社内コミュニケーションは、「知るきっかけ」づくりから
− 人と組織が強い会社の深イイ仕掛け -
社内コミュニケーションは、「知るきっかけ」づくりから
前回のコラムで“人となり”を知るきっかけを作ることについて紹介しました。今回は更に深掘りをしていこうと思います。昔は当たり前に存在した、「知るきっかけ」の取り組み
昔は、社内活性化やコミュニケーション促進を目的に、当たり前のように様々な社内行事や社内イベントがありました。実際に僕も幼い頃に父親の会社には行事があるたびに遊びにいった記憶があります。 高度経済成長の日本の企業の多くは、家族主義的な経営で大きく成長を遂げていったともいわれています。その根幹には、こういった会社が積極的に「知るきっかけ」をつくる取り組みをしたことによる相互の強固な信頼関係があったと考えられます。 以下、日本の企業が実施してきた「社内行事」や「イベント」をまとめてみました。▼社内行事
・社員旅行 ・社内運動会 ・BBQ ・夏祭り ・新年会 ・忘年会
▼社内イベントや活動
・部活動 ・社内表彰式 ・社内報 ・夏祭り最近では、何十年ぶりに運動会を復活させた企業がメディアにとりあげられることもありました。使い古されてきて風化している社内行事が、再注目を集めている例も少なくありません。 実際にみなさんの企業ではこのような社内行事がどれくらい実施されているでしょうか。もしかすると、一つも実施していない企業もあるのではないでしょうか。 とはいえ、今回お伝えすることは、“社内行事やイベントを積極的にしていきましょう”ということではありません。 それは、「知るきっかけ」の提供・起点のつくりかたにあります。古くからこういった社内行事やイベントを通じて、「知るきっかけ」が絶えず提供されてきたという事実が重要です。 そのきっかけを起点として、社内のコミュニケーションが生まれていたこと、それそのものが「仕組み」であったということをお伝えしていきたいと思います。
「知るきっかけ」は、ITツールで生まれるのか?
「知ることのきっかけ」づくりが重要なのは前回のコラム含めてお話しました。 ではどうやってきっかけを作り、仕組みを設けて、どのように社内で実施するか……ということです。この部分は、多くの企業様が課題とされています。 昔は社内行事やイベントがその役割を担っていたわけなんですが、現在は働き方の多様化や、仕事との付き合い方の変化があるため、簡単には実施しづらくなっています。 実際に実施するにしても、費用と時間がかかりますし、企画そのものに人的コストを使うことがネックとなり踏み込みづらい側面もあります。 では逆に、ITツールにその「きっかけ」の場を移したらどうなるか。まさに時代はIT化ですので、テクノロジーで解決するとどうなのか。 コミュニケーションの手段として多くのITツールが存在します。TUNAG(ツナグ)も大きな分類でいけば、その一つに入るでしょう。 あらゆる分野でIT化が進む現代において、社内コミュニケーションもすべてITツールで完結してしまうとどうなるのか? ……結果は上手く行くどころか、むしろ社内の空気は殺伐としていくんですよね。そしてコミュニケーションを活性化したいという期待とは裏腹に、そういった環境が離職を招いたりしてしまうことも。 理由は明確で、ITツールの多くが「連絡」や「情報共有」の手段として特化されているものだからです。もともと、そのような情報のやりとりをしやすくすることを重視し、そのような思想の元で作られています。 もう少し噛み砕くと、世の中ではLINEが主流なので、「社内のコミュニケーションもLINEのようなメッセージを気軽におくれるチャットツールでOK」と考えられています。 もちろん、現状形成されているコミュニティにおける業務連絡は円滑に進むでしょう。しかし、新しいコミュニケーションは生まれにくくなります。 連絡の素早さ、手軽さ、便利さは得られますが、肝心のコミュニケーションの「きっかけ」はなかなか生まれないんですよね。しかし、新しいコミュニケーションを生み出し続けない限り、自然とコミュニティは縮小してしまいます。 みなさんもそうだと思いますが、目の前の業務に奔走してしまうため、意識をしないと業務のためだけのコミュニケーションにウエイトが偏ってしまいます。そんな企業を多く目にしてきました。ITツールだけでは、新しいコミュニケーションのきっかけが生まれない
「チャットツールでコミュニケーションの全般を網羅しようとしている企業」は、総じて離職率に課題を持っているといえます。これは実際に僕たちが常にそういった企業に直面していますので、確かだと思っています。 チャットツールでダメなら、SNSツールだったらどうか。そんな声も聞こえてきそうですが、SNSツールでもその役割は全く期待できません。 理由はとても簡単で、発信する人のほとんどが、「意識の高く意欲的な少数かつ固定化された層」に限定されてしまうからです。 過半数以上の従業員は“見る専門”、もしくは“見ることにストレスを感じてしまい離脱する層”です。 意識の高い層はだいたい2割。残り8割はサイレント状態です。これではコミュニケーションのきっかけも生まれません。当然SNSツールは形骸化していきます。 企業がSNSツールを導入して上手く運用できずに失敗をしていく理由の根本は、ここにあります。「知るきっかけ」は、自然に巻き込む仕組みづくりから
