社内報アンケートは必要?社内報アンケートの目的から質問例まで解説

社内報は社員とのコミュニケーションを深める重要なツールですが、その効果を最大限に引き出すためには、読者アンケートの実施が不可欠です。読者の声を反映させた社内報を作成することで、より魅力的で有益な情報提供が可能となり、社員の満足度やエンゲージメントを高めることができます。

本記事では、社内報アンケートの必要性、具体的な目的、そしてそのメリットを詳しく解説します。さらに、実際の質問例を紹介し、どのように効果的なアンケートを作成すべきかも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

社内報の読者アンケートは必要?

社内報の読者アンケートは本当に必要なのかお悩みの担当者も少なくないでしょう。社内報の読者アンケートは、より魅力的な社内報を制作する際に重要な役割を果たします。

社内報アンケートの主な目的は二つあります。

一つ目は、社内報の改善を行うためです。アンケートを通じて読者からのフィードバックを収集し、どのコンテンツが役立っているか、どの部分が改善の余地があるかを具体的に把握します。これにより、読者のニーズに応える形で社内報の内容を充実させることができます。

二つ目は、社内報の企画を集めるためです。読者からの意見やアイデアを収集することで、新しい企画やテーマを発掘し、社内報の内容をより魅力的かつ多様なものにできます。社員の声を反映させることで、社内報がより身近で親しみやすいメディアとなるでしょう。

社内報の読者アンケート5つの実施ステップ

社内報の読者アンケートを行う際は、以下の流れに沿って進めていくといいでしょう。

  1. アンケートの目的を明確化する
  2. アンケートの集計方法を考える
  3. 質問を考える
  4. アンケートを実施する
  5. アンケート結果を有効活用する

1.アンケートの目的を明確にする

社内報の読者アンケートを実施する際に、目的が明確でないと、集めるべき情報やアンケートの設計が曖昧になり、効果的な結果を得ることが難しくなります。たとえば、社内報の内容改善が目的であれば、どの部分を改善したいのか、具体的にどのような情報を収集したいのかを明確にします。

また、新しい企画のアイデアを集めることが目的であれば、読者の関心やニーズを把握するための質問を設定する必要があります。

このように、目的をはっきりと決めることで、アンケートの全体的な方向性が定まり、より有効なフィードバックを得ることができます。

2.アンケートの集計方法を考える

アンケートを実施する際には、その集計方法を事前に考えておくことが重要です。集計方法には単純集計、クロス集計、自由記述集計の3つがあります。

集計方法

整理方法

単純集計

最も基本的な集計方法で、各選択肢を選んだ人数や割合を算出し、全体の回答傾向を把握するものです。これにより、全体的な満足度を一目で把握できます。

クロス集計

単純集計のデータを顧客の属性(性別、職業、居住地など)や他の設問と掛け合わせて集計する方法です。属性別や項目別にデータを分類し、複合的な要素での比較が可能になります。

自由記述集計

顧客が自由に文字や数字を記入する形式のアンケートの集計方法です。数値入力は関数を使って集計し、文字入力はアフターコーディング(※1)やテキストマイニング(※2)を用いて分類・集計します。

これらの集計方法を適切に選択し、組み合わせることで、アンケート結果を効果的に分析し、より具体的な改善策を見出すことができます。

※1:アフターコーディングとは、集計した回答から類似の回答をカテゴリとしてまとめ、定量化する手法です。

※2:テキストマイニングとは、各回答を文字列として捉えて、単語などの単位で区切り、情報の種類と量を可視化する手法です。

3.アンケートの目的に沿った質問を考える

社内報の読者アンケートの質問を考える際には、5W1Hや5W2H、6W2Hといったフレームワークの活用が有効です。これらのフレームワークは、情報整理や共有をスムーズに行うために用いられ、質問内容を網羅的に把握する手助けとなります。

