ナレッジマネジメントをうまく進めるコツ。活用できるツール例もご紹介
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ナレッジマネジメントとは
個人で持つ知識や経験、ノウハウを社内で共有すること
ナレッジマネジメントとは、個人で持っている知識や経験・ノウハウ(ナレッジ)を社内で共有し、生産性の向上に繋げるマネジメント手法のことです。 終身雇用制度が終焉を迎え、人材の入れ替わりも激しくなっています。社員のノウハウを共有せずに一人のメンバーに知見が偏ってしまう事は、大変リスクが高いことです。そのため、今後ますますナレッジマネジメントが重要になってきます。 社員がこれまで培ってきた知識やノウハウ・勘などを[暗黙知]といいますが、この暗黙知を文書化する事で[形式知]が構築されます。 暗黙知は積極的に共有化しなければ社内で活用される事はなく、個人の知識として埋もれてしまいます。その結果、その人がいなく現場から離れると暗黙知は無くなってしまうのです。 そのため、暗黙知を組織の財産と捉え、吸収・共有化できる仕組みを構築する必要があります。ナレッジマネジメントを行う目的
1)組織力向上
今まで従業員の退職などで業務が滞ったり、業務の質が低下した経験はありませんか? 日頃からナレッジマネジメントが構築され、しっかりと運用されていれば、業務の質や量の一定ラインは担保されます。 また、組織が大きくなるにつれ、他部署の連携も取りにくくなる傾向もありますが、他部署のナレッジも共有できる機会があれば、組織力のアップにも繋がります。 自分が欲している情報を社内の誰かが持っている事が分かれば、その情報を閲覧したり、また足りない情報があれば問い合わせる事も可能となります。 繰り返しになりますが、個人のナレッジは会社の財産です。ぜひ上手く活用しましょう。2)個人のスキルアップ
先輩が一人で抱えてこんでいたスキルや感覚的な経験が可視化されると、その情報を読み込み習得する事で後輩のスキルアップにも繋がります。 実際、ナレッジマネジメントはカスタマーサービスの現場でも多く活用されています。より多くの事例を処理すればする程、その対処方法などを早く身につけることができます。 先輩や組織がすでに経験している失敗事例や、スキルを身につけるために必要な知識がまとまっていれば、新入社員も早く戦力化することができ、競争力も身につくでしょう。3)業務効率化
社内には新人からベテランまで在籍していると思いますが、各々が経験してきた絶対量や質は異なります。そのため、暗黙知の量や質も個人に依存してしまいます。 例えば、エンジニアであれば「このような事をすると障害に繋がる」という事が長年の経験や勘などで培われてきます。 営業マンも「このタイプにはこういうトークが響く」「この顧客は、過去にこういう売り方をして怒らせてしまった」などの経験や感覚を持っていたりもします。 特に感覚的なものはドキュメント化されていない事も多いです。通常の作業手順やルーチンワーク以外の事となる該当するケースに遭遇しなければ引き継ぎ漏れをしてしまうケースもあります。 前任から見落とされた暗黙知が引き継がれないまま同様のケースが発生してしまうと、以下のような事態に陥る事は容易に想像がつくと思います。・質問する相手も分からずに右往左往 ・調べる事に時間がかかり、オーバーワークに繋がる ・担当者が変わった事で同じ失敗を繰り返し顧客の信頼を失うですので、日頃から意識的にナレッジの共有を進めて行く事が、業務効率化を考える上でも重要なマネジメントとなります。
4)属人的な業務を減らし、業務を見える化
「仕事はできる人に集中する」という話はよくある事ですが、一部の「仕事ができる人」ばかりに頼っていると組織として強くなれません。 業務を見える化し、属人的な業務を減らしていくことで、どんな人材であっても業務を前に進めることができるような仕組みづくりが必要です。 また、「この人にしかできない」という業務を取り除くことで、社員の負担を軽減することにもつながるでしょう。進めるための手法・ステップ
1.目的を設定する
単純に「社内へノウハウを共有する」などでは社員の意識も薄いまま失敗する事例も見られます。 導入したもののコストだけがかかり、期待した効果が得られないという事がないように、「どういう情報を、どのような課題を解決する事を目的とし、どのような効果が期待できるのか」などを現場目線で吸い上げ、構築する事が重要です。2.どんな情報を可視化し、共有したいのかを明確にする
現場に目線を置いて考えると、本当に必要な情報が何かは見えてくると思います。今度はそれをどのようにして可視化する事ができるのかを考える必要があります。・データーベース化して検索できるようにするのか ・FAQ形式にするのか ・イントラなどのグループウェアにするのかなどは現場によって使いやすさは異なってくると思います。最終的な目的や用途によって上手く具現化できるように構築しましょう。
3.どのように業務に取り入れるか、仕組みをつくる
現場の状況を把握したら、実際にどのように業務に取り入れ、段階的に結びつけていくフェーズになります。例えば、朝礼や全社会などで共有していた内容を社内イントラで集約化し、朝礼などを廃止してくなどが初めの一歩です。 実際に構築・運用が開始されたら終わりではありません。その後どのタイミングで見直すのかなどを含めて「仕組みづくり」を行うことが重要です。 失敗する例では、「トップダウンでとりあえず作って終わり」というケース。せっかくのシステム投資も無駄になってしまうため、いかに業務の中に組み込むかを意識しながら、ナレッジマネジメントの運用のスタートが「終了」になってしまわないよう、責任者を置くなどの工夫も必要です。4.仕組みがうまくまわっているか、PDCAをまわしていく
