コロナ禍と経営統合に直面。島忠労働組合が、いまTUNAGで「ボトムアップ型」組織を目指す理由。
約3,100名の組合員を抱える島忠労働組合様。そんな島忠労組様では、新型コロナウイルスの流行やニトリホールディングスとの経営統合により、情報発信・コミュニケーションに関する課題を抱えていたといいます。
今後、TUNAG(ツナグ)を活用して現状の課題にどう対応するのか、組合員をどのようにサポートしていくのか、中央執行委員長 富田様、中央執行書記長 桜井様のお二人にお話しを伺いました。(以下、敬称略)
導入前の課題
活字主体の情報発信やコミュニケーションに難しさを感じていた
〜TUNAGを導入する前に組合活動の中でどのような課題を感じていましたか?〜
桜井:新型コロナウイルスの影響により、組合員と直接お話しする機会が減ってしまったことが、組合の中で大きな課題となっていました。
以前までは、活字主体の情報発信をしながら、直接店舗を訪れて組合員とダイレクトにコミュニケーションを取っていたので、労働組合の方針や活動が伝えやすかったんです。
それがコロナ禍で食堂での黙食の指導などを行っていることもあり、現場に足を運んで組合活動について、直接内容をお伝えすることが難しくなってしまっていました。
実際に、コロナ禍になってから店舗の食堂で、「こんにちは、労働組合です。ちょっとお話ししたいことがあるんですけど」と話しかけた際に、「何してるんですか?黙食なのに話をしちゃダメじゃないですか」と、目で訴えられたことが何回かありました。
感染対策もあり、今まで通りのやり方では、大切な情報を組合員の方々に届けることができないと実感しました。
組合員からも、「組合費も支払っているのに、組合はいま何をやっているんだろう」という声があって、早急な対応が必要だと感じていました。
組織体制の変化に伴い、適切な情報伝達ツールが必要だった
〜昨年、ニトリホールディングスと経営統合されていますが、体制の変更による課題もあったのでしょうか?〜
富田:会社が経営統合したことで、関係部署や組織体制が大きく変わり、今後の情報伝達の方法についても考える必要がありました。
環境が変わり、組織構成が複雑になっている中で、組合員が不安に感じる場面が多くなることが予想されます。
その不安を、活字主体の一方的な情報発信のみで払拭することは難しく、それを解決してくれるツールの導入が必要だと考えるようになりました。
TUNAG導入のきっかけ
組合活動を知ってもらうために、若い世代との親和性が高いデジタルツールを検討
〜TUNAGをご検討されたのには、どのような背景があったのでしょうか?〜
富田:労働組合として定期的にとっているアンケートがあるのですが、組合に関する興味関心が今年は例年に比べてかなり悪くなってしまっていました。
非常にショックだったんですが、回答傾向を分析していくとわかったこともありまして。新型コロナウイルスの影響により、レクリエーションやセミナーといった目に見える活動が減ってしまったことで、コミュニケーションが希薄になってしまっていることが興味関心の低下の要因でした。
そして、情報発信やコミュニケーションの創出などを継続的におこなうことが不満の解消に繋がるんじゃないかと思ったんです。
そういった経緯で新たな情報発信・組織活性化ツールを探していました。
〜デジタルツールを中心に導入を検討されていたと伺っておりましたが、それにはどのような背景があったのでしょうか?〜
富田:特に今の若い世代の人との親和性が非常に高いデジタルツールの導入を検討していました。
会社としてもQRコードを活用するようになったり、地震の安否確認もスマホでやっていたり、情報伝達の面に関してもスマホを使うことが多くなっています。
アンケートは元々は紙かつ手作業で集約していましたが、情報の授受は日頃から慣れ親しんでいるスマホやタブレットを起点とした方が、今の組合員には親和性が高いと感じました。
実際に、アンケートをWEB形式に変えたところ、回答率も上昇し、組合員からもわかりやすいというお声をいただいていたので、導入するならデジタルツールが良いのではないかと考えていました。
