在宅勤務によるストレスの原因と3つの解決策

政府による働き方改革の促進と新型コロナウイルス感染拡大防止の影響により、急速に普及したオフィスに出社せずに自宅で働く在宅勤務という働き方。

内閣府が令和5年4月に発表した資料によると、在宅勤務実施率は全国平均で30.0%となっており、東京23区だけに限定すると51.6%という結果になっています。前回6月の調査と比べると全国平均は減少していますが、東京23区の在宅勤務実施率は増加しており、多くの企業が在宅勤務を実施しているということが分かります。

ポストコロナ時代の新しい働き方として高い注目を集めている在宅勤務ですが、その一方で、従業員がオフィスに通勤していた時とは違うストレスに悩み、それが原因で企業の生産性が落ちてしまうという問題も浮き彫りになりました。

この記事では、在宅勤務によるストレスの原因と、企業がその問題を解決するために取り組むべき解決策を紹介していきます。現在、在宅勤務をしている従業員のケアに悩んでいる方、または今後の導入を考えている方は、ぜひこの記事を参考にして下さい。

社内ポータル・SNS「TUNAG(ツナグ)」が3分で分かるサービス資料はこちら

在宅勤務のストレスの原因

労働人口が多かったかつての日本企業は採用を最重要視し、一括採用によって優秀な人材を大量に確保することが可能でした。しかし現在は少子高齢化の影響で労働人口が減少し、優秀な人材を大量に確保することは困難な状況です。

「企業は人なり」という言葉がある位、企業にとって従業員は何よりも重要な欠かせない存在です。どれだけ良い商品やサービスがあっても、会社の理念やビジョンに賛同して現場で働いてくれる従業員がいなければ、企業の業績は伸びません。

在宅勤務により従業員がどのようなストレスに悩んでいるのか、まずはその原因を詳しく紹介していきます。

気軽なコミュニケーションが取れない

従来のオフィスでみんなで集まって働く環境ではない在宅勤務では、同僚や上司に気軽に報告や相談をすることができません。前述した内閣府が発表した資料でも、在宅勤務の不便な点としてコミュニケーションに関する以下の問題が多く挙げられています。

  • 社内での気軽な相談や報告が困難⇒36.0%
  • 画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス⇒30.2%
  • テレビ通話の質の限界⇒21.1%

今までは社内で何気なく行っていた相談や報告が気軽にできなくなり、画面を通じた情報のみしか基本的には得ることができないため、コミュニケーションが不足してストレスを感じてしまうという悩みが挙げられています。

これらは、従来のオフィスにみんなが集まって仕事をする時には発生しなかったストレスなので、在宅勤務特有の問題点であると言えます。

▼関連記事

孤独感

従来のオフィス勤務では、同僚や上司、クライアントと対面で会話する機会が多く、仕事以外の話題も交わされていました。このような日常的な対話が、重要なコミュニケーション構築の一部となっていました。

在宅勤務が増えて孤独を感じるという悩みが多いのは、人と接する機会が極端に減ったことが大きな原因です。

孤独感を抱えながら仕事をしていると、従業員のメンタルは悪い方向へ向かう可能性があります。最悪の場合は心の病にかかり、鬱症状で仕事ができなくなり長期離脱を余儀なくされるというケースも十分に想定できます。

家族やパートナーが近くにいれば、極端な孤独感にさいなまれることなく仕事に集中できるかもしれません。しかし、単身者は在宅勤務が続けば誰とも話さない期間が伸びていきますので、従業員の心の健康を守るためにも、この点は早急な改善策を要する必要があります。

オンとオフの切り替えが難しい

在宅勤務では仕事とプライベートのオンとオフの切り替えが難しく、それも従業員が感じるストレスの大きな原因になっています。

従来の働き方の場合、オフィスにいる時は仕事に集中して、仕事が終わって自宅に戻ってきたら仕事はしないというオンとオフの切り替えが容易にできました。しかし、在宅勤務の場合は仕事もプライベートも過ごす場所が同じ自宅なので、家でゆっくりしていても仕事のことが気になってしまうことがあります。さらに、仕事中にもかかわらずその他のことに気を取られてしまうこともあり、オンとオフが混同してしまいがちです。

いつでも気付いた時に仕事ができる環境にある在宅勤務は、際限なく仕事をしてしまう従業員も多くいます。その結果、時間外労働が増えてしまい、プライベートな時間が少なくなることでストレスが溜まってしまいます。

