シェアードサービスとは?メリットとデメリットや導入の効果、他社事例を解説

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シェアードサービスとは

グループ内の間接部門を集約し、効率化を図ること

シェアードサービスとは業務効率化を図るために用いられる経営用語です。 人事・総務・情報システム部門などの間接部門はそれぞれの会社毎に必要な組織となりますが、グループ内にあるこれらの部門を一括に集約させ、効率化を図る取り組みの事です。

導入の目的

シェアードサービスは主に大手企業で導入されていますが、その目的の多くは業務効率化が挙げられます。また効率化に伴い、コスト削減も可能となります。 現在では多くの大企業ではシェアードサービスが進んでおり、それをBPOサービスとしてソリューション展開している事例も見受けられます。

BPOとの違い

BPO(bussiness procese outsourcing)とは、企業運営で必要となる経理や人事部門などをアウトソース(外部へ委託)してリソースの確保・コスト削減などを行う事です。BPOもシェアードサービスも業務効率化を目的としている点では同じです。 シェアードサービスは業務効率化のためにグループ内で分散している経理や人事部門を集約し効率化・コスト削減を行いますが、BPOは経理・人事・総務などを外部の企業や子会社に外注をし、効率化・コスト削減を行う手法という違いがあります。
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シェアードサービスのメリット

シェアードサービスを導入すると以下のようなメリットが挙げられます。

コスト削減

最も利点となるのはコスト削減です。例えば、経理部門での事例を挙げてみると売上の締め日や決算前に業務が集中しますが、毎月の締め日に合わせてスポットで人を雇う事はあまり現実的ではありません。 そこでシェアードサービスを利用して経理の締め日をA社は月末締め、B社は20日締めなどとずらす事により、人材の雇用をせずにグループ内のリソースを上手く活用する事が可能となります。

業務のクオリティーの担保

個人が持っているスキルや部門毎や組織に差が生じてしまいがちですが、専門的スキルを持った集団のため一定のクオリティーが担保されやすいです。 スペシャリストとしての集団ともなると、その道のプロが多数いるため若手社員の育成にも繋がります。

グループ経営の向上

各社でバラバラに行われていた経営管理が一括管理される事でグループ経営が強化されます。また一括集約される事からコーポレートガバナンスも保たれやすくなります。

シェアードサービスのデメリット

シェアードサービスにはデメリットもあります。

社内に専門家がいない

シェアードサービスを開始して、子会社などに一部門を制約してしまうと専門知識を持った社員が親会社に在籍しない事になってしまいます。 また、何か問題が起こった際の問い合わせ先が社内に不在であると回答までに時間を要したり、どこの誰に聞けば良いのか分からなくなります。

システムや運用方法の統合が煩雑になる

グループ会社内で利用していたシステムや管理方法など独自で使っていた物を統一し、運用する場合には、業務統一化に向けて膨大な調整や労力、またその開発費も嵩みます。 特に、経費や旅費などの運用方法は会社毎に依存されるため、統合に向けての統率力が必要となります。

企業で導入するためのポイント

シェアードサービスを導入する間接部門を検討し、どのようにして統合するかを検討します。また、導入時には該当部門を本社に置く方法と子会社に置く方法の2つのケースがありますが、それぞれのメリット・デメリットを考慮して、配置を決める事もポイントとなります。 参考:グループ経営の課題を考える。情報共有、ガバナンス、効率化の視点から。

1.導入する部門の選定

一般的にシェアードサービスが用いられる部門をご紹介いたします。
・財務経理部門:一般会計、旅費・経費精算 ・人事総務部門:採用、福利厚生、備品の管理 ・情報システム部門:ヘルプデスク、社内システムの管理 ・物流部門:受注、発注、配送、倉庫管理
導入検討時にはどの部門において、業務プロセスを平準化が可能なのか、また集約できるのかを見直します。 これらは一般的に用いられているシェアードサービスの例になりますので、会社によっては別部門もシェアードサービスの対象となり得ます。 また、上記のような一般的にシェアードサービスとして導入されている部門に関しては、すでに大手企業で導入実績があるケースが多いです。これらの実績がある企業は、これをパッケージとして販売している事もありますので、導入時に比較検討してみるのも良いでしょう。

