事実だけでなく“想い”を込めた発信にこだわるディップの社内施策。「全員に栄養が届けば、もっといい会社にできる」

会社名:ディップ株式会社 従業員規模:1,001名〜 事業内容:求人広告事業・人材紹介事業など 会社HP:https://www.dip-net.co.jp/
▼POINT 課題:会社の考えや他部門のことが見えづらかった 課題:他部門や他部署とのコミュニケーションが希薄 運用:“経営陣”の考えや想いを知る取り組みの実施 運用:情報だけでなく、想いを添えた投稿 効果:全社の7割以上が経営陣の発信を閲覧 効果:アンケートでは4人中3人がTUNAGを通じて好影響を受けていると回答
ディップ株式会社様は、『バイトル』や『はたらこねっと』をはじめとした、アルバイト・派遣・正社員のお仕事情報、看護師の人材紹介サイトを運営しています。 “自らがdipを創る”というスピリットのもと、より良い仕事の実現を目指して一人ひとりが自分の可能性を伸ばし、約2,000人規模の大企業となった今でも、「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念の元、成長を続けています。 人事本部 人材開発室のシニアマネジャーである上野様は、約10年で社員が5倍に増え、拠点も全国に広がり、急成長する中で、徐々にディップらしい組織風土を継承することの難しさを感じていました。 現在は、TUNAG(ツナグ)を約2,000人全員に導入し、タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションを活性化する施策を実施されていますが、週間で8割ほどのログイン率を継続的に維持し、全国各地で働く従業員同士をつなぐため、推進チームのみなさまで熱意を持って推進してくださっています。 結果、2018年の『TUNAGエンゲージメントアワード2018』では、総合グランプリ「Engagement of the Year」を受賞されました。 今回はTUNAGの推進を担当している上野様、中島様に、タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション促進やディップらしい組織風土づくりのためにどのような仕掛けを行っているのか、その取組内容や感じた効果についてお話を伺いました。 →「3分でわかるTUNAG」 資料ダウンロードはこちら

導入する前に課題に感じていたこと

会社の考えや他部門のことが見えづらい、組織シナジーが生まれづらい

※左から、中島様、上野様 〜課題に感じられていたことを教えていただけますでしょうか?〜 上野様(以下敬称略):みんなが同じオフィスにいた昔はお互いの仕事ぶりを良く理解できていましたが、拠点が増え事業が成長し、従業員が増えていくに連れ、徐々にコミュニケーションが難しくなってきました。 ここ最近では毎年新卒社員が300人ほど入社しますので、若手にとっては特に、どの部門が何をしているのか把握しづらくなり、「経営陣や他部門が何を考えているかもっと知りたい」という人が増えていたと思います。 経営陣からも同様に、「組織シナジーをもっと生みたい」という声が挙がっていました。

同じ資質を持つ社員でも、環境の違いで成長に差が出ている

上野:また、同じ会社で同じ仕事をしていても、“前向きに取り組める人”と“そうでない人”の差が出ていることに気づいたのですが、スタンスや能力など、本人の資質の問題にしてしまってはいけないと感じていました。 〜現場の社員自身の問題ではないということでしょうか?〜 上野:そうですね、大変なことがあっても前向きに取り組めている人は、つながっている人の関係性や情報がタテ・ヨコ・ナナメに豊かなように思います。 一方、中には関係性や情報が限定されやすい人もいました。そのような環境の差から、入ってくる情報の量や質に差が生まれると、結果、活躍や定着にも影響が出るように思ったんです。 会社としてもっとその情報の差をなくす努力が必要だと感じました。 中島様(以下敬称略):現場の方にヒアリングすると、みんな日々とても忙しいんですよね。自分の目の前の仕事が優先度としては第一になるので、自分の範囲外で起こっている社内のことには目を向けにくく、情報も拾いにくい状況にありました。 そういった情報格差を無くすことで、もっと良い仕事が生まれるのではと思ったんです。

