ロールモデルとは、社員が目標にしたい人物やお手本にしたい人物のことです。仕事のスキルや人間性を学ぶための指針となり、社員一人ひとりの成長を促進します。特に、組織内でロールモデルを持つことにより、社員同士のコミュニケーションが活発になり、組織の活性化や定着率の向上が期待できます。
本記事では、ロールモデルの見つけ方や企業における活用方法、メリットを解説します。
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従業員のエンゲージメント向上や新入社員の早期戦力化のためには、適切な目標設計や評価が重要です。本資料では、目標の設定から、目標の達成率やスコアを可視化して定量的に評価できるシートとなっています。
一人ひとりに合わせて使えるシートとなっていますので、目標設計や評価・教育にぜひご活用ください。
▼こんな方におすすめ▼
・的確な目標設計で、従業員のエンゲージメントを向上させたい方
・新入社員の早期に成長させ、戦力化させたい方
・従業員の目標設計や評価方法に悩んでいる方
ロールモデルとは、社員各自が持つ「目標にしたい人」「お手本にしたい人」のことを指します。
ロールは英語の「role」で、「役割・任務・役目」などを意味し、モデルは英語で「model」「型・手本・模範」などの意味があります。1940年代にアメリカの社会学者によって定義された言葉で、日本にも1990年代以降紹介され、ビジネスの現場で用いられています。
仕事の処理の仕方や問題解決方法などの実務能力はもちろん、コミュニケーションの取り方、キャリア形成への考え方などの人間性も、各自のロールモデルから学び、刺激を受け、自身の成長に役立てることができます。
特定の役職の人を指すわけではなく、社員一人ひとりにとって、それぞれ年齢も性別も異なるロールモデルが存在します。また、吸収したいスキル、真似したい行動に応じて、一人が複数名のロールモデルをお手本として持つ場合もあります。
当初ロールモデルは、マネージャー職など管理職につく人々の間で「この人のリーダーリップの取り方は真似したほうがいい」というような見方で、ロールモデルという概念に注目が集まっていた時期がありました。
最近のビジネスの現場では、強みを求める実務スキルだけではなく、特に新卒や新入社員にとっては、仕事への向き合い方や、会社での立ち居振る舞い、ワークライフバランスに至るまで、ロールモデルから得られる情報は大きなものとなります。
女性の人材活用においても、まだまだ男性社員の数が圧倒的に多い日本の企業風土では、「育児と仕事の両立はどのようにすべきか」「女性管理職になったら、どんな業務が待っているのか」などの生きた情報が手に入るので、女性のロールモデルが効果を発揮すると考えられています。
ロールモデルが存在することによって、組織が活性化するというメリットがあります。
近年、社員同士のコミュニケーションが希薄になっていると言われていますが、社員各自が、ロールモデルを見つけ、社内で「真似したい、お手本にしたい」と思える存在を持つことで、より積極的に業務に関わるようになると期待されます。
また、自分もそのように誰かのお手本になる、あるいはなりたいと意識することで、より能力を発揮し、活き活きとした職場、組織がつくられていきます。
ロールモデルを持ち、社員同士の交流が活発化し、組織が活性化すると、会社への愛着も芽生えていきます。帰属意識が生まれることで、定着率の向上、離職率の低下などのデータ上での成果も見込めるでしょう。
役職 | 要件 | 説明 |
|---|---|---|
新人社員(若手社員) | 熱意と積極性 | 自ら進んで学び、新しいことに挑戦する姿勢 |
コミュニケーション能力 | 上司や同僚との円滑なやり取り | |
自己管理能力 | 時間管理やタスクの優先順位を守り、効率的に業務を遂行する能力 | |
中堅社員 | 専門知識とスキル | 専門分野での確かな知識と技術を持ち、他の社員に指導できる能力 |
チームワーク | 周囲との協力を大切にする姿勢 | |
問題解決能力 | 業務上の課題に対して適切な解決策を提案し、実行に移せる能力 | |
ベテラン社員(管理職) | リーダーシップとビジョン | チームを引っ張り、方向性を示し、メンバーを鼓舞する力 |
意思決定力 | 会社の方針や戦略に基づき、迅速かつ適切な判断ができる能力 | |
社員育成 | 若手社員や中堅社員の成長を支援する姿勢 |
このような要件を基に、適切な人物を選定し、ロールモデルとして紹介することで、社員全体の成長と組織の活性化を図ります。
ロールモデルを効果的に活用するためには、企業全体で組織的に取り組むことが重要です。ここでは、その中でも重要なメンター制度とブラザーシスター制度の活用方法について詳しく見ていきます。
メンターは、直属の上司とは別に存在する必要があります。直属の上司では、指示を受ける・従うという上下関係になりがちですが、メンターの場合は、他部署の先輩など、直接な利害見解を避け、より仕事上や長い目でのキャリア上など幅広い悩みを相談できたり、問題解決を話し合うなど、広範囲のコミュニケーションを取るということが目的とされています。
