新入社員受け入れの準備まとめ:必要書類チェックリストから若者の特徴も解説

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新入社員の特徴とは

社会人未経験のため、会社の風土に慣れていない

新入社員であれば、当然社内の風土に不慣れです。先輩や上司にとっては「これぐらい知っていて当たり前」ということでも、新入社員の目には「異文化のもの」と映っています。 新入社員と同じ目線に立つこと、丁寧に説明するという意識を持ち、彼らが納得しスムーズに環境に馴染めるように誘導することが大切です。

世代の違う人とのコミュニケーションに慣れていない

新卒社員の場合、学生時代は同世代とだけ交流していたという若者も多いでしょう。また、核家族も増えているため、自分の親以外の大人の考えに触れるという機会も少なくなっています。 アルバイトやインターンシップで多少身につく場合もありますが、上司との縦の関係も、まだまだ不慣れです。 敬語などのビジネスマナーも最初から完璧であるという人はあまりいないと考えましょう。

答えを必要とする

新卒社員であれば、つい最近まで学生という立場にありました。勉強であれば正しい答えがあり、それを求めればよい成績が得られるという環境にいた若者にとって、「ビジネスに正解はない」と聞いたことはあっても、肌で感じたことはありません。 ベストな決断を求めて取捨選択するという姿勢は、まだ身についていないと言えるでしょう。自ら考えさせ、試行錯誤する機会を設けることも、新入社員の受け入れ期間には必要です。

直接的なコミュニケーションが苦手

現代の若者の特徴として、インターネットやSNSの普及により、手軽に自分の意見を投稿できる時代である一方、面と向かって他人と議論を交わすなどの経験は不足しがちです。 直接的なコミュニケーションが苦手で、会話の表現が至らない面もみられます。特に面と向かって怒られたくないという気持ちがあるでしょう。 厳しすぎる叱責などは避けながら、「目的」や「理由」を説明しながらじっくりとコミュニケーションをとっていくことがおすすめです。

プライベートも重視したい

公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が、平成30年度新入社員1644人を対象に行った意識調査アンケートによると、「楽しい生活をしたい」(41.1%)が過去最高水準で最も多く、続く「経済的に豊かな生活を送りたい」が(30.4%)で過去最高を更新したとのことです。 プライベートや自分の生活を重視する一方、「自分の能力をためす」は過去最低の10.0%、「社会に役立つ」(8.8%)も、昨年度に比較して減少しているといいます。 「デートか残業か」という質問では、「残業」が(68.5%)で「デート」は(30.9%)と、「デート派」も昨年度より増加傾向にあるようです。 参考元:https://activity.jpc-net.jp/detail/mcd/activity001538.html

今の会社に執着していない

終身雇用制度だった時代と異なり、新卒で入社する会社を「一生働き続ける場所」ととらえている若者は多くない傾向にあります。 売り手市場で、就職活動も大きな苦労が無かった若者も多く、働き方改革などで、テレワークなど自由な働き方もメディアで取り上げられており、出世や管理職への志望も、以前より減少していいます。 前述の公益財団法人日本生産性本部の調査によれば、「どのポストまで昇進したいか」という質問では、「社長」が過去最低(10.3%)で、過去最高だった「主任・班長」の10.4%を下回っています。 また、過去最高水準の「どうでもよい」(17.4%)が、これまで一番多かった「専門職」(16.5%)を抜いて、平成30年度は一番多かったそうです。 そういった社員に接する場合は、旧来の会社への帰属意識を強要するのではなく、チームワーク、仲間意識といった入りやすい概念から交流を図っていくと良いでしょう。 お役立ち資料「早期離職を防ぐための3つのポイント」はこちら

新入社員受け入れのために準備すべきこと

1.働く環境の準備

新入社員を受け入れるにあたって、勤務環境の整備、物品の準備等が必要です。新社会人としてスタートする彼らにとって、新人の時期はこれから働く会社から受ける最初の印象となるので、不足なく準備しましょう。
物品チェックリスト ・PC ・メールアドレス ・社内イントラネット、クラウドサービス等のアカウント ・名刺 ・デスクと椅子 ・社員証や社章 ・文房具などの消耗品 ・ロッカーや個人の荷物を収納できる場所 ・業種により、会社用携帯電話 ・業種により、制服など規定の服装

