昔ながらの企業文化変えるための導入ステップとは?「内定者」のエンゲージメント向上から「全社」へ展開
株式会社ユー・エス・エス様は、オートオークション事業など、中古自動車流通市場の活性化を推進する事業を行っています。グループ全体では1,000名を超える従業員がおり、オートオークション事業では19箇所の会場を展開しています。
そのような環境の中、従業員同士の横のつながりづくりや、会社の想いの共有ができる環境づくりについて課題を感じておりました。
「地元採用中心ということもあり、各会場に昔からの文化がある」と話すのは取締役副社長の山中様。その文化を尊重しながらも、少しずつ課題解決に向けてできるアプローチとして、まずは“内定者”に対してTUNAG(ツナグ)を導入していくことからスタートしました。
その導入までの背景、その後の運用についてお話をお伺いしました。
感じていた課題、TUNAG導入の背景
同じ会社なのに拠点ごとに文化が異なる
山中様:弊社は昔から根づいている企業文化があり、社内報など会社と従業員との関係づくりにつながる施策を行うことはありませんでした。
事業の特色上、拠点が多いのですが、拠点間の交流はほとんどありません。転勤やジョブローテーションなども最近は少しありますが、以前は全くありませんでしたね。本社から拠点に行くと、現場の方が驚くような雰囲気です。
中途採用も新卒採用も地元の方を採用、地元を離れたことのない方が多く、みなさん、USSという会社に入ったというよりは、「地元の会社に入った」という認識だと思います。
上場していて全国展開しているため、規模としては大きいのですが、それぞれの会場にそれぞれの文化ができている状況です。ですので、拠点間で異動となると、もはや違う会社に転職するような気持ちになるのではないかと思います。
職種や役職においても、インフォーマルなコミュニケーションが次長クラスで行われていたり、各拠点の経理担当同士がつながったりすることはありましたが、そこからフォーマルな会議や新しい動きに発展することはあまり多くないですね。
会社の想いをより浸透させたい、横のつながりが少ないことを改善したい
山中様:そのような現状から、会社の想いを従業員に伝えること、横のつながりを持つことの重要性は感じていたのですが、昔からある文化を急に変えることはなかなか難しいという悩みもありました。
TUNAGでできることには共感していましたね。インフォーマルなコミュニケーションが自然におこなわれるベースづくりができますので、そこから実際のフォーマルなコミュニケーションにつながり、実際の業務にも良い影響を与えていくと思います。
全社導入の前に、まずは“内定者”向けに活用して効果測定
山中様:TUNAGのコンサルティングの方からの説明を聞き、当初は全従業員で導入してもいいなと思っていました。しかし、先程も触れたとおり、当社の風土として、いきなり全従業員でスタートしてしまうと、受け入れられにくいのではないかという懸念点がありました。
そこで、まずはインフォーマルなコミュニケーションの場をつくり、会社からの想いを伝えたり、コミュニケーションがとれる仕組みを“内定者”の方向けに行うことにしました。
今まで、内定者のフォローは特にしていなかったんです。集まるのも入社までに1度、あとは郵送物があるくらいで、内定者フォローに関する課題感もありました。
内定者向けへ行った施策や運用について
TUNAGというコミュニケーションのインフラとリアルのコミュニケーションを合わせる
山中様:昨年はテストケースで使用していましたので、内定期間中の一部の期間で使っていました。今年は6月から導入し、内定辞退を減らす取り組みを行っています。
TUNAGのプロフィールの機能で内定者の方の人となりが分かりますし、こちらからのアクションがあると見てくれていることがデータで把握できるのでわかりやすいですね。
TUNAGというインフラと面談や直接のコンタクトなどリアルなコニュニケーションを合わせることで内定辞退を減らす取り組みをしていますが、具体的には「会社でこういうことがありました」など会社のイベントについて投稿をしたり、夏休み限定の企画などでアプローチしていますね。
コンサルタントの方にアドバイスをいただきながら、さらに色んな打ち手を試していきたいと思っています。
入社前の内定者の繋がりが、入社後の関係構築にいい影響を与えている
山中様:TUNAGのようなSNSでコミュニケーションをとっておけば、入社式までに親しくなれるメリットがありますね。入社した後、困ったことを相談できるいい関係づくりへ自然とつながっています。
当社は入社した後のフォローの仕組みがまだ十分でないので、TUNAGを継続して使っていくことや、集合研修、再研修などもTUNAGを活用して行うことを検討していきたいと思っています。
入社から2〜3年すると、ぽつぽつと退職者が出てくることがあると思うのですが、こういった取り組みで退職率を抑えられるのではないかという実感があります。いいサービスですよね。
内定者を超えて、「会社の風土を変える」ということも、この活用の先にできると思っていますが、それはまだこれからですね。
TUNAG導入後の効果・感じた変化
昨年の内定辞退は0
山中様:昨年は内定期間中のうち、一部の期間に導入していましたが、その間内定辞退はありませんでしたね。一昨年前は内定辞退が多かったです。
今年は昨年より長い期間導入していますので、より明確になってくると思います。
入社後の同期の関係がつくりやすい
山中様:新入社員のみなさんが入社されてからは、それぞれの部署に配属になりますので、普段の業務で話すことはほとんどなくなるんです。
入社後は、全内定者で新入社員研修をここ愛知県で行うのですが、その時に「あの子見たことある」「TUNAGで見た子だ」など把握していたり、実際にプロフィールをよく見ていたと内定者の方から聞いています。同期の関係づくりには効果があったのではないかと思います。
初対面でも、「この人はどういう人なんだろう?」ではなく、事前にTUNAGを見て「この人はこういう人なんだ」ということが分かった状態で話をすることができるのは、入社後の緊張状態がある時期だからこそ、コミュニケーションが取りやすく、とても良かったと感じています。
これからの活用について
入社前と後のミスマッチを減らしていくような取り組みを強化
山中様:“同期”になるみなさんのつながりを、早期につくりあげることはまず第一に目指すところです。
そのために色々なコンテンツを投稿していくことはもちろん行っていくのですが、それ以上に、入社前の不安、「どんな会社なんだろう」「どんな人がいるんだろう」「どういう業務があるのだろう」というところはすごくみなさん気になっていると思います。
なるべくミスマッチが無いような状態で入社してもらえるように、会社の情報を提供することも力を入れていきたいですね。
経営理念の浸透のために全社活用を目指す
山中様:TUNAGをインフォーマルとフォーマルの間で、例えば「旅行行ったよ!」くらいの気軽なコミュニケーションも含めて、社内報のような形で行っていきたいですね。
そのような下地作りができれば、TOPメッセージなども形式張らずに伝えることができるようになりますし、自然と経営理念や行動指針も浸透していくかもしれないなと感じました。
〜山中様、お話いただきありがとうございました!〜