Wikiとして利用出来ます。このツールの特徴としては、マークダウン記述に対応しているところです。
もちろん、マークダウンを使い慣れていない人にとっても使いやすいインターフェースになっています。
共有する情報はグループごとに管理ができ、チャットワークやslackなど外部ツールとの連携も可能です。またグループ単位やドキュメント単位で権限設定をする事も可能です。
その他にも、スマホから閲覧・編集できる点においても使いやすいツールです。価格はユーザー数やストレージの容量によって異なります。1,000名以上で利用している会社から、10名程度で利用している企業など様々です。
Qiita:Team
Qiita:Teamはクラウド型のwikiでドキュメント毎に権限設定が可能となっています。特徴としてはテンプレートが豊富なため、簡単に書けて共有する事が出来ます。
サイバーエージェントや日経新聞社などでの導入実績があります。
Github
Githubはソースコードの管理などで開発者に多く使われているツールですが、githubもクラウド型のwikiとなっています、ソース管理の他にもプロジェクト管理や社内wikiを作成する事も可能です。
多くの開発者がgithubを利用しているため、github利用者がすでに多い場合はオススメです。
Google Workspace
Googleが提供しているGoogle WorkspaceではGoogleドライブやカレンダー、Gメールに加え、Googleサイトを利用して社内wikiを構築する事も可能です。
また、Googleは様々な外部ツールとの連携も可能なので、汎用性も高く人気です。
社内Wikiの活用で、業務の属人化を防ぐ
社内wikiは活用の仕方も自由に決める事もできますし、属人化を防ぐ事にも有用なツールです。また、マニュアルなどのドキュメント管理には、編集権限を設定したり随時更新もかける事も可能ですし使いやすく実用的です。
一方、自由度が高いため、目的が曖昧になると「使われない」「目的からずれる」というように、せっかく導入しても効果が出ないこともあります。そのツールを導入して何を解決したいのか、解決したといえる状態はどのような状態なのか、事前によく議論してから導入することをおすすめします。
社内のノウハウやナレッジの共有を促進するならTUNAG
ノウハウやナレッジの共有、コミュニケーションの活性化などは、企業規模や業種、企業文化など様々な違いもあることから、上手くいっている企業のツールをそのまま利用したら自社も100%上手くいくとは言い切れません。
社内wikiツールやナレッジ共有ツールを導入する際には、自社の組織状態に最適な要件を定義して、複数サービスを比較検討することが重要です。
情報共有を加速させ、組織の生産性を高める社内ポータル「TUNAG(ツナグ)」では、各社の現状をヒアリングさせていただきながら、ツールのカスタマイズを行います。そうすることで、情報共有アプリとして今の組織に最適な運用方法で活用することが可能です。また、組織の変化に応じて、運用改善も弊社の専任のトレーナーが利用状況を見ながら伴走体制で随時行っていきます。