アシックスユニオンが目指すビジョン。誰もが参加でき、自立・自走する組合組織へ
約2,000名の組合員を抱えるアシックスユニオン様では、「組合活動は組合員みんなで行なっていくもの」という考えのもと、誰もが組合活動に参加でき、自律・自走できる組織を模索する中でTUNAG(ツナグ)を知り、導入するに至りました。
組合組織についての考え方や、TUNAGをどう組合活動に役立てていかれるか、中央執行委員長の日下亮史様に伺いました。 (以下敬称略)
導入前の課題
コロナ禍で組合員同士がリアルに顔を合わせる場が激減
〜TUNAG導入前、組合活動の中でどのような課題を感じていましたか?〜
日下:組合では、古くから「顔合わせ、心合わせ、力合わせ」をモットーに、組合員の皆さんのコミュニケーションの場を作ることを活動の基礎としてきました。
当組合でも、100名規模の会議を年3回、20〜30名規模の会議を年6回開催し、その後は懇親会を開いていわゆる「飲みニケーション」をしたり、組合員のみなさんが参加できるスポーツイベントを行なったりして交流を図ってきました。
しかしながら、新型コロナの影響で、このような顔を合わせる機会が激減しました。
これはアシックスユニオンだけでなく全国の組合が抱えた課題だと思っています。
従来のホームページでの情報発信ではPDCAが回せなかった
日下:また、以前は組合員のみなさんへの情報発信は組合のホームページから発信していましたが、「ただ見るだけ」の従来型のホームページなので、当然のことながら見にきてもらわないと情報を見てもらえない。
そして、見に来てもらえることがほとんどないという状態でした。
ニュースや機関誌をアップしても、誰がいつ、どれくらい見にきているかがわからない、見にきているのかどうかわからないためPDCAが回せない状態で、これも課題に感じていました。
TUNAG導入のきっかけ
参加型の組織運営を模索する中で出会ったTUNAG
〜TUNAGを導入するきっかけとなったできごとを教えてくだい〜
日下:私が委員長になってすぐ、ある組合員の方から「組合員は会社でいう株主なのだから、組合は組合員に対してもっと還元してほしい」という意見をいただいたことがありました。
ただ、私は組合活動というのは三役や執行委員だけで作るのではなく、組合員全員で作っていくものだと考えています。
この意見をいただいてから、これまでの組織運営を反省しました。
今後は組合員の皆さんがより参加できる「参加型の組織運営」が必要だと考えたんです。
そんなとき、イオンクレジットサービスユニオンさんからTUNAGをご紹介いただき、これは参加型の組織運営に活用できるのではないかと感じたのです。
使い慣れたSNS型アプリで、プライベートと線引きもできて安心
〜TUNAGを知ったとき、特にどういった点にご興味を持たれたのでしょうか?〜
日下:従来のような「ただ見るだけ」のホームページではなく、使い慣れたSNS型で、スマホアプリで使える点に興味が引かれました。
SNSといえば、プライベートでも使っている無料のSNSで何とかしようという議論も何度かあり、他の労働組合さんがSNSで組合員のみなさん向けに発信を始めたケースも聞いたことがありましたが、あまりうまくいっていないという印象でした。
組合員さんがプライベートで使っているSNSを、職場の、しかも組合活動で使用するとなると、やっぱり抵抗を感じるんですよね。
プライベートと仕事と分ける必要があると思い、TUNAGであればこの課題をクリアして、安心して導入できそうだと考えました。
もう1つ、TUNAGには「縁」を感じたことも選定の理由です。
TUNAGを紹介されたのは、ちょうど組合の新ビジョンを策定したタイミングでした。
「わたしらしく あたらしく アシックスらしく。支えあい つなぐ 今まで以上の未来を。」このビジョンにあるように、「つなぐ」というキーワードが今後の組織運営には不可欠だと思っていたところに、同じTUNAGという名のツールをご紹介いただいたのです。
このキーワードの一致に縁を感じました。
TUNAGの運用
タイムリーなコンテンツ発信や、デジタル化による組合活動の推進
〜アシックスユニオン様ではこれからTUNAGの本格運用を開始されますが、どのような活用の仕方を想定されていますか?〜
日下:現在メールで配信している組合のニュースや機関誌もTUNAGに移行していきたいと考えています。
特に機関誌はこれまで年3回、毎回10個ほどのコンテンツを配信していましたが、TUNAGでは1つのコンテンツができあがった時点でどんどん配信することができます。
組合員さんに向けてよりタイムリーに情報発信したり、発信の頻度を増やしていけそうです。
※アシックスユニオン様が利用している実際のTUNAGの画面です。
