職場での雑談は、単なる世間話ではなく、従業員同士が相手を知り、信頼関係を築くきっかけになります。
一方で、テレワークでは雑談が自然に生まれにくく、意識的にコミュニケーションの機会をつくる必要があります。特に、社内SNSなどのデジタルツールを活用すれば、場所を問わず雑談のきっかけをつくることができます。
本記事では、職場の雑談がもたらすメリットや、雑談をめんどくさいと感じる理由、テレワークによる変化を解説します。あわせて、職場で雑談を生み出す具体的な方法や、社内SNSなどのデジタルツールの活用方法も紹介します。
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職場での雑談には、従業員同士の関係性を深めたり、業務上のコミュニケーションを円滑にしたりする役割があります。主な効果は、次の2つです。
雑談のもっとも大きな意味は、従業員同士が気軽にコミュニケーションを取る機会になることです。業務上の会話だけでは知ることのできない相手の人柄や考え方に触れることで、少しずつ信頼関係を築きやすくなります。
心理学に、「単純接触効果」という考え方があります。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが1968年に提唱した概念で、「興味のないものでも、何度も見たり聞いたりすることで、だんだんとポジティブな感情を持つようになる」というものです。
職場でも、同じ人と何度もコミュニケーションをとることで、相手によい感情を抱き、信頼感が増していきます。こうした単純接触効果を得るためにも、雑談は重要なコミュニケーションの機会となります。
参照元:単純接触効果|Wikipedia
メンバーの考えやスキル、将来に向けての要望などを把握するために、上長や人事との1on1や評価面談などを設けている職場は少なくないでしょう。こうした公式の場でメンバーと対話するのとは別に、雑談の機会を持つことで、メンバーの思わぬ情報を知ることができます。
たとえば、雑談の中で「Aさんが猫を飼っている」という情報を得たとします。後日、猫に関する新しいサービスを立ち上げようとなったとき、「Aさんが猫を飼っている」という情報を知っていれば、Aさんからアドバイスをもらったり、プロジェクトに参画してもらったりすることができます。
メンバーとの何気ない雑談から得た情報を「知っている」のと「知らない」のとでは、その後のコミュニケーションや業務遂行に差が出てきます。
職場での雑談は、従業員同士の関係を深めるきっかけになる一方で、「何を話していいかわからない」「仕事中に雑談する必要性を感じない」と考える人もいます。特に、お互いのことをよく知らない状態では、雑談のきっかけをつくること自体が負担になりやすいでしょう。
たとえば、「1歳の子どもがいる」「猫が好き」「好きなスポーツはラグビー」など、話の端緒となるようなプロフィールを1つでも知っていれば、雑談のハードルはグッと下がるのではないでしょうか。また、お互いの日報を自由に見られるようにしておけば、共通の取引先の話題や、業務上の悩みごとなどをきっかけにコミュニケーションできるかもしれません。
参照元:困った! 会話が続かないときの「雑談力が上がる話し方」のコツ|ダイヤモンド・オンライン
テレワークで雑談の機会が減っていることを踏まえると、職場で自然に会話が生まれるきっかけを会社側から用意することが有効です。効果的な取り入れ方として、次のような方法が考えられます。
従業員同士のコミュニケーションを促すには、経営層や各部署から日常的に情報を発信することが有効です。会社の方針や各部署の取り組みが見えることで、従業員同士が話すきっかけも生まれます。
経営マネジメント側の考えや会社の方針などを繰り返し発信することで、従業員が組織の方向性を理解し、共通言語が生まれます。経営方針について、共通理解を持つことで、意見や軽い会話などから業務に直結するコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
また、各部署やチームが取り組んでいる業務の内容を日々発信することも有効です。自分たちがどんな業務をしているかを他部署に見えるようにすることで、「あの部署では何をしているのかわからない」という状態を解消し、お互いの業務について相談がしやすくなります。
