離れている33校舎をつなぐ。理念浸透とコミュニケーションで教育の本質を伝える方法とは。
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「当社は、社会の発展に貢献できる仕事を通して利益を追求し、社員一人ひとりの自己実現のために最大限の努力をいたします。」を経営理念に掲げ、ICT教育に強い学習塾運営などの事業を展開する株式会社イーブレイン。
同社では、離れた拠点で業務をする中で理念が統一されていないことや互いを認め合う文化の醸成を課題に感じ、その解消のためにTUNAG(ツナグ)を導入しました。
TUNAGを活用した拠点間での理念の統一や認め合う文化の醸成、また「日報」や「サンクスカード」などのコンテンツの効果について、人事企画室の金野様(以下、敬称略)にお話を伺いました。
(取材:2025年1月)
離れた拠点間のコミュニケーションに課題
拠点間で理念が共有されていなかった
〜TUNAG導入前、どのような課題を感じていましたか?〜
金野:弊社は1つの教室で1人の社員が仕事をしています。拠点同士の距離が離れているので、そもそもコミュニケーションを取る機会がありませんでした。
そのせいもあって、当時学習塾運営をしていたのは福島県だけでしたが、県域が広いため教室運営に対する考え方が統一されておらず、教室ごとに大きな違いがありました。「上手くいっているからこのやり方で良いだろう」という考えが出てきて、どんどん理念に即していない考え方が広がっていたのです。
〜理念に即していない考え方というのは、どのようなものだったのでしょうか?〜
金野:「塾は勉強を教えるのが本質だから、生徒集めに力を入れるなんてお門違いなんじゃないか」という考えです。
会社としては、生徒集めというよりも「普段の対応に対する先生としての評価や生徒との信頼関係が、新しい生徒の紹介につながっている」という考え方だったのですが、それが全教室に共有されていないので、「勧誘活動をしろと言われても……」みたいに捉えている社員もいました。
指導方法が統一されていなかった
〜その他に、課題に感じていたことはありますか?〜
金野:指導方法についても、学習指導マニュアルはあったものの教室によってバラつきが生じていました。
弊社では個別指導を行っているのですが、「成績が上がれば良いのではないか?」と考えているのか、楽をしたいのか、ホワイトボードや黒板を使った一斉指導を始めてしまうなど、弊社の売りとは方向性の違う授業をしてしまう社員がいたのです。
そのようなことをなくして、会社全体で方向性や歩みを合わせていきたいと思っていました。
〜そのために具体的にはどのようなことをやっていきたいと考えていましたか?〜
金野:生徒さんへのちょっとした対応などマニュアルには落とし込めないようなナレッジをリアルタイムで共有しながら、社員一人ひとりが成長していける仕組みを整えたいという想いがありました。
研修で習った内容もその場限りになっていて、実践できていなかったり、成果につなげられていない教室もありました。
そのような部分の見える化も、代表の西形の悩みの一つでした。
業務連絡だけでなく知識の蓄積や称賛文化の醸成にも取り組めるTUNAGを導入
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〜そのような課題がある中で、TUNAGを導入した経緯について教えてください。〜
金野:全社共通のコミュニケーションツールや常に目にするプラットフォームを導入することで、従業員に代表の考えや会社の方針に共感しながら業務にあたってほしいという想いがありました。
業務連絡だけであれば、単純にメールなどでもやり取りできたと思いますが、業務連絡だけではなく、社内ニュースの共有や表彰、ナレッジ共有などを通じて、社内に知識を蓄積していきたいと思い、TUNAGを導入しました。
これまで、拠点がバラバラだったこともあり、やはり「自分が頑張れていれば良いかな」という空気感があったと思います。
そういう意味で、お互いを認め合って仕事ができる環境や社内文化を作っていきたかったんです。TUNAGにサンクスカードの機能があることは、重要な決め手の一つだったと思います。
日報、研修の振り返り、サンクスカードなどを運用
仕事の財産になる日報運用

〜日報という面で、TUNAGをどのように活用していますか?〜
金野:「仕事の財産として振り返りを残そう」という目的で、TUNAGで日報を書いてもらっています。
今は年に2回の上司との面談で設定した「Will Can Must」に沿って、良かったこと、悪かったこと、そして翌日以降のアクションを書いています。
