トップメッセージとは? 社内報での例文や、3ステップの書き方

トップメッセージは、文字どおり、企業の創業者や社長、会長、役員といった企業のトップにあたる人物が発信するメッセージを指します。

このメッセージは、企業のビジョンやミッション、方針などを伝える重要なコンテンツとなります。

しかし、ただの一方的な発信では意味がありません。真のトップメッセージは、従業員の状況や気持ちに寄り添い、共感を呼び起こすものでなければなりません。

この記事では、トップメッセージの真髄と、その効果的な発信方法について詳しく解説していきます。

トップメッセージ(社長メッセージ)とは

トップメッセージとは、企業の最高経営責任者や役員など、組織の頂点に立つ人々が発信する重要なメッセージのことです。

このメッセージは、社長メッセージとも呼ばれ、社内外に向けて様々な意義を持っています。

社内でのトップメッセージの役割

企業内部において、トップメッセージは非常に重要な役割を果たします。これは、経営陣がどのような考えを持ち、どのような将来像を描いているのかを従業員に伝え、組織全体の一体感を高めるためです。

トップメッセージによって、従業員は動機付けられ、より高いエンゲージメントを感じることがあります。また、企業の理念や価値観を社内に広める手段としても用いられます。

社外でのトップメッセージの役割

外部に対しては、トップメッセージが企業のイメージやブランドを形成する上で重要な役割を果たします。このメッセージを通じて、企業が社会にどのような価値を提供しようとしているのか、投資家にとって魅力的な投資先であるかどうかが伝わります。

トップメッセージに込められた言葉や内容は、直接的に企業のブランドイメージに影響を与えることがあります。

トップメッセージは何のためにあるのか

トップメッセージの目的は企業によってさまざまですが、次のような目的で取り組む企業が多いです。

トップメッセージの目的

  • 経営理念や行動指針、パーパス、ミッション・ビジョン・バリューの浸透
  • 会社の方針・事業戦略について、現場に理解してもらう
  • 経営者の考えや人柄をオープンにして、親近感を持ってもらう
  • 会社や社長の想いや考えを発信し、モチベーション向上やエンゲージメント向上につなげる

いずれも、トップが何を考え、会社全体でどの方向に向かっていくのかを明確に示し、従業員の目線をそろえたり信頼感を高めるという目的だと言えます。

トップメッセージの書き方は3ステップ

トップメッセージをテキストで発信する場合は、次の3つのステップで書き進めるとよいでしょう。

1. ネタを決める

トップメッセージで発信したいネタを決めます。伝えたい内容がぼんやりした状態では意思が伝わらず、誤解を招くことにもなりかねません。これから発信するトップメッセージでは何を伝えたいのか、ネタを1つ決めて書き出しましょう。トップメッセージのネタとしては、次のような例があります。

会社の戦略や方針

新しい戦略や方針を打ち出す場合、それに抵抗を感じたり、十分に理解できなかったりする従業員もいるでしょう。こうしたときには、トップメッセージでなぜこの戦略や方針と採るのか、背景を丁寧に説明しましょう。

経営理念やパーパス、行動指針について

従業員の行動と経営理念にズレを感じたり、従業員のエンゲージメントが低下していると感じたら、経営理念やパーパス、行動指針について発信し、従業員への浸透を図りましょう。

以前トップメッセージで書いたことのその後について

トップメッセージは、発信して終わりではもったいないものです。トップメッセージを発信したことで従業員の行動がどう変わったか、どんな数字がどう伸びたかなど、トップメッセージ発信後のフィードバックを伝えるようにしましょう。

最近見かけた、従業員の素敵な行動

トップメッセージの中で従業員の行動を褒めることで、「経営者が自分たちを見てくれている」と現場のモチベーションが高まります。

プライベートのちょっとしたこと

社長や会長、役員たちのプライベートを垣間見せることで、トップ層への親しみや興味が湧きます。トップメッセージの中で自分たちがどんな人間か知ってもらい、従業員との信頼関係を構築するのも1つの手段です。

