セクショナリズムとは?派閥が生まれる原因と改善方法、企業事例

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セクショナリズムとは

派閥による非協力的な姿勢を取ること

セクショナリズムとはいわゆる自分の組織、自分の派閥などというような自分が所属する組織だけを優遇させたり、横の組織との連携が希薄になるネガティブな思考・関係性を意味します。 企業や会社を構成している部門・部署などの縦割り組織においては、セクション内で閉鎖的な環境に陥ってしまい、他部門とのコミュニケーションが不足します。 時としてそれは人間関係の悪化や生産性の低下などの悪影響を及ぼします。セクショナリズムが組織に与える影響は大きく、組織の分断を助長したり、経営者が排他の対象となってしまう可能性があります。 セクショナリズム=「派閥争い」と聞くと政治や大企業を想像してしまいがちですが、実際には中小企業でも発生します。 「この案件は引き受けても自部門の利益にならないからやらない」など、組織全体で考えればプラスになる事案でも、自部門にとって有益でないと判断して対応しなければ組織として機会損失につながってしまうでしょう。 参照:縦割り組織の意味とは?メリット・デメリット、対策方法4選について解説 | 社内ポータル・SNSのTUNAG(ツナグ)

セクショナリズムは大きく2種類に分けられる

・無関心、非協力的セクショナリズム

自分たちさえ良ければいいという概念の元、他組織に対して無関心だったり、非協力的な態度をとります。 セクション間でのコミュニケーションを取る事が困難になるため、何か問題が発生した際の対応に遅れが生じたり、最適な選択ができないなどの弊害が発生します。

・批判型、排他型セクショナリズム

あのセクションに迷惑をかけられている、排除しなくてはならない。というような概念の元、敵対心を露わにしたり、組織からの排除を目論む傾向にあります。 これらのセクショナリズムは他セクションの活動を阻害・妨害したり、モチベーションを低下させるなどの悪影響があります。

セクショナリズムの類義語、対義語

セクショナリズムに明確な類義語や対義語は存在しません。派閥や縄張りを意識する非協力的な態度や連携の拒否をセクショナリズムと呼ぶため、閉鎖的姿勢、派閥主義などが類義語として挙げられます。 また、協力や共同、連携などが対義語的な要素として含める事があり、これらの要素を捉えた言葉にコーポレーショニズム(協力主義、共同主義、連携主義)などがセクショナリズムの対義語として近い存在として使われています。
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セクショナリズムが起こす弊害

セクショナリズムが過度になると組織全体に悪影響を及ぼし、加速させると以下のような弊害が発生します。

排他的な圧力の助長やセクション間での軋轢

他のセクションへの批判を持った思考の人間が一人現れるとそれに同調して他のメンバーも他セクションへの批判を始めるようになります。また、その思考がセクション内外に蔓延し、最終的にはセクション間での軋轢を生むようになります。 例えば「売上が悪いのは営業の進捗が悪いからだ」など、他部門だけのせいにしてしまい、特にその思考を管理職が持っていると部下も同調するような考え方をしてしまいます。 一方で営業部門は「製品の性能が悪くて営業の獲得に結びつかない」など別の理由を挙げるかもしれません。そうなるとセクション間での軋轢が加速され、本当の理由を探るための冷静な距離感を掴む事が難しくなります。

本音で話す事が出来ない会社になる

派閥が蔓延っている職場では、心理的安全の確保が難しくなります。自分の発言がどのように扱われるか慎重に考えるようになり、当たり障りのない言葉しか発する事が出来なくなります。 特に組織を良くするための反対意見があったとしても、争い事に巻き込まれるのが面倒なので意見は出さなくなります。 また、このように本音で話せないような労働環境では、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼしてしまいます。

他部署と円滑なコミュニケーションができなくなる

セクショナリズムが蔓延っている環境では、他セクションとの共同作業が取りにくくなります。 自部門だけで完結できれる案件であれば良いかもしれませんが、他部門にヒアリングをしたり、一緒に案件を進めていくようなシーンでは足並みが揃わないために進捗に遅れが生じたり、その理由を他部門へ押し付けたりと円滑な進行が難しくなります。 また、共有すべき事項の伝達が滞ったり、組織としての柔軟性に欠けてしまい競争力の低下を導きます。

なぜセクショナリズムが起こるのか?

部門間で発生する権力に差が出てしまっている

組織を運営していく上で「権力」は必ず付いて回る問題であり、それは個人だけではなく組織間でも発生します。 例えば、営業部と開発部、二つの部門は本来協力し合ってこそ組織ですが、一方に権力が集中すると、もう一方に強いストレスが発生してしまいます。 例えば営業部に権力が集中している場合、「この案件はもう契約済みだから今週中に開発を完了させなければならない」など一方的に進め、開発部のメンバーのスケジュールが苦しくなり、メンバーの健康管理やフラストレーションが溜まるケースがあります。 逆に、開発部門に権力が集中してしまえば、開発の納期やメンバーの進捗管理は優先されますが、結果として営業獲得が減ってしまい売上目標が未達になってしまいます。 また、部門間での権力でもありますが、最終的には管理職自身の権力に結びつくことがあります。どちらの部長が権力を持っているかで最終的な判断が覆る事もあります。

過度な競争意識がある

組織の一員として認められたいという承認欲求は、結果として自分が所属している組織としての承認欲求へとつながります。 また、会社から認めてもらうためには結果を出す必要があり、それが過度な競争意識として生まれるようになります。 組織運営では個人や組織間での競争よりも、共同で組織を成し得る事の方がはるかに有用です。

