農産物直売所「旬の駅」、4年連続で売上アップ。各店舗の知識をアプリで共有し、ペーパーレス化も実現



農産物直売所「旬の駅」を運営する、株式会社フォレストファーム様。奈良・大阪・京都に6店舗を構え、地域の生産者が丹精込めて作った農作物を委託販売という形で消費者に提供しています。2024年11月には奈良・滋賀にそれぞれ1店舗を開業する予定です。

同社では、各店舗の知識や経験を会社全体に蓄積できていないことや、紙ベースの申請手続きによるトラブルが多いことに課題がありました。これらの解決のためTUNAG(ツナグ)を導入し、その後4年で売上が2倍に。申請手続きのトラブルも減少するなど、大きな効果が表れています。

正社員、パート・アルバイト含む約200名の従業員でどのようにTUNAGを活用しているのか、取締役の神田様(以下、敬称略)にお話を伺いました。

※記載の内容はインタビュー時点の情報です。

各店舗の施策が次につながらない。申請書類の不備も課題に

チャレンジはしてきたが、知識や経験を蓄積・共有できていなかった

〜TUNAGの導入前、どのような課題を感じていましたか?〜

神田:2013年の創業以来さまざまなチャレンジをしてきたのですが、知識や経験などの情報を残してこなかったことが一番の課題でした。

チャットグループで各店から「今日の客数は〇〇人でした」「売上は〇〇円でした」みたいな報告はしていたんですが、店舗ごとにせっかく良い施策をやっても他の店舗に共有できていなかったんです。

〜当時、社内の情報共有はどのように行っていたのでしょうか?〜

神田:本来プライベートで使う個人のSNSでやっていたので、従業員に悪いなという気持ちもありましたね。私たちは朝の6時半ぐらいから仕事が始まるので、勤務がない日にそんな朝早くから通知がバンバン鳴っていたらやっぱり嫌じゃないですか。

あと、もともと会社として「基本的なことは各店舗で決めて良いですよ」というスタンスで、全店共通のマニュアルなどもなかったのですが、特に若い従業員からは「マニュアルを作ってほしい」「会社のルールをどこかにまとめてほしい」という要望がありました。

各種手続きで「用紙を送っていない」「必要書類が足りない」が多発

〜情報の蓄積や共有以外にも、当時困っていたことはありますか?〜

神田:各種申請を紙で行っていたんですが、「用紙を送っていなかった」「送ったはずが、どこかに行ってしまった」「必要書類が足りない」みたいなトラブルが多かったですね。

また、店舗で採用された従業員の履歴書が本社に送られておらず、タイムカードを集計する段階で気づくことがあったり…。従業員が辞めたことを店舗から本社に共有するのが遅れて、源泉徴収票を送るのに困ったこともありました。


※写真左より、代表取締役社長 佐藤様、取締役 神田様

TUNAG導入の決め手は「コンテンツ設計の自由度」

〜そういった中、TUNAG導入の決め手になったのは何でしたか?〜

神田:コンテンツ設計の自由度が高いことです。

はじめから機能が限られていて、使い方がある程度決まっているアプリが多いと思うんですけど、TUNAGは自分たちのやりたいことに合わせてアプリの中身を作れますよね。


〜課題だった「情報の蓄積・共有」という点も、コンテンツ設計でカバーできると感じたのでしょうか?〜

神田:そうですね。TUNAGは「売上の報告」「各店舗の施策」のように情報をカテゴリ分けして蓄積できるので、例えば「過去の売上をパッと調べたいな」と思ったときにも情報をさかのぼりやすい。

「情報を残す」「店舗間の連携をする」、それから「事務関係をスムーズにする」「パート従業員も含めて情報共有する」。この4つをTUNAGで解決したいと思いました。

商品やイベントの情報を蓄積し、レシピ共有やペーパーレス化に注力

季節商品の売れ行きやイベント内容をまとめ、翌年以降の準備に活かす


※フォレストファーム様の実際の画面です。店舗ごとに写真付きで毎月振り返りを投稿したり、イベントのチラシを残しています。

〜店舗間の連携や情報の共有について、具体的な施策を教えてください。〜

神田:私たちは野菜や果物を扱うので、夏の時期には桃、その後はスイカ、次はブドウ…と、一年を通していろいろな商品を売ります。また、大きなものでは周年祭から小さなものでは「〇〇フェア」まで、季節ごとにさまざまなイベントを行っています。

