三井ホームの現場組織DX。お客様対応の品質向上を目指し、社員同士の連携やコミュニケーションを強化
注文住宅などを手掛ける三井ホーム株式会社様では、「憧れを、かたちに。」をステートメントに掲げ、時を重ねるごとに家の価値が増していくという「経年優化」の考えのもと事業を展開しています。
日本全国の各エリアで住宅オーナーに向けてメンテナンスやリフォームを提供するオーナーサポート部門では、部署間連携や業務効率化を目指す中で「現場に出ており事務所にいない社員も多く、コミュニケーションが取りづらい」「紙ベースの情報共有でタイムロスが生じている」などの課題を解消するためにTUNAGを導入しました。
業務依頼の電子化やサンクスメッセージなど、TUNAGの活用方法についてオーナーサポート推進部長の下倉様にお話を伺いました。(以下、敬称略)
※記載の内容はインタビュー時点の情報です。
社内コミュニケーションと情報伝達の効率化に課題
関連会社を統合したものの、社員間に壁ができていた
〜TUNAG導入前、どのような課題を感じていましたか?〜
下倉:20年ほど三井ホームの関連会社として住宅のメンテナンスなどを担当していた三井ホームテクノス株式会社が、2021年に当社と統合しました。
しかし、統合前から当社に在籍していた社員と、もともと三井ホームテクノスにいた社員との間で、コミュニケーションに一歩引いたようなところがあったんです。同じ会社の社員としてそれではいけないということで、統一したコミュニケーションツールが欲しいと思っていました。
外出しっぱなしの社員が多く、コミュニケーションが希薄に
〜当時、コミュニケーションや情報共有はどのように行なっていたのでしょうか?〜
下倉:そもそも当社にはコミュニケーションの全社的な仕組みがなく、拠点任せになっていたんです。チャットやメールなど拠点によってやり取りの方法がバラバラで、情報共有に拠点間格差もありました。
メンテナンスエンジニアの社員は定期訪問もあるし、不具合で臨時の点検もあるので、外出しっぱなしで。朝と夕方ぐらいしか事務所にいないことも多く、そういう意味でもコミュニケーションは取りづらかったですね。
部署間連携も課題、情報共有のスピード向上や称賛に取り組みたかった
〜その他に感じていた課題があれば教えてください。〜
下倉:業務依頼を紙帳票でやっていたので、スピード感がないと感じていました。たとえば、リフォーム部署がお客様からメンテナンスのご依頼を受けたときは、リフォーム担当者が部署長に帳票を出し、それがメンテナンス部署の部署長に渡り、メンテナンス担当者に依頼するという流れになっています。
お客様からのご依頼を失念せず、組織的に管理するためにこうした流れは必要ですが、紙の帳票ではスピードに課題を感じていました。
また、リフォーム部署とメンテナンス部署がもっと連携することで、オーナー様にさらなるサービスを提供できると思い、部署間連携を高めるために社員同士での称賛にも取り組みたいと考えていました。
称賛から情報共有まで幅広くカバーするTUNAGを導入
〜そういった経緯がある中で、TUNAG導入の決め手は何だったのでしょうか?〜
下倉:社内ポイントを通して社員同士で称賛ができるサービスを検討する中でTUNAGを見つけ、複数のサービスと並べて比較検討し始めました。
話を聞いてみると、メンテナンス依頼やリフォーム依頼など、当社がこれまで紙ベースでやっていた部分も電子化できると分かったんです。
元々検討していた社内ポイントの機能だけでなく、ワークフローや情報共有の部分についてもカスタマイズして使えるということで、最終的にTUNAGを導入しました。
DXにより業務依頼が効率化、エリアを超えた情報発信も
紙ベースだった業務依頼を電子化、拠点を超えて部門全体で情報を見える化
※三井ホーム様の実際のTUNAG画面です。「サンクスメッセージ」など称賛の取り組みを実施しています。また、写真や資料付きで「リフォーム紹介カード」「メンテナンス依頼カード」などの業務依頼ができる仕組みを整えています。
〜社員同士の称賛について、現在どのような取り組みを実施していますか?〜
下倉:部署間の相互貢献を見える化するという目的で、社内ポイントや「サンクスメッセージ」などを運用しています。100名以上の部門もあり、社員の顔と名前を一致させたいという意図もありますね。
サンクスメッセージをたくさんやり取りしている拠点ほど営業成績が良いという相関関係があると感じています。引っ込み思案な方や内気な方も多いですが、今後もっと活用を進めていきたいです。
〜紙ベースのやり取りの電子化については、いかがでしょうか?〜
下倉:「リフォーム紹介カード」「メンテナンス依頼カード」を紙からTUNAGに移行して運用しています。紹介や依頼を受けて、部署長がコメント欄で「〇〇さん、担当お願いします」と担当を割り振る流れです。
