人材定着が企業課題である昨今、定着率の低さに悩んでいませんか?その背景にあるのが、職場に自分の居場所がないという感覚です。この感覚を表す概念として注目されているのが「ビロンギング」です。本記事では、ビロンギングの意味とインクルージョンとの違いを整理します。
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ビロンギング(Belonging)は、英語で「所属」「帰属」を意味する言葉です。人事の分野では「帰属意識」や「所属感」と訳されます。
ビロンギングは、人材が長く職場で働く上で重要な概念です。多様な人材を採用し、制度も整えたにもかかわらず、活躍や定着につながらないと悩む人事担当者は多いのではないでしょうか。その原因は、制度では測れない「受け入れられている実感」にあるかもしれません。
心理学者マズローの欲求5段階説でも、「所属と愛の欲求」は人間の基本的な欲求とされています。職場に所属している安心感を得られると、人は周囲の目を気にしすぎずに力を発揮できるのです。
多様な人材を採用し、制度も整えたにもかかわらず、活躍や定着につながらないと悩む人事担当者は多いのではないでしょうか。
その原因は、制度では測れない「受け入れられている実感」にあるかもしれません。
まずはビロンギングの意味と、よく似た用語との違いから見ていきましょう。
ビロンギング(Belonging)は、英語で「所属」「帰属」を意味する言葉です。人事の分野では「帰属意識」や「所属感」と訳されます。
ビロンギングは、人材が長く職場で働く上で重要な概念です。
心理学者マズローの欲求5段階説でも、「所属と愛の欲求」は人間の基本的な欲求とされています。職場に所属している安心感を得られると、人は周囲の目を気にしすぎずに力を発揮できるのです。
ビロンギングとよく混同されるのが「従業員エンゲージメント」です。エンゲージメントは、組織の目標に共感し、自発的に貢献しようとする意欲を指します。一方のビロンギングは、組織から一人の人間として受け入れられているという感覚です。
両者の違いを表にまとめました。
項目 | ビロンギング | エンゲージメント |
意味 | 組織に受け入れられている感覚 | 組織に貢献しようとする意欲 |
方向性 | 組織から個人への受容 | 個人から組織への貢献 |
問いの例 | 「ここにいていいと思えるか」 | 「この組織のために頑張りたいか」 |
ビロンギングを正しく理解するには、関連する用語も知っておくと役立ちます。代表的な用語は次の通りです。
最も混同しやすいのが「インクルージョン」です。インクルージョンは「包括・包摂」と訳され、多様な人材を受け入れて生かすことを指します。
両者の違いは、視点にあります。インクルージョンは、組織側が行う取り組みです。ビロンギングは、従業員がそれをどう受け止めているかという実感です。
ダイバーシティも含めて、3つの概念を比較してみましょう。
概念 | 意味 | 視点 | 職場での状態の例 |
ダイバーシティ | 多様な人材がいること | 組織の構成 | 多様な人材を採用している |
インクルージョン | 多様な人材を受け入れ生かすこと | 組織の取り組み | 会議に呼ばれ、意見を求められる |
ビロンギング | 受け入れられていると感じること | 従業員の実感 | 自分の意見が反映されると感じる |
制度上はインクルーシブでも、当事者が「結局は元からいる人の基準で決まる」と感じていれば、ビロンギングは実現していません。
女性管理職比率などの数値は、主にダイバーシティの指標です。定着や活躍に課題があるなら、欠けているのはビロンギングの観点かもしれません。
ビロンギングは、従業員の気持ちの問題だけにとどまりません。エンゲージメントや定着率、生産性、採用力など、経営に直結する効果が期待できます。ここでは代表的な四つの効果を見ていきましょう。
受け入れられている実感があると、従業員は組織に貢献したいと考えるようになります。自分の意見が生かされる経験が、主体的な行動につながるからです。
例えば、外国籍の社員が提案した海外向けの資料改善が採用されたとします。その社員は「自分の視点が役に立つ」と実感し、次の提案にも前向きになるでしょう。
デロイトの「2020年グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド」でも、ビロンギングの重要性が示されています。
回答者の79%が、帰属意識の醸成は組織の成功に重要だと答えました。さらに93%が、帰属意識は組織のパフォーマンスを高めると回答しています。
