従業員の自発的な行動を促す!エンプロイーサクセス実現に向けてすべき3つのこと

従業員が自発的な行動を取るためには、押しつけられた目標ではなく、自らの意欲から生まれる目標を持つことが重要です。やりたいことに対する本気の取り組みが、成長を促進します。近年では「エンプロイーサクセス」に取り組んでいる企業も増えており、従業員が最大限の成果を発揮できる環境を整えることが求められています。

【時間がない方のためのポイントまとめ!】

  • 従業員は自身の利益のために積極的な行動を起こす
  • 押し付けられた目標設定では成長しない
  • 社内報や掲示板で会社のWillを伝え続ける

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注目される「エンプロイーサクセス」

「Employee(エンプロイー)」は「従業員」、「Success(サクセス)」は「成功」を意味します。「エンプロイーサクセス」は、この二つの単語を組み合わせた造語で、従業員が成功するための取り組みを指します。

企業が「エンプロイーサクセス」に注目する理由は、従業員が自発的に行動し、最大限の成果を上げることが期待されるからです。

この概念は従業員の成長と企業の成果を同時に追求することを目指しており、現代の組織が競争力を保つために重要な要素となっています。

会社と従業員のWillを同時に実現させる

エンプロイーサクセスが注目されるようになった背景には、働き方の多様化があります。

従業員一人ひとりのやりたいこと(Will)は多岐にわたります。例えば、キャリアアップやワークライフバランスの確保、さらには個人の成長や学びの追求などが含まれます。

一方、会社のやりたいことは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)という形で定義されています。会社のWillと、従業員のWillが同じ方向を向くことで、従業員が会社の持つ課題に対して当事者意識を持ち、コミットメントが高まり、仕事においてよりパフォーマンスを発揮するようになります。

自発的な行動を促し利益を最大化する

エンプロイーサクセスが重要なもう一つの理由が、従業員に自発的な行動を促し、利益を最大化させる可能性を高める点にあります。

CS(カスタマーサクセス)の業務を例にあげましょう。自発的な行動をとらない従業員は、業務を最低限の範囲でこなし、顧客の満足度や期待を超えるような成果にはあまり関心がありません。

しかし「顧客満足度の最大化」を目標とし、自発的に行動する社員は、日常業務の枠を超えてサービスを提供しようと努力します。顧客理解を深め、個別最適化されたサービスの提供や新しい提案をするなど、自発的な行動が、企業のサービス品質の向上に直結し、顧客のロイヤルティを高めます。

エンプロイーサクセスを実現するためには、従業員が自らの役割や責任を理解し、それに基づいて行動する意識を高めることが不可欠です。

組織は、個々の従業員が自身の役割に誇りを持ち、自発的に最高の成果を目指すような環境を整備することで、エンプロイーサクセスを推進していきます。

従業員は自分の利益のために行動する

従業員は、自身の利益や成長を目指して行動します。組織の目標や期待に応えるだけでなく、自身のキャリアや個人的な目標達成のために努力するのです。

この自己利益の追求が、行動や意欲を高め、組織全体の成果に寄与します。

押しつけられた目標で成長は促せない

従業員が自発的に行動し、成長するためには、押しつけられた目標やタスクではなく、自らが意欲を持って取り組める目標が重要です。

営業チームでのケースで考えてみましょう。営業マネージャーがチームに売上目標を提示しても、それがメンバーのモチベーションを直接引き出す保証はありません。

しかし、各メンバーが自身のキャリアアップや報酬を増やすという個人的な目標を持つ場合、彼らは自ら行動し、結果を出そうとするでしょう。そのために、自身が身につけたいスキル・達成したい目標を各メンバーから提示してもらい、目標設計をします。

