働きがいとは何か?エンゲージメントとの違い、具体的な取組事例などを解説
「働きがい」は、従業員のモチベーションを高め、企業全体の生産性向上や離職率低下に直結する重要な要素です。
従業員が働きがいを感じられる環境づくりを目指しているものの、
・何から始めればいいか分からない
・働きがいを高める施策が従業員に浸透しない
・他社がどのように働きがいを高めているのか知りたい
といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。
働きがいを向上させるには、単なる給与や福利厚生だけでなく、職場環境や評価制度、コミュニケーションの取り組みなど多面的なアプローチが求められます。
この記事では、1000社以上のエンゲージメント向上を支援してきたTUNAGが、「働きがいを高めるためのポイント」を分かりやすく解説します。施策のアイデアや他社事例を参考に、自社の働きがい向上にお役立てください。
働きがいとは
自分の意思で仕事に前向きに取り組めることができる状態
“働きがい”とは、会社と従業員との信頼関係がある状態で、個々人が自分の意思で仕事に取り組めていることをいいます。 一言で“働きがい”といっても、働く人それぞれ、追い求めているものが違うため、働きがいとしてイメージされるものには個人差があり、明確な定義はされていません。 公益社団法人国際経済労働研究所 においては、働きがいを「ワーク・モティベーション」と定義しています。仕事へのモチベーションは、環境や条件といった要因から外発的に生まれるのではなく、仕事そのものから内発的に生まれることが研究により明らかになっています。 一方で、社会への貢献や自分自身の存在など価値観は人それぞれですが、仕事の中で何かしらの欲求を満たすことと捉えられることも多くあります。働きがいに当てはまる要素例
前述のとおり、働きがいの感じた方には個人差があります。その中でも働きがいを満たすための要素をいくつかご紹介します。 1)信頼 ・会社と従業員、従業員同士の信頼関係や企業理念やビジョンの浸透が重要になります。 2)帰属意識 ・従業員が会社や業務、仲間のことを自分のことのように語れるようになることも大切なことです。 3)貢献 ・業績のような定量的な評価以外にも表に出てこない業務もしっかりと評価され、自分の業務が会社に対して貢献していると感じてもらうことも重要です。 4)愛着 ・従業員が会社や商品、仲間に対して誇りを持っている状態のことです。働きやすさとの違い
「働きがい」と「働きやすさ」という言葉は似ているようで全く異なります。“働きがい”とは、前述の通り、個々人の内発的な要因がほとんどです。 一方で“働きやすさ”とは、外発的な要因が大半を占めています。例えば労働時間の管理、福利厚生制度の充実、産休育休が取得しやすい、などの企業側が従業員のことを考え提供する「職場環境」のことを指すことが多くあります。働きがいのある会社を作るメリット
1. 従業員のモチベーション向上
働きがいのある職場は、従業員のモチベーションを高める効果があります。モチベーションが上がった従業員は、自発的に業務に取り組むだけでなく、新しいアイデアを生み出したり、改善提案を行ったりします。 従業員が熱意を持つことで、コミュニケーションや協力が活発になり、組織の力が強化されるでしょう。このような環境では、エンゲージメント(組織に対する愛着や思い入れ)の向上も見込まれます。2.生産性の向上
働きがいを感じている従業員は、仕事にポジティブな思考を持つため、タスクに対する集中力や効率が高まります。この結果、パフォーマンスの質が向上し、生産性の向上に直結します。 生産性の向上は企業の成長にとって非常に重要な課題ですが、単に環境や仕組みを整備するだけでは十分な効果は得られません。従業員が働きがいを感じることで、企業全体の力を最大限に引き出すことができるので、働きがいのある会社を作ることは急務となります。人材の確保と維持
従業員が生き生きと働く企業は、その良好なイメージや評判により求職者にとって魅力的であり、優秀な人材を惹きつけ、採用活動が成功する可能性が高まります。 また、従業員が働きがいを感じていると、企業へのエンゲージメントが深まり、最終的には離職率も低下します。優秀な人材が長く定着することで、組織の安定性が向上し、チームワークも良好になり、長期的な戦略を計画・実行する能力が高まります。このような状況は、組織の持続的な成長としっかりとした基盤を築くために非常に重要です。働きがいを高めるために企業がすべきこと
働きがいを理解できていても、実際に従業員の働きがい向上のために取り組めていることはどのくらいあるでしょうか。 報酬や待遇の改善など、会社や仕事への「価値」に対しての対策に限られていることが多くありますが、働きがい向上のためにできることは、それだけではありません。ここでは、働きがいを高めるためのポイントを紹介いたします。1)目的の明確化