何がいくつ売れたのかによって来年の準備も変わるので、「1年前のこの時期は何を売って、どんなフェアをやったんだっけ」と見返せるように、日々の売上報告とは別で、店長がTUNAGに毎月の振り返りを投稿したり、チラシやビラを残しています。

お客様に配るビラはパート従業員が作ってくれるんですけど、それを社内みんなで共有できるのも良いですね。

野菜を使ったレシピや「本日のつぶやき」でコミュニケーション活性化を図る


※フォレストファーム様の実際の画面です。店頭に並ぶ実際の商品を使ったレシピや、各店舗からのちょっとしたつぶやきが投稿されています。コメント欄での交流も盛んです。

〜コミュニケーション活性化を図る取り組みについても教えてください〜

神田:料理が上手なパート従業員がレシピを投稿するコンテンツがあります。

野菜や果物は毎年新しい品種が出るので、自分が食べたことのないものも店頭に並ぶことがあるんです。そんなとき、売り場の誰かが「こうやって調理して、こんな料理にして食べました!」と共有していれば、お客様から「これどうやって食べるの?」と聞かれたときに他の従業員もご案内できますよね。そうやってレシピを接客に生かしたいという目的もあります。

〜良い取り組みですね! 他に人気のコンテンツはありますか?〜

神田:パート従業員も含めて誰でも投稿できる「本日のつぶやき」では、「〇〇さんが掃除を頑張ってくれました」「ぶどう農家さんとナチュラルワインの話で盛り上がっちゃいました!」など、本当にたわいもない話をしていますね。

申請書類をペーパーレス化。マニュアル整備は代行サービスを活用して効率的に


※フォレストファーム様の実際の画面です。アプリから各種申請ができ、スマホからいつでもマニュアルを確認できます。

〜各種申請も、書類からTUNAGに移行したんですよね。〜

神田:有給休暇の申請書類や、各店舗で農家の方が新しく委託販売の登録をする際の「出荷会員申込書」などをTUNAGでペーパーレス化しました。従業員の入社や退社もTUNAGで報告しています。

また、農家さんによっては複数の店舗に商品を出荷しており、お客様からのクレームも店舗間で共有する必要があるので、クレーム報告もTUNAGで共有するようになりました。

〜マニュアルもTUNAG上で分かりやすく整えたとお聞きしました。〜

神田:5店舗、6店舗と店舗が増えたタイミングで「やっぱり最低限のことはルール化しよう」となったんです。

それをTUNAGのカスタマーサクセスの担当の方に相談したら、「TUNAGアシスタント(※)」という代行サービスがあると教えてくれました。なので、素材だけ当社で準備して、マニュアルのグループ分けや、太字やリンクなど見やすさの調整はTUNAGアシスタントの担当者さんにお願いしました。

※TUNAGアシスタント…各種業務マニュアル(テキスト・文章)や社内報の作成、インタビューの記事の執筆、表彰制度の企画・運用など、さまざまな業務を代行するサービス。

売上が4年連続で向上し2倍に。申請手続きのトラブルも減少

売上の可視化で当事者意識を醸成、4年連続売上アップにつながった



〜TUNAG導入の効果をどのように実感されていますか?〜

神田:TUNAG導入当時は3店舗で売上が22億円だったんですが、そこから24億円、31億円、38億円、45億円と4年で売上が2倍以上になり、店舗数も今年オープンのものを含めると8店舗に増えました。

店舗が増えて事業が伸びるタイミングで売上をしっかり伸ばせたのは、正社員だけでなくパート従業員もTUNAGで売上報告を見られるようになり、「日々の売上への意識が全員に根付いた」というのもあると思いますね。

〜一人ひとりの意識が変わったんですね! 店舗間の連携についてはいかがでしょうか?〜

神田:TUNAGで他店舗にも農家さんの情報を共有できるようになり、「他の店舗にも出荷したいと言っている農家さんがいます」「この農家さん、うちの店舗でも出荷しないか声かけてもらえますか?」みたいな動きが生まれました。これは、売上の増加にものすごくつながっていると思います。

