エンゲージメントサーベイとは?組織改善につなげる5つのステップと質問項目例を解説
エンゲージメントサーベイは、従業員の組織への愛着度や貢献意欲を測定し、データに基づく組織改善を実現する強力な経営ツールです。本記事では、サーベイの基本概念から実施の五つのステップ、効果的な質問項目例、さらに成功企業の活用事例まで詳しく解説し、離職率の低下や生産性向上など、具体的な成果につなげる実践的なノウハウを紹介します。
エンゲージメントサーベイとは?
エンゲージメントサーベイとは、従業員の組織に対する愛着度、貢献意欲、満足度などを定期的に測定・分析する調査手法です。単なるアンケート調査ではなく、組織の健康状態を診断する経営ツールとして位置付けられています。
このサーベイが重要視される理由は、経営層の感覚と現場の実態のギャップを可視化できる点にあります。「なんとなく雰囲気が悪い」「最近離職が増えた」といった感覚的な把握から、データに基づく客観的な組織診断へと進化させることができるのです。
実際に多くの企業で、サーベイ実施により予想外の課題が発見されています。経営層が認識していなかった部門間の連携不足や、若手社員の成長機会への不満など、数値化されることで初めて明確になる課題も少なくありません。
このような課題を早期に発見し、適切な対策を講じることで、組織の持続的な成長を実現できるでしょう。
従業員満足度調査との違い
エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査は、よく混同されますが明確な違いがあります。この違いを理解することで、より効果的な組織診断が可能になります。
従業員満足度調査は、給与や福利厚生、職場環境など、会社から与えられる条件に対する満足度を測定します。いわば「会社が従業員に何を提供できているか」という一方向の視点での調査です。
これに対して、エンゲージメントサーベイは「従業員が組織にどれだけ貢献したいと思っているか」という双方向の関係性を重視します。
具体例を挙げると、給与や福利厚生に満足していても、仕事にやりがいを感じていなければエンゲージメントは低くなります。
逆に、待遇面で多少の不満があっても、組織のビジョンに共感し、成長実感があればエンゲージメントは高くなるのです。つまり、満足度が高くても離職する従業員がいる一方で、エンゲージメントが高い社員は多少の困難があっても組織にとどまり、高いパフォーマンスを発揮し続ける傾向があります。
日本企業のエンゲージメントが低い理由と背景
米ギャラップ社の「State of the Global Workplace: 2022 report」によると、2022年の日本企業の従業員エンゲージメントはわずか5%で、世界平均の23%を大きく下回る結果となっています。この数値は世界的に見ても極めて低い水準です。
このような低いエンゲージメント率の背景には、日本特有の雇用慣行と組織文化が深く関わっています。
終身雇用制度の下では、キャリアの選択肢が限定され、主体的なキャリア形成の機会が少ないことが一因です。また、年功序列による評価制度では、若手社員の成果や貢献が適切に評価されにくく、モチベーション低下につながる構造的な問題があります。
しかし、この状況を逆に捉えれば、日本企業には大きな改善余地と成長ポテンシャルがあるということです。エンゲージメントサーベイを活用して課題を可視化し、適切な施策を実行すれば、組織力を飛躍的に向上させる可能性を秘めているのです。
参考:State of the Global Workplace Report - Gallup
エンゲージメントサーベイで解決できる組織課題
エンゲージメントサーベイは、組織が抱えるさまざまな課題を発見し、改善につなげるための強力なツールです。ここでは、サーベイによって明らかになる代表的な組織課題を、経営・人事・現場・マネジメントの四つの視点から整理して紹介します。
経営・組織文化に関する全社的課題
組織文化の醸成不足は、多くの企業が直面する根本的な課題です。経営理念やビジョンが従業員に浸透していない、あるいは理解はしていても共感していないという状況は珍しくありません。
エンゲージメントサーベイを実施すると、経営層が思い描く組織像と従業員の認識に大きなギャップがあることが明らかになることがあります。
経営層は「イノベーティブな組織」を目指していても、従業員は「保守的で変化を嫌う組織」と感じているケースが典型例です。このようなギャップは、組織の一体感を損ない、変革への抵抗を生む要因となります。
人事制度・人材管理の課題
人材育成の不足は、組織の成長を阻害する大きな要因となります。サーベイ結果から、研修制度はあるものの実務に生かせていない、上司からの指導が不十分、キャリアパスが不明確といった課題が浮き彫りになることがあります。
