店長で止まっていた情報が、アルバイトまで行き届く。回転寿司店が現場DXを推進し、称賛文化の醸成に取り組む



最高の素材をリーズナブルに提供することにこだわり、「回し寿司活」「寿司活」を展開する株式会社活美登利様。東京・神奈川・千葉に10店舗と、ハワイにも店を構える同社では、約300名の従業員がいる中で、本部から現場への情報共有や、各種申請業務の煩雑さに悩んでいました。

こうした課題を、TUNAG(ツナグ)でどう解決したのか、店舗の衛生管理や社内のDX・IT化推進を担当する、衛⽣監査室 室⻑の佐藤様(以下、敬称略)にお話を伺いました。

導入前は、店舗と本部がお互いに情報共有しづらい状況

情報共有が「伝言ゲーム」になり、スタッフに行き届いていなかった



〜TUNAGを導入される前、どんな課題をお持ちでしたか?〜

佐藤:以前は個人のSNSで本部と店長のグループを作り、情報共有をしていました。その中で共有した情報を店長から正社員やアルバイトスタッフに共有していたんですが、伝言ゲームのようになってしまってうまくいかない。なぜなら、アルバイトスタッフの中には週に5日出勤する人もいれば、月に1日しか出勤しない人もいて、情報が行き届かなかったんです。

店舗単位でグループを作って情報共有しているお店もあったんですが、プライベートとの線引きが難しかったですし、既に退職したアルバイトスタッフがグループに残ったままになっていたりと、セキュリティにも課題があるなと感じていました。辞めた人にまで情報が周知されているのは怖いものがありましたね。

経営層と店舗との接点が少なく、お互いの想いや考えが見えづらい

佐藤:情報共有だけでなく、経営理念の浸透にも問題がありました。学生のアルバイトどころか、社員も経営理念を言えない。根底にある想いを共有できていなかったんです。

反対に、あまり店舗との接点がない経営層は、店舗が何を頑張っていて、どんなことに困っているか、会社に対して何を求めているかが掴みづらかった。店舗の様子を知りたくてお客様からの声を見ても、「悪いこと」に着目した意見ばかりで、店舗スタッフの「良い面」が伝わりにくい状況でした。

交通費や有給申請の申請方法が統一されていなかった

佐藤:各種申請業務の煩雑さも課題でしたね。交通費や有給休暇の申請方法が、FAXや郵送、個人SNSなど、バラバラだったんです。

もしも見落としが発生してしまったら大問題になってしまうので、申請手段を統一したいと考えていました。

業務効率化もサンクスメッセージもできるTUNAGに惹かれた

〜TUNAG導入のきっかけや決め手になったのは何でしたか?〜

佐藤:当社ではもともとIT化を進めていこうという背景があり、その中でコミュニケーションを改善したり、働きがいを伸ばして離職率を下げたり、業務効率化につながるようなツールがないか探していました。

そんなときに展示会でTUNAGを知って「おもしろそうだな」という印象を抱き、話を聞いてみたら、申請や承認のフローを組んで業務効率化ができ、さらにサンクスメッセージの文化を根づかせてスタッフを楽しませる機能もあるということで、私も代表の土屋も、ものすごく惹かれましたね。

日常業務の報告から情報共有、コミュニケーションまで幅広く活用

店舗から本部へ、レシピ試作を報告・各種アイテムを発注



佐藤:店舗から本部への連絡に関しては、レシピの試作&納品報告を行なっています。当社では毎月1回、季節のメニューを切り替えているんですが、店舗がそれにちゃんと対応できているか確認も兼ねて、「新しいメニューに使う原料が届きました」「実際に作ってみました」という報告を、店舗から商品開発にしてもらっています。

他にも、スタッフの名札や靴、消毒用のスプレーボトルなど、本部管理のアイテムの発注は、TUNAGからしてもらっています。

本部から店舗へ、入荷鮮魚情報や新メニューの情報を発信

佐藤:逆に、本部から店舗へは、入荷鮮魚情報の共有をしています。商品部がその日買いつけた鮮魚について、「今日はこれを仕入れたよ」「ここがイチ押しポイントだよ」「この値段で売ってね」というコメントと画像を、毎朝9時に配信するんです。