2.統合するシステムの見直し

統合するシステムが複数に跨ってしまっているケースが殆どだと思います。必要なデータや統合後に使うシステムが簡易化されるように、開発者やベンダーとの調整が必要となります。 特に既存システムと新システムを並行稼働が必要になるケースでは移行のタイミングや設計次第ではバグとなってしまう可能性もあるので、要件定義には漏れがないように最善の注意を払いましょう。

3.本社に配置するケース

本社に設立する場合は、該当部門を子会社に配置する必要がなくなる事から子会社での負担が軽減されます。また本社部門で統一する事から大きな混乱も少なくすみます。ただし、人件費は親会社の方が嵩むケースが多いと思いますので留意が必要です。

4.子会社に配置するケース

子会社に配置する場合は、人件費の軽減が期待できます。しかし、統合に関する混乱や本社から子会社へ出向する社員のモチベーションが低下する懸念もあります。

シェアードサービスを導入している企業事例

これまでにシェアードサービスを導入し、実績がある企業をご紹介いたします。

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル社)

世界最大の消費財メーカーであるP&Gでは、これまで多くの企業で採用されてきたシェアードサービスとは異なるグローバルビジネスサービスの構築で成功しております。 グローバルシェアードサービスを実現させて大きな成果は、組織変革による10億円の削減や売上原価も2003年比で3割以上下げる事に成功しました。 参考:攻めの視点で経理財務部門のポジショニングと業務改革を | SAPジャパン ブログ

株式会社LIXIL

LIXILは2011年4月にトステム、INAX、新日軽、東洋エクステリアの4社が統合しLIXILとなりました。 統合時にはLIXILが保有する105社の販売、生産、購買、人事システムなどが別々に運用されており、統合に合わせてシェアードサービスの導入検討を開始しました。 各社で煩雑になってしまっている全システムを見直した結果、基幹システムは切り離し、会計システムだけを構築する手法を選びました。これにより移行も簡潔になりましたが、経営業務プロセスが標準化されシェアードサービスも実現しました。 参考:事例】LIXILグループが子会社105社の会計システムを統合、決断の決め手は:統合マスター機能を活用 - TechTargetジャパン ERP

大和ハウス工業株式会社

82事業所で分散されていた経理業務を集約し、取引先への支払い通知書の印刷業務や残高確認書の通知業務にシステムを構築しました。 これにより各事業所での事務作業が大幅に減少し、業務品質の向上にも寄与しています。また、業務効率化に伴い働き方改革にも貢献しました。 参考:経理業務のシェアードサービス化にBPOサービスを活用82事業所の膨大な帳票印刷業務、データ入力業務の負荷を軽減 | FUJITSU BPOサービス

日本電気株式会社

NECグループは9つのユニット、46の連結会社を持つNECではグループ全体の従業員数は10万人の大企業です。 グループ全体の出張・外出件数は100万件となっており、その申請や精算手続きに7万時間を費やしていました。海外出張などのフライトの手配などは出張者と手配者のやりとりに2・3日を要していましたが、本人手配に切り替えた事で20分で対応が終わりました。 これらの処理を簡略化した事で、事務処理工数全体で考えると30%の削減に寄与しました。また、ワークフローの中に間違えがちな消費税区分を自動化する事で30〜40%発生していた精算の手戻りが10%以下に軽減されました。

オリックス生命保険株式会社

これまで運用もロケーションも2箇所に分散されていた基幹システムを1箇所に集約し、シェアードサービスへと移行しました。帳票や印刷物が多い生命保険の管理システムの構築はコスト面に限らず大きなメリットがありました。 参考:オリックス生命保険株式会社様 | 大和総研

日立システムズ

日立システムズでは出張時の旅費・経費精算パッケージのシェアードサービスを構築し、出張手配などのオンライン手配や経路検索、旅費精算など経費精算を簡略化しました。導入後は約30%の関節コスト削減が期待できます。

シェアードサービスは業務効率化やコスト削減など、様々なメリットがある

削減したコストを、さらなる商品開発や従業員への教育等に活用可能

シェアードサービスは業務効率化やコスト削減だけでなく、品質改善にも寄与します。 特に何社も保有している場合は、統合時やシステム構築に時間やコストはかかりますが、その後の運用面においてはメリットも多いです。 特に会計や情報システム部門などは専門的スキルが必要となりますが、シェアードサービスを構築するとリソースも平準化されます。導入を検討される際は、導入事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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