デジタルワークプレイス - 事例4社、注目される4つの背景について解説
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デジタルワークプレイスとは
デジタルワークプレイスとは、オンライン会議システムなどのデジタルツールやテクノロジーを活用して、従来の対面主体の職場環境を仮想化したものです。ただ単に労働環境をデジタル化するのとは異なり、オンラインで効率的な業務プロセスを作り出すことが目的です。デジタルワークプレイスを実現することで、従業員がそれぞれ好きな場所・時間で作業できるようになり、従業員の生産性向上や業務効率化、企業価値の向上につながります。 市場調査レポートの販売などを行う株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、デジタルワークプレイスの市場規模は2026年に722億米ドルに達するとの予測です。今後さらに多くの企業で導入することが期待されており、さらなる成長には欠かせない働き方となるでしょう。 ▼参照: 市場調査レポート: デジタルワークプレイスの世界市場 (~2026年):コンポーネント (ソリューション (ユニファイドコミュニケーション&コラボレーション・ユニファイドエンドポイント管理・エンタープライズモビリティ&管理)・サービス)・展開区分・組織規模・産業・地域別 | 株式会社グローバルインフォメーションデジタルワークプレイスの4つの事例
企業では従業員の働き方で変革が求められています。ここでは、実際にデジタルワークプレイスを導入して、業務改善を果たした企業の事例を見ていきましょう。事例1. キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングス株式会社では、組織力の強化に向けたオフィスのリニューアルを行いました。オフィス全体をデジタル化し、各座席の在籍情報をスマートフォンから確認が可能です。また、部署ごとに指定されたエリア内では原則フリーアドレス化となり、仕事の目的に合わせてフロア・エリアを柔軟に使い分けができるようになっています。 ▼参照: キリングループ本社をリニューアル | 2021年 | キリンホールディングス事例2. アクセンチュア株式会社
コンサルティング事業を行うアクセンチュア株式会社では、世界中に50万人を超えるデジタルワーカーが在籍しています。グローバル規模の協力実現のためにITシステムの運用基盤を「Microsoft Azure」に移行しました。また「Microsoft 365」や「OneDrive for Business」などの活用により、情報共有や業務連携の円滑化を図っています。 ▼参照: アクセンチュアでのMicrosoft活用事例|事例|アクセンチュア事例3. ポルシェインフォマティク社
ヨーロッパ最大の自動車販売会社ポルシェホールディングザルツブルクのIT子会社である、ポルシェインフォマティク社では、「Microsoft Office365」プラットフォームに移行し、持続可能な事業開発を推進しています。クラウド経由でリアルタイムでのドキュメント共有、「Teams」プラットフォームでバーチャルミーティングの実施など、各オフィスとのコラボレーションを実現しました。 ▼参照: 成功へと導く変更管理アプローチ: Porsche Holding社が「デジタルワークプレイス」を導入 | Hewlett Packard Enterprise事例4. 和歌山県庁
地方自治体の和歌山県庁でも、デジタルワークプレイスを導入しています。観光誘致などによる職員の県内外への出張増加、さらには人員削減など、業務の効率化にはICT(=情報通信技術)の導入が急務でした。職員の負担を軽減する目的として、スマートデバイス向けサービスを導入し、スマートフォンからさまざまなシステムへのアクセスが可能になっています。 ▼参照: 和歌山県庁 |クラウドMAM市場シェアNo.1 - moconavi(モコナビ)デジタルワークプレイスが注目される4つの背景
近年、働き方改革などの影響でテレワークの普及が拡大しています。これまで以上にDX戦略が企業の成長には不可欠です。ここでは、デジタルワークプレイスが注目されている背景を4つご紹介します。1. 柔軟な働き方が求められている
これまでオフィスでの勤務が当たり前でしたが、今後は場所や時間に縛られない働き方が企業に求められます。柔軟な働き方を推進することは従業員の満足度を高め、結果として離職率の低下にもつながるでしょう。デジタルワークプレイスを導入すれば、従業員は自分にとって最適な働き方を選択できます。テレワークの普及で見えてきた課題を解決する新たな働き方です。 ▼参照: What is a Digital Workplace? Definition and Examples | LumApps2. 業務効率化の意識が高まっている
仕事は長時間働いて成果を出す意識から、効率的な働き方を作り出す意識へと変化しています。特に、働き方改革が推進されて以降は、業務効率化への意識が高まっているでしょう。企業では労働環境の最適化が求められています。デジタルワークプレイスの導入で業務プロセスを見直すことにより、従来以上の成果を生み出せるかもしれません。 ▼参照: デジタルワークプレイスとは?特徴やメリット・事例まで解説3. 生産性の向上が必要とされている
多様化する顧客ニーズや市場の変革など、企業にはスピーディーな経営が求められます。公益財団法人日本生産性本部の報告によると、2020年の日本の一人当たり労働生産性(就業者一人当たり付加価値)は809万円で、OECD加盟38ヶ国中28位でした。デジタルワークプレイスで業務効率化が実現されれば、素早い経営判断が可能になるでしょう。時間のロスを少しでもなくすために導入の検討が必要です。 ▼参照: 労働生産性の国際比較 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部4. デジタル技術が進歩してきている