店舗ではそういった情報を見て仕込みをしたり、お客様へのセールストークをしています。他にも商品開発グループから、季節の新メニューについておすすめポイントの連絡があったりしますね。

事務的な色合いが強いものだと、会社からのお知らせも共有しています。福利厚生の優待制度についてだったり、「健康診断受けてくださいね」みたいな連絡が多いです。

経営層や管理職の人となりを知ってもらう&月間表彰も実施



〜経営層と店舗のコミュニケーションや、称賛文化についてはいかがですか?〜

佐藤:代表からのメッセージとして、経営理念や代表の想い、考え方などを定期的に配信しています。

「私から伝えます!」というコンテンツでは、店長や部長がリレー形式で、普段の仕事や自己紹介を発信しています。私も先日、衛生管理についてとか、「この本おもしろかったよ」と投稿しました。今後は店舗の正社員やアルバイトスタッフも、インタビュー形式で紹介していき、他店舗や社内にどんな人がいるのか知るきっかけになれば良いなと思っています。

また、これまで改善点を指摘することはあっても、良いところを褒めることが会社として少なかったので、称賛文化を醸成するために、月間表彰を実施しています。あくまで「評価制度」にならないよう、「サンクスメッセージを積極的に送る」など、TUNAGをうまく活用してくれている人を表彰しています。

清掃報告や閉店時報告、HACCPの衛生管理など、店舗の日常業務を効率化

〜業務効率化の面について、教えてください〜

佐藤:店舗の日常業務の中では「清掃報告」をTUNAGでやっていて、エアコンや冷蔵庫の掃除など、清掃した箇所の画像も投稿してもらっています。投稿者が「今日掃除を頑張っていた人」を選んで、選ばれた人に社内ポイントが付くようにしています。

あとは、「閉店時報告」として、レジの精算後にその日の売上報告をしてもらっていたり、HACCPに基づく衛生管理の帳票も、TUNAG上で記入できるようにしました。

交通費や有給休暇、慶弔休暇の申請などもTUNAGでできるようにしました。各種申請はアルバイトも含めた全スタッフが利用できます。

本部と店舗の情報共有やコミュニケーションがスムーズに

本部から店舗への情報が、スピーディーに隅々まで行き届く



〜TUNAG導入の効果について伺いたいのですが、当初課題であった情報共有については、改善は見られましたか?〜

佐藤:TUNAGを導入したことで情報伝達のスピードがものすごく速くなったし、情報が行き届くようになったと感じています。

例えば、ある店舗でドリンクを誤って提供してしまいクレームが発生したことがあり、営業部長から全従業員に向けて「今後こうした事故を起こさないように注意しましょう」と発信があったんです。

翌日、私が用事で別の店舗に行ったとき、アルバイトスタッフから「営業部長から発信があった件について聞きたいことがあるんですけど」と声をかけられたんです。そのスタッフは出勤日数が少なく、これまでだったら恐らく情報の伝達が行き届いていなかったような方でした。

他にも、TUNAG導入以前は鮮魚の入荷情報が店長で止まってしまうことがあったんですが、TUNAGでアルバイトも含め全員に情報が行き渡るようになったことで、お客様からおすすめ商品を聞かれる前に、こちらからセールストークができるようになりました。

意外なスタッフがサンクス活用、本部と店舗スタッフの関係性が改善

〜本部と店舗のコミュニケーションは改善されましたか?〜

佐藤:こんなエピソードがあります。理由は定かではないんですが、本部に良いイメージを持っていないアルバイトスタッフがいて、私が衛生管理の仕事でその店舗に行ったときもそっけない態度だったんです。それが、TUNAGを導入してみると、意外にもそのスタッフは積極的にサンクスメッセージを送ってくれているんです。

その後お店で会ったときに、「たくさんサンクスを送ってくれてるよね、ありがとう」と伝えたら、その後、私宛に「普段接点があるわけじゃないのに、見ていてくれて嬉しかったです」とサンクスメッセージを送ってくれたんです。そのスタッフは月間表彰でもノミネートされるほどTUNAGを使ってくれていて、それだけでも「導入して良かったな」と思いました。

