600拠点の従業員6,000名がつながる。コミュニケーション課題を解決した渡辺パイプの挑戦

建築資材の流通を行う水と住まいの事業と、農業のパイプハウスの施工販売などを行うグリーン事業を展開する渡辺パイプ株式会社。全国に約600カ所の拠点を持ち、約6,000名の従業員が働いています。
同社では、拠点間の連携不足や理念浸透の遅れなどの課題を抱えていました。各拠点間の横のつながりが希薄で、企業理念が十分に浸透していない状況を、「TUNAG(ツナグ)」でどのように解決したのか、そのユニークな取り組みについて広報・社長室グループリーダーの野呂様、担当の新井様、伊藤様(以下敬称略)に伺いました。
(取材日:2025年1月)
コミュニケーション不足とエンゲージメントの低下
「横のつながりが希薄」コミュニケーションに課題

広報・社長室 グループリーダー 野呂様
〜まず、TUNAG導入前に貴社が感じていた課題についてお聞かせください〜
野呂:一番の課題はコミュニケーション不足でした。当社の組織は縦割りになりがちで、拠点間や事業部間という横の情報連携が不足していました。
全従業員で約6,000名ですが、各拠点の人数は十数名、少ない拠点では5名程度という状況です。そのため、新しく入社した社員の中には、6,000名規模という組織の大きさを実感できず、社員同士の横のつながりの希薄さに不安を感じる人も少なくありませんでした。
離職率改善に向けたエンゲージメント施策、理念浸透の必要性
〜従業員のエンゲージメントにも課題を感じていたのですね〜
野呂:はい。毎年200名を超える従業員に入社していただく一方で、退職者も一定数おり、社員がより定着できる環境づくりが課題でした。
以前に比べればかなり改善していたのですが、更なる改善でより離職率を下げたいという思いもありました。
もうひとつの課題は、企業理念の浸透不足です。当社では毎年、方針を発信していましたが、関連するイベントや施策が不十分で、理念が組織全体に浸透しているとは言えませんでした。
既存の社内報の限界と新たなツールの検討
以前のWeb社内報ではさまざまな制約があった
〜TUNAG導入以前はどのように情報共有やコミュニケーションを図っていたのでしょうか?〜
野呂:Web社内報を運用していましたが、ログイン率などの分析が難しいという問題がありました。また投稿権限を細かく設定できる仕組みがなく、広報からの発信が中心となっていました。
新井:「Web社内報に代わるツールを」ということで、他の社内報アプリも検討しましたが、どうしても一方的な発信ツールという印象が拭えませんでした。
オールインワンでのコミュニケーションができる点が決め手に
〜TUNAG導入の決め手は何だったのでしょうか?〜
新井:社内報の機能が十分だったこと、あとはチャット機能があることです。
野呂:社内報についてはログイン率やコメント数の分析が簡単にできる点と、広報の部署以外も簡単に発信できる点が大きかったですね。
チャット機能は他のツールでも代替できますが、TUNAGは連絡手段としてのチャットがあるのはもちろん、社内報の記事発信なども含めてオールインワンのコミュニケーションを実現できる点が魅力でした。
エンゲージメント向上と理念浸透を促進するTUNAGの活用
拠点同士の横のつながりを生む「SCリレーコラム」

渡辺パイプ株式会社の実際のTUNAG画面です。「SCリレーコラム」では画像付きで拠点紹介が行われており、どんな人が働いているのか知るきっかけになっています。
〜TUNAGを活用して、具体的にどのような取り組みをしているか教えてください。〜
野呂:A拠点からB拠点へと、各拠点の営業所長がリレー形式でコラムを執筆する企画です。「サービスセンターの雰囲気を教えてください」「サービスセンターの〇〇エースは誰ですか?」などの質問に答える形で、バトンを渡す拠点や次の拠点への質問を指定して繋いでいきます。
元々、この取り組みはWeb社内報で行っていましたが、「本社からの発信ばかりでは少し一方的に感じられる」という意見もあり、TUNAGに移行しました。現在は所長自ら拠点の雰囲気やメンバーを紹介し、いろいろな人の顔が見えるようになっています。それが皆さんのコミュニケーションにつながれば、と思ってリレー形式にしました。
レク企画「TUNAG宝くじ」で全社を巻き込む
〜従業員の皆さんは、どのようなタイミングでTUNAGを見ているのでしょうか?〜
野呂:情報システム部門に依頼し、PC起動時にTUNAGが立ち上がる設定にしているので、朝に見る人が多いですね。次いで多いのが昼です。TUNAGは主にPCで利用されています。
〜多くの方にTUNAGを見てもらえるよう、レク企画も実施していると伺いました。詳しく教えてください。〜
野呂:全社員が参加できる「TUNAG宝くじ」というレク企画があります。
新井:チームで参加できるプレゼント企画のため、同期、拠点のランチメンバー、全国の事務員さん同士など、「この人とこの人、仲が良いんだ」と従業員間の意外なつながりが見えてきて面白いです。
社長の考えの発信や社内情報共有もTUNAGで