縦割り組織

プロフェッショナルな集団として、「この案件はこの部門に聞く・依頼する」というような組織は多くの企業でもあると思いますが、その分、情報共有が滞りがちです。 例えばデザイン部ではデザインに関しての専門性を高める部門であり、営業担当がデザインをする必要はありません。ですが、営業マンも製品に対する流行のデザインを知っておく事で提案資料の出来栄えも変わり、営業獲得にもつながります。 デザイナーにとっては些細な事でわざわざ共有すべきほどでもない情報ですが、他部門の人間にとっては時として有益な情報となります。 縦割り組織が弊害となり、必要な情報が得られなくなってしまうと、長期的に見ると業績や生産性に悪影響を及ぼします。

セクショナリズムを改善する方法・対策

中立の立場を保ち、理念や行動指針に沿った行動を促す

安易なセクショナリズムの批判は部内に軋轢を生むので注意が必要となりますが、「お客様のためになるのか」「社会に役立つかのか」などをベースに中立の立場をとることがセクショナリズムの改善には有用です。 トップや経営陣から積極的にメッセージを発信し、そもそもの目的や理念、行動指針を振り返り、同じ方向を向けるよう促していく必要があります。

横断的な組織の編成

縦割り組織を変える事が難しい場合は、横断的な組織と掛け合わせる事で打破できます。 横断的な組織とは、部門や事業部をまたがって様々な専門性を持った人材を各部門から選出してプロジェクトを遂行する横断的なチーム作りです。 複数の部門からのプロフェッショナルを選出する事でしか成し得ない高度な成果物を挙げる事ができるようになり、これまで得る事のできなかった課題の認識や問題解決に向けてのアプローチができるようになります。

ジョブローテーション

セクショナリズムが発生する原因の一つに、他セクションへの理解度の不足が挙げられます。そこで人員の流動性を持たせる事で、他部門への理解が深まり、また人脈も構築されます。 ジョブローテーションは本来、社員のスキルアップを目的とした手法ですがセクショナリズムの改善にも有用です。

情報共有の機会を増やす

「情報共有」といっても様々な行い方がありますが、まずは各部署ごとに「成功した事例」「良かった事例」など、確実にみんなで喜べるような情報をお互いで共有することから始めてみましょう。 お互い、敵ではなく、同じ目標に向かう仲間であるということを、お互いで喜び、称賛し合う関係づくりを進めることで、さらにお互いの業務内容や状況に興味を持てるようになるでしょう。

自社の従業員のことを知る機会を増やす

他部署にどんな人がどんな仕事をしているのか、知っているのと知らないのとでは興味関心度合いが全く異なります。 「実は他部署に、自分と同じ年齢で境遇が似ているメンバーがいる」「あの部署にいる○○さんは未経験からここまでスキルアップした人だ」など、どんな人がいるのかを知るだけでも、理解が深まり、お互いの距離が近づきます。 相手を知り、距離が縮まることは、相互理解を深めるための第一歩です。

セクショナリズムを解決した事例

株式会社NTTデータの事例

NTTデータでは大企業に蔓延するセクショナリズムの打破を目指して、社内SNSの活用をはじめました。 社員の行動規範であるガイドラインに「セクショナリズムを排し、仲間の知恵と力を合わせます(チームワーク)」という項目を盛り込み、セクショナリズムの打破を全社をあげて積極的に取り組みました。 ITサービス業という職種柄、隣の部署にどんな人がいて、何をしているのかが見えにくい。という声を参照にSNSを立ち上げ、情報感度が高い社員を中心に使用されるようになりました。 参照:https://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/1001/page/1/Default.aspx

シャープ株式会社の事例

シャープでは部門毎に与えられているミッションが異なるためセクショナリズムが発生し、それを課題として認識していました。 関係する部門全体のパフォーマンス向上にフォーカスし、妨げになっている制約を特定しました。 具体的には、マネジメントの在り方を変え、戦略と戦術の見える化する『S&Tツリー』を作成して共有し、部署を越えて情報共有がしやすい体制を築きました。

セクショナリズムは企業規模に関わらず、発生し得る問題

会社の理念や行動指針を浸透させ、同じ方向を向くことが重要

派閥にとらわれていては良い成果を挙げる事はできません。 一方で組織や派閥の批判をする事は爪弾きにされるリスクもあるため、やはりセクショナリズムが発生しないような根本的な取組みが重要となります。 そのためには、対策でもご紹介したとおり、そもそも従業員全員が会社の理念を理解し、同じ方向を向いていることが重要です。

エンゲージメント向上のためのプラットフォーム『TUNAG(ツナグ)』について

TUNAG(ツナグ)は、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。 会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。 TUNAG(ツナグ)では、社内で取り組まれているあらゆる社内制度の活用状況をデータで可視化することができます。会社の課題にあわせ、どのような施策を行うと効果的か、500を超える社内制度運用事例をもとにご提案し、TUNAG(ツナグ)を通して実行していきます。 ご紹介したような会社の理念や行動指針の浸透、従業員同士をよく知るための試みや情報共有など、様々な施策をTUNAG(ツナグ)の中で運用することができます。 組織改編や企業の成長などに伴ってセクショナリズムが生まれそう、もしくはセクショナリズムに悩まされているという場合は、ぜひ一度どのような運用方法があるかご相談ください。 関連記事:多角化戦略とは?成功事例5社・失敗事例3社から学ぶ
▼『TUNAG(ツナグ)』について 『TUNAG(ツナグ)』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。
会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。
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