組織・個人を成長させる目標設定のコツ。代表的なフレームワークも
仕事やビジネスでは「目標設定が重要」といわれます。ゴールが決まれば、進むべき方向性が明確になり、モチベーションも維持できますが、「適切な目標」であることが前提です。組織・個人を成長させる目標設定のコツと代表的なフレームワークを解説します。
目標設定とは何か?
個人や組織の成長には、目標設定が欠かせません。しかし、いざ目標を掲げるとなると、何から着手してよいか分からない人も多いはずです。まずは、組織における目標設定の重要性と意義を理解しましょう。
組織における重要性と意義
目標設定とは、ある目的を達成するために必要な行動や手段を明確化することです。目的と目標は混同されやすいですが、目的は最終ゴールであり、目標はゴール到達に必要なマイルストーンです。
例えば、「関西エリアでの競争力を強化する」という目的を掲げた場合、「販売数量を〇個に増やす」「イベントで〇人以上の人を集める」といった目標が設定されます。目的は抽象的な視点であるのに対し、目標は数字や数量で表されるケースが多いでしょう。
仕事やビジネスでは、限られた時間と資源を使って、最大限の効果を出さなければなりません。目標があれば、今やるべきことが明確になり、仕事の優先順位を付けやすくなります。組織で目標を共有すれば、チームの足並みもそろいます。
目標には階層がある
目標にはいくつかの階層があり、仕事やビジネスでは「全社目標」「部門(部署)目標」「個人目標」に大別されます。
全社目標は、会社全体で達成する目標で、「経営目標」と同義です。全社目標を達成するために、部門(部署)目標が設けられ、さらに従業員一人一人の個人目標が設定されます。
例えば、「年間売上〇億円」という全社目標が掲げられた場合、「年間売上〇千万円を達成する」という部門目標が設定されます。営業担当者であれば、「1カ月の新規契約数〇件を目指す」という個人目標が掲げられるでしょう。
全社→部門→個人と段階的に落とし込んでいくことで、実現可能性が高まるのがメリットです。それぞれの目標が一直線に結ばれるため、企業と個人の一体感も強まります。
目標設定がもたらすメリット
目標設定は仕事やビジネスの基本といっても過言ではありません。目標を適切に定めることで、企業や個人にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか?
やるべきことがクリアになる
目標設定をすると、方向性が明確になります。現状とのギャップや解決しなければならない課題も見えてきて、今やるべきことがよりクリアになるのがメリットです。
目標を設定した後は、具体的なアクションプランを策定します。タスクをスモールステップに分解し、一つ一つ着実にこなしていけば、従業員はモチベーションを保ちながら目標を達成できるでしょう。目標達成に向けた進捗が可視化されるため、遅れやトラブルへの対策も取りやすくなります。
目標が曖昧なままだと、進むべき方向性を見失いかねません。仕事に対する「やらされ感」が強くなったり、指示待ちの従業員が増えたりする恐れもあります。
チームの結束力が高まる
全社目標・部門目標・個人目標が一直線に結び付いていれば、組織・チームとしての結束力が高まるのがメリットです。結束力が強化されると、個々がパフォーマンスを発揮しやすくなり、生産性の向上につながります。
例えば、部門目標を設定すると、リーダーはより具体的な戦略を立てられます。部門目標にひも付いた個人目標があることで、メンバーは責任感を持って業務を遂行するでしょう。業務の優先順位やメンバーごとの役割分担が明確になり、タスクの重複や業務上の無駄がなくなるのもメリットです。
人事評価の判断基準にできる
目標設定後は、目標達成までの進捗を定期的にチェックし、遅延があれば解決策を立てます。経営層や人事部門は、個人が設定した目標を達成できたかどうかを人事評価の基準にできるのがメリットです。
人事評価制度は、評価基準が曖昧になりやすく、評価者によって評価にばらつきが出るケースが珍しくありません。自分が立てた目標の達成具合を評価基準の一つにすれば、従業員も納得しやすいでしょう。
目標設定は、従業員に自己評価の機会を与えます。自己評価と他者評価を比較し、そのギャップに気付くことが成長につながるのです。目標の達成具合を人事評価に活用する際は、数値だけでなくプロセスも評価する必要があります。
目標の立て方と達成のポイント
「目標を立てたのに、達成できずに終わってしまった」という経験はないでしょうか?目標を決めるときは、実現可能性を考慮しながら、より具体的な内容にすることが重要です。立て方と達成のポイントを押さえましょう。
目標の種類を理解する
目標には、「発生型目標」と「設定型目標」があります。それぞれの特徴を把握することで、目標の精度が高まります。
発生型目標は、既に発生している課題に対する目標です。マイナスの状態を通常の状態に戻すことが目的であり、「通常の状態に戻すには何をすべきか」を考えます。
設定型目標は、現在の状態をプラスにするための目標です。「いつも通りでは達成できないが、努力すれば達成できるレベル」の内容にするのがポイントで、ストレッチ目標とも呼ばれます。発生型目標よりも難易度は上がりますが、組織や個人の成長を加速させます。
What・When・Whyを明確にする
目標は、What(何を)・When(いつ)・Why(なぜ)を明確にすることが重要です。これらが曖昧だと、目標を立てるだけで満足してしまったり、時間や労力の無駄につながったりする恐れがあります。
- What:何を目標にすべきか(発生型目標と設定型目標のどちらが適切か)
