「RPA」とは?メリットや企業事例をわかりやすく解説

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RPAとは

定型化された業務を、記録・模倣、自動化してくれるソフトウェア型のロボット

RPAとは、(Robotic Process Automation ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語です。簡単に表現すると、私達人間が今までパソコンでやってきた定型化された業務を、記録・模倣し、自動化してくれるソフトウェア型のロボットです。 人間がRPAに任せたい作業を記憶させるとその指示通りに動いてくれるため、「仮想知的労働者(Digital Labor)」とも言われています。 また、従来のITによる「自動化」とは、プログラミング言語を理解しIT技術者が扱うもの、または運用時には管理するものという認識がありました。 RPAでは、簡単に操作することができるツールも多く用いられているため、プログラミングが分からない従業員やIT技術者が不在の部署でも、手軽に利用することができます。 ロボットであるため、終日休憩なしに稼働することが可能であり、計算のミスなどもありません。人間と同じようにキーボードやマウスの操作はもちろんのこと、パソコンのディスプレイに表示された文字、画面の色や図形も画面毎に判別することが出来ます。 また、複数のシステム、アプリケーションを同時に処理できるので、エクセルやインターネットブラウザ、経理システムなどを同時に画面遷移をしながら作業するということも可能です。 ロボットに関連するキーワードとして、AI(人工知能)という言葉は、映画などの影響もあり比較的早く一般の人々に浸透していきました。 AIが私達の生活を変えたテクノロジーであるように、RPAも同等の影響力を持っていると考えられています。近年ビジネスの現場で耳にするloT (lnternet of Things)や、ビッグデータとともに「インダストリー4.0(第四次産業革命)」を構成する重要キーワードです。

定型化された業務に強みを発揮する。

RPAが活用できるのは、日常の定型化された業務です。大量のデータをの入力したり登録するような、型が決まっており論理的に進められる業務に向いています。 たとえば経理部門では、請求書の処理、人事部での人事考課の管理、休暇申請の処理、サービス業のクレーム処理における顧客情報の照会などで運用され、すでに多くの企業がRPAで自動化しています。

RPAが注目される背景

日本が超少子高齢化社会に突入し、働き手不足にどの企業も頭を悩ませています。RPAが定型業務を自動化することで、大幅な人手不足の解消が見込めます。 また、日本の労働者1人あたりの生産性は、OECD加盟国35か国の中でも22位であり、先進国7ヵ国の中でも最低レベルと言われるほど低いですが、RPAを導入することで生産性の向上につながると考えられています。 世界的にも欧米各国の企業でRPAは導入され、効率化が着々と進んでいるため、日本の国際競争力を維持するためにも必要不可欠といえるでしょう。

AIとの違い

第四次産業革命の特徴として、「コンピューターに命令を与えて動かす」だけではなく、「コンピューターが自分で判断し、自律的に動くことができる時代」と言われています。 AI(人工知能)は、その代表的な存在で、自律的に学習する能力を持っています。単純作業を繰り返すだけではなく、ビッグデータを分析して結果を抽出する能力も持っています。 現在のRPAは、まだ単純作業に向いているツールが多いのが状況ですが、AIをRPAに組み込むことで、「社内から上がってきた報告を1つにまとめる」「他社の動向を調査して、経営戦略を練る」などの、より自律的な業務が提供されることが期待されています。
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RPAを導入するメリット

1. 人的資源不足を補える

RPAツールを導入した企業では、「社員が複数名で一週間かかる作業を、RPAは半日で終えられた」「10人で担当していた業務が、社員1名とRPAだけで済むようになった」などの成果が数多く出ています。RPAを導入することで、人員不足による問題の解決が期待できます。

2. 人員コストを抑えられる

現在、販売されているRPAツールの価格帯は、年間100万円~1,000万円程度です。 どんな業務を任せたいのか、導入した場合にはコストメリットはあるのかなど、検討する必要はあるものの、RPAのパソコンを作業する時間は、ツールによっては人の約3倍と言われています。 そして休憩が不要で働き続けられる点を考えても、人員コストを抑えられるケースが多いと言えます。

3. 単純作業のミスが無くなる

1つのミスが顧客への被害につながり、クレーム対応に時間が掛かってしまう、というようなロスが無くなります。業務の正確性が増すことで、サービスの質の高まりが期待できます。

4. より付加価値の高い業務に専念できる。

社員各自が請求書の処理などのルーティンワークから解放されることで、時間に余裕が生まれ、より人の手が必要な業務へ集中することができます。また、事務作業しか担当させてもらえなかった社員も、より創造性が高い業務へシフトすることが出来ます。

5. 業務のムダを発見できる

いざRPAを導入したいとなった場合、「どんな業務をRPAに任せるか」「どの部分を自動化するか」と社内で検討することになります。その際、「この業務は本当に必要か」「このフローで効率的なのか」など、社内業務を見直す絶好の機会になります。

RPAを導入した企業事例

三井住友銀行

三井住友銀行では、テスト段階も含め、2016年後半よりRPAを導入しています。RPAツールにより、紙帳票のデータ化が自動化できるようになるなど、700以上の業務で述べ110万時間のPC作業の削減に成功したと報告しています。 今後は、300万時間を自動化し、1500人分の時間に余裕を生むことを目標としています。

