社員が相談しやすい環境とは?主な特徴やメリット・環境づくりのポイントを解説

社員が相談しやすい環境が整っている企業は、社員の定着率が高まり、エンゲージメント向上にもつながります。そのため組織の持続的な成長に欠かせません。相談しやすい職場の特徴やメリット、具体的な環境づくりのポイントを知っておきましょう。社員の声が届く職場づくりを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

社員が相談しやすい環境の特徴は?

社員が相談しやすい環境とは、社員が安心して悩みや意見を共有できる職場のことです。以下のように心理的安全性が高く、社員同士のコミュニケーションが活発で、物理的・制度的なサポートも整っているのが特徴です。それぞれ確認していきましょう。

心理的安全性が高い

心理的安全性が高い職場では、例えば会議で少数意見や疑問を述べた社員が批判されることなく、逆に意見を出したことを評価されるなど、安心して発言できる雰囲気が醸成されています。

また、困ったときに素直に相談しやすいため、早期に問題の解決を図れるのが特徴です。

一方、心理的安全性が低い職場では、社員が自分の考えを隠し、問題を抱え込んでしまう傾向が強くなります。社員が安心して意見を言える環境ならば、気軽に上司や周りに相談できるだけではなく、新しいアイデアも共有されやすく、組織の成長につながります。

社員同士がコミュニケーションを取りやすい

コミュニケーションが活発な職場では、ちょっとした質問や確認もSlackなどのチャットツールで気軽にできたり、定期的な1on1面談で本音を伝えやすかったりする雰囲気が醸成されています。


さらに定期的なチームミーティングや、1on1面談などの機会を設けることで、上司と部下・同僚同士の相互理解も深まるでしょう。


特に、オープンなオフィス環境やフリーアドレス制を導入することで、さまざまな社員と自然に交流できる場が生まれます。こういった環境では、社内の情報共有がスムーズになり、業務上の悩みも相談しやすくなります。

物理的・制度的なサポートが充実している

相談しやすい職場には、物理的・制度的なサポートも不可欠です。例えばバリアフリー対応のオフィス、社員が匿名で悩みを相談できるオンライン窓口、先輩社員がメンターとなってキャリア相談に乗るメンター制度などの導入が挙げられます。

こうしたサポート体制が整っていれば、社員が安心して働けるようになり、困ったときにすぐに支援を受けられます。相談の方法を明示するとともに、プライバシーにもきちんと配慮している点も周知しましょう。一人一人が声を上げやすい環境を整えることが重要です。

社員が相談しやすい環境づくりに注力するメリット

社員が気軽に相談できる職場環境にすることで、企業と社員の双方がさまざまな恩恵を受けられます。ここでは主に、以下の三つのメリットを理解しておきましょう。

社員エンゲージメントが向上する

社員が率直に意見を伝えられることで、例えば自ら提案したアイデアが採用されたり、悩みや課題が迅速に解決される体験が増えたりし、職場への信頼感や帰属意識が高まります。

安心して声を上げられる職場では、自分が組織に貢献できている実感を持てるようになるため、モチベーションが持続しやすくなり、仕事への主体性も高まるでしょう。

さらに、こうした主体的な姿勢がチーム内に好循環を生み出し、周囲の社員にも良い影響を与えるのもメリットです。職場全体に前向きな雰囲気が生まれることで、組織の一体感や協働意識が育まれやすくなります。

人材の定着率がアップする

気軽に相談しやすい職場では、社員が不安や不満を抱え込まず、早期に解決できるため、離職率の低下にもつながります。例えば、社員アンケートで出た要望に基づき、リモートワークの導入やフレックスタイム制度が整備されることで、「自分の意見が会社に反映される」と感じ、長期的に働きたいと思う社員が増えるでしょう。

結果として、優秀な人材の流出を防ぎ、安定した組織運営が可能になります。また、社員が安心して長期的なキャリアプランを描けるようになり、組織の持続的な成長にも寄与します。

