テレワークの労務管理を適切に行うために押さえたい3つのポイント
労務管理は、労働生産性を向上させるために欠かせない重要な仕事です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により急速に普及したテレワークは、コスト削減やライフワークバランスの実現、営業効率の向上といった多大なメリットを企業にもたらしてくれる一方で、従業員が実際に働いている姿が目に見えないことで、労務管理を適切に行うことが難しいという問題点を浮き彫りにしました。
離れて働く従業員に心地よい労働環境を提供するためには、テレワークに合った労務管理体制をしっかりと構築する必要があります。
この記事では、テレワークの労務管理を適切に行うために企業が必ず押さえておくべきポイントを紹介していきます。適切な労務管理を行えていないという方、テレワーク導入による労働生産性低下で悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にして下さい。
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労務管理の業務内容
労務管理の大きな役割は、従業員を適切に管理し生産性を向上させるというものです。 従来であれば対面で行っていた仕事の多くをオンライン化し、情報通信技術を活用することで柔軟な働き方を叶えたテレワーク。適切な労務管理を行うために、まずはどの領域までが労務管理に該当する業務なのかを知ることが先決です。 ここからは、労務管理の具体的な業務内容について解説していきます。従業員のサポート
従業員が高いパフォーマンスを発揮できるように従業員をサポートすることが、労務管理の最も重要な業務内容の根幹にあるものです。 企業は人なりという言葉が定着しているように、企業が収益を上げるためには従業員の力が必要不可欠です。適切な労務管理を行うことで従業員はモチベーションが上がり、働きやすい環境を提供してあげることで労働生産性の向上へと繋がります。 従業員をサポートする労務管理ですが、主な業務内容は以下の通りです。- 就業時間の管理
- 給料システムの管理
- 福利厚生の管理
- 安全衛生の管理
人事管理との違い
労務管理と人事管理は業務内容が似ているため混同されがちですが、明確な違いがあります。業務の違いを明確にし適切な業務内容を遂行するためにも、それぞれの違いをしっかりと把握しておきましょう。- 労務管理⇒労働に関する環境を整える業務
- 人事管理⇒従業員を管理する業務
テレワークによる労務管理の課題
テレワークによる労務管理を適切に行うためには、まず企業が抱える課題を把握しておく必要があります。以下の項目で、ひとつずつ確認していきましょう。労働時間
テレワークの環境では、従業員の労働時間を正確に把握できないという課題があります。 日本は1日8時間、1週間で40時間の労働時間を基準としており、それを超えた場合は時間外労働として残業手当を支給しなければいけません。従来の働き方であるオフィスに皆が集まって仕事をするという方法では、管理者が従業員の労働時間を目で見て確認することができたものの、テレワーク環境下ではそうはいきません。 従業員の正しい労働時間が把握できないために長時間労働を課してしまっていたり、残業代の未払い問題などが発生したりするケースは十分に考えられる事態です。評価基準
労務管理の業務内容には給料システムの管理も含まれていますが、テレワークでは従業員の評価基準を明確にすることが困難であるという課題があります。 オフィスに皆が集まって仕事をするという従来の働き方の場合、部下の勤務態度、仕事への取り組み方、姿勢などは目で見て評価することができましたが、テレワーク環境下ではそうはいきません。 従業員の仕事内容、目的、プロセス、成果などの状況を管理者が細かく把握できるようにしておかなければ、適切な評価をくだすことは困難であると言えるでしょう。労災認定
労働災害(労災)とは、従業員が通勤中や勤務時間中に怪我や病気になってしまった際、その災害に対して補償する制度のことです。 労災には、大きく分けて2つの種類があります。- 業務災害⇒業務中の災害
- 通勤災害⇒通勤中や帰宅途中の災害
テレワークによる労務管理を適切に行う方法
テレワークによるメリットを体感できないまま、生産性だけが落ちてしまった企業は数多くあります。テレワークによるメリットを得られなかった理由は、もしかしたら適切な労務管理を行っていなかったからかもしれません。 従業員が高いモチベーションを維持しながら心地よく働いてもらうには、適切な労務管理体制を確立することは必要不可欠です。以下の項目で、その方法をひとつずつ詳しく解説していきます。タスクの進捗状況を把握する
適切な労務管理をテレワークで行うためには、従業員が抱えているタスクの進捗状況を細かく把握しておく必要があります。 同じオフィスで働いている時であれば、どの従業員が何をして今どのような状態なのかを簡単に把握することができましたが、テレワークではそうはいきません。それぞれが抱えている仕事の量や状況をしっかりと把握しておくことで、適材適所へ仕事を配分することが可能であり、それが従業員にとっての働きやすい環境の構築に繋がります。 タスクの進捗状況を把握する手段として、以下の方法を取り入れてみましょう。- コミュニケーションツールの導入
- 定期的に会話する機会を作る
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労働時間を明確にする
仕事とプライベートの両立が難しいテレワークですが、労働時間を明確にしていないとさらに顕著に影響してしまいます。 ここからここまでは仕事の時間、あとはプライベートの時間とはっきりと区切ることができなければ、いつまでも仕事をしてしまう超過労働の原因になりますし、頭を切り替えてリラックスできる時間がないことで仕事に対する意欲が低下してしまう可能性も十分に考えられます。 テレワークでも従業員の労働時間を従来と同じように管理するために、以下の方法を取り入れてみましょう。- 始業前後に連絡してもらう
- 勤怠管理ツールを活用する
評価制度を確立し、浸透させる
労務管理の課題でも説明しましたが、テレワーク環境下では適切な評価を従業員に与えることが非常に困難です。従来と同じ方法ではなくテレワーク環境下に合った評価制度を必ず導入し、それを従業員へも浸透させることが非常に重要です。 具体的な目標や評価制度を確立したとしても、それを従業員に浸透させなければ意味がありません。目標を可視化し、それを達成することで評価するといった目的を明確に定めることで、チームの一体感が生まれてテレワークでも従業員のモチベーションを維持できます。- 評価方法を統一
- テレワークに合った評価項目の選定