ペーパーレス化で書類不備やトラブルが改善、新入社員も会社の歴史が分かる

〜課題感の大きかった、情報の蓄積・共有についてはいかがですか?〜

神田:その月の商品やイベントの情報をTUNAGに残せるようになったのはもちろんですし、新しく入った従業員も「会社のこれまで」を把握できるようになりましたね。

例えば、直近で入社したある正社員は、なんと月間の既読数が13,000件もあるんです。過去の投稿をかなり見たんでしょうね。やっぱり若い方って、こうやって自分で情報を調べたり見たりできる方が多いんだと感じます。

私たちがどんな会社なのかって、新しく入った方には思い出話だけじゃ伝わらないじゃないですか。「情報をさかのぼって、過去の会社の動きを知れるようにする」というのは、やって良かったですね。

〜申請書類のトラブルは減りましたか?〜

神田:申請手続きをペーパーレス化したことで、不備が多かった点はものすごく改善されましたね。また、従業員の入退社時の情報も店舗と本社で統一できて、いろいろとトラブルがなくなりました。

パート従業員の「得意」が見える化、社内プロジェクトへの協力を仰げるように

〜その他に感じている効果はありますか?〜

神田:パート従業員の得意なことや長所が分かるようになったのは大きいですね。私たちの商売って、冬至の日にゆず風呂に入り、子どもの日に菖蒲湯に浸かるとか、「季節感」を売る商売だと思っています。こういう日本の伝統行事や風習を、やっぱり若いお客様にも発信してつないでいきたいんです。

そこで、年中行事を綴った「あまねく」という冊子を3年前から作っています。京都店の絵が上手なパート従業員と、ならやま店の伝統行事や風習に詳しいパート従業員をつないで、1年かけて作ったものです。

2人がTUNAGを通して自分の「得意」を発信してくれたことで、制作に協力してもらうことができました。

TUNAGは「全社で取り組むもの」。既読数の表彰で利用促進

TUNAGを全社のアクションプランに位置付け、社員面談でフィードバック



〜現場までTUNAGを浸透させるために、工夫したことはありますか?〜

神田:やっぱりコンテンツの目的とか、「なぜその施策をやるのか?」を伝えることに注力しています。1年間で会社が取り組む7項目を「アクションプラン」として定めるんですが、その中にTUNAGの項目も入れるようにしていますね。

あとは、半期に一回の社員面談で、本人のTUNAGでのコメント数や既読数をもとに話すようにしています。

パート従業員も見に行きたくなるコンテンツを。表彰でも利用を促進

〜パート従業員の方にもTUNAGを使ってもらうために、工夫されていることはありますか?〜

神田:社長メッセージや売上、マニュアルなど、あまりカチッとした内容ばかりだと面白くないですし、見てもらえないだろうと思って、もう少しハードルの低いコンテンツとして「本日のつぶやき」を始めました。

もう一つは、各店舗で一番既読数の多かった人に送る「マザーテレサ賞」です。既読数って、他の従業員への関心だと思うんですよね。この賞があることで、従業員同士がお互いもっと関心を持ってくれると良いなと思っています。

従業員の個性を伸ばし、「30店舗、売上200億円」を目指す

〜最後に、フォレストファーム様の今後の展望をお聞かせください。〜

神田:会社として「30店舗、売上200億円」を目指しているんですが、30店舗が個別で頑張るよりも、各店舗の良いところを残りの29店舗に波及させていくほうが効率的ですよね。そのために、店舗を超えた横展開や、最低限のルールの共有という部分でTUNAGを活用したいと思っています。



〜情報やルールの共有以外にも、TUNAGが果たせそうな役割はありますか?〜

神田:会社の意向やルールが全てということではなく、やっぱり従業員本人の当事者意識によって最大限良い店舗にしていきたいんです。

なので、TUNAGは各従業員の個性が際立つような場所にしたいですね。お互いに個性を把握し、認め合って伸ばすような使い方ができれば、当社にとってすごくプラスになると感じています。

個人的には、いつもTUNAG上でレシピを投稿してくれる2人のパート従業員のレシピ本を作って、お客様に配れたりしたら素敵だなと思っています。

〜神田様、お話いただきありがとうございました!〜

TUNAG お役立ち資料一覧
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