渡辺パイプ株式会社の実際のTUNAG画面です。「トップスピリッツ」では代表自ら、会社の方針や施策の目的などを従業員に発信しています。
〜理念浸透に関する取り組みや、会社からの発信もされていますか?〜
野呂:「トップスピリッツ」という社長からの情報発信コンテンツがあります。社長の考え方やマインドに関する発信が多く、従業員からはよくスタンプで反応が寄せられます。
また「本社からのお知らせ」として、スタッフ部門(6〜7部署)から福利厚生、サービスセンター開設情報、システムリリースに関する説明などの情報が投稿されています。他にも財務経理からは、よくある質問とその回答がまとめられています。業務関連の情報が多いですね。
TUNAGによる施策でコミュニケーションの創出につながる
Web社内報の効果測定がしやすくなった

〜TUNAGを活用して、どのような効果を感じていますか?〜
野呂:「トップスピリッツ」を通じて社長の人となりが伝わりやすくなったという声があります。また、以前の社内報では匿名だったリアクションがTUNAGで可視化され、従業員の反応がよく分かるようになりました。
効果計測においては、既読数だけではなくコメントなどの反応も重視するようになりました。既読数自体も大事な指標ではあるものの、投稿が偶然目に入っただけでも既読はついてしまうので、反応の数で効果を測る方が重要だと考えています。
コミュニケーション活性化を実感
〜コミュニケーションの面ではいかがですか?〜
野呂:「SCリレーコラム」を始めたことで、以前の社内報よりコミュニケーションの活性化に繋がっています。地方の拠点のコラムが掲載されると、「特定の従業員が投稿に載っている」という理由で、普段コメントしない従業員からもコメントや反応があります。
情報発信することで従業員の「顔」が見えるように
〜「本社からのお知らせ」など全社施策の理解促進の効果はいかがですか?〜
野呂:コミュニケーションの活性化という観点でいえば、いままで情報発信してこなかった従業員からの投稿があることで、例えば営業職の従業員が「本社にこんな人がいるんだ」と知る機会が増えました。従業員の可視化につながっているという点で良かったと思いますね。
TUNAGは「コミュニケーションの発火装置」