社内ポータル・SNS「TUNAG(ツナグ)」の3分でわかるサービス資料はこちら

在宅勤務でストレスを感じやすい人の特徴

リモートワークは、すべての人がストレスを感じるわけではありません。むしろ、オフィスに出社していたときよりもリモートワークが快適だと感じる人もいます。では、どのような人がストレスを感じやすいのでしょうか。ここでは、ストレスを感じやすい人の特徴を解説します。

コミュニケーションが苦手な人

在宅勤務では、対面でのコミュニケーションが少なくなるため、コミュニケーションが苦手な人は特にストレスを感じやすいです。メールやチャットでのやり取りが増えると、意思疎通がうまくいかず、誤解が生じやすくなります。さらに、質問や相談が気軽にできない状況が続くと、不安や孤独感が増してしまいます。

仕事とプライベートの切り替えが難しい人

自宅での勤務は、仕事とプライベートの区別がつきにくいことが多いです。仕事時間と休憩時間の境界が曖昧になりがちで、結果として常に仕事のことを考えてしまうため、リラックスできないことが多いです。このような状況は、精神的な疲労やストレスの原因となります。

社会的な孤立感を感じやすい人

在宅勤務では、職場の同僚や上司と直接会う機会が減り、社会的な孤立感を感じやすいです。特に、一人暮らしの人や日常的にあまり外出しない人は、この傾向が強くなります。孤立感が強まると、仕事へのモチベーションが低下しやすくなり、ストレスが増加します。

作業環境が整っていない人

在宅勤務を快適に行うためには、作業環境が重要です。適切なデスクや椅子がない、インターネット接続が不安定、周囲の騒音が気になるなど、作業環境が整っていないと、効率的に仕事を進めることが難しくなります。このような状況は、集中力の低下や疲労感の増加につながり、結果としてストレスを感じやすくなります。

在宅勤務によるストレス予防法

休憩時間をしっかり取る

在宅勤務中は、ついつい休憩を忘れてしまうことがありますが、定期的に休憩を取ることが大切です。短い休憩を挟むことで、集中力を維持し、生産性を向上させることができます。1時間ごとに5分程度の休憩を取ることを意識しましょう。

また、在宅勤務ではデスクワークが中心になりがちですが、適度な運動を取り入れることも重要です。運動はストレスを軽減し、集中力を高める効果があります。簡単なストレッチや散歩をすることで気分転換が図れ、健康維持にも役立ちます。

仕事と家庭のスペースを分ける

在宅勤務では、仕事と家庭のスペースを明確に分けることが重要です。専用の作業スペースを設けることで、仕事とプライベートの切り替えがスムーズになります。作業スペースは静かで、集中できる環境を整えることが理想です。

さらに、在宅勤務が難しい場合や集中できない場合には、コワーキングスペースの利用もおすすめです。コワーキングスペースは、快適な作業環境を提供し、他の働く人々との交流も可能です。これにより、適度な社会的接触が得られ、孤独感を軽減することができます。仕事と家庭のスペースを分けるために、コワーキングスペースを利用するのは効果的な方法です。

生活リズムを一定にする

在宅勤務中でも、生活リズムを一定に保つことが大切です。規則正しい生活を送ることで、身体のリズムが整い、ストレスの軽減に繋がります。毎日同じ時間に起床し、就寝することを心がけましょう。また、食事の時間も一定に保つことで、体調管理がしやすくなります。

在宅勤務による従業員のストレスを解消する方法

従業員のメンタルケアは企業にとって重要な施策であり、ストレスを感じずに快適な労働環境を構築することで、企業の生産性も上がります。

ここからは、この記事で最も伝えたい部分である、従業員が在宅勤務で感じるストレスを解消する方法を紹介していきます。

コミュニケーションツールの導入

コミュニケーション不足によるストレスは、社内共有ツールの導入で解決できます。

顔と顔を合わせて会話をすることができない環境だからこそ、オフィス内で共に仕事をしている時以上に密なコミュニケーションを交わす必要があります。コミュニケーション不足による伝達ミス、企業のビジョンを共有できていない、認識のズレなどは仕事に支障をきたす可能性が十分に考えられますので、密なコミュニケーションを取り生産性を向上させましょう。

社内で共有のコミュニケーションツールを導入することで、以下のメリットを得られます。

  • コミュニケーションの場を作ることで社内に一体感が生まれる
  • 明確な目標を可視化することで皆が同じ目標へ進んでいける
  • 気軽に会話や相談ができる場を作ることでひとりで悩みを抱えることがなくなる