さらに今期から評価制度の一部に「Will Can Must」の「Must」の項目を設けて、日報での振り返りと評価が直結するようになっています。
「〇〇からの速報」で気軽にお互いを認め合える文化を醸成
〜「〇〇からの速報」というコンテンツは、どのように運用していますか?〜
金野:仕事の部分で他の社員の日報を目にすることもあると思いますが、誰がどんなことを頑張っているかは、自分から発信してもらわないと見えにくいところがあります。
そのため、「集客の時期にご紹介いただけた」「高校に合格した」など、業務上の嬉しかったことや頑張ったこと、良かったことを速報として投稿してもらっています。
また、まずはスタンプで気軽にコミュニケーションが取れる環境を作るために、「おめでとう」「頑張ったね」など、いろいろな種類のスタンプを作ってみました。
研修の実践を発信し、組織の知識を高める「研修実践ニュース」

〜「研修実践ニュース」というコンテンツは、どのように運用していますか?〜
金野:「研修の実践ニュース」は研修の振り返りレポートですが、ただレポートを出すのではなくて、実践した結果や良かったこと、うまくいかなかったことも含めてTUNAG上に共有しています。知識の共有や、コミュニケーション活性化につながるのではないかという狙いです。
全員のレポートが一気に投稿されると多すぎて読んでもらえないと思ったので、きちんと読んでもらえるように順番を決めて「この日はこの人が投稿する」と毎日1人か2人が投稿するようにして、だいたい2週間ぐらいで全社員が投稿できるようになっています。
今はこれと併せて、振り返りが一番上手だった社員を選定して管理職がTUNAG上で発表しています。
サンクスカード「送付数」を社内表彰に組み込む
〜導入の決め手でもあった、サンクスカードにも取り組まれているそうですね!〜
金野:年2回のアワード表彰で「MOSTサンクス賞」として、単期と通期で一番サンクスカードを送った人を表彰しています。
社内表彰の中にサンクスカードを取り入れたことで、サンクスカードへの意識が結構高まった気がします。
〜「もらった人」ではなく、「送った人」を表彰しているのですか?〜
金野:あえて「送った人」だけを表彰しています。最初は両方表彰しようかと思っていたんですけど、「もらった人を表彰し始めると人気投票になりかねない。そうではなくて、人に『ありがとう』と言える社員を増やしたい」と考え、サンクスカードを「送った人」のみ表彰するという工夫をしています。
情報の見える化で学びや想いが広がった
社員の行動や学びの実践が見える化。マネジメントへの活用も
〜TUNAGで日報を書きはじめてどのような効果を感じていますか?〜
金野:「Will Can Must」に沿った日報に変えることで、日々の行動の目的が明確になりました。半期の目標や20年後、30年後のキャリアイメージも日報に載せているので、その日の仕事を長期的な視点で振り返る機会がどの社員にも作れていると思います。
管理職も、部下の振り返りの内容を見て一人ひとりとの関わり方に変化をつけられるようになりました。たとえば、「この社員はすごく目的を意識しながら業務ができてるな」というのも分かりますし、「最近は体調不良のことしか書いていないから、業務も上手くいっていないのかな」と電話するきっかけにもなります。
〜TUNAG上で研修のレポートが共有されるようになって、何か変化は感じられましたか?〜
金野:学びをもとに具体的な行動がどれだけ取れているか見える化できたことが良かったと思います。
「実際に生徒に対してこのように対応してみて、こういう反応を得られた」「ここがうまくいかなかったから、次はこうしてみたい」と研修で学んだことを実践したんだなと分かるレポートもあれば、提出するためだけに急いで書いたのかなというレポートもあります。そういった違いが見えてきました。
また、「研修で習ったことを同じように実践してみたつもりだけど、自分は上手くいかなかったのに、他の先生は上手くできていた」というレポートも見かけます。自分と他の社員で何が違うのか考える機会が生まれており、会社としてもただ研修を行っていた以前とは変化していると感じています。
コミュニケーションを通して、会社の想いが従業員に浸透
〜会社の想いや理念の浸透に関しては、どのような効果がありましたか?〜
金野:TUNAGでの先輩や上司とのコミュニケーションを通して「教育と教室運営とは実際にはつながっている」と社員が気づけるようになったと思います。
生徒や保護者との信頼関係を築き、良い指導を行うことが紹介につながる。その成功体験を多く積んでいくことで、価値観が変化しているのではないかと思います。