当たり前のことではありますが、最も重要なポイントは「目的の明確化」です。働きがいを高めるための目的や理由が明確にされ、会社全体に共有をされていないと「なんでこんな事をしないといけないの?」といった意見が生まれ、従業員との溝が深まる一方です。 また働きがいを高めることは長期的な取り組みとなるため、それだけの時間を費やすための目的と理由も必要となります。2)現状の把握
現状の課題を把握しなければ、いくら施策や打ち手の運用を繰り返しても効果は期待できません。従業員が何を感じているのか、どこに問題意識があるのか、課題の分析は欠かせないものです。 様々な社内施策を施策したとしても、文化醸成していくのは従業員のみなさんであり、経営陣だけの力で働きがいのある会社づくりをしていくことはできません。そのため、社風や従業員のことを把握することが重要なのです。3)ゴールの共有
会社や従業員にとっての働きがいというのはどういうことなのか、働きがいの高い状態はどうのようなものかというゴールのイメージを共有することが重要です。 共有やイメージができないとゴールのないマラソンを走らされている状態になり、実現が難しくなるでしょう。最悪の場合、離職する従業員が増えてしまうことにもつながってしまいます。働きがいを高める施策5選
働きがいは、個人の感情によって決められるものなので、具体的な数値化が難しいです。 しかし、マネジメント層と従業員との良質なコミュニケーションが重なるだけで、ニーズや要望を理解しやすくなり、働きがい向上を実現しやすくなります。このような働きがいを高める施策を5つご紹介します。経営理念の共有
経営理念をマネジメント層と従業員との間で話すことで、従業員は自身の仕事に対して「経営の一端を担っている」認識が芽生え、働きがいを持ちやすくなります。自社の経営理念とのミスマッチが起きないよう、採用時に認識のすり合わせをしておくと良いでしょう。従業員同士のコミュニケーションの活性化を促す
マネジメント層と従業員だけではなく、従業員同士のコミュニケーションを活性化を促すことも重要です。目的としては、上司やチームメンバー以外にも部署間を超えた知り合いが増えることによる、責任感の芽生えや、自分の意見を表明できる環境を作ることです。適切な評価制度を設ける
適正な評価制度を設けることで、従業員の仕事を正当に評価し、評価が報酬と連動すると、働きがいを高めることができます。また、評価結果に加え、具体的な評価ポイントを伝えることで、従業員は「評価された点を他の仕事にも活かそう」とする意欲が高まります。公正な評価制度は、従業員との信頼を築きモチベーションを向上させる重要な要素です。福利厚生や労働環境の整備
働きがいには、働きやすさが直結しています。そのため、労働環境や福利厚生制度を整えることも必要です。特に近年ではコロナ禍を経て、リモートワークやリフレックス制度といった新しい働き方が普及してきました。その他にも、有給・育休消化などを整えられているかを確認しましょう。従業員をいかに大事にしているかを制度で示すことが重要です。目標設定ができる環境の整備
従業員が自ら設定した意欲的な目標を達成することも、働きがいの向上に寄与します。目標管理制度を導入することで、目標達成が評価に反映され、従業員のやる気が高まります。また、長期的に従業員のキャリア形成を支援する企業も多く、若手や新入社員にも責任ある仕事を任せて経験を積む機会を与える企業もあります。若手のキャリア支援においては、業務を放置せず、上司や先輩がしっかりとフォローする体制が整っていることが重要です。 徹底した研修制度や資格取得支援、リスキリングの機会が提供されることで、従業員は仕事やキャリアに対する自信を深めることができるでしょう。働きがいのある会社の特徴
働きがいを高める施策5選が反映されている、会社の特徴を具体的に解説します。経営情報が従業員に開示されている
経営情報を透明に開示することで、従業員は企業の方針や戦略を理解しやすくなります。これにより、経営陣に対する信頼感が高まり、安心して働くことができる環境が整いっています。また、自身の仕事内容や意見も責任を持って取り組む姿勢が芽生えることも期待できます。しかし、中には経営陣だけが知っておくべき経営情報があるため、開示する情報の精査には注意が必要です。従業員の意見を吸い上げている
働きがいのある企業では、風通しの良い職場環境が整っています。例えば、上下関係がフラットであれば、役職や立場を気にせずに自分のアイデアを自由に発言できるため、やりがいや達成感を得やすくなります。また、活発なコミュニケーションの中で仲間との連帯感を感じることも、このような職場環境の魅力です。さらに、自分の意見が仕事に反映されることで自信を深められ、現場の意見を積極的に取り入れてくれる組織への信頼感も高まります。仕事の意義や重要性が語られている