評価制度の不透明性も深刻な問題です。評価基準が曖昧で、何を頑張れば評価されるのか分からないという声は多くの企業で聞かれます。これは従業員のモチベーション低下に直結し、優秀な人材の流出にもつながりかねません。
特に成果主義を掲げながら、実態は年功序列的な評価が行われているケースでは、若手・中堅社員の不満が高まる傾向があります。
部門・チーム単位の業務環境課題
部門内のコミュニケーション不足は、業務効率の低下や心理的安全性の欠如につながります。情報共有がうまくいかない、相談しにくい雰囲気がある、チームワークが機能していないといった課題は、日常業務に直接影響を与えます。
業務負荷の偏りも見逃せない問題です。特定の従業員に業務が集中し、疲弊している一方で、他のメンバーは成長機会を得られないという状況は、チーム全体のパフォーマンス低下を招きます。このような状況が続くと、優秀な人材ほど負荷が集中し、最終的には離職につながるという悪循環に陥ることもあります。
マネジメント・リーダーシップの課題
管理職のリーダーシップ不足は、組織全体のエンゲージメントに大きな影響を与えます。部下への関心が薄い、フィードバックが適切でない、ビジョンを示せないといった管理職の課題は、サーベイ結果に如実に表れます。
特に深刻なのは、中間管理職の疲弊です。プレイングマネージャーとして業務に追われ、部下育成やチームビルディングに時間を割けないという悩みを抱える管理職は少なくありません。
自身の業務で手いっぱいとなり、マネジメント業務が後回しになることで、部下のモチベーション低下や成長機会の喪失につながっています。
組織改善につなげるサーベイ実施の5つのステップ
エンゲージメントサーベイを単なる調査で終わらせず、実際の組織改善につなげるためには、計画的な実施プロセスが重要です。
ここでは、効果的なサーベイ実施のための五つのステップを、実務的な観点から詳しく解説します。
【ステップ1】目的設定と実施計画の策定
サーベイ実施の第一歩は、明確な目的設定です。なぜサーベイを実施するのか、組織課題の把握なのか、施策の効果測定なのか、目的を明確にすることで、適切な質問設計や分析方法が決まります。
実施頻度は年に1〜2回を基本とし、組織変更のタイミングに合わせて計画的に設定しましょう。四半期ごとの実施は従業員の負担が大きく、逆に年1回では変化を捉えにくいため、半期ごとの実施が理想的です。ただし、組織改編や新制度導入時には、臨時でサーベイを実施することも検討すべきでしょう。
また、事務局となる人事部門の体制整備も欠かせません。
サーベイの企画・実施・分析・フィードバックまで、一連のプロセスを推進する専任チームを設置し、経営層のコミットメントを事前に確保することが成功の鍵となります。
【ステップ2】質問設計と実施準備
質問設計は、サーベイの成否を左右する重要なステップです。誰が読んでも解釈が分かれない明確な質問文を作成し、正確なデータ収集を可能にする必要があります。
質問項目は多すぎても少なすぎても効果的ではありません。30〜50問程度を目安に、組織の課題に応じて項目を選定しましょう。
5段階評価などの定量的な質問と、自由記述による定性的な質問を組み合わせることで、より深い洞察が得られます。特に自由記述欄は、数値では表現できない従業員の本音を把握する貴重な情報源となります。
実施準備では、従業員が回答しやすい環境づくりが重要です。スマートフォン対応のWebアンケートシステムを活用し、いつでもどこでも回答できるようにすることで、回答率の向上が期待できます。
実施の告知では「なぜやるのか」「従業員のメリット」を明確に伝え、単に「回答してください」ではなく、「皆さんの声を組織改善に生かします」というメッセージを発信しましょう。
【ステップ3】調査実施と結果分析
調査実施期間は、業務状況に配慮して1〜2週間程度に設定します。短すぎると回答が集まらず、長すぎると後回しにされて忘れられる可能性があります。
回答率を高めるためには、適切なリマインドが効果的です。実施開始時、中間時点、締め切り前日の3回程度、未回答者にリマインドメールを送信しましょう。ただし、過度な催促は逆効果になるため注意が必要です。匿名性の担保も重要で、回答内容から個人が特定されないことを明確に伝えることで、正直な回答を引き出すことができます。
結果分析では、事務局が迅速に強みと課題を整理することが重要です。部署別、役職別、年齢層別など、属性別の傾向を分析し、組織全体の傾向と各部門の特徴を把握します。数値の変化量だけでなく、その要因を理解することが大切です。ポジティブな変化の要因を他部門に展開し、ネガティブな変化の本質的な課題を見極めることで、効果的な改善策の立案につながります。