2. 読み物として楽しめる構成にする

ネタを決めたら、文章の構成を考えます。社長からのメッセージとなると、「内容が難しそうだ」「硬そうだ」と思われがちです。せっかくいいネタがあっても、抑揚のない文章で読みづらかったり、つまらないと思われたりすると、途中で離脱されてしまいます。

そうならないためには、純粋に読み物として楽しめるような構成にすることが重要です。一例として、以下の四段階の構成にすれば構成が作りやすいでしょう。

  • テーマの宣言や従業員への呼びかけ(今日は〇〇について書きたいと思います / 皆さんは〇〇ってご存知ですか?)
  • テーマを選んだ理由(〇〇が話題で気になっていたので調べてみました / もっと働きやすい職場を作りたいと思って書いています)
  • エピソードや事実(最近こんなことがありました / いま〇〇はこんな状況です)
  • それに対する想いや今後の対応(社長として非常に嬉しいです / 会社としてこんな対応をしていきます)

3. 事実だけでなく想いも込めてメッセージを完成させる

事実を淡々と羅列しただけのトップメッセージでは、従業員はなかなか読む気になれません。そこで、トップメッセージには自分にしか語れない想いやエピソードを盛り込みましょう。

たとえば、会社を創業するに至るまでの想いや葛藤、顧客にどんな価値を提供したいか、自社の活動を通じて社会にどう貢献したいかなどです。経営理念にも結びつくような内容だと、理念浸透の助けになります。

トップの想いを込めた文章にすることで、「ありがち」を脱却し、経営層のカラーが反映されたトップメッセージになります。

トップメッセージのおすすめ運用方法3選

トップメッセージの運用方法としては、次の3つがおすすめです。

1.デザインにもこだわってみる

テキストだけのトップメッセージだと、目を通すのが苦痛と感じる従業員がいるかもしれません。適宜見出しをつけたり、強調したい箇所にハイライトを入れるなどして、読み進めやすい工夫をしましょう。

そもそも、文字だけで埋められたトップメッセージは従業員の興味を惹かない可能性があります。デザインにもこだわって、視覚的に興味を惹くようにするとよいでしょう。

2.社内報で社長のメッセージを発信する

定期的に発行される社内報で社長のメッセージを発信するのも効果的です。

企業によっては、社内報を紙で発行して配布したり、PDFファイルをメールで送信したりなど、周知方法はさまざまでしょう。エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」では、アプリ内に社内報やトップメッセージの制度を設け、アプリ内配信することができます。

社内報で繰り返し社長のメッセージに触れることで、経営理念や行動指針などの浸透につなげます。

3.動画で配信してみる

トップメッセージを動画で配信するのもおすすめです。テキストだと、うまく意図が読み取ってもらえずに誤解を生むこともあるでしょう。動画なら、雰囲気や想いといった細かなニュアンスまで伝わります。

動画でなく、音声配信にするのもよいでしょう。通勤途中などにラジオ感覚で視聴できるため、テキストよりも利用しやすいかもしれません。

関連記事:Web社内報は必要?始めるまでの流れをわかりやすく解説

トップメッセージで想いを伝える4つのコツ

トップメッセージで想いを伝えるために、次の4つのコツを抑えましょう。

1. 一方的にならないよう、従業員の状況や気持ちに寄り添う

トップが一方的に語るだけでは、読み手がついてこられない可能性があります。現場や従業員はどんな状況にあり、どんな言葉を欲しているか日頃からチェックして、読み手に何が刺さるのかを想像しながら書きましょう。