- When:いつまで達成しなければならないのか(期限)
- Why:なぜその目標を達成する必要があるのか(理由)
目標達成の期限は、目標の種類や難易度に合わせて柔軟に設定します。1年・半年・3カ月・1カ月…といったように、ブレイクダウンするのがポイントです。また、全社目標や部門目標を個人目標に落とし込むときは、理由や重要性をしっかりと共有する必要があります。
ビジネス環境の変化を想定する
企業を取り巻くビジネス環境は常に変化しています。特に近年は、テクノロジーの進化やグローバル化の進展により、変化速度が速くなっているのが実情です。目標の設定時は、ビジネス環境の変化や直面するであろうリスクを想定しましょう。
また、一度立てた目標は頻繁に変えるべきではないと思われがちですが、変化を冷静に分析し、状況に応じて修正や再設定を行うことも必要です。環境変化に合わせて約1年ごとに見直しをする企業も少なくありません。当初の目標にとらわれすぎると、組織・個人の成長が妨げられてしまう恐れがあります。
目標を仲間と共有する
個人目標を設定した際は、上司や同僚と共有する機会を設けましょう。ミーティングやワークショップ、社内報などを通じて互いの目標を知ると、モチベーションが向上します。特に、後回しをする癖がある人や怠けやすい人は、定期的な進捗の共有が有効です。
また、周囲からのサポートを得られやすくなるのもメリットです。チーム内で助け合いの関係性が生まれれば、より大きな成果につながるでしょう。企業側は、従業員が互いに目標を共有し、励まし合えるような仕組み・環境を整える必要があります。
「TUNAG」で情報共有がタイムリーに!
目標の共有や進捗の把握に活用できるのが「TUNAG」です。組織課題の解決と従業員エンゲージメントの強化を目的としたクラウド型サービスで、課題の分析から改善施策の実行までを一気通貫で行えるのが強みです。
パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンからでも利用ができるため、ノンデスクワーカーを含む全ての従業員が情報をタイムリーにチェックできます。目標や進捗の共有では、TUNAGの以下のような機能が役立つでしょう。
- Web社内報
- 社内チャット
- タイムライン
- 日報
メールを通じての情報共有は、タイムリーさに欠ける上、情報漏れのリスクがあります。業務のDX機能も充実しているため、導入すれば組織のあらゆる課題解決の支援をします。
TUNAG(ツナグ) | 組織を良くする組織改善クラウドサービス
目標設定に役立つフレームワーク
仕事やビジネスの目標は、具体性があり、かつ実現可能なものでなければなりません。適切な目標をなかなか立てられない人は、フレームワークを活用しましょう。「SMARTの法則」「GROWモデル」「KPI(重要業績評価指標)」の三つを紹介します。
SMARTの法則
SMARTの法則は、目標設定の際に意識すべき五つの要素を表したものです。コンサルタントのジョージ・T・ドラン氏が1981年に提唱したもので、ビジネスパーソンの間ではよく知られています。
- Specific:具体性があること
- Measurable:数字で測れること
- Achievable:実現が可能であること
- Relevant:最終目的との関連性があること
- Time-bound:期限が明確であること
SMARTの法則を意識すれば、具体的な目標とアクションプランが立てられます。一人一人の努力が数値化されるため、公正な人事評価にもつながるでしょう。
GROWモデル
GROWモデルは、主にコーチング相手の目標達成をサポートするために使われる手法です。GROWは、以下の頭文字を取ったもので、コーチングのプロセスを表します。
- Goal:目標の設定
- Reality/Resource:現状の把握/資源の発見
- Options:選択肢の設定
- Will:目標達成の意志
目標を掲げた後、現状との間にどれだけのギャップがあるのかを把握します。自分を客観化することで、活用できる資源(ヒト・モノ・カネ・情報など)も明確になるでしょう。目標を実現するための選択肢を洗い出し、意志を固めて実行に移します。
KPI(重要業績評価指標)
KPIは、「Key Performance Indicator」の略称です。日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれ、最終目標(KGI)に至るまでの中間目標を表します。最終目標とそれぞれのKPIの関係性を示したものは、「KPIツリー」と呼ばれることも覚えておきましょう。
KPIを設定すると、目標までの達成度合いが可視化され、モチベーションを維持しながら着実に目標に近づけます。例えば、最終目標を「年間売上を前年より30%アップさせる」とした場合、「200件の商談を成功させる」「資料の請求件数を月100件にまで増やす」などのKPIが導かれます。
KPIを設定するに当たっては、KFSの抽出と分析が欠かせません。KFSは、「Key Factor for Success」の略称で、成功のために必要な要因を意味します。
目標設定の意義と重要性を認識しよう
適切な目標は、組織・個人に多くのプラスの効果をもたらします。進むべき方向性や今やるべきことが明確になり、時間・労力・コストの無駄遣いが防げます。仲間と目標を共有すれば、チームの結束力やモチベーションの向上にもつながるでしょう。
目標設定にはいくつかのポイントがあります。具体性に欠けた目標や現実と懸け離れた目標は、組織を混乱させる結果につながりかねません。SMARTの法則をはじめとするフレームワークをうまく活用しましょう。