2.入社手続き

入社手続きには、様々な書類が必要となります。企業から新入社員に渡すもの、反対に受け取らなければならないものがあります。

労働契約書

たとえば、労働条件通知書では、労働条件の明示(労基法第15条) 企業が労働者を採用するときは、賃金や労働時間その他の労働条件を明示する必要があります。労働条件のうち特に賃金に関する事項等5項目については書面で明示しなければならないと法で定められています。
“①労働契約の期間 ②就業の場所・従事する業務の内容 ③始業・終業時刻、所定労働時間を 超える労働の有無、休憩時間、休 日、休暇、交代制勤務をさせる場 合は就業時転換に関する事項 ④賃金の決定・計算・支払いの方法、 賃金の締め切り・支払いの時期に 関する事項 ⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)” 引用元;厚生労働省資料https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/10/dl/tp1023-1h_0003.pdf
これ以外の項目は、口頭の明示でもよいとされています。例えば、昇給に関する事項、臨時に支払われる賃金・賞与などは必ずしも書面に落とす必要はありません。

雇用契約書

雇用契約書とは、民法および労働契約法により、使用者と労働者の間の合意確認を書面に作成します。内容は、就業形態、就業時間、仕事の内容、賃金、休日、保険などについて記載します。 民法上は、合意があれば口頭でも成立するため、必ずしも契約書を作成し、署名・押印を求めなければならないというわけではありませんが、労働基準法では労働者保護の観点から、書面を作成することが望ましいとされています。書面の控えを使用者・労働者お互いに保管します。 労働条件通知書と雇用契約書は記載内容が似ています。労働条件通知書は、企業が新入社員に一方的に渡すものという位置づけですが、雇用契約書ではより丁寧にお互いの合意を確認し、書面を双方が所持する点が異なります。

3.新入社員から受け取る書類等の準備

新入社員に準備してもらう書面として、下記のようなものがあります。
・誓約書 ・秘密保持に関する誓約書 ・年金手帳 ・給与の振込先口座 ・健康診断書 ・住民票記載事項証明 ・身元保証誓約書 ・マイナンバー ・最終学校卒業証明書 ・資格の免許証
誓約書は、入社を誓約する書類です。新入社員が入社に同意したことを示すためのもので、採用通知書を送付する際に、同封している場合が多いでしょう。 秘密保持に関する誓約書は、企業の製品情報や顧客情報など社外に漏えいしないことを書面で誓約してもらう書面です。 健康診断書は、労働安全衛生法第66条により、企業が社員に健康診断を受けさせる義務があるとされています。入社前に健康診断を受け、診断書を求めておくケースもあるので、その場合事前に提出をしてもらいます。 身元保証誓約書とは、企業により入社後に新入社員が企業に損害を与え、賠償が必要になった場合、連帯して責任を負う保証人に書いてもらう書面です。捺印、自筆の署名が必要となります。

4.行政機関などに提出が必要な書類等の準備

・健康保険資格取得手続き ・雇用保険資格取得届 ・給与・住民税に関する申告
などを準備する必要があります。

5.新入社員研修の準備

ビジネスマナー、社風や社内システムについて学ぶこと、実際の業務知識などはもちろん、社員との親睦を深めることも研修の目的です。 研修は社内独自に行うのか、研修企画業者に依頼する方法もあります。外部に依頼する際はコストは掛かるものの、内容の検討、資料作成や場所の確保などの手間を抑えられるというメリットもあります。

新入社員受け入れで注意すべきこと

分からないことを常に質問しやすい雰囲気づくり

新入社員に教えるべきことは山ほどあります。研修中は、会社側、上司側がレクチャーをする機会がどうしても大半になるため、情報が一方的になる場合があります。 また、現場の人間が多忙であり、なかなか声をかけにくいということもあるでしょう。意識的に新入社員に質問を促し、「何が分からないか」「どこまで理解できたのか」をチェックするとよいでしょう。

意見に耳を傾ける

新人ならではのストレートな質問、斬新な意見も出てくると予想されますが、奇抜な意見であり、役に立たないと無下に扱うのはマイナスです。 今まで外の人間だった新入社員から見て、社内に違和感を感じたり、「もっとこうしたほうがよい」という意見が出てくるのはむしろ自然で好ましいことです。 固定観念に縛られず、彼らの意見に耳を傾けることを意識しましょう。意見が言いにくい風潮だと最初に新人が感じてしまうと、せっかくのやる気あふれる新人時代に委縮してしまい、モチベーションが下がる原因となります。

