ミスマッチが起こる理由は?離職を防ぐには採用時と入社後のフォローがポイント
企業における「ミスマッチ」とは、会社と従業員や会社と求職者の間で認識のずれが生じることを意味しており、これにより採用が進まなかったり、早期離職者の増加などを引き起こすきっかけにもなり得ます。
ミスマッチをできる限り減らすために、施策や自社でミスマッチが発生してしまっている要因を考えて実践してみるも、なかなか効果があらわれずお悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では、ミスマッチが起こる主な原因を踏まえた上で、ミスマッチを防ぐための施策を、採用(入社前)と定着(入社後)の双方から解説していきます。
ミスマッチの意味
釣り合わないこと・ズレていること
ミスマッチ(mismatch)とは、釣り合わないこと、または釣り合わないもの同士が結びついていることを指します。洋服の組み合わせがうまくいっていないことを「ミスマッチ」と言ったり、普段の会話の中でもよく使う言葉の一つですね。 今回こちらで紹介する場合の意味は、人材に関する「ミスマッチ」です。ミスマッチが原因で会社を辞めたということを耳にすることがあるかもしれません。そのような場合につかう「ミスマッチ」について解説しています。アンマッチとの違いは「組み合わせているかどうか」
ミスマッチに似た言葉にアンマッチ(unmatch)がありますが、アンマッチは「一致していないこと」を指しています。すでに組み合わせた結果、「合わないな」と感じるのが「ミスマッチ」、組み合わせようとしたがそもそも「合わない」のがアンマッチになります。企業で起こるミスマッチとは
求人内容に見合う求職者が現れず、採用できないこと
企業が求人をしていても、その仕事内容に必要なスキルや能力、その他勤務地などの働くうえでの条件面で求職者との希望が合わず、採用に至らないケースのミスマッチがあります。 この場合に生じる失業率を「ミスマッチ失業率」といい、完全失業率の中にも含まれています。入社後に仕事内容や条件面で折り合わず、早期離職してしまうこと
採用後に、会社が求めていたスキルと本人のスキルが合わない、また、本人が会社に対して認識していた仕事内容と合わないなど、入社後にギャップが生まれることにより、早期離職につながってしまうケースのミスマッチです。 離職理由としては、企業の努力によって避けることが可能なものであるため、現在様々な企業が早期離職を防ぐために様々な施策を行っています。エン・ジャパン株式会社の調査によると、若手転職者の4人に1人は入社後にギャップを感じているなど、入社前との違いを感じる方の割合は多いといえるのではないでしょうか。 参考:「入社後のギャップと満足度」実態調査2018ミスマッチが起こる原因
自社の良いところ、メリットしか伝えていない
企業側で採用活動している場合、「できるだけ早くいい人を採用したい」と焦ってしまうことがあります。また、新卒採用では、優秀な人材を早く確保したいという気持ちから、「弊社はいい会社ですよ!」という点ばかりを強調し、候補者を口説くことばかりに夢中になってしまいがちです。 応募者はそのメリットだけを聞くと、入社前の期待が大きくなり、入社後のちょっとしたことやマイナスなできごとに対して大きくギャップを感じてしまい、そのストレスから離職につながってしまうことがあります。相手のスキルや経歴、経験を見極められていない
求めるスキル応募者のスキルがマッチしていなければ、入社後お互いが不幸になってしまいます。明確に求めるスキルを設定し、相手がそのスキルを持っているのかを確認しなければなりません。履歴書に書かれた学歴や社歴、資格などだけで判断せず、具体的に確認することが必要です。 また、面接官によって面接スキルが異なり、「良い」と評価するポイントが異なることもあります。特にたくさんの学生と接する新卒採用では、関わる面接官も多いためこのような面接官による評価のばらつきが起きやすくなります。入社後のフォローができていない
労働政策研究・研修機構の調査によると、離職の理由にあげられているのは「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」「人間関係がよくなかった」「仕事が自分に合わない」が上位となっています。 労働時間や休日などの待遇面は、入社前に明らかにできるものですが、人間関係や仕事が合わないという点は、入社するまで分からないことも多いでしょう。そのため、入社後に定期的なフォローを行い、本人がギャップを感じていることや悩みが無いかをヒアリングしたりアンケートで調査するなどの取り組みがおすすめです。 新入社員向けには、メンター制度、ブラザーシスター制度などが早期離職を防ぐために効果的という事例もあります。 参考:早期離職とその後の就業状況 -労働政策研究・研修機構- 【関連記事】 社員の離職を防ぐ「リテンションマネジメント」の施策とは? 〜青山学院山本教授インタビュー(前編)〜 社員の離職を防ぐ「リテンションマネジメント」の施策とは? 〜青山学院山本教授インタビュー(後編)〜ミスマッチを防ぐためには?