結論として言いたいのは、「知るきっかけ」に対する「動機形成と建前づくり」が肝であるということです。このポイントを抑えないと必ず失敗に終わります。 言い換えると、「自然に巻き込む仕組みづくり」です。 上記の観点から見ると、最初にお話した、リアルな社内行事にはその要素がたくさん詰め込まれているのです。 参加する動機も建前も、「社内行事」ですので、特に疑問は無いでしょう。良い意味でも悪い意味でも、強制力がある点で、実はとても効果的なんです。 「会社でバーベキューやるんだよね」という時、めんどくさいなと思う人もいるかもしれませんが、「会社の行事だから」という建前が生まれます。 なにより、このような社内行事を行うことで同じ時間を共有しますので、自然にコミュニケーションのきっかけが生まれますし、その時の感想や実体験を振り返り、再度コミュニケーションを生み出すこともできます。 このような社内行事が、「動機形成と建前づくり」の役割を果たしていました。 ここで少しだけTUNAG(ツナグ)のサービスの紹介をさせていただくと、このような古き伝統の中で形成された仕組みに着目しています。 動機形成と建前づくりをさせるための手段として、「社内制度の活用」をメインに据えています。(※) 社内制度であれば、自然と「動機形成と建前」を作ることができるんですよね。交流したり、参加したりすることへの難易度がぐっと下がっります。 その結果、一般的な社内SNSとは全く違う形で会社全体を自然に巻き込んで「きっかけづくり」を進めていけるのです。 (※)ここでいう社内制度とは、会社で行われる社内イベントや1on1ミーティング、福利厚生制度など、あらゆる形で実施される社内施策のことを指します。知ることから始まるコミュニケーションの醸成
長々と解説させていただきましたが……ここからは、「きっかけ」から先の話をしていきたいと思います。 以下の図は、コミュニケーションの段階を図式したものです。ステップ1: 機会の提供です。昔で言うと社内行事や社内イベント。我々のサービスでいうと「TUNAG(ツナグ)を活用すること」になります。 ステップ2: コミュニケーションのスタート。ステップ1のきっかけをもとに会話が生まれことで、お互いを知る機会が生まれ、自然と他者のことを知ります。そしてこれが繰り返されます。 ステップ3: 知ることが一定量蓄積されると、知ることから理解へとコミュニケーションが深化していきます。 ステップ4: 最終的に十分な理解が得られていくと、状態は共感へと変化していきます。これはあくまで我々の考えるステップなのですが、この段階をTUNAG(ツナグ)では大事にしながら、コンサルティングによる支援を実施をしています。 もちろん、企業ごとにコミュニケーションレベルは変わりますし、組織構成によってもステップはバラバラです。 ですが、TUNAG(ツナグ)にはステップ1の「知るきっかけ」の提供をし続け、自走する仕組みに強みがあります。絶えずコミュニケーションの“種”になる情報がTUNAG(ツナグ)上に集約されていきます。 と、同時に、我々はTUNAG(ツナグ)のみで完結ではなく、ステップ2以降はリアルな場も活用していきます。TUNAG(ツナグ)というITツールから、リアルへの動きも積極的に行っています。 この繰り返しが従業員同士の“人となり”を理解・共感させるサイクルを生み出していくのです。 僕は、TUNAG(ツナグ)はこの各ステップに応じた施策や改善を行える、唯一無二のサービスだと思っています。 余談ですが、この話題を考えれば考えるほど旧来の日本が実施してきた企業文化の奥深さを非常に感じます。 この文化を継承すべく、良さを残しながら、現代版にアレンジをしていくとどうなるのか。それは、TUNAG(ツナグ)ができた背景にもなっていますので、機会があれば紹介させていただきます。
社内コミュニケーションのきっかけの「起点」を、どうやって作っていますか?
社内コミュニケーションのきっかけとなる「起点づくり」が抑えるべきポイントです。 とはいえ、それは企業文化や業界、職種などによってアプローチが異なり、難易度が高いものです。 「社内コミュニケーションのきっかけづくりのプラットフォーム」として、TUNAG(ツナグ)はたくさんのお客様を支援しています。 多くのコミュニケーションが生まれ、その集合体がエンゲージメント構築のベースになり、エンゲージメントを高めることに寄与していると考えています。 なかなか、文章では伝わりにくい部分や補足しきれない部分もありますので、ご興味をもっていただけましたら、弊社のコンサルタントがご説明に伺います!▼『TUNAG(ツナグ)』について 『TUNAG(ツナグ)』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。 会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。▼関連記事 職場コミュニケーションを改善する方法とは?社内施策のポイントや他社事例を解説 社内コミュニケーション活性化のアイディアと取り組み事例