テレワークでは、対面で自然に生まれる会話が少なくなるため、オンライン上にも気軽にやり取りできる場をつくることがポイントです。社内SNSなら、従業員1人ひとりのプロフィールや日常の投稿をきっかけに、業務とは直接関係のない会話も始めやすくなります。
プライベートでSNSを利用して友人の近況を知ったり、コミュニケーションを取ったりしている人はたくさんいるでしょう。同じように、職場で機能する社内SNSがあったらどうでしょうか。従業員1人ひとりのプロフィールが見られたり、日常で起こったことを投稿したりすれば、雑談のきっかけが生まれます。「相手のことを何も知らない」状態から「なんとなく知っている」状態にできれば、ささいな会話がしやすくなります。特に、リモートワークが普及した現代においては、社内SNSが価値を発揮し始めています。
社内SNSについては、こちらの記事で詳しく解説してます。
サークル活動など、部署を超えた横のつながりを作るのも1つの手段です。特に、サークルなど趣味の活動は、従業員同士が共通の「好き」を通して距離を近づけるよいきっかけになります。部署が異なるためにふだんの業務では接することのない人同士が、共通の趣味をきっかけに雑談するようになる。こうした雰囲気が醸成できれば、社内の風通しもよくなります。
また、業務とは異なるテーマで協力する機会をつくるなら、チームビルディングのゲームを取り入れる方法もあります。普段あまり接点のないメンバーが一緒に取り組むことで、自然な会話や相互理解のきっかけをつくれます。詳しくは、こちらの記事で解説しています。
社内SNSは、テレワークなどで減少しやすい雑談や従業員同士の交流を補う手段の一つです。ここでは、社内SNSがどのように利用されてきたのか、その役割を見てみましょう。
NTTデータ経営研究所が2010年に発表した「企業内SNSの利用状況と効果をめぐって ~NTTデータのケースを中心に|経営研レポート」では、企業のビジネスブログ・SNSの開設率は、2007年末で6.8%、2008年末は10.5%と増加していることがわかります。業種としては、サービス業での導入が多く見られます。
また、2005年〜2008年にかけては、社内のコミュニケーション活性化や組織革新のツールとして、企業内SNSの導入が盛んだったことがわかります。当時はオフィスの分散化が進み、勤務時間のシフト制や採用形態、雇用形態などが多様化し始めていたことから、社内SNSが社員同士のつながりや情報交換の場であったことがうかがえます。
10年前の調査ですでに社内SNSの導入が伸びつつあったことから、個人スマホの所持率や各種社内SNSサービスの導入社数が増えている現在は、より活用が広まっていると言えるでしょう。
参照元:企業内SNSの利用状況と効果をめぐって~NTTデータのケースを中心に|株式会社NTTデータ経営研究所
社内SNSやイントラサイト(イントラネット上に作られた社内向けの情報共有を行うためのWebサイト)は、情報共有だけでなく、従業員同士のつながりをつくる場としても活用されています。ソーシャルイントラネットサービスを提供するLumAppsによると、イントラサイトは従業員のコミュニケーションにおいて、次のような役割を果たすと言います。
・従業員エンゲージメント
・つながりとコラボレーション
・能力、情報、知識の共有
イントラサイトや社内SNSを通じて、経営者は従業員に向けて、企業文化や理念を発信できます。従業員は自身の意見を述べることができるため、双方向のコミュニケーションが生まれ、エンゲージメントやつながりが生まれます。また、従業員同士がノウハウを共有しあうことで、個々が一定以上の能力や知識を身につけることができます。
テレワークによって雑談の機会が減った職場では、対面での会話だけに頼らず、オンライン上にも気軽に交流できる場を用意することが選択肢になります。社内SNSのようなデジタルツールを使えば、日常の投稿やプロフィールなどをきっかけに、従業員同士がお互いを知る機会をつくれます。
リモートワークが普及した今の時代において、社内コミュニケーションの潤滑油となる、社内SNSのようなツールが果たす役割は大きいでしょう。雑談を生むきっかけを作り、その雑談から従業員同士がお互いを知り、心理的安全性が生まれ、円滑な業務へとつながっていきます。職場の雑談を生みだすために、社内SNSやイントラサイトといったデジタルツールを1つの手段として検討してみてはいかがでしょうか。