業務生産性の向上が期待できる

社員が悩みや課題をすぐに相談できる環境では、問題の早期発見・解決が進む傾向にあります。実際に、オンライン相談窓口を利用した社員の約7割が、生産性が1割以上向上したと回答した事例もあるようです。

社員の不安やストレスを軽減し、業務に集中できる環境を整えることが、生産性の向上に不可欠な要素といえるでしょう。働きやすい職場では、社員一人一人のパフォーマンスが高まり、結果的にチーム全体の成果や、目標の達成率もアップします。

※出典:「Smart相談室」利用者の約7割が、悩みや不安を相談することで「生産性が上がった」と回答。プレゼンティーズム向上が重要に | Smart相談室

社員が相談しやすい環境をつくるポイント

社員が相談しやすい職場づくりには、目に見える制度整備だけでなく、日々のコミュニケーションや姿勢の積み重ねが重要です。以下のポイントを意識しつつ、誰もが早期に、問題の解決を図れる環境づくりに注力しましょう。

社員同士のオープンなコミュニケーションを促進する

オープンなやりとりが活発な職場では、社員は必要以上に構えずに話ができます。ちょっとした疑問でも、周囲に遠慮なく声を掛けられる雰囲気があれば、問題の放置や誤解の拡大によるトラブルを防げるでしょう。

具体的には、オフィス内にリラックスした雰囲気で会話できるフリースペースを設置したり、毎週1回のチームランチ会などを実施したりすることで、自然な交流が生まれやすくなります。

またオフィスのレイアウトを工夫したり、フリーアドレス制を導入したりなど、物理的な環境の整備も検討しましょう。

管理者が質問や意見を歓迎する姿勢を示す

上司や管理者が、率先して質問や意見を歓迎する姿勢を示すのも、相談しやすい雰囲気づくりのポイントです。社員の発言に対して否定的な態度を取らず、きちんと耳を傾けることが大切です。

管理職向けに、コーチングや傾聴スキルの専門研修を開催するほか、定期的な1on1面談の義務化などを行い、質問や意見を歓迎する姿勢を明確にすることが大切です。

管理者に当たる社員が、質問・意見を積極的に聞き入れる姿勢を示すことで、社内の意見交換が活発になります。結果として、組織の問題解決のスピードアップや、チーム全体の信頼関係の強化につながるでしょう。

プライバシーに配慮した相談窓口を設ける

社員の相談内容によっては、周りに知られたくない場合も考えられるため、プライバシーに配慮した相談窓口や、オンライン相談サービスの導入も有効です。

特に匿名でオンラインからアクセスできる外部相談窓口を設置したり、公認心理士などの資格を持つ専門家によるカウンセリングを社内で定期的に実施したりすることで、社員は安心して相談しやすくなります。

さらに、デリケートな問題にも早期の対応が可能になり、社員のメンタルヘルスの悪化を未然に防げるのもメリットです。相談のハードルが下がることで、社員は継続的に自分の状態を振り返りやすくなり、心身のバランスを保ちながら、長く働けるようになるでしょう。

アンケート調査や1on1を実施する

社員の本音や悩みを把握するには、定期的なアンケート調査や1on1面談などの実施が有効です。アンケートでは、職場環境や業務に関する意見を幅広く収集できるため、組織の課題の発見・改善に役立ちます。自由記述欄を設けるなど、形式にとらわれない表現の場も確保しましょう。

また、1on1面談では、一人一人の社員の状況や悩みを深く理解し、適切なサポートを提供できます。こうした取り組みを継続的に行うことで、普段見えにくい課題や社員の要望も拾い上げられるため、働きやすい環境づくりにつながります。

社員の声が届く職場づくりに注力する

社員が相談しやすい環境は、組織の成長とエンゲージメントの向上に直結します。心理的安全性やコミュニケーションの促進、物理的・制度的なサポートを整えることで、社員が自分の意見や悩みを率直に伝えられる環境づくりに注力しましょう。

こうした取り組みを継続することで、多くの社員にとって働きがいのある職場が実現でき、人材の定着や生産性の向上にもつながります。


著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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