具体的には、誰が(Who)、何を(What)、いつ(When)、どこで(Where)、なぜ(Why)、どのように(How)を明確にする5W1Hを基本とし、必要に応じて費用や規模に関する情報を加える5W2H、ターゲットや影響を受ける人物を含める6W2Hを使用します。

また、質問はアンケートの目的に合致し、プライバシーに配慮したものでなければなりません。たとえば、「あなたが社内報を読む時間帯はいつですか?」や「社内報のどの記事が最も役立ちましたか?」といった具体的な質問を考えることが重要です。

こうすることで、読者から有益なフィードバックを得ることが期待できます。

4. アンケートを行う媒体を選定する

アンケートを実施する際には、どの媒体を使用するかを慎重に検討する必要があります。アンケートの集計率や回答率を高めるためには、読者がアクセスしやすい媒体を選択しましょう。

たとえば、メールや社内ポータルサイト、紙媒体など、会社の状況や読者の特性に合わせた媒体を選ぶことで、より多くの回答を得ることができます。

また、実施時期や回答期限も考慮し、読者にとって回答しやすい環境を整えることが大切です。

5.アンケート結果を有効活用する

社内報のアンケートは、実施後の対応が非常に重要です。アンケート結果の活用方法によって、その後の社内改善やコミュニケーションの質が大きく変わります。

ここでは、社内報のアンケート後に行うべき具体的なステップを紹介します。

活用ステップ

活用方法

①アンケート結果を整理する

アンケートの結果が単なる羅列のままでは、データとして活用できません。そのため、データとして利用可能な形に整理しましょう。
まずは回答内容を集計し、単純集計やクロス集計といった手法を用いて結果を整理します。たとえば、回答数や割合を算出し、特定の属性(性別、年代など)ごとに分析を行います。
自由記述の回答は、アフターコーディングやテキストマイニングを活用して内容を分類し、分析しやすい形式にまとめます。

②アンケート結果を分析する

分析は、アンケートの目的や仮説に基づいて行います。

たとえば、クラスター分析や因子分析、重回帰分析などの統計手法を用いて、データの背後にある関係性やパターンを明らかにします。

また、クロス集計を用いて、複数の回答結果を組み合わせて分析することも重要です。これにより、単一の集計では見えなかった深層の情報を得ることができます。

③分析結果を明文化する

分析を行っただけで終わらせず、その結果を今後に生かせるように明文化しましょう。分析結果は具体的な改善提案や行動計画に落とし込み、関係者に共有します。

また、分析結果を報告する際には、図やグラフを使用して視覚的に分かりやすくまとめると効果的です。報告書やプレゼンテーション資料としてまとめることで、今後の社内活動に活用できるようにします。

これらのステップを踏むことで、アンケート結果を効果的に活用し、社内報の改善や従業員満足度の向上に繋げることができます。

社内報の読者アンケートの質問項目の例

社内報の読者アンケートを実施する際は、どのような質問項目にすると効果的でしょうか。

ここでは、具体的な質問事項をいくつか紹介します。これらの質問を参考にして、読者の意見を効果的に収集し、社内報の改善に役立ててください。

読者の属性情報

読者の属性情報を把握することで、回答結果の分析が容易になります。以下の項目を含めると良いでしょう。

属性情報

目的

名前

無記名または匿名が適切です。個人の特定を避けることで、正直な意見が得られやすくなります。

性別

男性、女性など。これにより、性別による内容の好みや関心の違いを分析できます。

年齢

20代、30代、40代、それ以上など。年齢層による関心事やニーズの違いを理解するのに役立ちます。

部署

一般職、総合職、営業職、技術職などの選択肢方式。部署ごとの特有の情報ニーズを把握するために有用です。

これにより、どの部署の読者がどのような意見を持っているのかを把握できます。

社内報の閲覧状況・頻度

読者が社内報をどの程度読んでいるか、またその読み方に関する情報を得ることで、配布方法や内容の見直しにつながります。

  • Q:社内報は読んでいますか?
  • Q:(読んでいないと回答した人)読んでいない理由は何ですか?
  • Q:社内報をどこで読んでいますか?(例:自宅、オフィス、移動中など)
  • Q:社内報は読むのにどのくらいの時間がかかりますか?(例:5分以内、10分、20分以上など)