TUNAG導入を決めた理由

TUNAGのコンセプトが「エンゲージメント向上」であったこと

〜たくさんのツールと比較検討されたと思いますが、TUNAGを選んだ理由は何なのでしょうか〜 上野:コミュニケーションをとるためのツールはたくさんあります。その中で、TUNAGのコンセプトが「エンゲージメント」というところにあるのが面白いなと思ったんです。 また、他のツールと比較して、すごく自由が効くんですよね。自社の課題に沿ったメニューや制度の設計・運用が自由にカスタマイズできるというところは特にそうです。 TUNAG自体も機能がどんどんバージョンアップしていますし、その開発における理念、「エンゲージメントの向上」が、弊社が求めるところと同じだったというところはありますね。 「一緒にいい会社を創っていこう」という点で、信頼できたところが大きいです。 〜実際に他のツールと比較されたのでしょうか?〜 上野:そうですね、当時は他のツールも全部調べました。過去に一部の部署で使われていたツールもあったのでヒアリングしたのですが、「最初は良かったけど、だんだん数字や業務の話ばかりになってうまくいかなくなって」と聞きました。 単純に言葉をやりとりするツールだけでは、課題解決につながらないなと思いましたね。あとは、2,000人という規模で運用できるか、というところも注意して比較しました。 〜2,000人の規模でイメージできるかどうかは、カスタマイズ性などが求められていたのでしょうか?〜 上野:そうですね、複数のメニューを推進する上で、それぞれどういう内容で誰に利用してもらうかを管理画面で詳細に設定できるところが大きいです。 他のツールは割と仕様が決まっていますので、そこに合わせなければならないのですが、TUNAGはフリーですよね。 〜導入前からすでに社内報サイトや、各部門からのメール発信などがあったと思いますが、そこの棲み分けはどうされたのでしょうか?〜 上野:もともとは社内で閲覧できる社内報のサイトがありました。もっと日常的に見てもらえる場所にするために、TUNAGの中の1メニューとして社内報機能を移管したのは大きいですね。 各部門からのメールやお知らせが分散され、見落としがちだった情報をTUNAGを中心に置いて整理していくというところを積極的に進めました。

TUNAGの活用方法・取り組み施策

“経営陣”の考えを知ることができる取り組み「TOP ANSWER TALK!」などの企画を実施

〜実際の運用について聞かせてください。ディップ様は、会社のことを理解するための仕組みをたくさん行われていますよね?〜 上野:現場からの意見の一つとして、「経営層の考えや人となりをもっと知りたい」という声がありました。 所属している事業部の戦略などは日常のキックオフなどで聞く機会があるのですが、自部門以外の経営層がどんな人で、どんな想いを持っているのかはなかなか耳に届きづらい。 そこでまずは組織のトップがどんな人かを知ってもらうことで、会社と従業員のエンゲージメントを高めたいと思いました。 ただし、一方的なお説教が聞きたいわけではありませんので、社員の聞きたいことにトップが答えるという、「TOP ANSWER TALK!」という形にしました。 ※TOP ANSWER TALK!・・・経営陣のみなさんからのメッセージを定期的に配信するメニュー。現場からの質問に対して時にはフランクに、時には熱く回答しています。 〜経営陣のオリジナルスタンプもありますよね!〜 上野:TUNAGのカスタマーサクセス担当の方から教えてもらって作りました。運営チームで写真を撮って、背景を切り取って地道にフリー素材とパワポでがんばって作りました(笑) 中島:新卒メンバーでも役員のスタンプを気軽に使っています。季節もののクリスマスのスタンプを作ったり、隠れスタンプを入れたり、楽しんでコメントをしてもらえるような工夫もしています。