相談できる受け皿を用意する

直属の上司以外に、新入社員が相談できる人員を配置することよいでしょう。新入社員の指導役を設ける制度を「ブラザー・シスター制度」といいます。 仕事の進め方や、ビジネスマナー、ワークライフバランスなど、幅広い悩みを相談できる先輩役を公募し、新入社員のサポートを任せる制度です。 新入社員の入社後3年間の離職率は30%以上と言われていますが、このような受け皿を用意することで、会社への信頼度・帰属意識も高まるはずです。 参考記事:ブラザーシスター制度とは?早期離職防止に効果的な事例や 制度導入のステップについて解説

新入社員向けに行う企業の取り組み例

日置電機株式会社の寺合宿

長野県上田市に本社を置く電気計測機メーカーの日置電機株式会社。1935年の創業という老舗企業ですが、経営理念として「人間性の尊重」と「社会への貢献」を掲げています。また、「学生から社会人への変化」がスムーズに行えるように研修制度も練られたものとなっています。 新入社員はお寺での2泊3日の合宿研修で、仲間意識を育て、同期の絆を高めます。その後、1〜3カ月の現場研修を経て、部署によっては3カ月間の研修で一から製品をつくり上げる経験を得ることができます。 各部署に配属後は2年間にわたり、「HIOKI社員」としての仕事の仕方を学びます。そのほか、茶道や華道を学べる「一般教養研修」や「社会貢献活動体験」を提供するなど、充実した研修内容となっています。 参考:産労総合研究所 https://www.e-sanro.net/jirei/freshman/

株式会社オールハーツカンパニーの「100日日報」

株式会社オールハーツカンパニーでは、自社の採用ポリシー「世界に一人のあなたと一緒に働きたい」に共感して入社してくれた新入社員が、入社後にギャップを感じないよう、「100日日報」という取り組みを行なっています。入社後100日間、新入社員が毎日日報を提出するというもので、価値観のすり合わせや不安の軽減を行います。 日報提出率と本人の自己評価でグラフも作っており、従業員の離職予測をして、フォローやケアにつなげています。 >>株式会社オールハーツカンパニーの取り組みの詳細を見る

三菱電機ビルテクノサービス株式会社

三菱電機製のエレベーター・エスカレーターの保守・メンテナンスを行う三菱電機ビルテクノサービス株式会社では、「人を大切にする会社」をモットーに、新入社員に研修を行っています。 まず入社時には、約3カ月間の寮生活を通じ、先輩社員が、研修の講師を務めながら寝食をともにし、生活面もアドバイスを行います。先輩社員も研修を通じて成長でき、お互いに育て合うことを目指しています。 その後配属先では、「育成責任者」と、実際に業務を指導する「OJTトレーナー」をそれぞれ設定し、計画案にそって育成を進めます。技術系は5年、事務系は3年という時間を掛け、一人前にするという方針を持っています。

「森と湖の楽園」チームビルディング研修

富士の河口湖に「森と湖の楽園」という、アスレチックやキャンプ場、自然暮らしの体験施設があり、企業の研修でも利用されています。都市での日常から離れて、仲間と本音でぶつかり合い、達成感を共有できるとされています。 1泊2日の研修プログラムでは、キャンプファイアーのための焚火づくり、ピザづくりなどの体験や、目の見えている人の指示に沿って目隠しをしたメンバーでテントを張るという「ブラインドテント」というアクティビティも体験し、チームとして行動する大切さを学びます。

新入社員受け入れの時期が、ミスマッチを防ぐ大事なタイミング

入社初日の対応で本人のやる気にも影響する

人手不足が叫ばれる中、採用活動をして獲得した新入社員がすぐに辞めてしまうと様々なコストが無駄になってしまいます。彼らの性質を知り、受け入れ方法を工夫することで、定着率の向上にもプラスになるでしょう。 そのためには新入社員受け入れ時の対応フローや研修内容も常にブラッシュアップしていく必要があります。研修を受けた新入社員にアンケートをとったりヒアリングを行い、常に改善していきましょう。 ▼こちらの記事もおすすめです リアリティショックとは? 4つの要因や対策、事例2選を紹介

「TUNAG(ツナグ)」で新入社員とのコミュニケーションやフォローに取り組みませんか?

TUNAG(ツナグ)は、入社した従業員との1on1ミーティングを実施したり、日報を通してみんなで新入社員をフォローしたり、マニュアルを整備して新入社員の早期戦力化を実施できます。内定者時代からTUNAG(ツナグ)を通して会社のことを知ってもらうという取り組み事例もあります。

また、情報共有やコミュニケーション促進などを実施できるだけでなく、経営理念や行動指針の浸透など、あらゆる施策を行うことができます。

新入社員の受け入れを改善し、ミスマッチを防ぎたいという方は、ぜひ一度資料をご覧ください。

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