EVPとは?意味や人事部が設定するメリット、事例6選をご紹介
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EVPとは
EVPとは、Employee Value Propositionの略語で直訳すると「従業員価値提案」となり、企業が従業員に提案する価値のことを指します。 企業は従業員に対して成果を求めますが、従業員も企業に対して処遇などの待遇面、キャリア構築などで期待することがあります。 会社が「どのような価値を社員に提供しているか」を分かりやすく言語化することで、従業員のモチベーション管理、離職防止だけでなく、求職者に対してのアピールにもつながります。EVPの企業事例6選
EVPを導入している事例を6つ紹介します。 日本ではEVPというワードがまだあまり浸透していませんが、従業員に向けて会社が提供する価値を明確に示している企業は多数あります。1.日本マクドナルド
マクドナルドでは、世界共通の教育機関を設けており従業員の育成にも力を入れています。店舗での雇用・人材育成、フレックスや在宅勤務などのワークライフバランス、キャリアアップなどの制度を可視化してEVPとして取り入れ、それを謳っています。参考:「採用広報」に対する考え。マクドナルドのEVPを発信する理由とは?
2.ソニー
ソニーでは在宅ワークなどの働き方、キャリア支援などを行なっております。 キャリア支援では、結果を出せば部署の異動をしやすくしたり、部署異動なくプロジェクトに参加できるなど仕事を通じて個人が成長・挑戦できる機会があります。参考:【イベントレポート】ソニーとリクルートの意外な共通点!?「個」を活かす企業の人材戦略とは。
3.サイバーエージェント
サイバーエージェントでは女性の出産・育児を経ても働ける環境や2駅ルールなどのワークライフバランスの面や、技術者の支援や社内部署異動公募などキャリア育成にも力を入れています。 また新規事業のプランニングやコンテスト、若手から経営陣への提言など若手が活躍できる環境を整備しています。 この他にも臨床心理士や産業医との面談など上司以外との専門家との面談も用意されており、様々な取り組みがされています。参考:働きやすい環境 | 株式会社サイバーエージェント
4.アデコ
アデコはスイスに拠点をおく人材派遣サービス企業ですが、アジアでの人材獲得に向けて、EVPを強化しています。 新しいメンバーが迅速に組織に馴染むようコミュニケーション、能力開発支援、ビジョンなどの共有に力を入れています。 グローバルな採用活動の中で、日本やアジアの特性を活かして採用後のマッチングや育成、人的ネットワークなどを活用しています。参考:働き方・働く環境|Adecco Group
5.ユナイテッドアローズ
ユナイテッドアローズでは従業員価値の創造として以下の4つのポイントでEVPを構築しています。・いきいきと働ける職場 ・公正公平な職場環境 ・従業員の健康と安全 ・人材育成の環境作り
幅広いキャリアチャレンジができるように、社内公募制度やキャリア自己申告制度などの他にもやりがいを生む目標管理制度などもあります。また、この他にも社内の意識調査なども積極的に取り組んでいます。参考:従業員価値の創造 | サステナビリティ | 株式会社ユナイテッドアローズ
Apple
Apple社は「在宅勤務アドバイザー」という職種でカスタマーサービス部門の社員募集をしています。フルタイムでもパートタイムでも採用可能で、自宅からトレーニングも受けられる他、Apple製品が割安で買えるなどの特典もあります。 働き方に関係なく、活躍できる場を設けているというメッセージとして、応募者へメリットを打ち出している例となります。参考:Appleでのキャリア
EVPを作成する4つのステップ
EVPを作成するにあたり、現在提供できている事とこれから向かいたい方向性の示唆、それをベースに市場調査とディスカッションなどでブラッシュアップをして、制度化していきます。 作成時においては、従業員と企業側の双方にとってメリットとなるような施策を検討すると相乗効果が期待でき、雇用関係も良好となります。1.現状の把握
EVPを構築するにあたって自分の会社が既に提供できていることや、これから向かっていく方向性を確認し、項目を抽出していきます。 精査にあたり、福利厚生や資格支援などの有形のものと、若手への権限委譲やキャリア構築制度などの無形のものと全てをピックアップしていきましょう。 また、これからの経営方針や事業計画など、具体的に何をしたいか、それに向けて何が必要でどんな人材育成が必要なのかを考える必要があります。 どんな人に活躍してもらいたいか、活躍している人はどんなことを期待しているのか、そのような視点で会社が何をすべきかのアイデアを出していきます。2.市場調査
競合や他社での事例をピックアップします。実施に多くの企業で従業員への付加価値提案として様々な制度が導入されています。・社内公募制度などの人事制度 ・在宅ワークなどフレキシブルな就業方法 ・2駅ルールなどワークライフバランスの提案 ・メンターや臨床心理士などキャリアや心理面での相談員の配置
など他社での導入事例などを、取り入れていきたい項目とグルーピングして精査すると効率的に進みます。3.社内でディスカッション