押し付けられた目標ではなく、各従業員のWillにあった目標を一緒に作ることが重要です。

やりたいことだからこそ本気で取り組む

従業員の自発的な行動を促進するためには、彼らがやりたいと思うことに対して本気で取り組める環境を提供することが重要です。

新規プロジェクトの立ち上げの場面を想像してみてください。従業員が自らそのプロジェクトに参加したいと希望し、自分のアイディアやスキルを活かしたいと感じる場合、彼らは自主的に情報収集や準備を行い、その成果を組織全体の成果に結び付けようとするでしょう。

このように、従業員が自発的に取り組むことで生まれる成果は、単なる業務遂行では得られない創造性や情熱に満ちたものとなります。

従業員を成長させる目標の設計方法

従業員のWill(やりたいこと)と、働く上での目標を一致させるための目標設計の方法を解説します。重要なのは、会社全体で従業員のWillを応援するような態勢を作ることです。

Will・Can・Mustの3つの目標を作る

従業員の成長を促進するためには、明確で具体的な目標設定が不可欠です。これを実現するためのアプローチの一つに、「Will・Can・Must」の3つの目標設計があります。

まず、「Will」は従業員が意欲的に取り組むことができる目標を示します。たとえば、キャリアアップに向けた学習と実践ができる業務や子育て制度を充実しながら負担なく働ける環境など、個人がやりたいこと、理想の働き方を実現できる目標です。

次に「Can」は、従業員が能力やスキルを活かして達成可能な目標です。飲食店での新メニューの導入や接客スキルの向上など、具体的な業務に関連する目標が含まれます。

最後に「Must」は、会社の中長期的な戦略目標と連動し、組織全体の成長に貢献する目標です。配送業での配達時間の短縮や、飲食店での顧客満足度の向上など、企業としてクリアしなければならない課題と、従業員の目標を擦り合わせた状態が考えられます。

この3つの目標をそれぞれ設計することで、従業員は目標達成のために日々努力し、成長するようになります。

上司が一緒に考える

従業員が自発的な行動を促すためには、上司が積極的にサポートし、目標達成に向けた具体的な指導やフィードバックを行うことが重要です。

上司は従業員と共に目標設定を行い、その過程で必要な助言や支援を提供します。

社員のキャリアプラン実現に向けてルートを一緒に考えたり、社員が課題をクリアするための方法を具体的にアドバイスをする、また社員の目標と会社の目標が一致していなければ、擦り合わせるのも上司の仕事となります。

現場全体で応援する雰囲気を作る

従業員の自発的な行動を促進するためには、組織全体で目標達成を応援する文化を醸成することが不可欠です。

現場全体が目標に向かって一丸となって努力する雰囲気を作ることで、従業員は自らの成長や貢献が組織にとって価値あるものであると感じ、自発的な行動につなげることができます。

例えば、飲食店で新メニューの開発を目標とする場合、従業員全員が試食会に参加し、意見交換を行うことで、新メニューに対する共感や所有感を生み出します。また、配送業での配達時間短縮を目指す場合、現場のチームが協力して最適なルートを模索し、成功体験を共有することで、成果に対する喜びや誇りを共有できます。

このように、現場全体でのサポートと共に、従業員が自発的に成長し、組織全体の成功に貢献する文化を築くことが、エンプロイーサクセス実現に向けた重要な要素です。

エンプロイーサクセス実現に向けて企業がすべきこと

エンプロイーサクセスの実現に向けて、企業は従業員に対しどのような支援や仕組み作りをすべきなのでしょうか。以下に、経営者がすべきことを紹介します。

成長を支援する仕組みを作る

従業員のエンプロイーサクセスを実現するためには、企業が積極的に成長を支援する仕組みを整えることが不可欠です。

例えば、配送業界で働く従業員にとっては、新しい技術やデジタルツールの導入に壁を感じてしまう従業員もいます。結果、デジタルツールを使いこなせる従業員とそうでない従業員では、パフォーマンスに差が生じてしまいます。

このケースでは、企業は従業員にトレーニングやスキルアップの機会を提供し、新しい技術を活用した仕事の方法を学ぶサポートを行うことが重要です。デジタルツールを扱う定期的な研修や、従業員が相談しやすいサポートセンターなどを作っても良いでしょう。