【ステップ4】組織全体への共有とアクションプラン策定
サーベイ結果は、まず経営層・管理職層に共有し、組織として取り組むべき方向性の意識を統一します。この段階で、経営層の本気度が試されます。結果を真摯に受け止め、改善にコミットする姿勢を示すことが重要です。
従業員へのフィードバックは、調査実施から1カ月以内に行いましょう。時間がたつほど関心が薄れ、「結局何も変わらない」という不信感を招きます。フィードバックでは、課題だけでなく強みも明確にし、今後の取り組み方針を具体的に発信します。全社集会やイントラネット、部門会議など、複数のチャネルを活用して情報を浸透させることが効果的です。
アクションプランは、各職場レベルで重点テーマを設定し、具体的に作成します。誰が、何を、いつまでに実施するのかを明確にし、実現可能な計画を立てることが成功への近道です。経営層・管理職層・現場それぞれの役割を明確にし、全社一丸となって改善に取り組む体制を構築しましょう。
【ステップ5】改善施策の実行と効果測定
アクションプランの実行段階では、事務局と現場管理職が連携し、進捗を定期的に確認・支援することが不可欠です。月次でのフォローアップミーティングを設定し、課題や成功事例を共有しましょう。
短期的な成功体験を創出することも重要です。すぐに実行できる小さな改善から始め、従業員に「変化している」という実感を持ってもらうことで、より大きな改革への機運を醸成できます。例えば会議時間の短縮や情報共有ツールの導入など、目に見える変化を早期に実現することで、改善活動への参加意欲を高めることができます。
PDCAサイクルを回して継続的な改善を推進し、次回サーベイで効果を測定します。改善の成果が数値として表れることで、従業員の協力意欲も高まり、新たな課題解決に向けた改善サイクルが継続していくのです。この継続的な取り組みこそが、組織力向上の原動力となります。
エンゲージメントサーベイの質問項目例
効果的なエンゲージメントサーベイを実施するためには、組織の課題に応じた適切な質問設計が不可欠です。質問項目の選定は、得られるデータの質を大きく左右します。ここでは、多くの企業で活用されている代表的な質問項目を、組織理解・人間関係・働きがいの三つのカテゴリーに分けて紹介します。
組織への理解と共感を測る質問
組織への理解と共感は、エンゲージメントの基盤となる重要な要素です。従業員が組織の方向性を理解し、共感しているかを把握することで、経営理念の浸透度を測定できます。
会社のビジョン・ミッションに関しては、単に理念を知っているだけでなく、それに共感し、自分の仕事との関連性を理解しているかが重要なポイントです。
【組織理解・共感に関する具体的な質問例】
- 会社のビジョンやミッションを明確に理解していますか?
 - 会社の将来の方向性に信頼を持っていますか?
 - 自社の製品やサービスの価値を理解し、自信を持って説明できますか?
 - 自分の役割が組織の成功にどう貢献しているか明確に理解していますか?
 - この会社で働くことを友人や家族に勧めたいと思いますか?
 
職場の人間関係とチームワークを評価する質問
職場の人間関係は、日々の仕事のやりがいや心理的安全性に直結する重要な要素です。良好な人間関係は、組織の生産性向上にも大きく寄与します。
良好な人間関係が構築できている心理的安全性の高い職場環境が構築されているかを判断することで、チームの創造性やイノベーション創出力を評価できるでしょう。
【人間関係・チームワークに関する具体的な質問例】
- 上司はあなたの仕事に関心を持ち、適切なサポートをしていますか?
 - 上司からの指導やフィードバックは、あなたの成長に役立っていますか?
 - 上司はあなたの強みを理解し、生かしてくれていますか?
 - 同僚との関係は良好で、仕事を楽しく進められていますか?
 - 困った時に気軽に相談できる同僚や先輩はいますか?
 - チーム内で自由に意見を交換し、建設的な議論ができますか?
 
働きがいと成長環境に関する質問
働きがいと成長機会は、特に若手・中堅社員のエンゲージメントを左右する重要な要素です。キャリア形成への意識が高まる中、成長環境の充実は人材確保の観点からも欠かせません。
【働きがい・成長環境に関する具体的な質問例】
- 現在の仕事にやりがいを感じ、充実感を得ていますか?
 - 仕事の成果が適切に認められ、評価されていると感じますか?
 - ワークライフバランスを保ち、健康的に働けていますか?
 - 業務に必要な権限が与えられ、自律的に仕事を進められますか?
 - この会社で長期的にキャリアを築きたいと思いますか?