従業員は自分の業務がどのように企業や社会に貢献しているかを認識します。これにより、日々の業務に対する目的意識が高まり、やりがいを感じやすくなります。 また、日常業務に追われると、自分の仕事の社会的な価値を忘れてしまいがちです。そこで、定期的に従業員のやる気を引き出すために、定期的に企業理念や経営陣の想いを伝える機会を設けている企業が多く見られます。働きがいのある会社が取り組んでいる事例
では、実際の会社の事例ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。株式会社Plan・Do・See
GPTWによる日本での「働きがいのある会社」調査にて2010年から9年連続評価を受けており、2018年では従業員1,000人以上の参加企業の中で2位を獲得しました。 従業員1,000人以上の部門にてこのような評価が継続的になされるということは非常に難しいことなのではないでしょうか。 トップウェイター、トップレセプショニストなど、各部門のトップを決める大会として”おもてなしコンペ”を開催。年齢や業務が異なる部門へのエントリーも可能で、数字では表れにくい“おもてなし”を評価したり、さまざまなチャンスの広がる場所が用意されています。 参考:株式会社Plan・Do・See株式会社ディスコ
株式会社ディスコは、2018年、「働きがいのある会社」女性ランキングにおいて第3位に選出されています。 社内通貨を用いた「社内オークション」で自らの意志で仕事を選ぶことができる仕組みを運用しています。 高い金額が設定されている難しい仕事を落札する人もいれば、時短勤務者が終了時間が読める仕事を選ぶことができます。仮に時間までに終わらなくても、社内通貨を支払って同僚に引き継げば、お互い納得感をもつことができます。 社内オークションでは、他部門の社員も落札できるため、その業務の専門部署は必然的に業務クオリティを上げるため工夫をします。 社内の仕事の請負や依頼、物品やサービスのやりとりを、社内通貨を介して行うことで、個々人が経営者のように収支への感度や納得感、アウトプットの質を高める取組みを行っています。 参考:株式会社ディスコTUNAG(ツナグ)では、従業員のエンゲージメントを高め、働きがいのある会社づくりを支援します
従業員に働きがいを感じてもらうことは非常に重要なことです。働きやすさだけを追求していると、その環境が失われた時、従業員は去ってしまうかもしれません。 そのためにもTUNAG(ツナグ)では、エンゲージメント(企業と従業員及び従業員同士の信頼関係)を高めるための支援を行っています。企業のエンゲージメントの状態を定量的に可視化し、様々な施策のPDCAを回すことで「働きがい」向上にもアプローチすることができます。 TUNAG(ツナグ)のツールと専任のトレーナーにより、エンゲージメントを高めることから始め、真の「働きがい」のある会社づくりをしていきませんか?▼『TUNAG(ツナグ)』について 『TUNAG(ツナグ)』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。 会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。 「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。
『TUNAG(ツナグ)』で働きがいのある組織を作る
TUNAG(ツナグ)は、社内ポータルや社内SNSとしてスマホアプリ、PCで利用できるプラットフォームで、情報共有・業務効率化・コミュニケーション活性化などを目的に多くの企業様に活用されています。 様々な社内施策・社内制度を運用でき、ただ情報が掲載されるだけているだけのポータルサイトを「動きのあるもの」にして、従業員エンゲージメントの向上に貢献します。 伝えるべきメッセージや情報を従業員にスムーズに届け、従業員同士のコミュニケーションが活性化を促す。そんな循環をつくることができます。1)会社やトップからの情報発信