出典:Belonging: From comfort to connection to contribution
中途入社者や少数側の従業員が早期に辞める背景には、「居場所がない」という感覚があります。業務内容に不満がなくても、職場になじめないことが退職の引き金になるのです。
例えば、「前の会社では」と話すたびに周囲が黙ってしまう職場を考えてみましょう。当事者は経験を生かすことを諦め、やがて転職を考えるようになります。
採用に多くのコストをかけても、定着しなければ効果は半減します。ビロンギングは、採用投資を生かすための鍵といえるでしょう。
職場で疎外感を覚えると、人は周囲の反応に神経を使い続けます。その分、本来の業務に向けるエネルギーが減ってしまいます。
一方、居場所があると感じられれば、気を遣う負担が減ります。余計なストレスが減ることで、心身の健康も保ちやすくなるのです。
健康経営に取り組む企業にとっても、見逃せない視点ではないでしょうか。
ビロンギングの高い職場は、社外からの評価にも表れます。いまは求職者の多くが、口コミサイトやSNSで企業の実態を確認しています。
従業員が「自分らしく働ける」と感じていれば、その声は自然と外部に伝わります。知人に自社を勧めるリファラル採用も活発になるでしょう。
多様な人材が活躍している姿は、何よりの採用メッセージです。結果として、自社に合う多様な人材が集まりやすくなります。
ビロンギングは、制度を整えるだけでは育ちません。会議での発言機会や意思決定への参加、評価基準の説明など、日常の場面の積み重ねが重要です。
ここでは、管理職やチーム単位で取り組める施策を紹介します。

まずは、自社がどのような組織を目指すのかを明確にしましょう。方向性が示されていなければ、従業員は何を基準に行動すればよいか分かりません。
ただし、「多様性を尊重する」という表現だけでは曖昧です。日常の行動に落とし込んだ言葉にすることが大切になります。
例えば、「立場や経歴に関係なく、提案は最後まで聞く」といった行動指針が考えられます。このように具体化すれば、従業員は自分の行動を振り返りやすくなります。
そして経営層が繰り返し発信することも欠かせません。行動指針を評価基準と結びつければ、言葉だけで終わらず職場に根付いていくでしょう。
会議は、ビロンギングが最も表れやすい場面の一つです。発言する人が固定化していると、少数側の従業員は「自分は数に入っていない」と感じてしまいます。
発言機会を広げるには、次のような工夫が有効です。
特に大切なのが、決定理由の説明です。意見が採用されなくても、理由が分かれば「流された」とは感じにくくなります。
従業員のビロンギングを最も左右するのは、日々接する管理職です。そのため、管理職の関わり方を見直すことが重要になります。
近年は「インクルーシブ・リーダーシップ」という考え方が注目されています。多様な部下の視点を尊重し、意思決定に巻き込むリーダーシップのことです。
具体的には、次のような行動が挙げられます。
こうした行動を通じて、部下は「自分は大切にされている」と実感できます。
人事部門としては、管理職向けの研修や1on1のガイドを整えるとよいでしょう。管理職一人一人の意識に任せず、組織として支える仕組みが必要です。
ビロンギングを育てるには、心理的安全性の高い職場づくりが欠かせません。異なる意見を言っても否定されない、という安心感が必要です。
具体的な施策としては、管理職が自分の失敗を率先して共有することが挙げられます。部下も失敗を話しやすくなり、ネガティブな相談や連絡がしやすくなります。日頃から感謝を言葉で伝え合う習慣も、安心感を高めるでしょう。
ビロンギングを高めるには、日常のコミュニケーションを継続的に改善する必要があります。
その仕組みづくりを支えるのが、TUNAGです。
「TUNAG(ツナグ)」は、社内のつながりを育てる機能を備えています。主な活用方法は次の通りです。
これらの機能を組み合わせることで、施策を日常の運用に落とし込めます。
例えば、行動指針を社内報で発信し、それを体現した行動にサンクスを送り合う運用が考えられます。さらにサーベイで組織の状態を定点観測すれば、施策の効果を確かめながら改善を続けられます。
ビロンギングは、制度を整えるだけでは育ちません。多様な人材が意見を出し、それが受け入れられる日常の積み重ねによって育まれます。自社の取り組みを見直すきっかけとして、エンゲージメント向上ツールとしてのTUNAGをぜひご検討ください。