全国の百貨店に展開する「FEILER」店舗の壁を超えたコミュニケーションでブランド力向上を目指す




「FEILER」「LOVERARY BY FEILER」などを展開し、ハンカチやバッグをはじめとしたシュニール織のファッション雑貨を製造・販売しているフェイラージャパン株式会社様。

100店舗・360名の従業員を抱える同社では、社内コミュニケーション活性化を目的に社内イントラやサンクスカードを導入していましたが、店舗スタッフにとっては店舗のPCからしかアクセスができず、浸透に限界があったそうです。

TUNAG導入後は店舗間のコミュニケーションが活性化しただけではなく、ブランド力の強化にも効果がありそうだといいます。今回は、ブランドメッセージの浸透や店舗スタッフの接客スキル向上の取り組みについて、ブランド推進部の杉浦様(以下、敬称略)にお話を伺いました。

※記載の内容はインタビュー時点の情報です。

店長以外は店舗外とのコミュニケーションが難しく、従業員の教育にもばらつきが

店舗のPCでしか使えない社内イントラが店舗スタッフに定着しなかった。

〜TUNAG導入前にどのような課題を感じていましたか?〜

杉浦:当社では、経営理念や事業目的への共感を促進したり、スタッフ同士の信頼関係を築くことを目的に、社内イントラで「幸せつむぐ掲示板」と「サンクスカード」を運用していました。

しかし、これらのツールは店舗スタッフにとっては店舗のPCからしかアクセスができなかったため、店舗スタッフがサンクスカードを送ったり、店舗に届く良い話を「幸せつむぐ掲示板」に登録したりする機会が限定されてたんですよね。これがツールを定着させる足かせになっていました。

店舗⇔店舗、店舗⇔本社でコミュニケーションの壁があった

〜社内のコミュニケーションについて、どのような課題がありましたか?〜

杉浦:店長は店長会で他店舗とコミュニケーションを取る機会がありました。

一方で、店舗スタッフには社内イントラを利用するか、直接店舗に出向いて話すしかコミュニケーションの手段がなく、店舗スタッフと本社の社員とのコミュニケーションも限られていました。

店舗によって従業員の育成にばらつきが生じていた

〜その他にはどのような課題がありましたか?〜

杉浦:従業員の育成にも課題を感じていました。特にOJTについては、店長任せになっている部分があり、育成にばらつきが出ていました。

社内のコミュニケーション活性化と従業員の教育をスマホでできる点が導入の決め手に

スマホで利用でき、教育にも活用できる社内SNSを探していた



〜そういった課題があった中で、どのようなツールを探していましたか?〜

杉浦:個人のスマートフォンでアクセス可能な社内のSNSみたいなツールを探していました。

特に、社内イントラでやっていた「サンクスカード」や「幸せつむぐ掲示板」を、そのままの形でスマホに移行できるかどうかが比較のポイントでした。

また、近い将来、従業員の教育にまで使い方を広げられるツールを探していました。

TUNAGなら幅広い教育コンテンツを運用できると感じた

〜社内SNSツールが数多くある中で、何がTUNAG導入の決め手になりましたか?〜

杉浦:TUNAGも含め3社ほど検討したのですが、TUNAGは先ほどの条件を全て満たしており、特に従業員の教育に関して色々なコンテンツを用意できると感じました。

実際に今運用しているものですが、店舗紹介、動画での商品紹介などができそうだと感じたんです。この点が他社のツールと比較して大きな決め手になったのかなと思います。

他にも、専任の担当の方が付いてくれて、定期的に運用のサポートをしてくれるというのも、他社の社内SNSと比較した際に良いなと思いました。

スキルアップ、称賛、ブランド力向上のコミュニケーション施策を運用

コミュニケーションを3つに分類し、店舗スタッフへブランドバリューを浸透させる

〜TUNAGの具体的な活用方法をお聞かせください〜

杉浦:我々は、TUNAGでのコミュニケーションを3つに分けて考えているんですね。

第1のステップは、役に立つ情報を共有することで、従業員の業務効率化やスキルアップを目指すコミュニケーションです。ここがコミュニケーションの入り口になっています。

第2のステップは、サンクスカードを活用して称賛文化を育むといった、楽しいコミュニケーションです。これはモチベーションの向上や、長期的には離職率の改善につながると考えています。

最後に、第3のステップは、ブランドバリューである「感性の駆動」にまつわる体験を共有し、ブランド力の向上につながるコミュニケーションです。

フェイラージャパンでは「感性の駆動」をお客様に提供し続けて成長するという、「共感価値経営」を大事にしています。最終的にはこのステップに到達することを目指しています。これらの3つのコミュニケーションに対応するコンテンツをそれぞれ運用しています。