 
エンゲージメントサーベイの活用事例に学ぶ
実際にエンゲージメントサーベイを活用し、組織改善に成功した企業の事例から、具体的な活用方法と効果を学びましょう。
理論だけでなく、実践例を参考にすることで、自社での展開イメージを具体化できます。ここでは、サーベイのデータを活用しながら、エンゲージメント向上を実現したTUNAG(ツナグ)の事例を3社紹介します。
施設ごとに異なった情報共有ツールを一本化した「登別立正学園」
北海道で6つの児童福祉施設を運営する登別立正学園では、120人の職員が施設ごとに異なる情報共有ツールを使用していました。メールを使う施設もあれば、私用のチャットツールを使う施設もあり、施設間でのコミュニケーションに擦れ違いが生じていたのです。
この課題を解決するため、TUNAGを導入して「入り口を一つに」することを決断しました。スマートフォンで簡単に使える点と、「制度」機能で情報をカテゴライズして発信できる点が決め手となりました。導入後は職員から自発的に「動画マニュアルを作りたい」という提案が出るようになり、職員同士の関係性や距離が一気に縮まったといいます。
また、施設ごとに職員の年齢層や地域性が異なり、組織の課題や強みを「肌感覚」でしか捉えられていない課題を解決するためにエンゲージメントサーベイも導入。階層ごとにグルーピングすることで、階層ごとの課題や求められるスキルが可視化されていきます。施設長会議でも各施設の現状や課題を共有し、今後の組織改善施策を模索していくとのことです。
施設ごとにバラバラだった連絡ツールを一本化。自己肯定感を高め「長く働ける組織」を作る、登別立正学園のTUNAG活用法
リアルタイムな情報共有と社員の喜びを実現した「山梅」
総合造園業を営む山梅では、業務日報をリアルタイムに閲覧・コメントできないことが課題となっていました。グループウェアを使用していましたが、社内ネットワークに接続しないと見られず、タイムラグが生じていたのです。
TUNAGを導入してリアルタイムな情報共有の仕組みを構築。「社員の喜び」を重視する理念の下、エンゲージメント向上が理念の実現につながると考えたことも決め手となりました。業務日誌を「今日の気づき」という名前で運用し、写真や動画を添付できるようになったことで現場の状況が共有されやすくなりました。
また、TUNAGと並行してエンゲージメント診断を「経営の答え合わせ」として活用しています。もしサーベイの数字が経営陣の感覚からずれたとしたら、「経営陣の考え方、見方が違うのかもしれない」という確認の指標になっているといいます。
TUNAGやサーベイを活用しながら、社員自身が頑張って会社を押し上げていく会社になってきたという手応えを感じているとのことです。
リアルタイムのコミュニケーションをアプリで実現。業務日誌や部署間交流で「社員の喜び」をつくる山梅の事例
情報のオープン化でコミュニケーションを活性化した「サクラヘルスケアサポート」
医療関連サービスを提供するサクラヘルスケアサポートでは、500人を超えるスタッフが30以上の受託施設に分散して勤務していました。施設間での情報共有が不十分で、会社への帰属意識が希薄という課題を抱えていたのです。
TUNAGを導入し、情報のオープン化を推進しました。特に効果的だったのが「SHS WAYカード」という取り組みです。行動指針を選択して感謝や称賛を送る仕組みにより、日頃の業務を讃えながら自然と行動指針を意識できるようになりました。ウィークリーレポートをTUNAGに移行し、全社員が即座に閲覧可能にした結果、施設を超えた助け合いが生まれています。
加えて、同社ではサーベイを客観的な物差しとして活用しています。中途採用の方が多く入社したり、経営陣についても新たなメンバーが加わる人事交代等があるため、サーベイの結果が施策の合意形成に役立っているとのことです。直近のサーベイの結果では、「会社業績に関する情報の提供が少ない」という結果が出たため、今後は社員に対する業績情報の内容や量についても見直しを行うなど、データの結果を活かした社内コミュニケーションを図っていきたいといいます。
「コミュニケーション改善」と「企業文化定着」の鍵は情報のオープン化。社員同士のつながりを深める秘訣とは
エンゲージメントサーベイを選ぶ際のポイント
エンゲージメントサーベイツールは数多く存在しますが、自社に最適なツールを選ぶことが成功の鍵となります。
ここでは、ツール選定の重要なポイントを、実務的な観点から3点ご紹介します。
自社の課題に合った質問設計ができるか
画一的な質問項目だけでは、自社特有の課題を把握することはできません。業界特性や組織規模、企業文化に応じて、質問項目をカスタマイズできるツールを選ぶことが重要です。