相互理解を深めるため、事実だけでなく、「想い」を一緒に投稿することを必須条件に

〜各スタッフ部門からの情報発信もありますが、こちらは各部署から発信されていますね〜 上野:そうですね、営業部門とスタッフ部門は拠点が離れていることもあり、お互いの仕事に対する想いや頑張りをあまり知らないという課題がありました。 相手のことを知らないと、時に一部の情報から誤解を持って接してしまうこともあったと思うんです。部門を越えて事業成長につながる連携をしていくには、そういった組織風土から変えていかなくてはいけない。 連携を叶える前に必要な“相互理解”を深めることで改善したいと思い、スタッフ部門から「ニュースヘッドライン」という情報発信をしてもらうようにしました。 〜今まではそのような発信はされていなかったのでしょうか?〜 上野:事実ベースでの発信はあったのですが、なかなか背景や想いが見えてこないという課題がありました。そこで、少し手間はかかるのですが、TUNAGに移行してからは各部門の方に自ら投稿内容を考えてアップしてもらっています。 その時にお願いしたのは、「事実だけ」を発信するのは止めましょうということ。読み手が自分の仕事と結びつけながら共感して読めるように、何を目的に、どういう“想い”があっての活動なのかを一緒に伝えてほしいとお願いしました。 “想い”が伝わらないメッセージなら、逆に発信しないで欲しいと伝えたくらいです。そこは推進チームのメンバーが一人ひとりに直接話しに行ってくれましたね。 30分でも対面で話をして、目指すゴールに理解・共感をしてもらって、「やりたい」と思ってもらえるように説明をしていきました。 自分たちの仕事を現場にきちんと届けることはとても大切ですし、結果、自分たちの仕事がよりやり易く、そしていい仕事になっていくと思うんです。 〜タイムラインの投稿も定期的に、時間を決めて行われていますよね〜 上野:TUNAGのカスタマーサクセス担当の方にアドバイスいただいたんです。「TOP ANSWER TALK!」は定期的に発信するコンテンツですので、曜日と時間を固定して、ルーティンとして認知してもらえるようにしています。 社内報や各部門からのニュースヘッドラインなども、1日あたりの情報量や中身のバランスに気をつけてコントロールしています。例えば、連日社内報の投稿ばかりに偏ると、「人事からのメッセージばかりだな」と受け取られてしまうかもしれません。 ですので、社内報、各部門の発信、現場からの発信、経営陣のメッセージ……と、月間でおおまかにスケジュールを立てて運営しています。 こだわっているのは、情報の頻度と質が一定に保たれることです。毎日、仲間からなんらかの新しい情報が、適切な量で流れてくる。そのバランスが、「また明日も見よう」という興味につながると思っています。

TUNAG導入後の効果

現場の社員から、「元気がでました」「頑張ろうと思えました」という声が届くようになりました

〜導入後の効果はいかがですか?〜 上野:定量と定性どちらも反響が聞こえてきていますね。個人的なエピソードなんですが、嬉しかったできごとがあります。 先程もお話した、「役員陣のオリジナルスタンプ」を追加した時に、営業現場のある女性からメールが届いたんです。 「TUNAGを見て笑えました」って。「最近仕事が大変で悩んでいたのですが、役員の方のスタンプを見て、なんだか笑えてきちゃいました。お客様のために今日も頑張って商談に行ってきます!」という連絡だったのですが、元気になってくれた仲間がいることが、とても嬉しかったですね。 〜それは面識のある方からの連絡でしょうか?〜 上野:いえ、話したことは少ない遠方のオフィスのメンバーでした。他にも、「ディップって結構いい会社ですね」「上の人って熱いんですね」「現場もみんな頑張っているんだな」というような声が届きました。 私が実現したかったのは、TUNAGを見たら元気がでる、いい仕事をしよう、頑張ろうと思える。そういう場づくりでした。少しずつみんなを励ますことにつながっているのかなと感じるリアクションが届いていますね。

全社の7割以上が経営陣の発信を閲覧、好影響を受けていると回答

中島:導入後半年が経過した時に、TUNAGについての全社アンケートを行ったのですが、約半数の人から回答があり、経営陣のメッセージはその内7割以上の従業員が「読んでいる」と回答しました。 TUNAG上でも既読数は確認できますが、それぞれのコンテンツについて改めて聞いてみると、人気のコンテンツについても分かってきました。 〜社内報では、特に人事本部統括責任者の方が発信している「鬼頭さんのお悩み相談寺」の人気がありますね!〜 ※鬼頭さんのお悩み相談寺について・・・社内報コンテンツ「Enjoy dip!」の中にある人気コンテンツ。現場からの匿名のリアルな相談に、納得感のある回答を丁寧にしてくださることから、非常にファンが多いそうです。 中島:これはTUNAGだからこそできたコンテンツですね。実際に鬼頭も現場社員から声をかけられることも多いそうです。 TUNAGのアンケートでは、「4人中3人がTUNAGを通じて好影響を受けている」という結果が出ており、「今まで知ることができなかった他部署のいいところや自分の見えている範囲外のことに関心がむくようになってきた」「経営層の想いや人生経験を聞いて身近に感じることができた」などの声をもらっています。 もちろん、全員の回答ではありませんので一部の声ではあるのですが、現場の声や温度感を大切にしながら運営していきたいと思っています。

