やりがいのある会社は業績も向上する!従業員がやりがいを感じる方法

従業員が仕事にやりがいを持つことは、業績向上の重要なポイントです。やりがいと業績の関係を理解し、従業員にやりがいを感じてもらうための方法を実行しましょう。十分な注意が必要なやりがい搾取についても詳しく解説します。

仕事におけるやりがいとは?

やりがいは「何かに取り組む際に得られる満足感や張り合い」を意味する言葉です。仕事におけるやりがいとは、仕事を通じて得られる充足感や手ごたえを指します。

どのようなことに対してやりがいを感じるのかは人それぞれです。仕事そのものだけでなく、仕事により得られる評価や成長に対しても、やりがいを感じるケースがあります。

やりがいと会社の業績の関係

世界約150カ国で事業を展開している意識調査機関「株式会社働きがいのある会社研究所」は、やりがいと業績の関係に着目した調査結果を公表しています。業績向上には従業員のやりがいが重要なポイントになることを押さえておきましょう。

出典:「働き方改革」で業績は向上するのか? ~"働きやすさ"、"やりがい"と業績の関係~|働きがいのある会社(Great Place To WorkR Institute Japan)

やりがいは業績向上の重要なポイント

働きがいのある会社研究所の調査によると、「働きがいのある会社」は「働きがいのない会社」より業績が向上しています。同社が定義する働きがいとは「働きやすさ+やりがい」です。

  • 働きやすさ:快適に働き続けるための条件
  • やりがい:仕事に対するやる気やモチベーション

働きやすさは「働き方改革」の中心テーマであり、目に見えやすい特徴があります。会社としても施策を講じやすい部分であるといえるでしょう。一方、仕事そのものや仕事を通じた変化に起因するやりがいは、目に見えにくく対策も難しい要素です。

働きがいのある会社研究所は、働きがいを働きやすさとやりがいに分けた分析結果も公表しており、「業績向上のポイントは働きやすさよりやりがいにあるといえる」と結論づけています。

働きやすさを高めることも大切

一方で、「働きやすさ」はないがしろにできるものではありません。会社としては働きやすさも高めていくことが大切です。

就労条件や報酬条件が良ければ、多様な人材が活躍できる環境が整うほか、従業員の定着率やエンゲージメントの向上にもつながります。

働きやすさとやりがいを兼ね備えた職場づくりを目指すことが、業績向上のカギになるといえるでしょう。

従業員がやりがいを感じるとき

従業員はどのようなときに仕事にやりがいを感じているのでしょうか。多くの人がやりがいを感じるときを見ていきましょう。

自らの成長を実感している

従業員がやりがいを感じる機会の1つに、自分の成長を実感していることが挙げられます。仕事を通してスキルを習得したり経験を積んだりできたと感じられるときです。

従業員が自らの目標に向けて努力し、自身の成長を実感できれば、よりやりがいを感じやすくなるでしょう。キャリアビジョンをしっかりと描いている人も、自らの成長を実感しやすくなります。

他者から認められている

自分の仕事ぶりが他者に認められているときは、多くの人がやりがいを感じます。「努力した甲斐があった」「これからも頑張ろう」といった感情が生まれるものです。

また、認められることは、個々の業務が全体の成功にどう結びついているかを理解するきっかけにもなります。

特に、同僚からの評価は、信頼関係を築き、チームの一体感を強化します。その結果、従業員はより一層、やりがいを感じ、仕事に取り組む意欲が増すのです。

スキルや経験を生かせている

仕事でスキルや経験を生かせている場合にやりがいを感じる人もいます。自分に合った仕事であることを実感できるため、モチベーションが上がり充実感を得られるでしょう。

スキルや経験を生かせる環境なら、自身の成長やキャリアの発展にもつながりやすくなり、よりやりがいを感じやすくなります。

従業員がやりがいを感じないとき

従業員にやりがいを感じてもらうためには、やりがいを感じにくいときを知っておくことも大切です。仕事で充足感や張り合いを得られないケースを紹介します。

評価に不満がある

自分の評価に不満があるときは、やりがいを感じにくいでしょう。適切な評価がなされていないと感じると、従業員は自分の努力や成果が認められていないと感じ、モチベーションが低下することがあります。

特に、頑張って成果を上げたにもかかわらず、その努力が評価に反映されない場合、やりがいを感じにくくなります。適正な評価制度が整っていない組織では、従業員が不公平感を抱きやすく、離職につながることもあります。

これを防ぐためには、透明性のある評価基準とフィードバックの仕組みが重要です。明確な基準に基づいた評価は、従業員にとって信頼感を生み、やりがいを持って働くための土台となります。

具体的な目標やビジョンがない

従業員がやりがいを感じない要因の一つに、具体的な目標やビジョンが欠如していることが挙げられます。

組織が明確な方向性を示さない場合、従業員は自分の仕事が組織全体にどのように貢献しているのかを理解しづらくなります。その結果、日々の業務がただの作業に感じられ、モチベーションが低下することがあります。

