旅館業ならではの情報共有の課題を改善 - 創業の精神「相手のことを一心に考え尽くす」を体現する、炭平旅館のTUNAG活用法

TUNAG導入事例 株式会社炭平旅館 明治元年に京丹後で創業した老舗旅館、株式会社炭平旅館様。 2020年に兵庫県の城崎温泉に旅館「炭平別邸 季ト時」を開業すると、その城崎温泉と東京にそれぞれ「本巣ヱ」というたまごパンの専門店をオープン。現在、旅館を含め4つの店舗を運営しています。 順調に事業を拡大する炭平旅館様が課題として感じていたのは、拠点や従業員が増えたからこそ生じる「コミュニケーション不足」でした。 「旅館の理念を浸透させ、お客様の接客につなげたい」。その想いを実現するために、どのようにTUNAG(ツナグ)を活用しているのか。炭平旅館支配人の大塚篤志様(以下敬称略)にお話を伺いました。

導入前に課題に感じていたこと

事業拡大に伴い、ベテランの幹部層と従業員の意思疎通が課題に

〜TUNAG導入前、御社ではどんな課題をお持ちだったのでしょうか〜 大塚:弊社はもともと炭平旅館1店舗だけだったんですが、2年ほど前から事業拡大してまして、現在は旅館やたまごパン専門店を4店舗運営しています。従業員はグループ全体でいうと、社員が50名、パートさんが30名ほどで、合計80名ほどの規模の組織となっています。 中途採用も多く従業員がどんどん増えていく状況で、ここで何十年も働いているいわゆる幹部層と新しく入社してきた従業員との意思疎通とか、情報共有がなかなかうまくいっていないと感じていて、新しいツールを取り入れて、従業員同士のコミュニケーション活性化に繋がればと思っていました。 ※炭平旅館 支配人 大塚様

私用のチャットツールを業務利用しているのが懸念だった

〜以前はどのように情報共有を行っていましたか?〜 大塚:プライベートでも使っているチャットツールを使って、その日チェックインされたお客様はアレルギーをお持ちだからとか、夕食でこんなことがあったから翌朝こういう対応をしてほしいとかを共有していました。 チャットグループを作って発信してたんですけども、直接的に関係ないスタッフにも朝から夜中に近い時間まで通知が送られていたのが懸念でした。また、幹部から「こういう方針に変わったのでよろしくお願いします」みたいな内容も発信していましたが、常に幹部側の発信のみ一方通行で流れてるような感じでしたね。 一番の問題は、プライベートで友人や家族とのやり取りで使っているツールに会社の情報が入ってしまうという点でした。特に若い子たちはそれがすごく嫌だったみたいで。やっぱり会社専用のツールに情報が来るのと、プライベートのツールに会社の情報が届くのとは全然ストレスが違うので。そういう意味でも、会社専用の新しいツールを検討していました。

TUNAG導入の決め手

タイムライン上で画像や動画も共有できることが導入の決め手に

〜さまざまなツールがある中で、TUNAGを選ばれた決め手はどういったところでしたか?〜 大塚:いろいろと探していましたが、どちらかというと他のツールはチャット機能みたいなのがメインになってたような印象があって、TUNAGだとタイムラインに流れてくるいろいろな投稿を見れるというのがイメージに一番近いと感じました。文字だけでなく、画像や動画も一緒に投稿できるというのは魅力でしたね。文字だけだと若い子ってどうしても見なくなってしまうと思いますし。 あと特にこういう業種の場合、私のように普段メールを使っている従業員は文字だけでもいいと思うんですけど、現場の接客員はメールを全く使わない人も多くて、そういう人たちにとっては文章がいっぱい並んでても入り込みにくいというか。 TUNAGは文字もあって写真もあって、時には動画もあって、返事も基本的にはしなくていいですし、現場の接客員も気楽に読めるタイムライン形式というのがいいなと思いました。 〜大塚様は前職でもTUNAGを使っておられたということですが、炭平旅館様でTUNAGを導入するにあたって、どのような点に期待されていましたか?〜 大塚:サンクスメッセージや、それをもとにした社内表彰、人事的な情報の共有とかですね。以前の会社は300名近い従業員がいたのですが、TUNAGで人事的な情報を発信できるのがものすごくわかりやすくて。情報共有に加えて、従業員のモチベーションが上がるような取り組みができたらと思っていました。