デジタルワークプレイスは、デジタルツールの活用なしには実現しません。しかし、近年ではオンラインでの会議やクラウドを使った情報共有が可能になりました。オフィスにいなくても働ける環境を整えやすくなったことも、デジタルワークプレイスが注目される理由の一つでしょう。 ▼参照: デジタルワークプレイスとは?事例3選【2021年版】|ビジネスブログ|ソフトバンクデジタルワークプレイスの4つのメリット
世界的に注目されるデジタルワークスレイスですが、導入することで得られるメリットは何があるのでしょうか。1. 従業員エクスペリエンスの改善
企業の成長戦略において、従業員の育成は必要不可欠です。そのためには、少しでも自社に定着してもらう必要があります。企業はワークライフバランスを重要視するビジネスパーソンを確保するために、最適な労働環境を提供することが大切です。デジタルワークプレイスの導入は、従業員の満足度を上げる要因になるでしょう。その結果として、従業員エクスペリエンスの改善につながります。 ▼参照: What is a Digital Workplace? | VMware Glossary2. 生産性の向上
デジタルワークプレイスは社員に最適な働き方をもたらすため、生産性の向上につながることもメリットです。米国の調査会社ガートナーが、2020年に世界9ヶ国の企業に属する正社員10,080人を対象に行った調査によると、在宅勤務時間が増えた従業員の36%は、生産性が向上したと回答しています。より自由な労働環境と効率的な業務プロセスをの創出により、これまで以上の成果を上げられるかもしれません。 ▼参照: Gartner、COVID-19以降、世界主要国の従業員の5人に1人がデジタル・テクノロジのエキスパートを自認との調査結果を発表3. 従業員同士のコミュニケーション強化
これまで多くの企業がテレワークを中心とした多様な働き方を推進してきました。しかし、円滑なコミュニケーションがとりづらいなどの課題も生まれています。デジタルワークプレイスでは、社内SNSなどのコミュニケーションツールを導入するケースがほとんどです。同じ部署だけでなく、部署や役職を超えた意思疎通が可能になります。よりオープンな社内風土を作り上げることで、活発に情報共有が行われ、スピーディーな経営につながるでしょう。 ▼関連記事: 社内コミュニケーション活性化のアイディアと取り組み事例 | TUNAG(ツナグ) 社内コラボレーションの方法とは? ツールやコツ、メリットを解説 | TUNAG(ツナグ)4. 顧客満足度の向上
デジタルワークプレイスの導入は、従業員だけでなく顧客の満足度向上にも貢献します。たとえば、ライブチャットの機能を使えば顧客は数分でカスタマーサービスへのアクセスが可能です。メールの返信を何日も待ったり、電話をかけてもなかなかつながらなかったりといったストレスの解消につながるでしょう。カスタマーエクスペリエンスが向上すれば、将来的なリピーターの確保ができるかもしれません。デジタルワークプレイスの4つの課題
企業価値を高めるメリットがある一方で、デジタルワークプレイスには課題が残されています。環境を整備する際に注意すべきデメリットについて確認しておきましょう。1. セキュリティリスク
デジタルワークプレイスを導入するにあたり、脅威となるのがセキュリティリスクです。デジタルツールを活用しオンラインでの業務が中心となるため、ウイルス感染や第三者の攻撃による情報漏えいのリスクが伴います。信頼性の低下や、顧客が離れるなどのダメージを受けるかもしれません。デジタルデバイスのセキュリティ対策が不可欠です。 ▼参照: デジタルワークプレイスとは?デジタルワークプレイスの導入方法と効果 | ビジネスチャットならChatwork2. 先行投資やランニングコストがかかる
多様な働き方に対応する労働環境を整えるには、初期投資が必要です。デジタルデバイスの購入だけでなく、ソフトウェアの導入など膨大な費用がかかります。コストを抑えるには、導入するデジタルツールの選定を慎重に行いましょう。自社に必要なものは何かを見極めながら、比較検討することが大切です。 ▼参照: What is a Digital Workplace? | Glossary | HPE3. 人間関係に影響を及ぼす
デジタルワークプレイスの魅力は、スムーズなコミュニケーションが可能なことです。一方で、ITツール内での会話に依存することで、人間関係に影響を及ぼす恐れがあります。全員がオフィスに出社するわけではないため、直接顔を合わせる機会も少なくなるでしょう。社内における人間関係をどのように構築するのかも考える必要があります。 ▼関連記事: 心理的安全性の測定方法や尺度、高める方法 | TUNAG(ツナグ)4. 勤怠管理の見直しが必要
オフィスへの出社が不要になれば、従業員の勤務時間の管理に課題が出てきます。個々の働き方が把握しにくい労働環境であるからこそ、勤怠管理の見直しが必要です。社内でのルールを整備することはもちろん、クラウド型の勤怠管理システムの導入を検討しましょう。多様化する働き方に対応できるものはどれなのか、しっかりと見極める必要があります。デジタルワークプレイスを導入する3つのステップ
デジタルワークプレイスの導入には、いくつかのプロセスを踏む必要があります。業務に必要なデジタルツールを導入して完了ではないため注意しましょう。STEP1. 業務を最適化するデジタルツールの選定
まずは、業務を最適化するためのデジタルツールを選定します。他社の事例を参考にしながら、自社で必要なツールを導入しましょう。デジタルツールには以下のようなものがあります。- オンライン会議システム
- チャットツール
- クラウドサービス