私自身も教室で講師を始めた頃は、勉強を教えている流れで「塾を探してる友達がいたら紹介してくれない?」と声をかけることに抵抗を感じていましたが、その二つは両輪であると分かるようになりました。
TUNAGは離れていてもつながれる集合場所
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〜称賛文化の醸成についてはいかがでしょうか?〜
金野:「〇〇からの速報」を頻繁に投稿してくれる社員や、投稿に対して毎回リアクションをしてくれる社員が増えてきました。導入当時に比べれば、お互いを認め合って仕事ができる環境になってきていると思います。
〜貴社にとって、TUNAGをひと言で言うとどのようなツールでしょうか?〜
金野:コミュニケーションツールとしての役割ももちろんありますが、お知らせや各種申請などの業務上のワークフローも全部TUNAGで行っています。そのため、働く場所はそれぞれ離れているのですが、社員みんなが集まれる集合場所がTUNAGという感じです。
毎日オンラインで朝礼をやるのですが、せっかく顔を合わせてもその日の業務連絡や相談をしているとあっという間に時間が終わってしまいます。しかしTUNAGを開けば、他の人が投稿したり、チャットでやりとりしているのを見て、「身近に人がいるな」と感じられます。
あとは、ちょっと嬉しいことがあると、速報を流すほどではないのでチャットに書いたりするんです。「生徒さんの兄弟が今日来てくれた!」とか。そうするとみんながリアクションをくれます。
そうやってTUNAGのチャットでコミュニケーションを取るのが、なんだか公園に行って友達に話しかけるような感覚に近いんです。
〜TUNAGはどのような企業におすすめでしょうか?〜
金野:年齢層が幅広かったり、拠点が離れている企業にはおすすめだと感じます。
そうした企業ではちょっと雑談するのも難しいと思いますが、TUNAGはプロフィールがあって、「この人、こんなの好きなんだ」と、業務上の会話では知りようのない発見をした上でコミュニケーションを取れるのが良いところだと思っています。
「発信したい」と思える仕組みづくり
豊富なスタンプで気軽なコメントを促す
〜TUNAG導入当初の工夫や心がけについて教えてください。〜
金野:「気軽に使える仕組み」とか「発信したいと思えるような仕組み」になるよう工夫してきました。
当初、コメントでのリアクションは社員にとってハードルが高いのではないかと思いました。先輩や上司の投稿に対しては特にです。また、仕事をしていると忙しくてスタンプ1個で返事をしたい時も多々あります。
なので最初の頃はスタンプで気軽にリアクションできる環境を作ることに注力しました。途中からスタンプを作るのが楽しくなってしまったこともあるんですけど、今TUNAGで使っているスタンプは129個もあります。
カスタマーサクセスに組織の困りごとを相談、より効果的な施策を運用
〜カスタマーサクセスの支援で役立っている部分があれば教えてください。〜
金野:弊社担当の方との打ち合わせの場で、「〇〇が上手くいかない」など普段困っていることを相談させてもらっています。「そんなことを聞かされても大変なんじゃない?」と思うぐらいざっくばらんな内容も多いのですが、それに対して具体的な取り組みの案をもらえるので、代表にとって新しい気づきにもなっているようです。
また、担当の方から提案してもらったコンテンツを実際に運用し、社内のコミュニケーション活性化やナレッジ共有につながっています。いろいろな提案がとても役立っています。
コミュニケーションに溢れた、会社と社員が想いを共有し合える組織へ

〜最後に、貴社が今後目指す組織の姿について教えてください。〜
金野:コミュニケーションの活性化に関していえば、投稿や日報にさらに多くのリアクションやコメントが溢れる会社になってほしいと思っています。
〜その中で、TUNAGでは今後どのようなことに取り組んでいきたいですか?〜
金野:直近では、アワードの受賞者がどんな社員なのかTUNAGのプロフィールに記載したり、投稿したりしています。まだ始まったばかりで形から入っている部分はありますが、受賞者は会社と同じ方向を向いて仕事をしている社員なので、彼らの考えなどを発信できる場を作れたらと思っています。
また、引き続き研修を行ったり代表の考えを聞く機会を通じて、社員それぞれがどういう考えを持ったのか、実践してみてどうだったのかをTUNAG上で共有できたら良いなと考えています。
〜金野様、お話しいただきありがとうございました!〜

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