良かった点は、部門長が全拠点の紹介や依頼を把握できるようになり、情報が見える化されたことですね。たとえば、神奈川なら拠点が4つあって、それぞれの拠点内でしか流れていなかった紹介や依頼が、部門全体で見える化できました。
あとは、お客様からのご要望が、具体的かつ視覚的に分かるようになりました。以前までは紙帳票とは別で、メールやチャットで写真を送ったりしていたのですが、TUNAGだと紹介や依頼とセットで写真や図面を添付できるので、内容がより分かりやすくなりましたね。
エリアを越えてコミュニケーションを促進
※三井ホーム様の実際のTUNAG画面です。全エリアでコミュニケーションが取れる場所があるほか、住宅オーナーからのアンケート回答を紹介するコンテンツ「Owner’s Voice」、事務職の社員同士で情報交換をする「事務職フリーカード」などを運用しています。
〜コミュニケーション活性化の取り組みについて教えてください。〜
下倉:「エリア横断コミュニケーションルーム」では、全国のイベント情報や販促施策を定期的に発信しています。「九州で次回、こういうイベントをやりますよ」とか、そういうお知らせをする場ですね。それ以外にも、エリア横断で注意喚起や業務連絡があればここで発信できます。
現在は本社からのお知らせコーナーという感じですが、将来的には各拠点から各拠点へ、色々な情報を発信できるようにしていきたいと思っています。
〜本社から一斉にお知らせができるようになり、良い変化はありましたか?〜
下倉:投稿には「次回、こういうDMを送る予定です」と資料を添付しているので、各拠点で「うちもこういう感じで行こう」と参考にしてくれているんじゃないかと思います。
また、高評価のお客様アンケートを紹介する「Owner’s Voice」も既読数の多い人気コンテンツになってますね。
縦割り文化を解消し、横のつながりを作りたい企業におすすめ
〜ここまでTUNAGを利用してみて、どのような法人や企業におすすめだと感じますか?〜
下倉:当社は財閥系の会社で少し堅いところがあったり、創立50年と歴史もある中で縦割り文化の名残もあったりします。TUNAGを使うことで、横のつながりを作っていきたいと思っています。
当社に限らず、どの会社でも組織が縦割りになってしまい、横の連携がしづらくなることはあると思います。歴史ある会社だとなおさらそうですよね。そうした弊害を是正するには、TUNAGのようなツールを使うのも良いのではないかと思います。
強制するのではなく、地道に利用率を上げていく
〜現在のTUNAGの運用体制について教えてください。〜
下倉:オーナーサポート推進部という本社の部署が中心となり、その中の3名が主管としてTUNAGを運用しています。複数の部署に関わる横断的な企画や、DXの推進などを担当している3名ですね。
〜TUNAGを浸透させるために工夫したことや苦労したことはありますか?〜
下倉:部門長のスタンスによって、どうしても利用が活発化する拠点とそうでない拠点が出るんですよね。部門ごとの利用率ももちろん出せるんですが、あまり数字を見せて強制するのも良くないと思うので、会議などで地道に話をしています。
2年ほどTUNAGを利用してみて、「特別なものではなく、当たり前のもの」として使えるというか。コミュニケーションツールって、そういうのが良いんでしょうね。社員にもなるべく自発的に使ってもらえるツールにしていければと思っています。
新メンバーの入社や、異動もあったので、改めて「TUNAGのプロフィールを入力してくださいね」とか、そういう発信もしていきたいと思っています。
お客様対応の品質を上げ、オーナーとの関係構築に注力したい
〜最後に、今後の展望を教えてください。〜
下倉:現在TUNAGを利用しているオーナーサポート部門は、アフターメンテナンスとリフォームを通じて、オーナー様に三井ホームへの愛着をより持っていただけるようにサービスを提供する組織です。
社内で連携が悪ければお待たせすることもあるでしょうし、きちんと情報が伝わらなければ「前にも言ったはずなのに」ということにもなってしまう。社員同士のコミュニケーションが活発かどうかは、当然ながらお客様対応の品質にもつながると考えています。
そういった意味で、お客様対応の品質を上げるツールとして、引き続きTUNAGを使っていけたらと思ってます。
〜これから特に注力したい取り組みなどはありますか?〜
下倉:築年数が経てば経つほど、オーナー様と当社の接点も薄れやすくなる中で、10年はもちろん、20年、30年と、家があってオーナー様がそこにお住まいである限りは、リレーションがより強まっていくことが理想なんですよね。
当社からオーナー様に接点を持ち続けるための施策を考える上で、TUNAGは社内コミュニケーションのベースになると思うので、しっかり役立てていきたいです。
〜下倉様、お話いただきありがとうございました!〜