「ニュース」「組合活動の共有」「イベント案内」「委員長メッセージ」など、さまざまな情報をコンテンツごとにタイムリーに発信していくことができます。
〜他にも組合活動の中でTUNAGを活用できそうな部分はありますか?〜
日下:慶弔見舞金などの申請のデジタル化も進めたいですね。
組合員さんが今まで以上に組合を利用しやすくなればと思っています。
あとは、TUNAGであれば、参加した活動について組合員さんなら誰でも感想をつぶやくことができて、他の方もそれをスマホで閲覧できます。
こういった運用をして、参加型の組織運営を実現したいと考えています。
TUNAG上で組合員同士の「顔合わせ」を実現したい
〜対面での交流が難しくなった中で、コミュニケーションの面ではどのような取り組みをされていくのでしょうか?〜
日下:TUNAGを活用してオンラインでお互いを紹介し合い、顔を覚えることをまず実現したいと思っています。
TUNAG上でそれぞれのプロフィールを完成してもらって、顔を出してもらい、コミュニケーションに繋げたいです。
顔出しNGであれば、人となりがわかるようなプロフィールを作成してもらうと良いと思います。
組合員全員で、個々の人となりを共有したいですね。
組合員には「観客」として投稿を見て楽しむところからスタートしてもらう
〜TUNAGの運用や管理については、どういった体制を取られていますか?〜
日下:まずは中央執行部の約50名で投稿するようにしています。
例えば、TUNAGの中に「組合活動共有」という制度を作っていて、この中で「こんな会議をしました」「交流会がありました」「セミナーでこういう勉強をしました」というふうに、中央執行部のメンバーに簡単な感想をつぶやいてもらっています。
私のような組合専従がTUNAGを活用しなければ中央執行部も活用しませんし、当然組合員さんにも活用していただけません。
組合員さんにはまず良き「観客」となって、役員の投稿を見るところから参加してもらいたいですね。
慣れてきたら、見るだけでなく投稿もしてもらう。そんな運用をしたいと思っています。
組合員さんには、一人ひとりが必要なタイミングでTUNAGを見てもらえたらと思います。
休憩時間や移動中は当たり前のようにスマホを触る時代なので、TUNAGを見てもらって職場の仲間同士で話題にしてもらえるのが理想ですね。
休憩時間にスマホを見ることで一見コミュニケーションが減っているようですが、それをうまく逆手にとって、スマホの中のTUNAGを見てコミュニケーションに繋げてほしいです。
〜TUNAGに期待することや、他にこんな活用をしてみたいというお考えなどはありますか?〜
日下:まずはTUNAGへの登録率やログイン率をしっかり上げていきたいですね。
あとは、TUNAGを利用されている企業や組合の皆さんと、実際にどのようにTUNAGを活用しているか情報交換したり、意見交換もしてみたいですね。
アシックスユニオンがTUNAGをどう活用しているかは、声をかけていただければぜひ情報を共有したいと思います。
TUNAGの導入を迷われている組織の方がいれば、気軽にご連絡をいただきたいですね。
※アシックスユニオン様では「組合活動共有」という制度(コンテンツ)を用意し、組合活動の実施報告をしています。
画像や動画付きで当日のリアルな雰囲気をレポートできるため、組合がどんな活動やイベントを実施しているのか、組合員もイメージしやすくなっています。
今後TUNAGで実現したいこと
誰もが参加でき、自律・自走する組織を目指す
〜あらためて、アシックスユニオン様の新ビジョンについて、想いをお聞かせください〜
日下:労働組合は、会社と労働条件を交渉する組織です。
それは、組合員のみなさんの生活向上のため、幸せのため、満足度向上のためです。
常に、今まで以上の未来を皆さんに提供することを志向する。
そういった想いを込めて新ビジョンを策定しました。
だからと言って、給与だけが高くなればいいというわけではありません。
アシックスはスポーツが好きな人たちが集まっている会社です。
みんなで和気あいあいと楽しくスポーツをする。
そんな環境を作っていくのも、組合の仕事だと考えています。
「私らしく」という多様性を尊重して、「あたらしく」さまざまなチャレンジをする。
そして、「アシックスらしく」、スポーツマンシップを大切にした組織を作っていきたいですね。
〜そうした新ビジョンのもと、どんな組織を作っていきたいと考えていますか?〜
日下:今まで以上の未来をつないでいくためには、誰もが参加でき、自立・自走する組織を目指すべきだと考えています。
ですが、参加を強制しようとは思っていません。
積極的に参加をせずとも、まずは良き応援者となっていただく。
TUNAGを活用してそんな組織を作っていきたいですね。
〜日下様、お話いただきありがとうございました!〜