製造業であれば安全意識や品質への取り組み、IT企業であれば技術力向上の機会やイノベーション文化など、業界特有の要素を含めた質問設計が必要になります。
また、グローバル展開している企業では、文化的背景を考慮した質問設計も求められるでしょう。単に英語版があるだけでなく、各国の文化に配慮した質問項目の調整ができることが理想的です。
カスタマイズの自由度と、それをサポートする専門的な知見の両方を備えたツールを選ぶことで、より精度の高い組織診断が実現できます。
正確な測定結果が抽出できるか
サーベイの信頼性を確保するためには、測定の正確性が不可欠です。複数の質問から同じ傾向を読み取れる「信頼性」の高い設計になっているかを確認する必要があります。
「上司への信頼」を測る場合、直接的な質問だけでなく、「上司に相談しやすい」「上司の指示は明確である」など、関連する複数の質問から総合的に判断できる設計が理想的です。
また、回答の偏りを防ぐ工夫も重要です。肯定的な質問と否定的な質問を織り交ぜる、順序効果を考慮した質問配置など、科学的な調査設計に基づいたツールを選びましょう。
結果から効果的な改善につなげられるか
サーベイは実施することが目的ではなく、結果を改善につなげることが本来の目的です。分析機能が充実し、具体的なアクションにつながる示唆を得られるツールを選ぶことが重要です。
特に重要なのは、課題の優先順位付け機能です。限られた経営資源の中で、どの課題から着手すべきかを判断できる分析機能があれば、効率的な改善活動が可能になります。
加えて改善施策の進捗管理機能や、施策実行後の効果測定機能を備えたツールであれば、継続的な組織改善を実現できるでしょう。
TERASとTUNAGで実現する組織改善の仕組み
エンゲージメントサーベイの実施から改善施策の実行まで、一貫した組織改善を実現するためには、適切なツールの活用が欠かせません。測定だけで終わらせず、具体的な改善アクションにつなげることが重要です。ここでは、組織サーベイTERASと、改善施策を支援するクラウドサービスTUNAG(ツナグ)の連携による組織改善の仕組みを紹介します。
組織改善に特化したエンゲージメントサーベイ「TERAS」
TERASは、組織改善の施策につながる分析ができるエンゲージメントサーベイツールです。これまで1,200社以上の組織改善を支援してきたノウハウをもとに開発されています。
アプリのインストールも不要なため、社用PCのない従業員に対してもアンケートを実施できます。完全匿名性により、従業員の心理的安全性を確保した状態で忖度のない本音を引き出すことができます。
エンゲージメントに大きく影響する8つのカテゴリーに基づいて診断結果を分析することで、どのカテゴリーに課題があるかを特定し、具体的な改善策を立てることが可能です。
継続的なサーベイ実施により従業員の変化をキャッチし、離職しそうな従業員を早期発見することも可能です。
エンゲージメント向上施策につなげられる「TUNAG」
TUNAG(ツナグ)は、TERASで明らかになった課題に対して、具体的な改善施策を実行するためのプラットフォームとして機能します。
情報共有機能により、経営メッセージの浸透や部門間の連携強化を実現できます。経営層からの発信を全社員にリアルタイムで届けることができ、現場からの声も経営層に直接届く双方向のコミュニケーションが可能です。社内SNS機能では、日々のコミュニケーション活性化や承認文化の醸成が可能です。サンクスカード機能により、感謝の気持ちを可視化し、組織の一体感を高めることができます。
TERASとTUNAGを一緒に活用することで、測定から改善まで一貫した組織改善のPDCAサイクルを構築できます。サーベイで課題を特定し、TUNAGで施策を実行、再度TERASで効果測定するという継続的な改善活動が可能になるのです。
この連携により、単発的な取り組みではなく、持続的な組織力向上を実現できるでしょう。
エンゲージメントサーベイの効果を最大化するために
エンゲージメントサーベイの実施でまず大切なのは、経営層の本気のコミットメントです。サーベイ結果を真摯に受け止め、改善に向けて行動する姿勢を示すことで、従業員の協力意欲も高まります。
「調査したけれど何も変わらない」という状況は、かえって不信感を招くため注意が必要です。経営層自らが改善活動に参加し、その姿勢を従業員に見せることで、組織全体の改善意欲を引き出すことができるでしょう。
エンゲージメントサーベイは、単なる調査ツールではありません。組織の健康診断として定期的に実施し、課題を早期発見・早期解決することで、持続的な組織成長を実現する経営ツールなのです。
データに基づく組織改善により、従業員が生き生きと働ける職場環境を作り、企業の競争力向上につなげていきましょう。