現状の把握から不足している項目や、他社事例の中から自社でも採用していきたい項目をピックアップし、様々な部署のメンバーや年齢、職位、性別、子供の有無などのメンバーを選定してディスカッションします。 同じセクションや職位などのメンバーが偏ってしまうと固定概念が外れず、様々なバックグラウンドを持つメンバーの多様性を活かせなくなります。 新入社員のような若手のメンバーと管理職とでは経験も考え方も変わってきますし、家庭や子供の有無などによっても仕事に使える時間も変わってきます。 また、これからの時代に合わせて、よりフレキシブルで従業員にとって有益になるような制度を構築するためには本音で話せるような雰囲気作りも重要です。4.制度化
ディスカッションが完了したら、制度化し、可視化できるようにまとめます。 作成された資料は全社会などで伝えたり、社員がいつでも閲覧できるようにイントラネットへの掲載しておくと良いでしょう。 また社員以外にも伝わる表現でコーポレートサイトなどにもしておくと求職者にとっても有益な情報となり、入社動機の一つにもなります。 ※TUNAG(ツナグ)ではこのように会社が作成した指針などを現場に浸透するためにあらゆる施策を打つことが可能です。EVPが注目される背景
EVPが注目されている背景には、終身雇用制度にメリットを感じなくなった従業員が転職活動をし、転職市場が活性化している事が大きな要因となっています。 人材の流出を避けるためにも、企業側ができる対策として多くの企業が働きがいや福利厚生を充実させるなど、EVPの向上に創意工夫をしています。 終身雇用制度で定年まで同じ会社に努めるという形式が崩れ、優秀な人材ほど転職してしまう状況にもなっています。福利厚生や待遇、キャリア形成に役立つ事をEVPとして可視化する事で、従業員への帰属意識が強まり、離職率の低減にも繋がると考えられていることも背景として挙げられます。参考:人材不足時代に向けた働き方改革のNextStep| 経営研レポート 2018 | NTTデータ経営研究所
EVPを設ける3つのメリット
EVPを構築することは、企業にとっていくつかのメリットがあります。いくつかあるメリットの中でも、特に人事部の領域である“採用”や“離職”といった観点で大きく貢献しているといえます。1.モチベーション向上や働きがいにつながり、離職率が改善する
モチベーションの向上や働きがいにつながり、「この会社で長く働いていきたい」と考える人が増えますので、定着率が向上し、離職を防ぐことができます。 例えば、ソニーでは「ソニーが個の成長を支援し、個のチャレンジがソニーを成長させる」という考えの元、様々なキャリア開発や成長支援をしています。 キャリアアップに繋がる施策は従業員のモチベーションの維持だけでなく、生産性の向上やマネジメント力の育成など企業側にも大きなメリットとなります。>>称賛文化が社内に浸透!「サンクスメッセージ」運用ノウハウ
>>経営理念や行動指針が浸透する!社内ポイント・社内通貨 運用事例
2.採用ブランディング
転職が一般的で人員の流動性が高い欧米においては、採用ブランドの一つとしてEVPの構築に力を入れている企業も多いです。企業としての魅力を感じてもらえるように資料などで可視化し、採用ブランドを上げる事も有用です。 例えば、若手への権限委譲や昇進スピードが明確な企業であれば、野心のある若手社員の獲得にもつながります。 実際にサイバーエージェントでは、有能な若手社員が事業を推進し、事業部長やグループ会社の社長として活躍している姿を報道番組などでも特集を組まれたりしており、「若手が活躍できる会社」としての認知度も高いです。 このようにEVPは企業のブランディングとしても活用できます。>>カフェ・カンパニーの「現場から意見の上がる活気のある会社づくり」実践事例
3.経営理念や行動指針の浸透
会社として何を大切にしているか、どういった行動をする従業員が評価されるのかは、ただ掲げるだけでは伝わりません。従業員へ提供する“価値”は、従業員からも行動や成果として返ってくること、つまり、双方が価値提供を行い続けることが重要です。 会社として大事にしていること、このような会社にしていきたいということは、常に経営理念や行動指針とリンクしているものです。 あらためてEVPを明確に設定することで、会社の理念の浸透を促進することも可能になります。EVPを掲げる企業が増えてきている
会社が明文化することで、企業風土づくりにもつながる
EVPという言葉はまだ日本ではあまり浸透していませんが、従業員価値の向上に向けた施策を掲げている企業は増えてきています。 インターネットであらゆる情報を検索できるようになった今、「この会社で働くことで、自分は成長できそうなのか」など、応募者もかなり深く調べるようになりました。 ぜひ一度社内の満足度の調査やEVP構築に向けて他社の事例などを参考に考えてみてはいかがでしょうか。エンゲージメント向上のための 社内制度のプラットフォーム『TUNAG(ツナグ)』について
あらゆる社内制度の実行を通じて、会社の課題を解決します
TUNAG(ツナグ)は、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。
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経営理念や行動指針の浸透など、会社と従業員のコミュニケーションを円滑なものにするだけでなく、従業員同士でもコミュニケーション促進を行うことができます。▼『TUNAG(ツナグ)』について 『TUNAG(ツナグ)』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。 会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。
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