年間500枚以上の紙を削減、ペーパーレス化・業務効率化を実現

〜業務効率化の部分については、いかがでしょうか?〜

佐藤:情報共有の部分では、「本部から書類を郵送して、店舗のバックヤードに貼る」というのが全くなくなったので、郵送コストも減り、紙を貼る作業の工数も減りました。

HACCPについても、以前は店舗で用紙を印刷して手書きで記録していたんですが、TUNAGに移行したことで紙を印刷する必要がなくなり、年間で用紙520枚分ほどコストカットになっています。

他にも、個人SNSでバラバラに上がってきていた各種報告もTUNAGで形式を統一できて、管理しやすくなりましたね。

社内での浸透のために:1店舗でのお試しや、社内ルール整備などの工夫

新しい取り組みは、1店舗で試してから全店舗にリリース



〜社内での運用についても伺いたいのですが、現在どういった体制でTUNAGを運用していますか?〜

佐藤:TUNAGの管理者権限を持っているのは、私を含めて2名です。2名で400名分のアカウントを管理しているイメージですね。

運用については、各部署から「こんなことをやりたいんですが、TUNAGの中で作れますか?」「紙でやっている業務をTUNAGでできませんか?」という声をもらうこともあるし、こちらから提案することもあります。称賛文化についてとか、TUNAGをより浸透させるための試作については、私たち管理者が主導で取り組むことが多いですね。

新しい取り組みをするときは、ある程度ノウハウやクオリティを確立したうえでリリースしたいので、1店舗で試してから全店舗に広げていくスタイルを採っています。

導入と並行して社内ルールを整備「TUNAGは仕事に必要なツール」

〜TUNAG導入にあたって、一番苦労したのはどういったことでしたか?〜

佐藤:従業員のTUNAG登録ですね。本部のメンバーには一斉に声をかけられますが、店舗ではシフトもあってなかなかそうもいかなくて。あとは、「顔写真を登録するのが恥ずかしい」という反応もありました。

ただ、「仕事なんだから登録しなさい」と言っても反発が起きるだけ。「仕事をするうえでTUNAGが必要なんだ」と感じてもらわなければいけないと思い、「今後は個人SNSでの情報共有はダメですよ」「今後の情報共有はTUNAGでやってくださいね」という社内ルールを決めたんです。

同時に、TUNAGベネフィット(※)の案内も併用することで、TUNAGは自分にとってメリットがあるんだなと思ってもらうようにしました。そのうえで「ログインするなら写真登録をお願いしますね」と、浸透させていきました。

(※)TUNAGベネフィットは、TUNAGが提供する福利厚生サービスです。フィットネス、グルメ、レジャーなど、各種サービスの割引やクーポンを、パート・アルバイトの方も含めてご利用いただけます。

〜従業員の皆さまはどんなタイミングでTUNAGを見ているのでしょうか〜

佐藤:店長は店舗に配布しているPCで見ていて、他の皆さんにはスマホでTUNAGを見てもらっています。お店によって作業のタイムテーブルが違うので、TUNAGを見るタイミングは店舗やスタッフにお任せして、柔軟に対応してもらっています。

「この会社で働いてよかった」と言われる組織に

TUNAGの中に店舗スタッフが自分を表現できる「場」を作りたい

〜活美登利様では今後、どんな組織を作っていきたいとお考えですか?〜

佐藤:「この会社で働いてよかった」と思ってもらえる会社にしたいですね。帰属意識を高めたり、離職率を下げたりする必要があると思っています。お互いに尊重し合い、協力し合い、スタッフ一人ひとりを大切にする。そんな組織を作っていきたいですね。

今はトップダウンでの情報の行き来がまだまだ多いので、今後は店舗のスタッフが何かしら情報発信できる場を作りたいです。「今日こんなこと頑張りました!」「今月はこういうことに取り組みます!」とか、そういうことを能動的に表現したり、アウトプットできる場所を作りたい。

また、業務の指示や報告だけでなく、「うちの猫かわいいんですよ」「富士登山してきました!」とか、それくらい軽いノリがあっても良いと個人的には思っています。そうした雰囲気を作っていくことが、ひいては人手不足にもつながっていくのではないかと考えています。



〜佐藤様、お話しいただきありがとうございました!〜

TUNAG お役立ち資料一覧
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