[採用時] 企業のありのままの情報を伝える
企業のいいところだけを伝えるのではなく、すべてをオープンにする必要があります。ネガティブな情報も含めて知ってもらうことで、「応募をやめておく」という判断を応募者にしてもらうことも重要です。 例えば、実は転勤が頻繁にあることを伝えず、入社してから転勤を言い渡され、そこで退職……というケースは、事前に防ぐことができるはずです。そのような情報を事前に知っておけば、「事前に聞いていたな」と、本人も受け入れやすくなります。[採用時] 求める人材の内容をできる限り言語化する
面接官の評価にばらつきがでないよう、どういうスキルがあり、どういったマインドの持ち主が良いのか、なるべく具体的に言語化して面接官に共有しましょう。できるだけ現場と価値観や認識をこの時点で合わせておくことが重要です。 また、言語化しておくことで、「これは面接だけでは判断が難しいので、適性診断をしよう。」「現場のスタッフも同席してもらおう」など、採用フローも改善が進みます。 これは採用時だけではなく、入社してからも「どんな人になってほしいのか」という点は継続して伝え続ける必要があります。行動指針や評価基準などに明確に表現しておきたいですね。[採用時] 短期的なインターン勤務やアルバイトを受け入れる
面接という限られた時間では、良い判断ができるか分かりません。企業にとって良い人だと確信があっても、応募者が入社後に離職に至るほどのギャップを感じてしまったらその採用は失敗なのです。 それを防ぐ方法としては、短期間でのインターン、アルバイトなどで実際に業務を行ってもらうことです。1週間〜1ヶ月など、短い時間だとしてもお互いにとってイメージがわきやすいのではないでしょうか。[入社後] 普段から従業員の意見を聞いたり、フォローできる仕組みをつくる
採用時のフローなどが原因で辞めるケースばかりではありません。入社後にじわじわと「なんだか違う気がする」「もっと成長できるところがいい」などと考えが変わっていくこともよく起こります。 そのため、普段から従業員一人ひとりの考えやキャリアを吸い上げる仕組みや制度を整えておくと良いでしょう。 新入社員向けにはメンター制度、上司部下との関係には1on1MTG、セクハラ・パワハラなどの悩み相談ができる窓口の設置や、簡単なアンケートを実施するなど、コミュニケーションの仕組みは様々な取り組みが必要です。ミスマッチを防ぐための施策事例
採用時のステップにこだわり【ネットフリックス(Netflix)】
中途採用を中心にすすめているネットフリックスは、採用基準は「組織の文化に合うかどうか」。学歴やこれまでのキャリアにこだわらないというスタンスで採用をすすめています。面接回数は4〜5回と多く、ミスマッチを防ぐためにあえてステップを多く設けているとのこと。 質問では、興味や何に情熱をそそいでいるのかなど、その人の価値観や人間性などを主に確認しているそうです。 参考:What a Netflix Exec Looks for in Job Candidates入社後のフォロー体制を強化【カネテツデリカフーズ】
新入社員に、数年だけ上の先輩を教育・相談係として任命する「指導員制度」が効果を上げているとのこと。結果、入社後の離職率が半分だったのに対し、この施策で数%にまで改善したという驚異的な成果を出しています。 指導する先輩社員をさらに支える周りのメンバーが生まれ、職場全体のコミュニケーションが活性化したそうです。 その風土も含めて、新入社員の離職防止に貢献しているのかもしれません。 今回のようなミスマッチによる離職を防ぐために、社内でフォローをすすめていくには、メンター制度や上司との1on1ミーティング、他部署の方と交流できるシャッフルランチなど、様々な制度を運用することが必要です。従業員とのエンゲージメントを高めることで、ミスマッチを減らしていく
企業と従業員のミスマッチは、ゼロにすることは難しいですが、減らしていくことは可能です。また、従業員が感じた違和感や疑問に対して、企業側がしっかり対応することで、その関係は改善していくことが可能だと考えています。
経営方針や事業成績を正確かつ迅速に伝える情報共有の仕組みづくりや、社内のコミュニケーション活性の施策に取り組むことで、会社と従業員、従業員同士の信頼関係が構築され、従業員エンゲージメントが向上し、ミスマッチを減らすことにもつながるでしょう。
TUNAGを活用して会社と従業員、従業員同士の信頼関係の構築を
弊社が提供するTUNAGは、高いカスタマイズ性と豊富な業務DX機能で、組織ごとに最適な活用ができるオールインワンツールです。
カスタマイズ性が高く、各会社にあった活用が可能で、 人と組織・業務の課題をTUNAGひとつで改善につなげることができます。
ミスマッチなどによって発生する早期離職の課題に対して、検知の仕組みやフォローの施策をTUNAGで実現することが可能です。
実際にTUNAGを導入した企業様では、以下のような効果が見られています。
- 入社1年未満の離職率が24%から9%へと減少
- エンゲージメントスコアが1年で約30%アップ
- 週報などのオンボーディング施策を実施し、新入社員の定着率98%を実現
参考:離職率の改善の導入事例21選 | 情報共有・社内SNSのTUNAG
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