今後のTUNAG活用で考えていること

コミュニケーションの創出から、イノベーションにつなげる

〜相互理解のためのきっかけが生まれてきていると思いますが、今後はどのようなことを考えているのでしょうか?〜 中島:TUNAGで得た情報が新たなコミュニケーションをとるきっかけになったという声は聞きますが、もっと部署を越えたイノベーションを起こしていきたいですね。 上野:先日、アンケートで「ディップらしい自由闊達な組織風土を育んでいくべく、自分も関わりたい」と感じている人を何名か集めて、「ツナグバ」という試みを実施しました。 あるテーマに合わせて新卒社員からベテラン社員までシャッフルして議論する時間をリアルの場で作ったのですが、「他部署のことをもっと知るために〇〇したい!」「もっと連携するために〇〇してはどうか?」など、たくさんのアイデアを共有できたんですよね。 そういった現場を巻き込んだアクションをもっと増やして、TUNAGでも発信していきたいですね。 VUCAと呼ばれる今の時代は、ある単一の事業部だけで何かを進めるというより、職種や部門を越えて多様な価値観を持ち寄り、互いの力を発揮して連携することで新しいイノベーションを起こしていかないと、持続的な成長が難しいと思います。 そういう機会が「あったらいいよね」ではなく、会社の成長戦略にのせて推進していけるように、TUNAGをもっと活用していきたいと思っています。

現場の社員全員に、等しく栄養が届く会社にしたい

上野:人事って、ともすると組織の課題やマイナス面に目がいきやすいのですが、それも大事である一方、もっと現場にある「いいところやいい兆し」を拾っていきたいと思っています。物事って、どう見るかは受け取り側によって変えられます。 TUNAGでは、会社や現場のいいところ「キラキラしたところ」を共有することが多いので、なかには「かっこよすぎない?」と受け取る人もいるかもしれませんが、そういうキラキラしたものをきちんと見せていくことも大事だと思うんですよね。 もちろんいいことしか言えない場所にはしたくないので、「ぶっちゃけ本音座談会」などの等身大のコンテンツも入れていますが。 社内報をはじめ、色々な情報を共有してみんなに働きかけると、やはり考えが深まったり視野が広がったり、気持ちがぐっと引き上げられると思うんです。 ぶっちゃけ座談会・・・社内報「Enjoy dip!」のコンテンツの一つ。率直な考えやリアルな本音を座談会形式で掲載したところ、「こういうこと言っても良いんだね!」という反響が多くあったそうです。 中島:もともと、“結集力”や“前向きさ”があるディップの社風からして、TUNAGで行っていることに対してネガティブにとらえている人は少ないなと感じています。 アンケートに回答してくれた社員にヒアリングした時も、「もっとこんなことがやりたい」「業務を超えて、もっとこういう場がほしい」という意見をもらいましたので、現場の意見を地道に拾い、アクションしていくことを進めていきたいと思います。 上野:ディップにいるみんなは、もともと誰かのために一生懸命になれる人が多く、お互い牽制したいわけでも、下を向きたいわけでも無いと思っています。 ただ、会社の規模が大きくなるにつれて、情報が不足することから、時に頑張るための栄養が足りなくなることがある。着火剤は持っているのに、火がついていない……というイメージでしょうか。 全社のいろいろなところで“いい仕事・いい取り組み”をしている仲間にきちんとスポットを当てながら、手をかけ心をくだいて、全員に栄養が届く環境を全社のみんなと創っていきたいと思います。 〜上野様、中島様、お話いただきありがとうございました!〜 2,000人を超える大企業でのTUNAGの運用は、むやみに情報が発信されることに対するリスクなど、ネガティブな要素もありますが、社員のみなさまが工夫しながら運用されていました。 特に、タイムライン上でどういった世界観を出していくのかという点でのこだわりには、推進チームの「いい会社づくりをしたい」という強い想いを感じました。 TUNAG上では、こういった情報発信の頻度、濃淡、必読機能など、会社と従業員、従業員同士の相互信頼関係構築のために必要なオリジナルの機能があります。他社様の運用事例から、具体的な活用方法を定期的にご案内し、エンゲージメント向上の支援を行っています。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。
▼『TUNAG』について 『TUNAG』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。
TUNAG お役立ち資料一覧
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