メンター制度を導入するには、メンターとメンティーを選定し、適切にマッチングします。事前研修を行い、制度の内容を理解させた上でスタートし、フィードバックや成功事例を社内で共有します。
業務時間内で行うため、部署の上司の理解と協力が必要です。過去にメンティを経験した社員が、今度は自分がメンターになって、次のメンティを指導するという「メンタリング・チェイン」という仕組みを導入している企業もあります。メンタリング・チェインを導入することで、好循環を生み出し、社内のコミュニケーションを活性化させます。
参考>>>厚生労働省 メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル
ブラザーシスター制度もロールモデルを持つのに役立ちます。ブラザーシスター制度は、主に新入社員に対して、同じ部署の先輩社員が、仕事に対するアプローチを指導したり、問題解決について一緒に考えたり、悩みの相談を聞いたりする制度です。
ブラザーは男性の指導役、シスターは女性の指導役のことを指しています。一部のデータでは、「3年以内に離職する新卒社員は3割以上」という研究もあり、ブラザーシスター制度は主に新入社員の早期離職を防ぐことに貢献します。
メンター制度やブラザーシスター制度は、社員に満足度が高く、浸透すれば「自分からメンター、もしくはブラザー(シスター)になりたい」という積極的な希望者が増えることがあります。しかし、マンツーマンの対応が必要となるため、フォローやサポートが欠かせず、人事担当部署の業務負担も増加するため、すぐに導入しにくい状況もあります。
一方、ロールモデルは一人のスキルを多数の社員が学び、活かすことができ、人数に制約がないことが特徴です。まずはロールモデルの導入から始め、現場の課題や要望に応じてメンター制度やブラザーシスター制度に展開していくことが、実践しやすいアプローチとなります。
内容 | 詳細 | 利点 | 課題 |
|---|---|---|---|
メンター制度 | 経験豊富な先輩社員が他部署の後輩社員を指導し、広範囲の悩みを支援する制度 | ・社員の成長を促進、相談やアドバイスを通じて社員の満足度を向上させる ・幅広い悩みを相談できる環境の提供ができる | ・マンツーマン対応のためフォローやサポートが必要で、人事担当部署の業務増加 |
ブラザーシスター制度 | 新入社員に同部署の先輩が指導し、早期離職防止に貢献する制度 | ・新入社員の早期離職を防ぐことができる ・同部署内での指導で迅速な対応が可能になる | ・フォローやサポートだけでなく、導入に際して指導役の選定や研修が必要 |
ロールモデル | 各部門で選定したロールモデルのスキルを多数の社員が学ぶ制度 | ・一人のロールモデルのスキルを多数の社員が真似できるため、人数に制約がない | ・導入当初は認知度向上が必要 ・現場の課題や要望に応じた対応が必要 |
参考>>>ブラザーシスター制度とは?早期離職防止に効果的な事例や制度導入のステップについて解説
ロールモデルは、女性の就業において特にメリットを発揮すると考えられています。日本の企業風土では、男女の就業機会はまだ平等とは言えず、先進国の中でも女性管理職の比率が低いことが知られています。これは、女性には妊娠・出産や家庭との両立への負担感が強いためです。
女性がロールモデルを持つことで、「あの人のようにやってみよう」と前例を知り、アドバイスをもらうことで、新しい仕事に挑戦しやすくなり、定着率が上がる効果が見られます。女性管理職が増えにくい理由として、「ロールモデルがいないからだ」と指摘する声もあります。
女性には仕事を続けたいという希望があっても、「わざわざ管理職になりたくない」「実務に加えてマネジメントまでは引き受けたくない」と思う場合が見られます。これは、女性管理職の前例が少なく、マネジメントに対する情報が行き渡っていないためです。
そのような女性たちが同じ女性のロールモデルから「管理職の魅力」「マネジメントが自分の成長につながるか」などを直接聞き、アドバイスを受けることは非常に有効です。ロールモデルの生の声を聞くことで、女性たちに安心感や意欲が生まれると期待できます。女性管理職の増加は、企業全体の成長にも寄与するでしょう。
また、社内で女性管理者が過去にいなかったなど、「ロールモデルとなるべき人材が、社内でどうしても見つからない」という場合があるでしょう。
その場合は関係会社など、社外にそのようなロールモデルを見つけ、講師として招き研修を行うのが良いでしょう。相手先を訪問して話を聞かせてもらうことも、社内の意識の改善や現状の問題発見につながります。
また、会社として、「どんなロールモデルをお手本にしてもらいたいか」という指針を持つことも大切です。「今はロールモデルになり得る社員がいない」という場合でも、「ゆくゆくは後輩のお手本になってもらえるように」新入社員や若手社員を育成するという意識が、将来の人材への投資として必要でしょう。
参考>>>全労済協会 若者のキャリア形成における社会関係の役割
ロールモデルやメンター制度は、すぐに目に見える効果があるわけではありません。しかし、社内の活性化、業績向上につながる点などを伝え、長期的な視点で取り入れることが重要です。
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