茨城県

2009年より10%で推移していた文書の電子決済が、2018年4月からRPAを導入後、6カ月後の9月には99.8%の電子決裁率を達成したと公表しています。 電子決裁により文書の改ざんを防止でき、テレワークにより登庁しなくても業務ができるようにもなりました。「働き方改革」の推進にもつながったとのことです。 茨城県に限らず、RPAを導入する自治体は増えています。自治体職員は減少しているものの、マイナンバー制度や高齢者へのサービス業務など、年々業務量は増加しているという背景もあり、RPAの導入が業務の効率化に貢献しているそうです。

東京ガス

新規申込の顧客データの入力作業をRPAで自動化しました。以前はバックオフィスの社員が手作業で担当していたそうです。 これにより業務の70%をRPAで効率化できました。明細報告書の作成では、社内複数のシステムを横断して作成しているため、自動化をあきらめていました。 しかしRPAでは、複数のシステムを同時に利用できるため、自動化が可能になり、年間270時間の事務作業が削減できたと公表しています。 「電力・ガスの自由化」により、競争が激化するエネルギー業界で、より生産性を上げるためのツールとしてRPAを導入しているとのことです。

RPAの特徴

3つのクラスについて

RPAには、「クラス1」「クラス2」「クラス3」と、3つ段階が定義されています。
「クラス1」・・・定型業務を自動化できる。情報の取得や入力、検証作業も可能。 「クラス2」・・・AIと連携することで、言語・画像・音声などの情報も解析可能。 「クラス3」・・・「クラス2」の発展形。より能力の高いAIを組み込み、不足している情報を補ったり、学習機能も持つ。分析や改善、意思決定も可能。

RPAが得意とする業務

現在のRPAツールの多くは、「クラス1」に所属します。「クラス1」では、人が登録した定型化作業、テキストの文字からデータを入力・登録するという業務を得意としています。 クラス2では、画像から文字を拾ってテキストに起こす、ということが可能になります。すでに実現可能なレベルまで技術が進んでいるそうです。 クラス3では、自律性が高まり、状況に応じた判断を行えるようになるそうです。総務省によると、“日本語の対話ができるAIエンジンを活用し、対話をするだけで必要なデータの入力が完成し、全プロセスを完結することも可能”であり、技術的に到達するのは、2030年頃と言われています。

RPAツール

NTTデータが提供する「WinActor」

国内シェアNo.1のRPAツール「WinActor」は、NTTグループが研究開発した、ソフトウェア型ロボットです。800社を超える企業が導入しているそうです(2018年2月現在)。 トライアル版は数万円単位で利用できるなど、RPAの中では比較的導入しやすい価格です。ユーザーの入力作業を自動化し、作業時間を削減したり、入力ミスを防ぐことができるツールです。
“たとえば、エクセルファイルや顧客データベース、サイト上のテキストや画像などを必要箇所に自動でコピー&ペーストしてくれるため、顧客へのメールやDM作成、指示書作成などの作業を自動化することができます”
とあり、保険業界、鉄鋼業、大学法人、ECサイト運営企業など、様々な業種で利用されています。

ソフトバンクが提供するRPA「SynchRoid(シンクロイド)」

「SynchRoid」は、ソフトバンクが提供するRPAツールです。
“ホワイトカラー業務などを代行するもので、処理手順を登録するだけで、入力・登録・検索・抽出・集計・加工・データチェックなどの単純な事務作業や、膨大な書類事務などを自動的に処理することができます“
と紹介されています。 また、ソフトバンクではRPAのソリューションを行うだけではなく、自社での導入も顕著であり、43の部署で、2,000のロボットを導入しているそうです。
スマホなどの端末、デモ機の貸し出し業務の入力・登録業務が、“人の手で行うと1件当たりの処理時間が約2分かかっていた。結果的に月に4,000件、約100時間分の業務がRPAによって自動化された。“
など、自社で実践しながら、RPAツールの研究を行っています。

事務作業の大半がRPAに置き換わる時代に

会社の従業員に何を求めるのか、会社や事業のビジョンがより重要に

一般社団法人日本RPA協会によると、2025年までに事務的業務の1/3の仕事がRPAに置き換わるインパクトがあるともいわれています。 また、オックスフォード大学の研究によると、今後の10〜20年程度で、アメリカの47%の雇用が自動化されるかもしれないという発表がありました。私達の生活に身近なものになっていくということは、間違いないと言えるでしょう。

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TUNAG(ツナグ)は、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。

会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。課題の診断は、弊社の診断ツールを使い把握することが可能です。ツールと専任のトレーナーの支援で、経営課題の解決に貢献いたします。

RPAの導入が進み、業務の効率化が進むことで、より高度な仕事ができるようになります。従業員のキャリアアップ、仕事へのやりがい、働きがいといった会社や組織に対する魅力が無ければ従業員は離職してしまうことも考えられます。

業務効率化や労働時間の削減だけでは、従業員のエンゲージメントの向上にはつながりません。改めて従業員と会社の関係を見直してみてはいかがでしょうか。 関連記事:動画マニュアルの作り方、事例、共有方法

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