実際に運用が始まったらログを集計し、解析をしましょう。上手く情報が集まっていないのであれば、何が原因なのかを考え、改善していきます。重要なのは、それを「誰が」やるのかです。各事業部の上長なのか、社内の教育担当者なのか、責任者を明確にしておきましょう。 例えば、前述した朝礼を廃止してイントラを活用した例であれば、イントラの利用率などを確認し、利用率の低い部署にはアナウンスしていきましょう。 実際に筆者が勤めていた会社では、全社会議を廃止し、イントラで共有していた時期がありましたが、結果イントラは見られずに全社会議が復活した経緯がありました。 このケースでは、「社員の意識の低さが原因」ではありますが、それで片つけてしまうのはナンセンスです。 「イントラを見る必要性を感じない」と多数の社員が感じていたならば、なぜ見ないのかをぜひ紐解いてみましょう。・どうしたら見るようになるのか ・主務が多忙で見る余裕がないのか ・その共有が適切な項目だったのか「外出が多いのならスマホでも閲覧できるようにする。」「共有する項目が不要であるならその項目は廃止し、コンテンツを変更してリトライする。」など、PDCAを回して、十分にブラッシュアップしていけば、企業にとっても、社員にとってもより充実したナレッジマネジメントと成長できる機会となります。
ナレッジマネジメントが失敗する理由
従業員に価値や目的が伝わっていない
失敗例でよくあるのは、実務があるうえに、「面倒なことを始めたな」と、社員がネガティブな印象を持ってしまうことです。 解決のためには、現場が欲しい情報や抱えている課題を中心に考え、その上で利用しやすいインターフェースを構築したり、システムを導入したりしましょう。従業員のITリテラシーに合わないツールを導入してしまう
また、扱う従業員のITリテラシーも忘れてはいけません。 日頃からあまりPCを操作しない職種の方がいると、なかなか利用してもらえないため注意が必要です。その場合はどのツールを導入する事が現場にとって負担がないかを事前にしっかりと見極めましょう。使用するツール例
・社内SNS
社内SNSを導入するメリットは、いつでも気軽に情報発信・交換ができる事です。グループも簡単に作成でき、部署を超えて必要な時に必要なメンバーを集める事も容易です。 ただし、上手く活用するにはグループの目的が何かを明示しなければ管理が煩雑になるので注意が必要です。 参考:「社内SNS」を成功させる6つのポイントと具体的な運用例をご紹介- チャットワーク
- 定額制Web社内報サービス
- Wow talk
・グループウェア
グループウェアは組織内でスケジュールやタスク管理、共有などを目的として作られたソフトウェアです。 導入メリットとしては、掲示板機能や簡易データーベース、チャットなどでナレッジマネジメントを構築するだけでなく、スケジュール管理やワークフロー申請(電子承認)なども一括でできる事です。 ツールが複数にまたがると作業者それだけで負担を感じてしまいます。特にITリテラシーの低い現場では、同じツール内で完結できた方が運用する上で容易かもしれません。 ただし、ツールによって実装されている機能や金額が異なるので利用する用途などに応じて検討すると良いでしょう。- office365
- サイボウズ
- G suite
・エクセルで管理
ナレッジを蓄積しデータ化するにあたり、エクセルやgoogle スプレッドシートで管理する方法もあります。 お金をかけて構築するよりも、とりあえず運用してみるという面では手軽に始められるメリットがあります。入力できる権限や閲覧だけできる権限など、用途に応じて設定しておくと良いでしょう。 また、スプレッドシートの場合はスマホからも管理・閲覧が可能となるので外出が多い営業マンのマネジメントなどにも適しているでしょう。 ただしスプレッドシートを利用するにはgmailアカウントが必要となります。gmailは無料で作れる反面、退職時など管理ができていないと情報漏洩にも繋がります。閲覧の権限やアカウントの管理は適切に対処しておきましょう。まとめ
社員が培ってきたノウハウは上手く活用できれば、会社の資産となり、個人のスキルアップにつながり、組織力も高まります。 しかし、ノウハウの共有や横展開は簡単なものではなく、長期的な取り組みと仕組みづくりが求められます。現在は様々なクラウドツールやサービスがありますので、機能を比較し、目的に合ったツール導入を検討しましょう。 関連記事:ナレッジマネジメントとは?成功事例4社、よくある失敗3パターンについて解説エンゲージメントを高めるための社内制度のプラットフォーム『TUNAG(ツナグ)』について
TUNAG(ツナグ)は、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。 会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。課題の診断は、弊社の診断ツールを使い把握することが可能です。ツールと専任のトレーナーの支援で、経営課題を解決に貢献いたします。▼『TUNAG(ツナグ)』について 『TUNAG(ツナグ)』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。 会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、下記フォームよりお問い合わせください。