接客ノウハウを見える化し、従業員の接客スキルを高める


※フェイラージャパン様の実際の画面です。他店舗の情報や接客のノウハウをアプリからいつでも見ることができます。

〜第1のステップにあたる業務効率化やスキルアップのコンテンツについてお聞かせください〜

杉浦:「店舗紹介」というコンテンツがあります。目的は2つあって、1つ目は本社のサポートオフィスや他店舗の従業員にその店舗のことを知ってもらうこと、2つ目は接客のノウハウを全社で共有しスタッフの接客スキルを上げること、です。

具体的には、店舗の場所、地域の特性や客層、店舗の雰囲気などの紹介に加えて、各店舗が実践している接客ノウハウも投稿しています。

このコンテンツは単にコミュニケーションの一環であるだけではなく、従業員教育の一環にもなっていると感じています。

嬉しいニュースの共有が他店舗とのコミュニケーションのきっかけに


※フェイラージャパン様の実際の画面です。お客様からの喜びの声を全社で共有したり、サンクスカードで感謝を伝えることで、店舗間のコミュニケーションのきっかけを作っています。

〜第2のステップにあたる称賛などのコンテンツについてお聞かせください〜

杉浦:「幸せつむぐ掲示板」と「サンクスカード」があります。

「幸せつむぐ掲示板」では、従業員がフェイラージャパンの「ちょっとイイ話」を投稿しています。たとえば、店舗からは「ディスプレイを変えました」「百貨店から表彰されました!」とか。あるいは、本社のカスタマーサービスの部門からもお客様からもらった嬉しい声を投稿するなど、嬉しいニュースをたくさん投稿してくれてますね。
 
「サンクスカード」は「普段言いたいけどなかなか言えないありがとう」を伝えるコンテンツです。サンクスカードのおかげで、身の回りのちょっとしたことに対して「ありがとう」と言う機会が増えたなと感じますね。

従業員にバリューを根付かせ、ブランド力を高める


※フェイラージャパン様の実際の画面です。ブランドバリューの浸透を目的に、従業員が感性が駆動した出来事を投稿しています。

〜第3のステップにあたるブランド力向上のコンテンツについてお聞かせください〜

杉浦:「感性の駆動レポート」というコンテンツで、従業員の心にブランドのバリューである「感性の駆動」を根付かせるために、従業員の「感性の駆動」にまつわる出来事を投稿しています。

初めは投稿数を増やすために特に投稿テーマを設けず、従業員が自由な内容を共有していました。

ただ、2024年度から「感性の駆動」をより深く理解してもらおうという話になって、投稿テーマを設けました。初めて買ったフェイラーの商品を紹介する「マイファーストフェイラー」です。親しみやすい投稿テーマを設けたことで、読んだ方が共感しやすくなったと感じています。

店舗スタッフを巻き込んだ社内SNSとして効果を実感

店舗を超えて従業員同士のコミュニケーションが活発になった



〜TUNAGを活用したことで、どんな効果を感じていますか?〜

杉浦:導入当初と現在を比較すると、明らかにコメントの数が増えており、1つの投稿に30件以上のコメントが来ることもあります。店舗を超えた従業員同士のコミュニケーションや、本部と店舗のコミュニケーションが活発になったと感じています。

特に「店舗紹介」では、接客スタイルやお店の雰囲気など、細かな部分まで他の店舗スタッフと直接共有できるようになったと感じています。それにより、スタッフは他店舗の接客ノウハウを知ることができるようになりました。

以前は店舗異動がない限り「この店舗ではこんな風にやっているんだ」と知ることはできませんでしたが、TUNAGを使うことでスマホから他店舗の詳しい情報を簡単に分かるようになりました。

「サンクスカードは単体では利用されない」他の施策との相乗効果で利用数が161%増加

〜サンクスカードをTUNAGで運用し始めてから変化はありましたか?〜

杉浦:2017年度からサンクスカードをスタートしましたが、2023年度には過去最高の約3,000枚が発行されました。2024年度も、7月は昨年と比べて161%増加し、377枚という非常に多くのサンクスカードが発行されました。

〜サンクスカードの枚数を増やすためにどのような工夫をしましたか?〜

杉浦:サンクスカードだけやっても、実はサンクスカードの利用枚数は伸びないと思うんですよ。それ以外のいろんなコンテンツがあって、TUNAGを利用する方や、普段のコミュニケーションが増えたことで、サンクスカードの枚数が増えるという形で結果が返ってくるんだと思います。