逆に、組織の目標やビジョンが明確で、各従業員がその達成に向けた具体的な役割や目標を持つことで、自身の仕事の意義を実感しやすくなります。これは、仕事に対する情熱や責任感を高め、結果として組織全体のパフォーマンス向上につながる重要な要素です。

仕事がマンネリ化している

同じ職場で長い間同じ仕事をしていると、業務がマンネリ化してやりがいを感じにくくなることがあります。従業員が仕事に慣れてきたら、安心して仕事を任せられるようになる半面、マンネリ化によるリスクも生じてしまうのです。

新たなミッションを任せたり、一緒に仕事をする人を変えたりするだけでも、仕事のマンネリ化防止につながります。長い間同じ業務を続けている従業員がいる場合は、マンネリ化を感じていないか会社側がケアをすることも大切です。

従業員にやりがいを感じてもらう方法

仕事に対するやりがいの感じ方は人それぞれですが、会社側がサポートすることも可能です。従業員にやりがいを感じてもらうために会社としてできることを紹介します。

OJTやOFF-JTを実施する

従業員のやりがい対策として、OJTやOFF-JTの実施が挙げられます。それぞれの意味は次の通りです。

  • OJT:実務を通して行う教育訓練
  • OFF-JT:実務を離れて行う研修やセミナー

OJTとOFF-JTのいずれも、従業員のスキルアップを図れるため、仕事でやりがいを感じてもらうためのきっかけをつくれます。さまざまな人とのコミュニケーションにより、刺激を受けられる点もポイントです。

目標指導・管理や人事評価を行う

従業員にやりがいを感じてもらうためには、仕事の目標設定が不可欠といえます。上司の主導で個別に目標の指導や管理を行うとよいでしょう。

適切な人事評価制度を設計することも大切です。目標の指導・管理と併せて評価制度の仕組みを整えれば、従業員が高いモチベーションを持って仕事に取り組めるようになります。

雇用管理に取り組む

モチベーションアップを図れる雇用管理の施策も、従業員のやりがい対策につながります。具体的な施策例は以下の通りです。

  • 長時間労働対策
  • 仕事と育児・介護の両立支援
  • メンタルヘルス対策
  • ハラスメント対策
  • 能力や成果に見合った昇進・昇給制度
  • 人事評価における公正性・納得性の見直し

上記のような施策を行うことで、従業員に働きやすさとやりがいを感じてもらいやすくなるでしょう。

「やりがい搾取」には十分な注意を

会社がやりがい対策を考える上で気を付けるべきテーマの1つに、「やりがい搾取」があります。やりがい搾取の意味や事例、やりがい搾取を防ぐ方法について解説します。

やりがい搾取とは

やりがい搾取とは、やりがいを盾に過剰な労働を強いることです。過酷な労働環境を意味する造語であり、現在は一般にも広く認知されています。

やりがい搾取が常態化している会社では、会社側の論理でやりがいを従業員に押し付け、正当な対価を与えないケースがほとんどです。割増賃金を支払わずに長時間労働や休日出勤をさせ、コストを抑えて利益を増やそうとします。

やりがい搾取の具体的な事例

やりがい搾取とはどのようなものなのか、具体的な事例を見ていきましょう。

  • 「好きな仕事をやれているのだから」と、成果に見合った報酬を支払わない
  • 「なりたくてなった職業なら時間を忘れて働けるはず」と、長時間労働を強いる

やりがい搾取の問題点は、従業員が正常な労働環境で働けていないことです。会社側のやりがい搾取が続けば、従業員が体調を崩したり離職したりする恐れもあります。

やりがい搾取を防ぐ方法

自社のやりがい搾取を予防するためには、何よりもまず労務管理を徹底することが重要です。適切な労働環境を提供できているか確認しましょう。

経営陣を含めた管理職の意識も変える必要があります。やりがい搾取が発生しやすい状況なら、管理職の意識改革を図りましょう。社内に相談窓口を設置するのもおすすめです。

やりがい搾取が続くと、従業員が第三者機関に相談し、トラブルに発展する恐れもあります。会社の信用も下がりかねないため、やりがい搾取には十分な注意が必要です。

従業員がやりがいを感じられる会社を目指そう

やりがいは業績向上の重要なポイントです。従業員がやりがいを持って働ける会社は、従業員がモチベーションを維持しやすく、会社の業績向上も期待できます。

OJTやOFF-JTを実施したり、目標指導・管理や適切な人事評価を行ったりすれば、やりがい対策につながります。やりがい搾取に注意しながら、従業員がやりがいを感じられる会社を目指しましょう。

TUNAGで従業員の頑張りを称賛し、やりがいを高める

強い現場組織を実現するオールインワンツール「TUNAG」には、サンクスカードと呼ばれる機能が備わっています。従業員同士で日々の感謝を伝え合える機能です。

TUNAGをサンクスカードツールとして運用すれば、称賛・承認文化が醸成され、従業員のやりがいを高められます。従業員同士の関係が深まり、職場の雰囲気も明るくなるでしょう。

また、TUNAGの1on1機能は、上司と部下の面談に活用できます。従業員がやりがいを持って働けているか、1on1による密なコミュニケーションで確認しましょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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