2. スマートさよりも、言葉遣いや表現はとことん分かりやすく

想いを伝えようとすると、どうしても抽象的になりがちです。また、つい経営の専門用語を使ってしまう経営者もいるでしょう。

しかしトップメッセージは従業員全体に向けて発信するものです。誰にでもわかる平易な言葉や表現を使って分かりやすく書くように意識しましょう。

3. 事実は数字で客観的に、想いは自分の言葉で率直に

自分の率直な想いを言葉に込めることで、従業員に熱量が伝わります。しかし、熱量だけでは抽象的すぎてしまいます。

たとえば、「先月は契約数が増えました」だけでなく、「先月は契約数が●●%増えました」というふうに、数字やデータを使って客観的な事実を並べることで、読み手は具体的なイメージが描けます。

4. 宣言したことは、「その後」を報告する

トップメッセージで新しい取り組みを発表したら、その後の進捗を定期的に共有しましょう。宣言しっぱなしでは、従業員は付いてきません。

  • 今月はこの数字がこれくらい伸びました。現場で取り組んでくれている皆さん、ありがとう!
  • 先日お伝えした〇〇の件について、現在こんな状況です。来月あたりから本格的に活動開始できそうなので、また報告していきますね

など、具体的に伝えるようにしましょう。

トップメッセージの運用事例・企業での取り組み

企業のトップが実際にどんなメッセージを発信しているか、運用の具体例を紹介します。

株式会社エコライフのトップメッセージ

家庭用蓄電池の販売をはじめ、オール電化やソーラーパネルなどエコリフォームを手がける株式会社エコライフ。

同社では、理念の浸透を図るために、コミュニケーションツール上でトップメッセージを発信しています。多い月は代表自ら10回以上投稿。メールやチャットと違い、投稿が埋もれない点が利点だと言います。

従業員のあいだでは、メッセージを読むだけでなく、「あの時のあの社長の投稿を読み返すとヒントが見つかる」といったように、指導面でもトップメッセージを活用しています。

▼株式会社エコライフの取り組みの詳細はこちら

エンゲージメントを高めるオンライン上の「仮想リビング」 家族のような仲間といつでも気軽に

株式会社リカバリータイムズのトップメッセージ

株式会社リカバリータイムズは、横浜市を中心に福祉サービスを展開しています。同社では社員数が増えるにつれ、トップが伝えたいことが現場に正しく伝わらなくなったことを課題に感じていました。

そこで、代表がほとんど毎日、従業員に向けて労いのメッセージ、運営方針、業務上大切にしてほしいことなどをトップメッセージとして発信。従業員のみなさんにも毎日見てもらうよう呼びかけながら発信し続けています。

コロナ禍で社内交流が減ったり、各スタッフそれぞれが不安を抱える中でも、不安をできるだけ払拭できるように会社の方針などを伝えた結果、会社として同じ方向を見て気持ちを保つことができたそうです。

▼株式会社リカバリータイムズの取り組みの詳細はこちら

会えなくても社内で繋がるオンライン活用事例 – 「社長自身の想いを毎日発信することで、 みんなで前を向くことができた」

トップメッセージで組織の一体感を高める

トップメッセージの成功は運用次第

トップメッセージは、ミッション・ビジョン・バリューを浸透させたり、組織の一体感を高めるのに効果的な取り組みの一つです。

しかし、「発信さえすれば組織が変わる」というわけではありません。従業員にメッセージを届け、しっかり受け取ってもらうためには、記事の中でも紹介したような書き方・発信方法など運用の工夫が必要です。

自社に最適な運用でトップメッセージを発信できる『TUNAG』

『TUNAG』なら、テキスト、動画、音声(ラジオ形式)、社内報コンテンツとしてなど、従業員に受け取ってもらいやすい形でトップメッセージの発信ができます。

また、TUNAGはスマートフォンのアプリで利用できるため、現場の従業員一人ひとりの手元までトップメッセージを届けることができ、コメントやリアクションが見えるのも特徴です。

他にも理念浸透の取り組みやサンクスメッセージの運用が可能。自社の組織課題に合わせて、情報共有やコミュニケーションに取り組めますので、ぜひ資料をご覧ください。

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