また、カードのデザインを入れ替えたり、当選枚数2倍キャンペーンを実施するという工夫も行っています。

ブランドバリューの「感性の駆動」が従業員に浸透しつつある



〜「感性の駆動レポート」を始めてから従業員の意識に変化はありましたか?〜

杉浦:このコンテンツを始めた2022年度は、投稿をしてくれる方が、3人に1人ぐらいだったんです。これが翌年の2023年度には、2人に1人の方が使ってくれるまでに利用率が向上しました。そういう意味では、感性の駆動に対する従業員の理解は自ずと広がっていると考えています。

〜「感性の駆動」に関する社内イベントを実施したそうですね〜

杉浦:はい、オンラインで10人1グループで「感性の駆動」について話すイベントを行いました。「今まで関わりがなかった方と話ができて良かった」「共通のテーマについて話すって大事だね」「店舗の方やサポートオフィスの方がどういうことを考えているのか分かった」など、従業員からの声をいただきました。

感性の駆動レポートがなければ、こういうイベントは実施できなかったと思っています。「このイベントが終わった後も、TUNAGのサンクスカードで交流できました」みたいな話も出ましたね。

私たちのように全国の店舗に従業員が配属されて、顔が見えない、コミュニケーションが取りづらい企業こそ、うまく活用することで組織の可能性が広がるのではないかと思いますね。

「やりたい」と手を挙げた人たちで運用することで良いコンテンツができる

チームで役割分担することで、コンテンツの改良が迅速にできる



〜現在のTUNAGの運用体制について教えてください。〜

杉浦:現在、TUNAGの運用メンバーは18名いて、コンテンツのアップデートを迅速に行うため、5つのチームに分けています。

各チームはそれぞれ「サンクスカード利用促進」「店舗紹介」や「自己紹介」の運営などを担当し、分析を行った上で新しい施策やアイデアを考えています。チーム内で話し合った課題は、毎月一度の全体会議で共有し、議論を深めながら進めています。

会社へのエンゲージメントが高い従業員にTUNAGの運用を任せる

〜プロジェクトチームのメンバーを挙手制で集めているというお話をお伺いしました〜

杉浦:TUNAGは、会社へのエンゲージメントを高めるために非常に有効なツールだと感じています。そのため、会社へのエンゲージメントが高い方に運用を任せるのが理想的だと考え、今年度は指名制ではなく、自らやりたいという方に手を挙げてもらう形でチームを編成しました。

今年度の運用チームには、新たに立候補したメンバーもいますが、昨年度の経験を通して「感性の駆動を浸透させたい」「より良い会社・組織にしたい」と強く感じているメンバーが引き続き運用に携わっています。

立候補制にすることで、メンバーが自主的に動き、積極的に「ここはこうした方が良いんじゃないか?」と提案してくれるので、非常に良いチームができていると感じています。

エンゲージメントアカデミーに参加し、他社の事例を取り入れる

〜エンゲージメントアカデミー※に毎回参加されているようですね!〜

杉浦:エンゲージメントアカデミーで共有される他社の事例は、自社の運用にとても参考になるので、なるべく毎回イベントに参加するようにしていますね。

イベントは運営チームのメンバーにも「こういうイベントがあるよ」と共有しています。
今後も業種や会社の規模に関係なく、参考になるものは積極的に取り入れていきたいと考えています。

※フェイラージャパン株式会社様は、TUNAG導入企業の繋がり・学びの場「エンゲージメントアカデミー」に参加されています。

TUNAGは「感性の駆動」が一番あふれる場所。生き生きと働く姿がお客様に伝わる会社へ

感性の駆動をより多くのお客様に届けたい

〜最後に、今後の展望を教えてください。〜

杉浦:現在、当社は若年層向けにリブランディングを行なっているのですが、その柱となっているのは、「感性の駆動」です。「感性の駆動」をテーマにした商品情報や販売のヒントをTUNAGで共有することで、ブランド力や売上に良い影響を与えていると感じています。

今後も「感性の駆動」は、当社の柱として重要な役割を果たすと考えています。従業員が生き生きと働き、その姿がお客様に伝わる会社を目指していきたいですね。

〜そうした会社を作っていくために、TUNAGをどのように活用していきたいと考えていますか?〜

杉浦:働き方や価値観の変化によって、一般的には会社と従業員の一体感が薄れてきていると思います。従業員の情熱やエンゲージメントは、会社の大事な資産だと思うんです。

TUNAGは、当社のブランドバリューの「感性の駆動」が一番あふれている場所だと思います。先ほど、コミュニケーションの3つのステップについて話しましたが、このステップを踏むことで、「感性の駆動」が浸透し、会社と従業員の双方向のエンゲージメントが高まることを期待しています。

エンゲージメントが高まることで、最終的にはブランド力や労働生産性、売上の向上、そして離職率の改善につながれば良いですね。

〜杉浦様、お話いただきありがとうございました!〜

TUNAG お役立ち資料一覧
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