安心して運用できる手厚いサポート体制があった
〜他ツールもご検討されている中で、弊社の担当が桜井様にご連絡したと思いますが、TUNAGの何にいちばん興味を持っていただいたのでしょうか?〜
桜井:一番の魅力は、手厚いフォローやサポートの体制が整っているところでした。
実は先行して打ち合わせをしていた他の業者さんもあったのですが、私たちもデジタルツールに詳しいわけではないので、業者さんの会話についていくことがとても大変でした。
業者さんとお話ししている段階で、私たちが理解するのも難しいのに、実際に運用した時に組合員さんからのお問い合わせに対応できるとは思えず、運用面での不安は拭いきれませんでした。
富田:一方、桜井から「運用については、TUNAGなら相談に乗ってくれる担当者さんが付きますよ」という話を聞いていました。
私たちがシステム的にわからないことがあった際に、すぐに対応していただけるのは大変心強いですし、組織改善には模範解答がないからこそ、担当の方が一緒に伴走してくれるTUNAGは安心して運用できると感じました。
〜最初の予定スケジュールより前倒しでの導入を決めていただきました。それにはどのような背景があったのでしょうか?〜
富田:そうですね。たしかに、定期大会が10月にあるのでそのタイミングで導入していこうという声もあがっていました。
ただ、以前アンケートを取った際に、会社に対しての愛着度や労働組合を支持する気持ちが低下してしまっていました。
桜井:私たちは会社の経営陣とお話しする機会が多いので、経営陣が多くの議論を重ねて、更なる発展をしていくための様々な取り組みを実施していることは理解できています。
その一方で、議論の過程や実際の取り組みが組合員に上手く伝わっていないことがアンケートの結果として表れたのではないかと思います。
もちろん、会社や経営陣から組合員に対して直接情報発信をすることも重要だとは思うんですけど、組合としても何とかこの状況を早めに改善したいと思いました。
ただ、コロナの影響で組合員と直接お話しすることが難しくなってますから、まずはオンラインでの情報発信からできる限り早めに取り組もうと思って、前倒しでの導入を決定しました。
閲覧数を見ながら運用改善していけるところが魅力に感じた
〜最終的にTUNAGを導入されたのは、どういった点が決め手になったのでしょうか?〜
富田:TUNAGならこまめに運用改善することができ、組合員に興味を持ってもらいやすいと思いました。
以前、ホームページ制作にもチャレンジしたことがあるのですが、運用面での課題があり、結果的には頓挫しました。
ホームページはコンテンツを作る側が「何を作りたいか」をしっかり決めておかないと、一回きりの情報発信にとどまって、運用改善することが難しいというお話しはかねがね伺っていました。
ホームページを作ったはいいが、その後、コンテンツの更新が継続されず、組合員も飽きてしまうという状況は、組合費をいただいている以上は避けたかったんです。
組合員の方に興味を持っていただくためにも、逐一コンテンツを更新する必要があります。
TUNAGなら閲覧数や活用状況などのデータを見ながら、その都度状況にあったメッセージやコンテンツを発信をすることができるので、組合への信頼度の構築や組合のさらなる発展にはTUNAGがぴったりだと感じました。
TUNAGの運用について
地域を超えたコミュニケーション活性化を促進
〜TUNAGではどのようなことが実現できそうでしょうか?〜
桜井:今考えている運用としては「TUNAGを起点としたコミュニケーションの活性化」です。
コロナウイルスの影響で、円滑にコミュニケーションを取れていなかった組合員の方々もいらっしゃるので、まずはTUNAGというツールを一つのきっかけとしてコミュニケーションの機会を作っていきたいと考えています。
それこそ、違う地域の方々と同じような趣味を起点にお話しを広げていったり、ゆくゆくは情報やアイデアを出し合って、組合全体が活気づくことを期待しています。