TUNAGの運用方法・具体的な取り組み

引き継ぎや業務連絡、お客様の声の共有にTUNAGを活用

引き継ぎや業務連絡、お客様の声の共有にTUNAGを活用 大塚:宿泊施設は部署によって勤務時間が様々で、1組のお客様に対して、チェックイン担当、夕食担当、翌日の朝食担当、チェックアウト担当がいます。そこの引き継ぎというのが業務上とても大事な部分で、そういった面でTUNAGを活用しています。基本的には夜、夕食を全て提供し終わってお客様が部屋に戻られた後に、翌朝対応するスタッフに向けて、チェックインの情報とか夕食のときの情報をまとめてタイムラインに流すという感じです。 狭い範囲でのやり取りとか、細かな内容はチャットでやっています。例えば各店舗のSNSチーム専用のグループチャットがあったり、各部署のチャットグループで日々のシフト変更や発注の指示など細かな内容はチャットでやり取りしています。 〜TUNAGで実施している「お客様アンケート」という制度についても教えてください〜 大塚:滞在中にお渡ししている紙のアンケートやクチコミの内容を共有する制度で、お客様の喜びの声やご指摘も含めて、みんなに知ってほしいという意図があります。紙のアンケートは事務所に置いていますがみんなが目を通せるわけではないので、写真に撮ってTUNAG上で共有することにしました。ほかにも、他店舗のメンバーが見て「あの店舗はこんなことをしているんだな」というのを共有したいというのも大きな目的ですね。

理念を体現する取り組みを日報で共有、おすすめスポットの情報交換も

理念を体現する取り組みを日報で共有、おすすめスポットの情報交換も 大塚: 「今日の思い出作り」という、各部署が上げるいわゆる日報も運用しています。「明日から日報を書いてね」というとどうしても強制されてる感じがするので、もっと入り込みやすい名前にしたいと思ってこのネーミングにしました。あとは、炭平旅館ではお客様の思い出作りが理念の一つでもあるので、「お客様の思い出作りのために私たちがしたこと」という意味でも捉えています。 売上を報告している部署もあれば、「調理場でこんな魚を仕入れたのでこんな調理をしてみました」と写真が投稿されることもあります。 〜その他に旅館周辺のおすすめスポットを紹介する「おすすめマップ」という制度も運営されていますね〜 大塚:周辺の観光案内も大きな業務の一つで、実際チェックインやチェックアウトのとき、夕食中とかに、お客様から「どこに行くのがおすすめですか?」と相談されることがすごく多いんです。 炭平旅館は海と山に囲まれた漁師町なんですが、弊社の従業員は中途採用者が多く、周りの観光地を知らない人もいるので、TUNAGの「おすすめマップ」で「こんないいところを見つけたよ」と紹介しています。それを情報をお客様にも勧められたらいいですし、もちろんプライベートで私も行こうっていうのでもいいですよね。

コミュニケーション上手なスタッフがTUNAG運用を牽引

大塚:弊社では正社員だけでなくパートも含めてTUNAGを利用しています。導入当初は運用チームのような感じで、店長クラスの人や、うまく情報発信ができたりコミュニケーションがとれそうな人を集めて運用をしていました。現在はそのメンバーが城崎や東京の店舗にいて、各拠点で自発的に制度を作って運用していますね。 初めの予想では、若いスタッフが積極的にTUNAGを使って、私のような年配のスタッフは見るだけの人が多いのかなと思っていましたが、意外とそれが逆だったんです。正社員は20代〜30代前半、パートさんは50代〜70代の人が多いのですが、導入後、早い段階で投稿を見たりチャットでやり取りしたりしてくれたのはパートさんたちでした。特に20代前半のスタッフはいろんなSNSをやり尽くしていて、「また新しいツールが出てきたな」という感じだったようです。 〜若い方たちにもTUNAGを使っていただくために、どのような工夫をしたのでしょうか〜 大塚:普段からいろんな部署を繋げる存在というか、「その子がいれば明るい」みたいなコミュニケーション上手なスタッフがいて、制度のネーミングとか、説明の文言とかを考えてくれました。投稿もその子がすごく率先してやってくれましたし、おかげでTUNAGに抵抗があった人も少しずつ使ってくれるようになったんだと思います。 今となっては、引継ぎや日報、チャットなどの仕事の面での活用については、当初予想していたよりもだいぶ使っているなと感じています。私や幹部、店長クラスなど普段の業務でパソコンを触っている人たちはパソコンで見ることも多いですが、TUNAGはスマホアプリで使えるのでほとんどのスタッフはスマホで使っています。