コミュニケーションツールを導入して従業員同士が会話できる場を作り、明確な目標を可視化することで在宅勤務でも従業員のモチベーションを上げることが可能です。

企業のビジョンを共有できれば一体感が生まれ、従業員が仕事へ取り組む姿勢にも変化が見えてくるでしょう。

弊社が提供するエンゲージメント経営プラットフォーム『TUNAG(ツナグ)』は、現場で働く従業員の行動や頑張りを可視化することで、自然と従業員同士の理解と共感を強め、一体感を高める仕組みをつくることができます。

気軽に顔と顔を合わせることができない環境だからこそ、他の人が今何をして何を頑張っているのかを可視化することは、コミュニケーションが不足しがちな在宅勤務に最適であると言えるでしょう。

顔を見ながら雑談する時間を設ける

在宅勤務による孤独感を解消するために、社内で時間を決めて、みんなで仕事の話ではなくただ単純に雑談するだけの時間を設けてみましょう。

在宅勤務中も朝礼や会議などで顔を合わせているという企業は多いかもしれませんが、雑談の時間を設けている企業は少ないはず。前述した気軽にコミュニケーションを取れる場を提供するのも孤独感を解消する方法ではありますが、顔を見ながら会話をする機会を定期的に作ることで、さらに従業員の孤独感を解消するための手助けができるはずです。

例えばオフィスで仕事をしていた時は、休憩時間中は仲間と共にランチを食べ、その時にたわいもない会話で盛り上がることも多かったはずです。そういった時間が在宅勤務の場合はなくなってしまいますので、社内の士気を上げるという意味でも、仕事以外の時間で顔を合わせて会話をする機会は必ず作るべきです。

従業員の勤怠を管理しなければいけない役職の方は特にこの点に注目し、従業員が孤独感に悩まされている可能性があるということは頭の片隅にでも必ず置いておきましょう。

労務管理を徹底する

企業がきちんと労務管理を徹底することで、従業員はオンとオフの切り替えができるようになります。

労務管理とはサボっている人を監視するという目的だけではなく、働き過ぎている人に休憩を促したり、溜まっているタスクを他の人に振るなどして、従業員がオンとオフをきちんと切り分けられる環境を作ってあげるという意味合いも込められています。

具体的には、以下の取り組みをおすすめします。

  • 就業時間と休憩時間の境界を明確にする
  • 目に見える結果を出さなければいけないというプレッシャーから解放してあげる
  • 従業員同士が抱えているタスクを把握できるようにする

在宅勤務の場合、就業時間と休憩時間の境界が曖昧になっている時が多いのですが、これは必ず明確にして下さい。

在宅勤務は目に見える結果を出さなければサボっていると思われるというプレッシャーを従業員は少なからず感じていますので、休憩時間を取らずに働き過ぎてしまうという方も多くいます。長時間労働は心と体を疲弊させ、従業員の疲弊は生産性の低下へと繋がります。

従業員同士が抱えているタスクを把握できるようにしておけば、誰がどんな作業をしているのかが分かり、どこが今忙しいのかも分かります。在宅勤務では分かりにくい部分をきちんと企業が分かりやすくしてあげることで、これらのストレスを解消することができるでしょう。

まとめ

在宅勤務で従業員が抱えているストレスの原因と、それを解消するための解決策を紹介してきましたが、参考になりましたか?ストレスを抱えながらの仕事は生産性が悪く、従業員に心地よい環境で働いてもらうためには在宅勤務でも快適に働ける環境を企業が作らなければなりません。

従業員が抱える大きなストレスの原因であるコミュニケーション不足や孤独感は、弊社が提供する『TUNAG(ツナグ)』を導入することで解決へと導くことができます。

エンゲージメント経営プラットフォームのTUNAG(ツナグ)は、組織が目指す姿を社内制度という形で現場に浸透させることができ、従業員の行動や反応をリアルタイムで見えるようにすることで、コミュニケーション不足と孤独感を解消します。

TUNAG(ツナグ)を使えば経営陣と従業員の距離が縮まるだけでなく、従業員同士の距離も縮まりますので、在宅勤務で離れて働いている人同士でも一体感が生まれ、作業効率を格段に上げることができるでしょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

働き方改革」の他の記事を見る

TUNAG お役立ち資料一覧
TUNAG お役立ち資料一覧