組合に関わるすべての人を「ツナグ」ツールにしていきたい
〜先ほど、グループ企業となったことで出てきた、新たな課題についてお話いただきましたが、TUNAGをどのように活用することで解決できると思いますか?〜
桜井:ニトリグループに入ったことで、様々なバックグラウンドを持つ方々と交流する機会が多くなっていきます。
元々、島忠は一都三県と関西圏の一部といった、人口密度が高い、限られたエリアで出店していることもあり、組合員が関わる人も同じような地域で生活している人がほとんどでした。
今後は全国展開されているニトリと協働していくことになりますので、TUNAGを活用することで、違った地域やコミュニティの方々と交流しやすくなると考えています。
最終的には、TUNAGが年齢・職場・役職など関係なく、組合に関わる全ての人を「ツナグ」ツールにしていきたいです。
不便な申請系のフローも改善していきたい
〜書類の申請などは紙やFAXで実施されることが多かったのでしょうか?〜
桜井:これまでは、端末のネット上のフォルダに書類が格納されており、必要なものをプリントアウトしてもらって、入力してFAXで送ってもらうという形式を取っていました。
また、慶弔関係の申請は、会社がワークフローで申請するようになっているので、主に会社の人事・労務を通して対応していました。
申請系に関しては、まだまだ整備できていないところもあるので、TUNAGをうまく活用して組合員が、もっとわかりやすく簡単に申請ができるよう環境を整えていきたいです。
組合の方針・役員の活動を発信し、組合の活動を可視化していきたい
〜組合としての活動状況が伝わりきれていなかったことが原因で、活動状況について誤解が生じたり、イメージの低下に繋がってしまったというお話しがありました。その点についてTUNAGはどのように活用できそうでしょうか?〜
桜井:そうですね。TUNAGを活用した情報発信にも力を入れていきたいです。
先ほど、コロナによって情報が届きにくくなったというお話しをしましたが、組合の役員の活動や議論が組合員に伝えきれていないことを課題に感じています。
例えば、私たちが上部団体の会議に出た際の情報や議論の内容は、これまで十数人のメンバーに共有する程度にとどまっていて、そういった積み重ねが組合への愛着度の低下に繋がってしまったと考えています。
内容によって公開範囲は変える必要があるとは思うのですが、必要な人に、必要な情報が、必要なタイミングでタイムライン上で直接届くようにしていきたいです。
手軽に組合の情報を見ていただくことで、まずは組合への理解を深めていき、組合への信頼や愛着が醸成されていければと考えています。
単発のアンケートと違って継続的な運用になるので、手厚くサポートしていただき、私たち自身も活用していきながら、組合にとって最適な運用を模索していきたいです。
TUNAGで実現していきたいこと
TUNAGでコミュニケーションを活性化し、ボトムアップの組織を創り出す
〜今後TUNAGを活用して、どのような組織を目指していきたいと思われますか?〜
富田:TUNAGを活用して、「ボトムアップ型」の組織を作っていきたいです。
組合は組合員の声に耳を傾け、その声をもとに職場改善や制度設計などの運営を行っていくのが本来の形です。
しかしながら、組合員の声を継続的に集めることが難しかったり、前年度を踏襲した最適でない活動になっていたり、組合内の慣習に囚われすぎてしまったりと、「トップダウン型」の組織になってしまっているケースが多くあります。
今回のTUNAGの導入では、私や桜井以外で熱心にTUNAGの活用について考えてくれる副委員長がいたり、執行委員もすごく興味を持って聞いてくれたり、TUNAGの導入に関してお話をした際には新入社員から多くの質問をいただくことができました。
TUNAGと組合活動の親和性が非常に高いことが判明し、今後も多くの声を集めることができそうです。
TUNAGを通じて、双方向コミュニケーションを活性化し、全体で組合を共創していきたいです。
〜富田様、桜井様、貴重なお話しをいただきありがとうございました!〜