社内報への満足度

読者の満足度を測ることで、現状の社内報がどの程度読者の期待に応えているかを把握します。

  • Q:これまでの社内報に満足していますか?(例:満足、やや満足、不満足など)
  • Q:(満足していないと回答した人)満足していない理由は何ですか?(自由記述)
  • Q:社内報の発行頻度は、どのくらいが良いと思いますか?(例:毎月、隔月、四半期ごとなど)

社内報の改善点

読者から具体的な改善点や意見を収集する質問です。これにより、社内報の内容や形式について具体的なフィードバックを得ることができます。

  • Q:次回以降の社内報で、取り上げてほしいコンテンツがあれば教えてください(自由記述)
  • Q:社内報全体に関して、ご意見や感想があれば教えてください(自由記述)

これらの質問項目を含めた読者アンケートを実施することで、社内報の改善に必要な情報を効率的に収集し、読者のニーズにより応えることができるようになります。

社内報アンケートを実施する際のポイント

社内報アンケートを効果的に実施するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。以下に、アンケートを成功させるための具体的なポイントを解説します。

アンケートの目的を決める

アンケートを実施する際には、まず目的を明確に決めることが重要です。目的が曖昧なままでは、回答者も何を答えたら良いのか分からなくなってしまい、的確なフィードバックを得ることができません。

また、目的が不明確なアンケートを実施すると、得られた結果を有効に活用することが難しくなり、アンケートに費やした時間やリソースが無駄になってしまいます。

たとえば、「社内報の内容を改善するため」、「新しい企画を募集するため」など、具体的な目的を設定し、それに基づいた質問を用意することで、より有益な情報を収集できます。

回答率を高める工夫を施す

アンケートの実施においては、社内報の閲覧率とアンケートの回答率を意識しましょう。社内報の閲覧率を確認することで、どれだけの社員が社内報にアクセスしているかを把握し、目的を達成するための施策を講じることができます。

また、アンケートの回答率が低い場合、その原因を分析することも重要です。回答率が低い原因としては、アンケートの実施媒体が適切でない、質問内容が不明瞭である、回答に時間がかかりすぎるなどが考えられます。

これらの要因を改善することで、より多くのフィードバックを得ることができるようになります。

アンケートを答えるメリットを社員に伝える

社員が時間を割いてアンケートに答えてもらうためには、アンケートに答えることのメリットを明確に伝えることが大切です。社員にとってアンケートに答えるメリットが感じられない場合、回答率が低くなる可能性があります。

たとえば、アンケートの結果を基に社内報が改善されることで、社員が求める情報や興味を持つコンテンツが増えることを伝えることができます。

また、アンケートに回答することで、社員自身の意見やアイデアが社内報に反映される機会があることを示すことで、回答意欲を高めることができます。あるいは、社内ポイント(社内通貨)制度を設けている企業であれば、アンケートを回答するした御礼に、ポイントを付与するのも良いでしょう。

このように、アンケートに答えることのメリットを明確にすることで、より多くの社員から有益なフィードバックを得ることができます。

まとめ|社内報のアンケートを効果的に実施するためには

さいごに、社内報の読者アンケートを効果的に実施する方法をおさらいしましょう。

効果的なアンケートを行うには、まず目的を明確にし、収集したい情報の特定が重要です。具体的な目的に基づいて質問項目を設定し、無駄を省きましょう。

次に、適切な媒体を選び、社員が回答しやすい環境を整えることで、閲覧率と回答率を向上させることができます。また、アンケートに答えるメリットを社員に伝えることで、積極的な参加を促すことが可能です。

これらの方法は、社内報の読者アンケートだけでなく、他のあらゆるアンケートにも応用できます。ぜひ活用して、効果的なアンケートを実施してください。

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