または、仕事にとって必要な資格取得を目指す場合、取得に必要な費用の一部を負担する、または資格手当を付けるなどの制度を作ることも考えられます。

こうした成長を促す仕組みがあることで、従業員も成長に対して積極的に行動することができるようになります。

企業が一緒に成長する

エンプロイーサクセスの実現には、企業自身も従業員と共に成長する姿勢が欠かせません。飲食店での例を考えると、新メニューの開発やサービスの改善は、従業員と企業の共同作業によって達成されます。

企業は従業員のアイディアや現場からのフィードバックを積極的に取り入れ、それを実行に移すことで、従業員が自分の成果に誇りを持ち、より一層の努力を惜しまない環境を作ることができます。

このような取り組みは、従業員のモチベーションや忠誠心を高め、結果的に企業の業績向上に寄与します。

定期的なコミュニケーションをとる体制を作る

従業員のエンプロイーサクセスを実現するためには、定期的なコミュニケーションをとる体制を整えることが不可欠です。

特に配送業界では、業務開始と終了時にだけ事業所に集まるケースも多く、従業員が孤立感を感じやすい場合がありますが、定期的な1on1やチームミーティングを通じて、従業員の声を受け止め、問題や課題を共有する機会を提供することが重要です。

このようなコミュニケーションの場は、従業員が安心して意見を述べることができる環境を築き、チーム全体の協力と連携を促進する役割を果たします。

エンプロイーサクセス実現に役立つツール

エンプロイーサクセスの実現には、従業員のエンゲージメント向上が重要です。エンゲージメント向上に役立つ豊富な機能をもつ「TUNAG」の活用を例に、エンプロイーサクセスの実現に向けた施策を紹介します。

【社内報・掲示板】会社のWillを伝える

エンプロイーサクセスには、従業員のWillと企業のWillが同じ方向を向いていることが重要です。企業としての考えに共感してもらうため、トップや各チームのマネージャーなどが会社としてのWillをしっかりと伝えていく必要があります。

企業としての考えは、思っているよりも従業員には届いていません。

企業理念やMVV、何を目指しているのかなど定期的な発信をしましょう。新しい情報を届けるのも大切ですが、“伝え続けること”が重要です。

メールやチャットでの周知でも良いですが、他の業務の情報で埋もれてしまったり、見られているかどうかがわからないこともありますので、社内報や掲示板の活用がおすすめです。

TUNAGでは、社内報や掲示板の機能を有しており、さらにリアクション機能などによって反応も可視化できます。

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【社内ポイント】貢献度を表面化してモチベーションを上げる

TUNAGの社内ポイントシステムは、従業員の貢献度を可視化し、モチベーションの向上に寄与します。このシステムでは、従業員が業務での貢献や新しいアイディア、チームへの貢献をポイント化して記録し、公平に評価します。

このポイントシステムは、従業員同士の健全な競争や自己成長を促進し、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。

さらに、ポイントを獲得することで、従業員のエンゲージメントが増し、仕事への熱意や自己実現欲求が育まれます。結果として、企業全体の成果に寄与する従業員が増えることが期待されます。

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従業員1人1人の「やりたいこと」の具体化が組織のパフォーマンスを最大化する

エンプロイーサクセスの実現に向けて、企業は従業員の自発的な行動を促す環境を整えることが重要です。従業員が自らの意欲から生まれる目標に向かって取り組むことで、個々の成長を促進し、企業全体のパフォーマンスを向上させることが期待されます。

近年、様々な企業がエンプロイーサクセスを通じて、従業員の成功を支援し、組織の競争力を強化する取り組みを進めていますが、これは従業員が自己実現を果たし、組織の目標達成に貢献することを目指しています。

適切なプラットフォームで社員の状況を把握し、従業員1人1人のやりたいことを踏まえた上で適切な目標を設定しましょう。これにより人材が成長し、やがて組織のパフォーマンスの最大化につながります。

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