〜貴社にとって、TUNAGをひと言で表すとどんなツールですか?〜
野呂:「コミュニケーション発火装置」ですね。TUNAGに何か投稿することで、間違いなくコミュニケーションの創出につながっています。
以前のWeb社内報のときには、拠点を回っても「社内報見ました」と言われることはありませんでしたが、TUNAGに移行してからは「TUNAG見ました」「これってTUNAGに投稿したほうが良いですか?」と声をかけられるようになりました。
TUNAGによる情報発信が認知され、TUNAGで行った施策からコミュニケーションが生まれている実感がありますね。実際に離職率も改善傾向にあります。
〜これまでの効果実感を踏まえ、どのような企業様にTUNAGをおすすめしますか?〜
野呂:閉塞感を感じている企業様です。先日『エンゲージメントアワード(※1)』を受賞されていた企業様からも、これまでコミュニケーションがなかった社内でコミュニケーションが生まれたという話を伺いました。コミュニケーション不足を感じている企業こそ導入を検討してみたら良いのではないかと思います。
※1:TUNAGを運営する株式会社スタメンが2018年より開催している、エンゲージメント向上のための先進的かつ効果的な取り組みを表彰するイベント。
お客様に接するように従業員を丁寧にフォロー
1人ひとつ、責任を持ってコンテンツを担当
〜現在のTUNAG運用における役割分担はどのようにされていますか?〜
野呂:新井と伊藤の2人がメインで運用をしています。新井は登録漏れの防止やコンテンツ制作、従業員のみなさんに使ってもらえるような工夫、伊藤はコンテンツ制作を担当しながらレクリエーションも担当しています。他にもう1名、コンテンツ担当がいます。
TUNAG導入時に、なるべく管理担当者を増やさないでおこうという方針を設けました。そのうえで、担当を曖昧にするのではなく「このコンテンツの担当者は〇〇さん」というように、自分のコンテンツに責任を持って運用していく方針を掲げて運用するようにしています。
1人ひとりに向き合う丁寧なフォロー。顔写真登録率は90%以上
〜導入にあたってどのような苦労がありましたか?〜
野呂:できれば100%の従業員に使ってもらえることが理想なので、少しでも100%に近づける工夫として新井が毎月のように丁寧に従業員をフォローしてくれています。その結果として、TUNAGの顔写真の登録率が従業員全体の90%を超えています。
新井:大変だったのは本社部署の巻き込みですね。各部署がTUNAGで発信できる状態まで理解できるよう、説明会(※2)の段取りを考えました。他にも、分かりやすいマニュアルを作成したり、マニュアルを確認する時間もないほど忙しい方には対面で説明するなどきめ細やかな対応を心がけ、各部署のキーパーソンとの連携も意識しました。
あとは「継続は力なり」で、1人ひとりに向き合って、それぞれの状況に合わせたメールの案内をするなど、当社のお客様に対して接するのと同じ気持ちで丁寧に取り組んできました。
※2:TUNAGでは、全社での利用開始時に従業員の方に対する説明会の実施を推奨しています。TUNAG導入理由や、それによってどのような組織を目指すのか説明し、従業員の方の理解を得た上で、TUNAGのユーザー登録作業などを一緒に行うケースが多くなっています。
〜社内報のコンテンツ運用について、工夫していることはありますか?〜
伊藤:TUNAGに限らずですが、新しいことをやっていかなければ飽きられてしまうと思うんです。コンテンツにしても、社内で開催するレクリエーションにしても、自身の経験や好みを活かしてアイディアを創出していますが、常に新しいものを生み出し続けるのは大変ですね。
野呂:ただ、TUNAGはカスタマーサクセス担当者が様々な企業様のTUNAG活用事例を知っているので、経験に基づいたアドバイスをもらえてありがたいです。「こんな企画をやってみました」と報告したときも、さまざまな意見を返してくださるので非常に助かっています。
自発的なコミュニケーションを巻き起こし、エンゲージメント向上を
熱い想いを胸に秘めた情熱的な組織に

〜今後、貴社が目指す組織のあり方についてお聞かせください〜
野呂:当社について「どんな会社ですか?」と聞かれた際、多くの従業員が「人が優しく、あたたかい会社」と答えるんです。一方で、「少しシャイな人が多い」という話もよく聞きます。
「あたたかい」という点そのままに、もっとパッションを前面に出して物事に取り組むような、情熱的で熱い想いを内に秘めた組織にしていけたらと思っています。
称賛文化を定着させ離職率のさらなる改善へ
〜TUNAGを通じて実現したいことはありますか?〜
野呂:最近、ある従業員から「個人的にクラウドファンディングをしているんですが、それってTUNAGに投稿しても良いですか?」という問い合わせをもらいました。今後はこうした業務外のことを自由に発信できるコンテンツを作りたいですね。
業務内外を問わず、従業員が主体的な発信、投稿ができ、それに皆が反応してくれる。そのような活発なコミュニケーションが生まれる会社であれば、少なくとも横のつながりが原因で辞めてしまう人は減らせるのではないかと考えます。
また、理念浸透に力を入れたいと考えています。先ほどの「情熱的な組織」につながる話なのですが、従業員には常に夢を持ち、未来に向かって歩んでほしいと願っています。その実現に向け、新井と伊藤がチャレンジしてくれているのが、称賛文化の浸透です。称賛文化やエンゲージメントの向上を強化し、さらに社員が定着する環境作りへ繋げたいと考えています。
〜野呂様、新井様、伊藤様、お話いただきありがとうございました!〜

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