経営陣が考えていること、会社の課題やビジョンなど、トップからのメッセージを発信する例です。代表が日々考えていることや会社の方向性などをコラムとして発信したりするケースが多くありますが、これまで「メール」で配信しても返信が無かったりと、反応が得ることが難しかったのではないでしょうか。 TUNAG(ツナグ)では、「既読数」を把握したり、気軽にコメントやスタンプなどを送るなどのSNSとして使いやすいという利点があり、メッセージの浸透に貢献しています。 拠点が離れていたり普段頻繁にコミュニケーションが取れなくても、TUNAG(ツナグ)を通してダイレクトに発信することができます。言葉や結果だけでなく、意図や背景までも含めて伝達できることがメリットです。 ビジョンや理念に触れる回数が増えることで必然的に浸透が進み、意思統一や意識レベルの向上を促します。加えて過去の発信を確認したり、新しく入社された方も閲覧できることで、早期立ち上がりに大きく寄与します。2)コミュニケーションが発生する活用事例「サンクスメッセージ」
日々の行動の中で感謝や称賛を送り合うサンクスメッセージを通して、個人の行動にフォーカスすることでコミュニケーションを生み出しています。 普段面と向かって感謝を伝えられない事や照れてしまう事、改めて感謝を伝えたい事などをピックアップし皆に共有することで当人同士のコミュニケーションだけでなく、多方面でのコミュニケーションのきっかけを生み出しています。3)社内の情報共有が促進される活用事例
個人毎やチーム毎の日々の成功体験やノウハウの共有、課題や困りごとへのアドバイスなどをリアルタイムに共有することが可能です。 上司・部下や部署内での情報共有だけでなく、部署の垣根を超えた情報共有も可能で、横断的な会社の動きを見える化することでより一層の連携や新たな気づきを得るきっかけにつながります。4)プロフィール機能の活用事例
TUNAG(ツナグ)には、マイページにプロフィール機能があります。趣味や特技、好きな音楽などのカジュアルなものから、学歴や職歴、受賞歴まで幅広く個人の人となりを把握することができます。(プロフィール項目は会社によって自由に設定できます) プロフィールをきっかけに思わぬ共通点を見つけて会話したり、部署移動後の同僚が一目でわかるので溶け込みやすい効果もあります。またタレントマネジメントなどの人材管理にも活用可能です。 社内ポータルを検討中の方は、ぜひTUNAG(ツナグ)の無料サービス資料をご覧ください。
社内ポータル「TUNAG(ツナグ)」の導入効果
- 情報共有の促進で生産性UP!
- 情報共有ツールの一元化
- 社内コミュニケーション活性化
- ナレッジの共有・蓄積を促進
- 従業員エンゲージメントの向上
- 早期オンボーディング&定着率改善
5)従業員サーベイで組織の現状を把握
従業員サーベイとは、従業員のモチベーションや職場への満足度を測定するための調査手法およびツールです。直接的なフィードバックを収集することで、多様な視点から組織の状況を評価でき、自社の強みや改善点を把握し、定量的データを通じた問題の深刻度や傾向を分析するのに非常に有効です。 定期的に実施することで時系列での変化を追跡し、エンゲージメントを向上させながら具体的な行動指針や施策を策定することが可能です。おすすめのツールとして、TERASをご紹介します。TERASとは
TERASは、従業員エンゲージメントの可視化を通じて組織課題を改善するためのツールです。基本サービスが無料で、人数無制限でサーベイを実施でき、従業員の離職やエンゲージメント低下などの問題点を明確にします。結果に基づく改善提案は有料ですが、課題の発見自体は無料で利用可能なため、コストをかけずに効果的なツールを導入することが可能な魅力的なツールです。 詳細はこちら→ 組織のための基本無料エンゲージメントサーベイツール|TERASTUNAGとの併用
組織の規模が大きくなるほど部門間のコミュニケーションや情報共有が複雑になり、情報の流れや人材の配置状況を正確に把握することが難しくなります。 組織の状況を可視化することは、経営層から現場までの全員が共通の認識を持ち、効率的かつ効果的な意思決定を行うために不可欠です。そこで、TUNAGと併用することで情報の流れや人材の配置を把握した上で、組織課題を的確に掴むことが可能になります。
こんにちは、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」を提供している、株式会社スタメンの編集部です。
働きがいとは、会社と従業員の間に信頼関係が築かれ、各個人が自主的に仕事に取り組むことができる状態を指します。従業員が経営者や管理者を信頼し、自らの仕事に誇りを感じ、同僚との連帯感を感じることができる会社こそ、「働きがいのある職場」と言えるでしょう。
この「働きがい」を高めるためには、企業と従業員の間の「相互信頼関係」を深化させ、エンゲージメントを向上させることが不可欠です。
しかし、単に「なんとなく」の取り組みでは、その真価を発揮することは難しいです。
私たちが作成した「エンゲージメント向上施策50選」では、エンゲージメントを高めるための具体的な手法を、分かりやすいイメージ画像と共に紹介しています。ご自由にダウンロードください。