TUNAGを導入して感じた効果

よい働きが見えるようになり、他部署とのコミュニケーションが生まれた

〜TUNAGを導入されてみて、どんな効果を実感されていますか?〜 大塚:サプライズだったり、他部署の人は知らないけれども実はいろんな手間がかかっている作業について、タイムラインの「思い出作り」の制度やチャットでリアルタイムで共有できるのは、すごく大きいことだと思います。みんながすごくいい働きをしてくれてるんですけど、それを今まで全然知らない状況だったので、知る機会ができました。 他部署の人とは普段コミュニケーションとか会話の機会があまりないんですけども、「思い出作り」の投稿にちょっとおもしろい一言があったりすると、別のスタッフが通りがかりに「昨日のあれ見たよ」と声をかけたりしていて、そういうのは求めていたことの一つですね。TUNAGに投稿すること自体が目的なのではなく、投稿をきっかけに部署を超えたコミュニケーションが増えています。 業務面でいうと、今までできてなかった細かい引き継ぎであったりとか、明日の指示であったりとか、日々の小さな業務の確認っていうのがしっかりできるようになったと思います。

お客様の喜びの声や社長の想いが、スタッフのモチベーションに

大塚:普段接客してる子たちは日々仕事に追われていて、何よりも業務優先にならざるをえないんですけど、結局うちで働いてる子たちの一番嬉しいこと、モチベーションを維持できることってお客様が喜んでいる声なので。 みんな声に出して「やったー!」とかは言わないんですけど、やっぱりアンケートを見てすごく嬉しそうな顔をしてたりとか。アンケートで素敵なコメントを書いてもらった子がアンケートの投稿で既読状態になってたりすると、喜んでるだろうなと思ったり。お客様の声を見れるのはすごくいいことだなと思います。 また、社長の声が現場の従業員に直接届くようになったこともよかったです。弊社の代表は一日のほとんどの時間を費やして炭平旅館を支えてきたような人で、そんな代表の考え方や人柄に憧れて入社してるスタッフがすごく多いんですね。炭平旅館という会社の理念にも、社長の生き様や考え方が反映されている部分があって。 事業展開していく中で社長が現場に顔を出すこともほとんどなくなり、社長の声を直接聞けるのは一部の幹部やマネージャークラスのみだったんですけど、社長が写真や動画を使いながら自身の考えだったり、今後こういうことをしていきたいという想いをさらけ出してくれるのはすごく現場のスタッフに響いていると思いますし、とても大きいなと思っています。それはTUNAGのタイムラインがあるからこそできることですね。

今後の展望・組織として目指す姿

創業者の理念を接客で体現し、チームとしてお客様の満足に取り組みたい

〜今後、炭平旅館ではどんな組織を作っていきたいと考えていますか?〜 大塚:弊社では、明治元年の創業以来受け継がれてきた創業者の理念やお客様に対する精神が数多くあるんですけども、店舗や従業員、そして部署が増えれば増えるほど、理念の浸透というのは本当に難しいと感じています。 社長が直接現場に出向いてお話する機会もなかなかありませんし、人数が少なかった頃と全く同じように理念を浸透させるというのは現実的には難しいかもしれませんが、理念について少しでも知ってもらって、その中で理念に共感して、それをお客様への接客につなげてくれる従業員が一人でも多くいてくれたらいいなと思っています。 あとは、いろんな店舗があり旅館の中にもさまざまな部署があって仕事の仕方も全然違いますが、来てくださった一組のお客様、一人のお客様を満足させることが目的であるというのは皆同じで、私たちは一つのチームであると意識付けていきたいと思います。組織が拡大していく中ではなかなか難しいんですけれども、そこは大事にしていきたいと思っています。 〜そういったビジョンを実現するために、今後どんな取り組みをしていかれる予定ですか?〜 大塚:私たちは「マルチタスク」と呼んでいるんですけど、一つの部署だけで働くことにとらわれず、いろんな部署の仕事ができるようになる。「私はここの部署だから」じゃなくて、自分の部署の仕事以外でも、お客様に必要とされている仕事とか、他の部署が間に合っていないような仕事があれば、そこに入って回していく力が本当に大切な部分だと思います。「自分は夕食の接客員だから」「フロントマンだから」ではなく、滞在中のお客様にどうしたら喜んでもらえるか。そっちの考え方にみんなでシフトしていけたらいいですね。 TUNAGでの取り組みで言うと、ずっとやりたいと思ってるのは社内表彰の制度ですね。サンクスカードを送り合う取り組みも含めて、しっかりと制度を練って運用していきたいです。 TUNAG導入の決め手 炭平旅館 〜大塚様、お話しいただきありがとうございました!〜
TUNAG お役立ち資料一覧
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